出張!ハルオサンと借金玉の雨やどり人生相談室【第2回】

ハルオサンと借金玉の人生雨降り相談所のイラスト

借金玉の吹き出し

僕もこの原稿がどうしても書き上げられず、締め切りを越えての納品になってしまい、こういった「悪いのは間違いなく僕なのだけれど、でも僕も辛かったんです」みたいなことが人生にはよくあります。同情して欲しいわけじゃないけれど、かといってこの辛さをどこに持っていったらわからない。

雨の降る日にあなたは歩いていて、傘がない。人生って大体そんなものだと思います。いつだって何かは不足していて、どんな時も思った通りになんかいかなくて、それでも突き詰めて考えていったら悪いのは自分でしかない。僕らもそんな人生を生きて来ました。

どうも、借金玉です。今回もハルオサンのイラストともに皆さんの相談に応えていきましょう。それが何かの役に立つかはわからないけれど、あなたが少しだけ楽になったらいいなと思います。

質問1 雨やどり人生相談

昨年大学に入学しましたが、学問にもあまり興味が持てず友人も上手く作れないまま、ただ大学に行って単位を取るという生活です。学びたいことややりたいこともなく、毎日ただただ時間が流れていっているという焦りで何も手につきません。こんな時はどうしたらいいでしょうか?

ハルオサンが描いたイラスト0

借金玉の吹き出し

初めまして。自分がやっていることに意味が見いだせないことって結構ありますよね。ただ、質問者さんの場合問題なのは、それが焦りはあっても「苦痛」ではないということだと思います。多分、このまま行くと特になんの感慨もないまま大学を卒業して、風向きがよければ就職して…ということになるでしょう。

ところで、意味を感じられないことを淡々と続けられる。質問者さんの場合はちゃんと大学に通って単位を取っているわけですが、これって本当にすごいことだと思います。僕の人生にこの能力があったら、きっと今とは全然違う人生を生きているんじゃないかという確信があります。だから、まずは「あなたは素晴らしい」と言わせてください。

僕は意味や意義や楽しさが無い場所、あるいは苦しい場所からは大体逃げ出して来ました。その結果は良かったり悪かったり色々でしたが、30代も半ばに近づいて改めて思うこととしては、「とにかく続ける」ということはそれなりに価値があることです。大学であれば卒業すれば大卒の資格は得られる。砂を噛むように取得した単位も知識と能力には間違いなくなっています。

その上で、考えてみる必要があります。行動には目的が必要です、もちろん「逃避」そのものが目的であることも僕は否定しません。起業家に話を聞いてみると「サラリーマンが辛かった」なんて人はザラにいます。ただ、みんな「起業家も辛い」と言いますけどね。あなたが行動を起こすなら、大学を退学し再入学する、あるいは就職するということになると思いますが、それがしたいと思ったならあなたはやるべきだと思います。僕も実際大学を一つ辞めましたしね。

僕もこの年になると「意味も意義も感じられないが、続けておくと得すること」というのが社会には一定数存在するということがわかってきました。繰り返しになりますが、それをやれることの尊さも。だから、あなたはやりたいことをやっていい。しかし、やりたいことが見当たらないなら「とりあえず続けると得なことを続ける」のがいい。学費も払っているし、一応通えば学習も出来るのが大学ですから。

あなたは今、正解を選んでいます。焦らないでください。あなたの中に意思や目的が生まれるときまで、それでいいんです。少なくとも、あなたは大学生なのですから。最近インターネットでは「行動せよ」みたいなことを言う人たちがいます。それに乗っかって大学を辞めてしまった人さえ見かけました。でも、進む道が見えないなら意思を持ってその場にとどまることって、実はすごく大事なことです。あなたは間違っていません、焦らないでください。そして、あなたの中にあるものを一つ一つ取り出して埃を払って、仔細に検討してみた上で、あなたが選ぶ道を選びましょう。

良い旅を祈ります。

ハルオサンが描いた絵1

質問2 雨やどり人生相談

起業しましたが、上手く行かずこのままでは資金を失うだけで終わってしまいそうです。逆転の手などないとわかっているのですが、どうしても撤退の決断がつきません。どうか後押しをしてください。

ハルオサンガ描いた紙ヒコーキ

起業家が主に何をしているかというと、お金にプロペラをつけて空に向かって飛ばしている。僕は最近そんなことをよく考えるようになりました。結局、起業なんて大半は上手くいきません。僕も実にたくさんの他人のお金にプロペラをつけて空に向かって飛ばしたものです。あのお金、きっと今はどこか別の場所を流れているんだろうなぁとたまに虚無的な気持ちになることもあります。

さて、起業の撤退の決断がつかない理由というのは実にいっぱいあります。資金を失うだけで終わってしまいそう、ということはおそらく借金などはなさそうで、それでも撤退というのは本当に辛いものです。自分が「やる」と言って始めたことが「やれなかった」と世界に向かって打ち明けるようなものですからね。本当は教会で牧師さんとかが聞いてくれるようなお話だと思います。しかも、その後には無職になった自分が残る。本当に辛いですよね。だから、多くの人が「もうだめだ」というラインからずっと後退した「これ以上後ろはない」という場所で、撤退の決断ではなく全滅してしまいます。

僕も、実を言えば事業の撤退には失敗しました。もっと早く「自分の起業は失敗だった」と認められればどれだけのお金が残せたか、出資者の資金をどれだけ無駄に消尽してしまったか考えると未だに吐き気がしてきます。だから、ここに相談して「後押しをしてくれ」というあなたはとても素晴らしいと思います。

これは自分自身が会社をコカしてわかったことなんですが、色んな経営者が「自分実は過去にコケている」というお話をしてくれました。その中には「原因は自分有責の離婚」というどうコメントしていいかわからない話もありましたが、それでも結構みんなコケています。多くの取引先やお客様に不義理をし、勤め先従業員に申し訳ないと謝り、それでも彼らはまだ生きています。僕もそうです。

だから、誰がなんと言おうと僕はあなたが撤退の決断をすることを賞賛します。それが、社長の仕事であり、起業家の仕事です。それをきちんとやれたあなたは素晴らしいと、僕と同じような経験をした連中は言うでしょう。

さぁ、撤退しましょう。そしてそれでも嗚咽を噛み殺してこう言いましょう。
「次は上手くやります」。人生はいつだってそれしかありません。

質問3 雨やどり人生相談室

私はえらいてんちょうですが、子供がいじめられないか心配です

ハルオサンが描いたえらいてんちょう

池袋を代表する奇人にして、最近は「しょぼい起業で生きていく」を上梓しブイブイ言わせているえらいてんちょう氏から質問が届きました。えらいてんちょう氏のお子様とは僕も会ったことがあるんですが、ゼロ歳児にして大変聡明で目が会うとにっこりと笑う強力な社会性を有しており、「周囲のおっさんたちが30年かけても習得出来てないスキルを0歳で…」という驚きがありました。

親の職業で子どもがいじめられる、という概念に僕はあまりなじみがありません。というのも、僕はノーススラムと僕が勝手に呼ぶ地域の出身で、金持ちといえば公務員の子、あとは自営業か生活保護か反社の子というのが標準的だったからです。だから、親の職業で子がいじめられるというのは実感としてはわかりません。そんな原因でイジメが発生するには、イジメられやすい属性の親を持つ子供が多すぎた。

でも、実際問題を言うとそれはきっとあるだろうなと思います。子どもというのは違いに鋭敏で、子供の属する社会において「えらいてんちょう」という職業(職業?)が少数派であることはおそらく間違いありませんし、それに社会的理解がついてくることも考えにくいと言わざるを得ない。そして、えらいてんちょう氏はインターネットやメディアに露出し続けるし、それは「違う」ということと同時にある種のやっかみを産むものでもあるかもしれません。

そんな時どうすればいいか。いじめってとても怖くて、起きるときには起きてしまいます。居場所はたやすく失われ、社会との接点は家庭だけになる。僕もやはりいじめられがちな幼少期を送りましたが、その家庭も僕にとって居心地の良い場所ではなかったのでとても辛かったのを覚えています。でも、えらいてんちょうなら子供にとって居心地の良い家庭を作ってあげることはそれほど難しいことではないのでしょうか。

それともう一つ。学校に馴染めず、家庭にもなじめなかった僕を救ってくれたのは近所の喫茶店にたむろしていた「社会をよくする仕事をしている」おじさんたちでした。彼らは左派活動家崩れで、いい大学を出て政治活動に敗れた人たちでした。僕は子供のころからその喫茶店に出入りして、本を貸して貰ったり話し相手になってもらったりして本当にたくさんのことを教わりました。えらいてんちょうの経営しているイベントバーエデンに代表される、通称えらてんグループには、実に様々な「変な大人」が生息しています。うまく学校や社会に溶け込めなかった子供の居場所にぴったりではないでしょうか。

学校や社会に拒まれた子供にとって、社会と少し歩調の合わない話のわかる大人というのは本当に大きな救いになります。そういうわけで、説得力氏には何の心配もないと思います。この「説得力氏」というのは子供を持たない主義の僕が、0歳の彼がニコニコ笑いながら近づいてきた時、そのあまりの存在感と愛らしさに「『子供はいいぞ』という説得力が近づいてくる!」と悲鳴を上げたところから命名されたものです。

社会は難しくて、いつも色んな苦しさがあります。でも、そこから少し外れても生きていける。時には少し外れた人たちそのものが救いになることもある。僕もハルオサンもえらいてんちょうもそういう人でありたいなと思っているところがあります。

人生は長くて辛い、残念ながら明日は来る。でも、社会で上手くやれなかった僕らもなんとか生きています。あなたもなんとか生きていきましょう。あなたの明日が良い日であることを心から祈っています。さぁ、やっていきましょう。

 

えらいてんちょうに本を宣伝しろと言われたのでステルスしないマーケットです。僕も対談で出ていますので、対談部分だけでも読んでください。 ↓ ↓

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