IT業界では実際のプログラミング能力を計測し、それを転職や採用に役立てようという動きが、数年前から活発化しています。

今回紹介するコードIQも、ITエンジニアが自分の力を把握し、それを企業にアピールするためのツール。実際にプログラミングの課題を消化していくうちに自分の力が高まり、転職へと繋げられるサービスとして注目されています。

コードIQ(codeIQ)とは?プログラミングの問題を解くスキルチェックサービス

コードIQは、簡単に言えばITエンジニアのスキルチェックと、企業とエンジニアのマッチングを兼ねたサービスです。

ITエンジニアの世界は履歴書や職務経歴書上のいわゆる「カタログスペック」と、実際の実務能力に落差があることが問題になりがちでした。書類上は華々しい成果を上げてきたような人材が、いざ実際に現場に入ると手も頭にあまり動かない…なんていう事態を、筆者も散々目にした覚えがあります。これはITエンジニアだけの責任ではありません。要は採用側と求職者側のマッチングが適切ではないことが原因なのです。

そこで、実務能力をチェックするためにプログラミングのテストなどを課す企業が現れました。しかし、採用のたびにプログラミングテストを課していてはコストが嵩みますし、採用活動の効率が下がってしまいます。

そこで、事前にプログラミング能力を計測するサービスを通し、スキルレベルやスキルの傾向がマッチした人材にアプローチするサービスが登場したのです。その中のひとつが、このコードIQだといえるでしょう。

コードIQでは、エンジニアや企業から常時問題が出題されています。実務ベースに近い問題が多いため、ITエンジニアの「地力」を図るサービスとして注目されているのです。

企業から続々と出題される問題!こなすことでスカウトも?

では実際にコードIQに出題されている問題を紹介します。
コードIQでは言語ごとに問題が出題されている一方で、エンジニアや企業スカウト付きの問題などもあります。

言語ごとの問題の例:C++の場合

~以下引用~

men指指しノーマル

C++って、Cのコードも動くんでしょ。
でも、C++で違うところもあるっていうしなー。
どうもプロトタイプ宣言が違うみたいなんだなー。
プロトタイプ宣言で、引数に何も値を受け取らない場合はvoidを指定するんだけど、この動きがちょっと違うみたいなの。
int func(void);
って書いてたんだけど、C++だとどうなのかなー、
プロトタイプ宣言での引数について、次の選択肢から正しいものを全て選んでね。

1: Cは引数のvoidを省略できる
2:C++は引数のvoidを省略できる
3:Cは引数のvoidを省略できない
4:C++は引数のvoidを省略できない

~引用ここまで~

こんな感じです。正解をここで明かすのは控えますが、これは基礎レベルなので実務能力というよりは基礎知識レベルでしょうか。現場ではあまりこういう知識は必要とされないと思いますが…

では次に企業から出題される課題について紹介します。

企業からのスカウト付き問題

~以下引用~

men指指しノーマル

【問題】
今回は二つの三角形の位置関係を考えます。
標準入力から与えられた頂点の座標から、二つの三角形の位置関係を出力してください。
(座標は整数のみが与えられるものとします。)

入力は各行にそれぞれの三角形の座標がスペースで区切って与えられます。
出力する位置関係は以下の3つのいずれかです。

  • cross」←二つの三角形が交差する場合
  • inside」←一方の三角形がもう一方の内側にある場合
  • outside」←それぞれの三角形が外部に離れている場合

なお、接している場合は「cross」と出力してください。

~引用ここまで~

この問題はプログラム言語をJava、Go、Scalaからひとつ選んでソースコードを記述し、構文エラーのチェックなどを走らせたあとに提出します。その後、あらかじめ用意された入出力結果と照合して正誤判定が出されます。先ほどのC++よりは、かなり現場で必要とされるスキルに近づいており、具体性のある問題になっています。

ちなみにこの問題ですが、「サイバーエージェント」からのスカウト付きとなっています。優れた解答を提出した人材には、サイバーエージェントから直接スカウトが届くとのこと。スカウトはコードIQのマイページ内にある「スカウト一覧」に届くシステムです。あらかじめアカウント登録しておきましょう。

コードIQは実際の転職に役立つのか?どんな企業からスカウトが来る?

問題を見た限りですが、内容的には初級~中級レベルが多いものの、最低限実務に必要な知識・スキルをクリアしているかを判断できると思います。採用側としても必須ラインをクリアし、なおかつ優れた能力をもつ人材をピックアップできるサービスといえるでしょう。

個人差はあれど「言語やスキルレベルのミスマッチ」を防ぐことには役立ちそうです。また、転職に役立つかどうかは、実際にスカウトを受けらるか否かにかかっています。

ちなみに、コードIQでスカウト実績があるのは、こんな企業です。

  • コロプラ…大ヒットアプリ「魔法使いと黒猫のウィズ」をリリース。
  • ぐるなび…いわずと知れたグルメ系サービス「ぐるなび」を提供している企業。
  • サイバーエージェント…ネット広告業のパイオニアで、近年はアプリ開発やAbemaTVなどのメディア事業も強化している大手企業。
  • ワークスアプリケーションズ…国産ERPパッケージの先駆け的存在で、最近はAIを積極活用する動きもあり、日本を代表するIT企業に成長。
  • カカクコム…価格比較サービスの超大手「価格コム」を提供している企業。
  • リブセンス…掲載費無料、採用後に費用が発生する完全成功報酬型の求人サイト「ジョブセンス」をはじめ、様々なwebサービスを提供する東証一部上場企業。

おもにIT・Webを主体とした事業を行う企業が殆どですが、かなりの大手も混じっているのであなどれません。特にワークスアプリケーションズやサイバーエージェントは、エンジニアに求めるレベルが高めです。優れた人材・才能を常に欲しているイメージがあります。採用担当者も、プログラミング能力を重視しているのでしょうね。

これらの企業は、常に激しい競争にさらされており、人材のレベルがそのまま企業力に直結するため、優れた人材は一人でも多く欲しいはず。最近の人材獲得競争は凄まじいですからね。

平均レベル以上のスキルがあるだけで、囲い込みにくる企業が複数あるというのは、ITエンジニアの中では常識です。転職活動の合間にコードIQの問題を解いてスカウトを狙うというのは、結構現実的な話かもしれません。

コードIQの評判は?

では実際のコードIQの評判ですが、ITエンジニアの中では評価が高いようです。
プラスの評価としては、こんなものがあります。

men指指しノーマル

・実務能力を評価しようという意図が見える。
・著名人が出題してくれて、なおかつ評価してくれる点はスキルアップに役立つ。
・基礎レベルから実務レベルまで、難易度の幅が広く使い勝手が良い
・解答して数日以内にスカウトが届いており、転職活動は確かに効率化できた

しかし、現役のSEやプログラマでも全く正解できない問題もあるようで…

社員

・現場で使う知識とかかけ離れていて、趣味や自己満足レベル
・結局、求人メールの大量送信が始まるだけ

という辛口の評価もありました。

また、スカウトが来たあとは通常の選考ステップになるため、特に優待されている感覚が無いという評価も。企業によっては、スキルのミスマッチやスキルレベルの誇大・虚偽申告を見抜くためのツールとして使う場合もあるようです。言い方は悪いですがいわゆる「バカ除け」的な存在ですね。

ただし、スキルチェックのサービスとして一定の評価を得ていますし、IT関連企業の多くがプログラミング能力を重視していることは間違いありません。共通の問題を通して、いかに効率的かつスマートなソースコードを書けるか、という能力チェックの場としては機能していると思いますね。

まとめ

ITエンジニアは技術を売ってお金を稼ぐ職業である一方、採用の現場で技術レベルを証明(確認)する手段が乏しいという問題がありました。

この問題を解決し、企業とITエンジニアの出会いの場と成り得るのがコードIQの魅力です。書類や口頭では証明が難しい「プログラミング能力」「実務遂行能力」を強みにできるというメリットがあります。

特にWeb系やアプリ開発を主戦場としているITエンジニアにはおすすめです。筆者も現役であれば、一度は使ってみたかったですね。