不安9割:ワクワク1割

ベトナム赴任が決まった瞬間から日本を飛び立つ瞬間までの私はこんな状態でした。

十数年前に外国語大学を卒業して以来、ずっと英語で稼いできた私ですが、海外駐在経験は30代後半の今ここベトナムが初めてです。今年の8月半ばにベトナム行きが決定し、9月の頭からベトナムで生活をはじめ、9月の半ばからこちらでの仕事も本格的に始まりました。

渡航前には大きな不安を経験した私なので、今同じような状態にある方の不安をすこしでも解消する助けになればと思い、この記事を書いています。

ベトナムでの生活が始まって1ヶ月。
今読者の皆さんに私が断言できることは、「渡航前の不安は、渡航してしまえば全て解決される」という事です。
なぜそんなことを断言できるのか?
もちろん「解消された」と言える状態を今の私が経験しているからですが、その解決の形は様々です。色んなパターンがあります。その辺りについて、具体例と共に紹介していきたいと思います。

ベトナム語・日本語・英語


海外駐在を前にして、日本語が通じない環境に身を置く事に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。「私は英語がしゃべれない」と思っている方ならその不安はさらに大きいことでしょう。私は運よく英語が問題なく使えますが、それでも「英語が通じなかったらどうしよう」と言う不安がありました。

しかし現地に着いてみて気づいたのは、それが完全に取り越し苦労だったという事です。日常生活を具体的に想像すると、その理由がきっとわかります。

普段の生活の中で地元のベトナム人の方と言葉を交わすのはどこでしょう?
レストランやコンビニやスーパーやショップで店員さんと交わすのが大半だと思います。
そう言った場所の店員さんは大半が10代から20代の若者です。
当たり前ですが、ベトナムでは私の方が外国人側。ほとんどの店員さんは少し緊張気味にそして少し照れながら、外国人である私に英語でコミュニケーションを取ろうとしてくれます。そして、口頭ではコミュニケーションがむずかしいと判断すると、即座にスマホを取り出して翻訳アプリを開き、伝えたい事をベトナム語で打って、英語の訳を見せてくれるのです。伝えたい事があれば、こちらもスマホを取り出し、翻訳アプリを使って返事をする。そんな風にしてどうにか会話が成立していくのです。
しかも、そんな対応が必要になるのは、すこし込み入った会話が必要な場面のみ。普通に注文をしたり買ったりする場面では、欲しいものを指で指し示したら、十分に分かり合えます。「目は口ほどにものを言う」と言いますがまさにその通りで、少ないボキャブラリーでも大きめのアクションと表情で意思疎通は十分にできるものでした。タクシードライバーさんとのコミュニケーションでも、行先の地図と住所をスマホで見せれば、たいがいわかってくれます。乗車後もそのまま地図を開いていれば、どこに向かっているかもわかって安心です。

渡航前は、自分の語学力を悲観して不安を掻き立てがちですが、コミュニケーションには必ず相手がいます。渡航後に気づいたのは、相手も自分と同様に、あの手この手で意思疎通をはかろうとしてくれるという事でした。このようにして、言葉の問題は解決されると言う事に気づいたのでした。

ベトナム人と日本人が一緒に働くには?

しかし、仕事となると話は別です。仕事の場面では、込み入った会話の連続になります。地元のベトナム人の方の手助けが必ず必要になります。

そうなると、「信頼できるベトナム人パートナーをどうやってみつければいいか」という点が問題になってきます。その点については、日本人が経営するホテルのロビーなどに行けば、日本語で書かれた地元の情報誌が無料で手に入ります。人材紹介会社の情報もたくさん掲載されているので、ベトナム人のパートナーやスタッフを見つける事に苦労はないでしょう。

「簡単に見つけられても、その人が信頼できるかが問題だ。」
この点についてはどうでしょうか。信頼は紹介を受けた後に一緒に築き上げていくものだと思います。「日本人ならこうする」とか「ベトナム人はなぜこうしてしまうのか」という視点からいったん離れて、一人の人間として一人の人間と信頼関係を築く上で大切だと思う事を実践する事に集中しましょう。郷に入っては郷に一度従ってみる。その上で自分の感想をフィードバックする。そういう経験を繰り返す事で、相性の良し悪しも見えてきて、付き合い方もわかってくると思います。

ベトナムに限らず海外に行くと、ステレオタイプに囚われがちになるかと思いますが、そうする事が得策とは思えません。むしろこういったステレオタイプを自覚して丁寧にやり過ごすことで、パートナーと信頼関係を築いていけるんだと思います。

ベトナム料理・日本料理・日本の食材


次は食事について見ていきましょう。
食事についても不安を感じている方は多いかもしれません。
「ベトナムの食べ物が口に合うかどうか」とか「日本食が恋しくなった時どうしよう」とか。
この点、ホーチミンであれば、とりあえずどうにかなります。ホーチミンの1区にあるレタントンと呼ばれる通りは日本人街と呼ばれています。居酒屋も寿司屋もラーメン屋もお好み焼き屋も何でもあります。ピザもパスタもフレンチもステーキもインド料理も何でも食べられます。日本でなじみのあるコンビニもありますし、日本食材を専門に取り扱う小型のスーパーも徒歩10分圏内に何件かあります。ベトナム料理に馴染めなかったとしても、ベトナム料理もいいけどたまには日本食が恋しくなったとしても、対策はすぐそこにあるのです。

ただし、高いのを我慢すればです。ほとんどの日本食材は「日本では半分の値段で買える!」という値段で売られています。また、日本食も含めて外国人観光客を相手にしているようなレストランでは、地元での外食の相場の2倍は取られているのかなという印象です。なので、この点については、荷造りをする際に買いに行く時間とスペースをしっかりを確保して、普段無性に食べたくなるものを日本から持ち込む様にするのがいいでしょう。

ベトナム料理がもともと好きな方にとっては、日本の半額以下で食べられるのでまさにパラダイスでしょう。私自身は「パクチーは大好き、すっぱ甘い味と辛いものは全般的に苦手」という状態でベトナムに来ました。なので、ベトナム料理は五分五分だと思っていました。ベトナムに着いた当初は「苦手。。。」と思うタイミングの方が多かったのですが、驚くべきことに3回くらい食べたころからだんだんおいしさを感じるようになってきました。予想外の順応性が現れたパターンでした。

ベトナムでの服装


移住前の荷造りの段階で荷物の大半を占めるのは、衣料品だと思います。
ベトナムでは何を着ればいいのか、そのために何を持っていけばいいのか、私もずいぶん悩みました。
快適さのためには天候にあったものを、そしてファッション的に「浮かない」ものを着ていたい。
快適さの面では、日本の8月に着ていた服を中心に持っていけば、ホーチミンでは季節に合っていて問題ないと思います。
ファッション性の面ではどうでしょう?
ホーチミンの中心街を歩いていてパッと目につく印象は「とにかく若者が多くて、みんなオシャレを楽しんでいる」というものです。流行のアイテムを躊躇なく積極的に取り入れている印象。年齢にかかわらず、全体的に女性はタイト目の服装を好み、男性はシュッとした感じのスマートな服装を好んでいる様子。
もちろんそれだけでなく、制服を着ている人、大きなバックパックを持った観光客、日焼け対策のために完全武装した女性たち、暑いから上半身裸のおっちゃん達がいり混ざって街の風景を形成しています。

なので、服は渡航後にベトナムでも買ってみるのもいいかと思います。カジュアルな服も仕事用の服も、日本でおなじみの海外系ファストファッションは日本と同じくらいの値段で普通に買えますし、地元のブランドも色んなテイストの店があちこちにあります。じっくり探してお気に入りの店を開拓するのもなかなか楽しいものです。地元のファッションが見慣れてくると、今までとは違うちょっと大胆な服装にもチャレンジできてしまうかもしれません。

渡航前は、服が手に入らなかったらどうしようという不安とスーツケースに入りきらないと言う現実の間で困り果てていましたが、渡航してしまえば、お店の新規開拓がものすごく楽しくなると言う予想外の現実に出くわしたパターンでした。

ベトナム体験 まとめ

いかがだったでしょうか?
「渡航前の不安は、行ってしまえば全て解決される」という事をいくつかの例とともに紹介してきました。

渡航前の今、不安な気持ちを抱えていらっしゃる方は、きっと、「不安が的中してしまったとき、自分は対処できずにその状況に参ってしまうに違いない」という思い込みがどこかにあるんだと思います。少なくとも私はそうでした。

渡航後の今、わかったことは、その思い込み自体が正確ではなかったと言う事です。
不安視していた状況に出くわした時、予想とは裏腹に、私はむしろ結構なスピード感で「満足できる部分を見出そうとしたり」「好きになれない部分をやり過ごして、好きになれる部分を見ようとしたり」したのです。言葉だって、全くどうにもコミュニケーションが取れない場面もあります。最高においしい日本食となると日本に戻らないとありつけません。気に入るスタイルの服をなかなか見つけられないときもあります。そんな状況下で、私は「参ってしまう」を選ぶ事がなかったのです。

もしかしたら、ここベトナム、ホーチミンの暑い陽射しと街中にあふれる活気とエネルギーが自然とそんな気持ちにさせてくれるのかもしれません。

なので、皆さん安心してください。渡航した後のご自身は、結構いい仕事をしてくれます。そこを信じて、ほんの少し先の自分自身に身をゆだね、今の時間を楽しく過ごしてください。