人手不足と需要の高まりによってIT業界への転職を希望する人が増加していますが、同時にIT業界から転職したいと考えている人が多いのも事実です。

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知っておくべきIT業界からの転職事情

異業種への転職は活発化している
IT業界に限らず、異業種への転職は活発化しています。
2017年度の異業種への転職の割合は、2009年度と比較して約3倍にまで膨れ上がっているそうです。また、同業種に転職した人よりも、異業種へと転職した人が約1.5倍も多かったというデータがあります。
転職に対して、「同業種に転職するもの」とイメージしている人が多いかもしれませんが、実際には「異業種へと転職している人の方がはるかに多い」ということがわかります。
ことIT業界に目を向けてみれば、コンサルティング業界へと転職する人が多い傾向にあります。具体的には、この8年間で、約6倍にまで増加しているといわれています。
このような転職が多い背景には、IT技術を活用することで経営を効率化することに対するニーズが高まりを見せていることが関係しています。
コンサルティングサービスを提供する企業では、SEやプログラマーなどといったITスキルをバックグラウンドに持った人材を求めることが多くなっているのです。
IT業界から異業種へ|選ばれやすい転職先とは

具体的には、以下の職種・業種が多いといわれています。
- コンサルティング
- WEBエンジニア
- サービス業
- 教育・人材業界
コンサルティング
まずは、先述した通りコンサルティング業への転職が非常に多くなっています。
これまでは、AIやクラウド活用を、あくまでも試験的に一部業務で導入している企業が多かったのですが、現在では、基幹業務をIT化する動きが活発になっています。
プロジェクトの進め方にも変化が現れており、ITスキルだけではなく、プロジェクト全体の設計やマネジメントの経験がある人材を求める傾向にあるといわれているのです。
そのため、40代前後でプロジェクトマネージャーの経験があるような人材へのニーズが非常に高くなっており、コンサルティングの経験がなかったとしても転職に成功している例があるそうです。
全くの異業種ではなく、職種を変えて同じ業界で働けるというのは、これまでシステムエンジニアとして活躍してきた人にとって、転職しやすいといえるでしょう。
WEBエンジニア
同じIT業界内で、WEBエンジニアとして転職するケースも多くなっています。
インターネットが普及し、私たちの生活に深く関わるようになった現在では、ネットサービスの競争がかなり激しくなっています。
ことWEBエンジニアに対してもニーズは高く、ネット関連企業以外からも人材を求める声が高まっているといわれています。
また、働き方改革によるリモートワークの広がりなど、多様な働き方に対して支援をする動きもあり、WEBエンジニアへの転職を希望する人が多くなっているようです。
サービス業
転職先として、意外に多いのがサービス業です。実は、サービス業界でもIT経験者を採用しようとする動きが活発化しているといわれています。
リクルートキャリアが行った調査によれば、2019年度の中途IT人材採用計画において、サービス業を営む企業で「採用を大幅に増やす」と答えたのが7.0%、「やや増やす」が28.%となっており、積極的に中途採用をしていきたいと考えていることがわかります。
さらに、業種間の流動化を調べたところ、IT・通信業界からの人材流出が最も多く、そのうち約24%がサービス業に転職したというデータもあります。
サービス業を生業とするケースや、サービス業のなかでITスキルを活かせる仕事に就くケースなどさまざまですが、実は関連しないような業種への転職も活発に発生しているということなのです。
教育・人材業界
また、今後ニーズが増えていくと考えられているのが、教育・人材業界です。
パソコン教室やITスキルの個別塾などで、WEBエンジニアやUIUXデザイナー、プロジェクトマネージャー経験者などといったIT人材の採用が活発になっています。
このような教育機関で学ぶ内容も年々変化しており、映像やIT技術を活用したコンテンツ開発や運用に対して知識のある人材を積極的に募集しているといわれています。
また、IT関連職や人材へのニーズが今後高まりを見せていくことから、IT人材の採用や斡旋を行う仕事に対しても注目が集まっているのが現状です。
これまで、実際に対面で採用や教育を行っていたことが、IT技術やAI技術の導入によりデジタル化されていくと見込まれていますので、これまでの経験やスキルを十分に活かしていけるのではないでしょうか?
異業種への転職では年収がダウンする可能性も
IT業界からの転職者が多いということは先述した通りですが、異業種へと転職した場合、年収が大幅にダウンする可能性があります。
というのも、IT業界は他の業種と比較して、平均年収が高いためです。
個人のスキルや経験、与えられている役割などにもよりますが、30代で全くの異業種へと転職する場合、100万円近く年収が下がるケースもあるといわれています。

IT業界を辞めたいと感じる理由とは?

IT業界ならではの転職理由を知っておくことで、現状の課題を解決したり、転職先を考えたりするうえで参考にすることができるでしょう。
給与が低すぎる
IT業界を辞めたいと考える人の多くが、給与が安すぎると感じていることが多いようです。
IT業界の平均年収は、他の業界と比較して高いと解説しましたが、すべての人の給与が高いというわけではありません。
在籍している企業や、関わっている案件の工程次第では、一般的な職業と同じくらいもしくはもっと低い給与で働く人がいるのが現実です。
また、かなり改善されてきているものの、システムエンジニアやITエンジニアの仕事は激務となる場合もあり、額面給与を時給計算して肩を落としている…というケースもあるようです。
IT業界は実力主義的な側面が強い業界であるため、スキルが高く順調にキャリアアップできれば給与も上がっていきますが、そのようなケースばかりではないということでしょう。
残業が多く休みが少ない
日々の残業が多かったり、休みが少なかったりすることが転職の理由となることもあります。
納期間近や繁忙期以外でも、毎晩長い残業を繰り返していることで、仕事に対して嫌気がさしてしまケースが多いのだとか。また、会社から休日に出勤するよう命じられたりして、しっかりと体を休めることができないことが、転職を考える引き金になることもあるようです。
現在では、IT業界内でも労働環境の改善が行われているようですが、ブラック企業が存在していることも事実。このような場合「辞めたい」と感じるのは無理ないでしょう。
ただし、残業が少なく、休みがしっかり取れるIT企業も探せばあることには間違いありません。IT業界から抜けるのではなく、転職エージェントなどに相談して、労働環境の整った企業へと移るというのも一つの手段といえるでしょう。
二次請け・三次請けで仕事がきつい
在籍する企業が取り扱う案件が二次請け・三次請けであるばかりに、仕事に対して辛さを感じることもあります。
IT企業には、大手企業の下請けとして案件を担当するケースがあります。二次請けや三次請けの仕事は、本来の利益率よりはかなり下がってしまうため、大量の案件を数多くこなしていかなければなりません。
そのため、深夜まで残業したり、休日出勤したりするのが当たり前になっていることが多くなります。社内の雰囲気も悪くなりやすいので、このまま仕事を続けていきたいと感じられるような環境とはいえないでしょう。
また、なかには客先常駐の仕事ばかりを受けている企業もあります。クライアントの企業に常駐して仕事をすることになりますが、冷遇を受けたり、孤独感を感じたりするケースが多いのだとか。さらに、福利厚生が整っていないため、仕事に不満を感じやすくなるといわれています。
このような場合は、自社開発を手掛けるIT企業への転職を考えたほうがいいでしょう。これまでの不満を解決できる可能性が高く、IT技術者として長く働くことができるかもしれません。
新しい技術についていけない
IT技術者として、新しい技術についていけなくなることで、転職を考えることもあるでしょう。
IT業界では、汎用的な技術が継続して使用されていくこともありますが、日進月歩でどんどん新しい技術が生まれていくこともよくあります。
IT技術者としてスキルアップしていくためには、普段から様々な情報を取り入れ、自ら進んで新しい技術を習得していくことが求められます。
このサイクルはIT業界で働いている以上、半永久的に繰り返されるので、なかには疲れてしまう人や、難しくてついていけない人が出てくるのも仕方がありません。
もし、新しい技術の習得をギブアップするのであれば、新しい業界への転職を考えたほうがいいのかもしれません。
SEに向いていないことに気付いた
仕事をしているうちに、自分がシステムエンジニアに向いていないことに気付いてしまうケースもあるでしょう。
先述したように、技術的な課題はもちろんのこと、「IT技術に興味がない」「業務内容に違和感がある」などの理由で、仕事に対して疑問を感じることがあるようです。
スキルだけの問題であれば、工夫次第で対応することもできますが、興味や関心が薄れてしまっているのであれば、他の業界に転職することを考えたほうがいいのかもしれません。
ただし、年齢を重ねるほど、異業種への転職は難しくなる傾向にあります。少しでも転職を考えているのであれば、自分の仕事や将来像などについて、しっかり考える時間を取ってみてはいかがでしょうか?
会社の評価に不満がある
どれだけ頑張っても、会社内で自分の評価が上がらないという場合も、転職を考えやすくなります。
もし自分のスキルに自信があり、会社にも貢献しているという自負がある場合、社内での評価が上がらず、収入に反映されないとなると、大きな不満を抱える原因となってします。
このような場合は、転職するしないに関わらず、転職活動をしてみることをおすすめします。というのも、転職活動を行うことで、自分の市場価値を知ることができるからです。
自分はもっと評価されるべきだと感じていても、実際にはそれほどでもないという場合もありますし、実は社外ではもっと評価される場合もあるのです。
自分がどれくらいのレベルにいるのかは、社内にいてはわかりづらいものです。一度外に出てみることで、転職したほうがいいのか、現職にとどまったほうがいいのか判断することができるでしょう。
IT業界を離れるのではなく職種を変えてみたらどう?
現職に不満を感じている人は、全く経験のない異業種への転職を考えるケースもあるでしょう。
しかし、同じIT業界でも職種や環境を変えることで、現職に対して抱いている不満や課題を解決できる場合があります。
また、これまでの経験を活かしやすいため、転職にも成功しやすいといえるでしょう。

同じ業界ならこれまでの経験やスキルを活かすことができる
これまでIT業界で働いてきたのであれば、同じ業界内で転職するほうが安全といえます。
なぜなら、これまでの経験やスキルを活かしやすいからです。逆にいえば、ITスキルは専門性が高いため、他の業種では全く活かすことができないことが多くなります。
ならば、IT業界での勤務経験を活かせる異職種への転職を考えるのも一つの手段といえるでしょう。
一口にIT関連の仕事といっても、さまざまな職種があります。選択次第では今までよりも楽しく、充実して仕事に取り組める可能性がありますので、どんな仕事があるのか調べてみることをおすすめします。
システムエンジニアにおすすめの転職先
IT業界は、入職率が高い一方で、離職率も高い傾向にあり、そのなかでもシステムエンジニアの方が離職しやすいといわれています。
ただ、全くの異業種に転職するのではなく、これまでの経験を活かせる仕事がIT業界にはたくさんあります。

WEBエンジニア
システムエンジニアにおすすめの転職先の1つがWEBエンジニアです。
ここでいうところのWEBエンジニアというのは、WEBサービスを運営している企業のシステム開発者のことです。
システムエンジニアとWEBエンジニアでは、仕事の進め方が全く異なります。システムエンジニアが品質を重視しながら工程を進め、ドキュメントによって引継ぎを行います。一方で、WEBエンジニアの場合、重視されるのはそのスピード。ドキュメントは最小限にして、属人的にシステム開発を行います。
これまでシステムエンジニアとして工程の進捗管理や質の高い開発を経験していることは、WEBエンジニアとして働くうえで強みとして生かすことができます。
自分が開発に関わった結果が、事業業績にも大きく影響することもあり、やりがいを感じながら仕事に取り組むことができるでしょう。
自分が事業に貢献できていることをもっと感じたい方や、新しい技術にチャレンジしたいという方には、ピッタリの転職先といえます。
社内SE
企業のシステム構築を一手に引き受けるSIerのSEではなく、一企業の社内SEとして転職するのもおすすめです。
実は、同じシステムエンジニアの仕事ですが、両者の性質は少し異なります。SIerのシステムエンジニアが他社企業のシステム構築を担当するのに対し、社内SEは以下のような業務を担当します。
- 社員用パソコンの手配やセキュリティ対策
- 勤怠管理やワークフロー、社内ポータルサイトなどの社内システムの管理
- コーポレートサイトの運営や設計情報などの管理システムの管理
- 企業内の運営効率化、他社との差別化のためのIT関連企画や調達のための外注管理
このように見ると、一企業の社内における幅広い業務を担当することがわかります。もちろん、転職先の企業によって担当する業務範囲は異なりますが、間接部門として企業を支える立場として働くことができます。
また、情報戦略やシステム化の企画など、上流工程で仕事ができる点や、企業によっては花形の部署となる場合もあるため、やりがいも十分に感じられるといえるでしょう。
スキルを高めて貢献するスペシャリストよりは、全体を見て仕事がしたいゼネラリストタイプの方には向いている仕事といえます。また裏方としてのやりがいを感じやすい方や、面倒見がいいという方にも向いているでしょう。
フリーランス
企業に属するシステムエンジニアから、転職するのではなく、フリーランスやIT個人事業主として独立するというのも1つの方法です。
フリーランスは、企業から直接案件を請け負い、システム開発や運用、保守などを行います。
企業に所属していないため、担当案件を自分で獲得しなければなりませんが、最近ではクラウドソーシングサービスなどでフリーランスエンジニアが案件を見つけやすくなっています。
また、会社に縛られない柔軟な働き方ができるほか、発注額が高い傾向にあるため、年収アップを見込むこともできます。さらに、リピートしてくれるクライアントに巡り合えたら、収益を安定させることも可能です。
自分のペースで仕事がしたい、もっと高い年収を手に入れたい、上流の仕事に携わりたいと考える方は、フリーランスとして活動していくことが向いているといえます。前向きに検討する価値はあるといえるでしょう。
Sler
IT業界内での転職では、SIer(エスアイヤー)を転職先に選ぶというのも1つです。
上流工程に関わることで、システムの設計力や要件の定義力、クライアントとの折衝など、システムエンジニアとしての実力を身につけることができます。
また、上流工程を担当できるスキルがあると、IT技術者としての市場価値がアップするために年収も高くなる傾向にあります。さらに、その後のキャリアプランに沿っての転職もしやすくなるというメリットもあるでしょう。
システムエンジニアとして、着実にキャリアアップしていきたい人や、年収を上げていきたいと考えている人には、向いている転職先といえます。
営業職・ITコンサルタント
開発から離れ、営業職やコンサルタントを転職先に選ぶのもおすすめです。
大手のSIerの場合、プログラミングやアーキテクチャといった開発部門だけではなく、営業やコンサルタントの部門が設置されていることが多いといえます。
営業職の場合、クライアントが抱えている課題を理解し、「他社ではどのような取り組みを実施しているか」「課題を解決するために、どのようなシステムを導入すればいいのか」という提案をしていきます。システムを導入した場合の試算から契約、導入後のフォローまで幅広く担当することになります。
一方、コンサルタント職の場合は特定の業務に精通し、課題を解決に必要なパッケージとカスタマイズを提案。クライアントがシステムを導入するまでをサポートします。そのため、営業職よりもスペシャリストよりの仕事内容といえるでしょう。
他の企業との折衝のなかでも、IT関連の知識は必須となりますので、フィールドは異なりますが、これまでの知識や経験を十分に活かすことができます。
クライアントと直接コミュニケーションを取りながら、課題解決の現場に立ち会えるので、喜びとやりがいを感じられる仕事です。キャリアアップを目指すことも可能ですので、開発から離れたいと考えているなら、検討してみてはいかがでしょうか?
IT業界からの転職を成功させるためのポイント

転職活動は、やみくもに行ってうまくいくものではありません。転職を成功させるポイントをしっかり把握し、事前に準備をしておくことが重要になります。
転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 何がしたいのかを明確する
- 自分の経歴やスキルを洗い出す
- 転職先の業種や企業はしっかりと調べる
- 面接対策を入念に行う
- 転職エージェントを利用する
どれも大切なことばかりですので、確実に理解しておいてください。それでは、それぞれについて見ていきましょう。
何がしたいのかを明確にする
IT関連の仕事から転職したい場合は、まず何がしたいのかを明確にすることから始めましょう。
この点をはっきりさせておかないと、自分に合った職種や企業を選ぶことができず、転職活動を前に進めることができないからです。
転職してどうなりたいのか、将来的にはどのようなキャリアを歩み、どのような生活を送りたいのか。自分の考えをしっかり固めておきましょう。
そうすると、転職先も選びやすくなるうえ、採用担当者にもしっかりアピールできるようになります。
自分の経歴やスキルを洗い出す
何がしたいのかが明確になったら、これまでの自分の経歴やスキルを洗い出す作業を行いましょう。
これは、いわゆる「自己分析」と呼ばれる作業ですが、これを行うことで自分について客観的に見ることができるようになります。
これまでの経験や実績に加え、何が得意で、何が不得意なのかまで把握できれば、自分にどんな職業が向いているのか判断しやすくなるでしょう。
自己分析を行うために、一枚の紙を用意してこれまでの自分について書き出してみましょう。または、インターネット上で入手できる「自己分析シート」を利用するのもいいでしょう。
より客観的な自己分析を行いたいのであれば、転職エージェントのコンサルタントに相談すれば、一緒に自己分析を行ってくれます。
自分のことを知るということが、転職を成功させるためにはとても大切になりますので、必ず行うようにしてください。
転職先の業種や企業はしっかりと調べる
転職を成功させるためには、転職する業種やその企業のことについてしっかりと調べることが重要です。
転職活動を行い、内定を勝ち取ることだけが「転職に成功する」ということではありません。転職してからその仕事を継続できてこそ、はじめて転職に成功したといえるでしょう。
転職する業種や企業については、イメージが先行しやすくなるものです。ただ、イメージだけを頼りに転職してしまうと、実際の仕事内容や社内風土などとのギャップが起こりやすくなり、転職に後悔したり、再度次の転職を考えたりするようになってしまいます。
明確な目的がない転職を繰り返すことは、あなたのキャリア形成にとって不利に働きやすくなりますし、その分時間を無駄にしてしまう可能性があります。
このようなことを防ぐためにも、転職前には業種や企業について情報を収集するようにしましょう。
企業のホームページや口コミサイトなどを利用すれば、さまざまな情報を入手できます。こうすることで、転職後のミスマッチを防げる可能性が高くなることを理解しておいてください。
面接対策を入念に行う
転職を成功させるためには、面接対策を入念に行うことも大切なポイントとなります。
というのも、いかなる転職においても面接が最大の関門となるためです。それに加えて、面接が得意という人はほとんどいません。特に、IT業界で技術職をしている場合、人とのコミュニケーションがあまり得意でないというケースの方が多いといえるでしょう。
中途採用の面接では、求職者の印象と質問への的確な返答が要求されます。ですから、ハキハキとわかりやすい言葉で自分の考えを伝えられるようにしなければなりません。
なかでも志望動機や今後の目標、過去の経験や実績などについては必ず質問されますので、しっかりと準備をしておきましょう。ただし、返答内容を丸暗記するのはおすすめできません。面接中に暗記した返答内容がすべて飛んでしまったら、何も話せなくなってしまうからです。
自分でどのような内容を話すのかを決めておき、口に出す練習をすることで、うまく話せるようになるでしょう。
また、転職エージェントの模擬面接を利用すれば、面接の練習とフィードバックを受けることができます。面接対策として効果的ですので、ぜひ利用してみてください。
転職エージェントを利用する
IT業界からの転職を成功させるためには、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントとは、あなたの転職活動をサポートしてくれる転職支援サービスのこと。実際に、転職したいと考える多くの人が利用しています。
転職エージェントを利用したほうがいい理由には、以下の2つがあります。
- 転職の成功率がアップする
- 非公開求人を紹介してもらえる
転職の成功率がアップする
転職エージェントを利用したほうがいい理由の1つが、転職の成功率がアップするということです。
転職エージェントを利用すると、担当のコンサルタントが付いてくれます。コンサルタントは、これまでにたくさんの転職希望者を支援してきた、いわば「転職のプロフェッショナル」ばかりです。
そして、転職先に求める希望や条件のヒアリング、転職先の紹介と企業への推薦、提出書類の添削、面接対策、内定後の条件交渉の代行、転職後のフォローなどといった、転職活動に必要なさまざまなサポートを行ってくれます。
このようなサポートを受けることができるので、おのずと転職の成功率がアップするというわけです。
非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントを利用したほうがいいもう一つの理由が、非公開求人を紹介してもらえるということです。
転職エージェントでは、登録すれば誰でも検索することができる「公開求人」のほかに、独自のネットワークで収集した「非公開求人」を取り扱っていることがほとんどです。
非公開求人には、転職サイトなどでは見つけることができないような、大手企業や優良企業の求人情報や、自分の希望に合った求人情報が多く含まれています。そのため、希望に沿った転職を成功させやすくなるというわけです。
自分が納得できる転職を叶えるためには、転職エージェントを利用しない手はないといえるでしょう。
IT業界から転職したい人におすすめの転職エージェント
最後に、IT業界から転職したい人におすすめできる転職エージェントを紹介したいと思います。
具体的には、以下の転職エージェントがおすすめです。
公開求人 | 非公開求人 | 対象年代 | 対応地域 | |
---|---|---|---|---|
リクルートエージェント | 3万7000件以上 | 16万6000件以上 | 全年齢 | 全国+海外 |
doda(デューダ) | 4万件以上 | 13万件以上 | 全年齢 | 全国 |
マイナビエージェント | 6000件以上 | 2万件以上 | 全年齢 | 全国 |
どの転職エージェントも、利用者が多く転職支援実績が豊富なものばかりです。また、どのサービスも無料で登録・利用が可能ですので、気になるものがあればどんどん活用していきましょう。
リクルートエージェント
最初に紹介するのは「リクルートエージェント」です。

特徴は取り扱っている求人情報の多さ。公開求人・非公開求人合わせて20万件近い求人情報を保有しているため、希望の転職先を見つけやすいといえます。
また、利用者の満足度が高い面接力向上セミナーを実施しており、2016年の実績では、面接通過率が約15%アップしたというデータもあります。
利用者が多く、転職活動を強力にサポートしてくれるため、ぜひ登録しておきたい転職エージェントといえるでしょう。
リクルートエージェント
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・派遣社員 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(主に関東・関西中心)・海外もあり | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務販売/サービス建築設計/土木/プラント/設備等事務/アシスタント公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- リクルートが運営する総合型転職エージェント!
- 圧倒的な求人数を保有しているので希望の転職先を見つけやすい!
- 転職時には鉄板で利用したい転職エージェント!
doda(デューダ)
次に紹介するのは「doda(デューダ)」です。

こちらの特徴も求人数の多さで、リクルートエージェントに引けを取らない20万件近くの求人を取り扱っています。
また、転職活動と企業の情報、それぞれに精通した2人のコンサルタントが担当してくれるため、転職活動をより効率的に進めることができるでしょう。
社外の提携エージェントも利用可能で、各業界に特化したエージェントからのスカウトを受けることも可能です。
業界大手としての実績も豊富なので、安心して転職活動のサポートを任せることができるでしょう。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 転職エージェント以外にも活用できる総合転職支援サービス!
- 業界トップクラスの求人数で、希望の転職先に巡り合う可能性大!
- 2名のコンサルタントが付いて、あなたの転職活動を強力サポート!
マイナビエージェント
次に紹介するのは「マイナビエージェント」です。

特徴としては、各業界とのつながりを活かした質の高い求人情報を扱っているということ。基本的な条件だけではなく、企業の社風や社員の雰囲気などまで知ることができるので、転職後のミスマッチが発生しにくくなっています。
また、取扱い求人の多くが非公開求人となっているため、より条件のいい転職を実現したいのであれば、必ず登録しておきたいところでしょう。
さらに、書類添削と面接対策に力を入れているため、転職成功の確率を上げることも可能です。ぜひ利用してみましょう。
マイナビエージェント
年代 | 20代~30代(特に20代) | 雇用形態 | 正社員 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務販売/サービス建築設計/土木/プラント/設備等事務/アシスタントその他 | ||
おすすめ度 |
- 業界最大手の株式会社マイナビが運営する転職エージェント!
- 業界とのつながりを活かした良質な求人情報多数!
- 書類作成と面接対策で転職成功率がアップする可能性大!
IT業界からの転職事情まとめ
今回は、IT業界から転職したい人の傾向と転職事情について解説してきました。
人手不足により入職率が高まっている一方で、離職率も高いのがIT業界の特徴です。ただ、転職を希望する場合は、異業種ではなく、これまでの経験を活かせる異職種への転職がおすすめです。
今回の記事がIT業界からの転職を考えている方の参考になれば幸いです。