税理士は資格職です。そして、いわゆる「士業」と言われる社会的地位が高い職業なためか、税理士になりたいという人は多いです。

しかし、税理士になるためには多くのハードルが待ち受けています。まずは、税理士の資格を取得するという最大のハードルを越えなければなりません。そして、資格があったとしても、未経験から税理士として就職するのは意外と難しいです。

まして、30代、40代になってから税理士に転身する人は、困難な道であることを覚悟しなければなりません。ここでは、資格なしから税理士になりたいという30代から40代の人と、資格がある人にそれぞれやってほしい努力についてお話しします。

税理士になるために、ぜひ、試してみてほしいと思います。

資格なしから始めるあなたへ

税理士になるためには、資格が絶対に必要です。そして、会計士などと同様に、取得するのがとても難しい資格です。しかも、20代の頃に資格を取得するのとは違い、30代から40代で仕事をしながら勉強するのは至難の業でしょう。

この大きなハードルを越えていくためにはどうしたら良いのか、無駄なく努力するための方法をお話しします。

税理士資格の情報を収集する

「この年で資格を取るためには、死ぬ気で勉強するしかないだろう」と思う人は多いのではないでしょうか?

確かに、死ぬ気で勉強する必要はあります。しかし、いきなり何の計画もなしに勉強を始めるべきではありません。まずは、情報収集です。

税理士試験を受験するためには、受験資格が必要です。ここでは詳しくお話ししませんが、経済や法律系を大学や短大で専攻していたり、経理関係の実務を規定年数経験強いたりすればまず問題ありません。そうでない場合は、簿記一級などの難しい資格を取得しなければならないのです。

しかも、一般的に税理士資格取得のための勉強期間は、学生なら2、3年、社会人なら3、4年はかかると言われています。それなのに、いきなり何の考えもなく会社を辞め、「死ぬ気で勉強だ!」などと言っても成功する確率はかなり低いのです。

「死ぬ気で勉強」を始める前に、まずは、どんな科目があるのか、どの科目を勉強すれば良いのか、効率の良い勉強法は何か、良いテキストやスクールはあるのか、など、具体的なことを調査しましょう。

「社会人になってから税理士資格を取る人」のコミュニティなどもあると思います。そんなコミュニティを活用して情報収取をするのも良い方法です。
あらゆる手段を使って、情報を集めてください。

お金を貯めて計画を立てる

どんなことをするにもお金は必要ですが、資格を取得するためにももちろんお金が要ります。
当面の生活費や、資格取得のためのテキストを買う、または、スクールに通うためのお金が必要です。

学生の頃は、全て親が工面してくれたでしょう。親が通わせてくれた大学や短大で普通に単位を取得していけば、受験資格を得られたかもしれませんし、予備校に通えば誰かが勉強を教えてくれたでしょう。

しかし、社会人になったらすべてのことを自分でお膳立てしなければなりません。
そのために、まずは「貯蓄」です。

基本的には、最初は会社を辞めずに、今の職場で働き続けるという選択肢は残しておくことをおすすめします。もし、資格取得に失敗してしまったらということを考えておく必要がありますし、資格の勉強を続けるためにお金が必要だからです。

しかも、勉強に必要な期間は、働きながらだと3,4年、勉強に専念できても2,3年はかかると言われています。その間に生活しなければならないので、まずは、仕事を辞めるべきではないでしょう。

そして、勉強の計画を立てます。調べておいた勉強すべき科目や勉強方法、勉強量などから、いつまでにこのテキストを終わらせる、この科目はいつまでにマスターする、などという計画を立てましょう。

ざっくりと「3年以内に資格を取る!」という目標があるだけでは、その目標を達成するのは難しいはずです。仕事のスケジュールを立てる時と同じように、何か月かに一つマイルストーンを置き、さらに、そのマイルストーンを達成するための細かい計画をその都度立てるようにしましょう。

自分への投資は惜しまない

資格を取得する手段には、いろいろなものがあります。
自分でテキストを買って独学で学ぶのが一番コストは低いですが、それなりの困難が伴います。お金はかかりますが、スクールに通ったり通信教育を利用したりすれば、勉強ははかどります。

社会人でしっかりお金を貯めているのであれば、このような自分への投資は惜しむべきではありません。その代わり、やると決めたらしっかりと取り組むべきです。

親にお金を払ってもらって通っていた大学や予備校では、「どうせタダなんだから」とまじめに勉強しなかった人もいると思います。しかし、身銭を切って通うスクールだったら、「一円でも無駄にしたくない!」と頑張って勉強できるはずです。

死ぬ気で勉強する

情報を収集し、計画を立て、自分への投資をしたら、あとはもう「死ぬ気で勉強する」だけです。とは言っても、いろいろな情報や知識を総動員して「効率の良い勉強方法」をいかに見つけられるか、ということが社会人の資格取得にはとても大事なことです。ただがむしゃらに勉強をすればよい、というものではありません。

どのスクールが良いのか、どのテキストが良いのか、どんな勉強法が効率が良いのかなど、しっかりと吟味したうえで、これと決めた勉強法をとことんやってみてください。

また、社会人の勉強で一番大きな問題が、「勉強時間の少なさ」ではないでしょうか。
普段は仕事をしていますから、勉強時間を取るならプライベートの時間を削るしかありません。
しかし、ここも工夫の余地があります。
朝早起きしてカフェなどで「朝活」をする、通勤時間を活用するなど、いろいろな方法があると思います。

プライベートの時間を削ると、リフレッシュすることができず、ストレスが溜まることもあるかもしれません。そんな時は、思い切りリフレッシュする時間を取って、頭を切り替えるなどの工夫も必要でしょう。

資格を持っていて未経験で転職したいあなたへ

努力して税理士資格を取得できた人、または、過去にすでに資格を取得した人は、就職先を探さなければなりません。税理士は「資格を持っていれば、すぐに転職できる」というものでもありません。結局、経験が重視されるからです。

そのため、未経験から税理士になるためには困難が伴いますが、30代、40代ならではの戦い方があります。ここでは、それをご紹介します。

一般企業で経理を経験する

「未経験であることが不利ならば、経験を積めば良い」、ということで、まずは税理士の仕事の経験を身につけるという手があります。若いうちは、税理士事務所にアルバイトをして経験するという人も多いのですが、30代、40代で仕事を辞め、アルバイトをするというのもなかなか勇気がいることです。

そのため、一般企業に経理として転職し、経理の仕事の経験を積むという方法がおすすめです。税理士資格があれば、一般企業からは引く手あまたですから、比較的簡単に転職できるでしょう。そこで、経験を積むことで、未経験では難しかった税理士事務所へ転職がやりやすくなるはずです。

過去の経験を生かす

30代、40代の転職希望者なら、新卒者にはない様々な経験があります。それを武器にするべきです。基本的な社会人経験はもちろん、高い営業手腕や文書の作成などの事務処理能力といった仕事の経験をアピールすべきです。

特に、税理士の仕事に関係する業種や職種の仕事経験はもちろん、営業経験がある場合は、しっかりとアピールしましょう。税理士の仕事は、企業や個人から税務関連の事務処理を一手に引き受けることです。そのため、顧客を取ってくるのはとても重要なことなのです。しっかりと営業活動をして顧客を引き付けておかなければ、仕事は成り立ちません。そのため、特に営業経験が豊富なことは、高いアピールポイントにつながります。

その点で新卒者よりも、何年も社会経験を積んだ30代40代の方にアドバンテージがあります。そこは、思う存分アピールしてください。

便利な転職ツールを活用する

未経験からの転職を果たすためには、税理士になる場合に限らずいろいろなテクニックやノウハウが必要です。未経験でも受ける企業とアピール方法を間違わなければ、スムーズに転職できることがあるのです。

まず、仕事経験を重視する求人は狙わないことです。とは言っても、税理士事務所では経験者を優遇することが多いため、難しいかもしれません。その中でも、少しでも未経験者を取ってくれるところを探す必要があります。そのために必要なのが、多くの求人を見ることです。

ですから、大手の転職サイトや転職エージェントを利用することをおすすめします。大手サイトやエージェントなら、登録されている求人数は多く、また、非公開求人も豊富です。そのため、出会える求人がかなり多いはずです。

また、転職エージェントを利用することで、未経験でもOKな求人をきっちり探し出してきてくれます。

このように、いろいろな転職をスムーズにするためのツールが存在しますから、どんどん活用すべきです。

決してあきらめない

最後に、「決してあきらめない」ということが肝心です。未経験でしかも年齢が進んでいるという場合、多くの税理士事務所から蹴られたという話はよく聞きます。

しかし、決してあきらめないでください。未経験からの事務所への転職が無理なら、一般企業で経験を身につける、転職エージェントを活用する、などのいろいろな方法があるはずです。それらの方法をめげずに試してみてください。

そうすれば、きっと活路は開けるはずです。

まとめ

30代から40代になって未経験から税理士になりたいという人が努力すべきことについて、8つお話ししてきました。特に、未経験から資格を取って税理士になるということは、かなり難しいことです。しかし、社会人ならではの「知恵」を使って、困難を乗り越えてください。

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