IT業界は他の業界に比べるとフリーランスで働く人が多く、会社員時代よりも高い収入を得ています。
筆者はIT業界に10年ほど在籍していましたが、フリーランスで活動している友人が複数おり、みな一様に「後悔していない」と口を揃えます。
中でも高卒でIT業界へ入り、今や月収70万以上、年収900万近くを稼ぐまでになった友人A氏の話は本当に興味深いです。
転職や独立を目指す方には、大いに参考になると思いますので、ご紹介しますね。

高卒で新聞販売店勤務へ~ITとは無縁だった20代前半

今やIT業界で毎月バリバリ稼ぐフリーランスとなった友人も、社会人として最初の数年間はITに全く関係のない業界でした。
しかもIT業界に入るきっかけは、職業訓練校だったようです。

新聞販売店で最初のキャリアをスタート

筆者の友人(以下A氏)は、高校を卒業後、地方から上京。
東京で新聞販売店に勤務しました。最初は朝刊配達だけだったようですが、そのうち集金業務も行うようになり、それなりに稼いでいたようです。

人と接することが好きだったA氏は、配達先や集金先のお得意さんに可愛がられ、充実していたとのこと。
しかし20代後半になって別の仕事をしてみたくなり、退職を決意します。

新聞販売店では独自の積立金があり、3年以上社員として勤務すると、毎月の積立額の倍額以上を退職時に受け取れます。
友人も6年近く務めたので、400万円以上の退職金を受け取ったそうです。

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新聞販売店といえば、ブラックな仕事の代名詞的なイメージがありますが、A氏いわく「販売店による」とのこと。
なるほど…

仕事探しをするも決まらず…職業訓練校に入学

A氏A氏

まとまったお金が入ったことで、しばらくは就職せず仕事探しに専念することにしたんだ。
しかし、なかなかやりたい仕事が見つからず、失業給付金も2か月後には期限を迎える時期になってしまって…。

ある日、A氏は失業給付の認定のために訪れたハローワークで、職業訓練校の募集を見かけます。
インターネットに興味が出始めていたA氏は、「面白そうだ」と思い入学を決意。

職業訓練を受けるための段取り、準備すること

まずは説明会に参加

まず職業訓練校に入学を希望する方向けの説明会に参加したそうです。
これはハローワークで案内が出ており、参加は必須とのこと。

A氏A氏

職業訓練校は全国に60校以上あり、さらに自治体管轄のものと高齢・障害・求職者雇用支援機構管轄のものがあるんだよね。
応募したのは後者の高齢・障害・求職者雇用支援機構管轄のものでしたね。

筆記試験と個別面接

職業訓練校に入学するためには、筆記試験と面接に合格する必要があります。

A氏A氏

筆記試験は結構難しくて、事前に1か月ほど勉強したよ。

ハローワークでの説明などでは、中学校レベルの国語や数学といわれるようですが、話を詳しくきくと過去問を入手して勉強したようです。
ちなみに本当に中学レベルだったかどうかは、中学の時あまり勉強しなかったのでわからないそうです。
筆者の個人的な意見ですが、就活性がよくやる「SPI」に似たような感じだと思います。

A氏A氏

面接は「なぜ受講を希望したのか」「どんなことを学びたいか」「進路について」など、極めてオーソドックスな内容だったなぁ。

特に圧迫面接や嫌味をいわれるようなことはなかったそうです。

職業訓練校の倍率は?

これは職業訓練校でもどのコースに応募するのかによるとのこと。
IT系は結構人気があり、後から3倍以上の倍率があったとわかったそうです。

給付期間延長に各種手当~職業訓練校に入学するメリット

A氏A氏

職業訓練校では初心者でも一定レベルの実務的スキルを付けられるよう、よく演習があったね。
モノ作りが好きだったから、実習でwebサイトを作ったり、サーバーの初期構築を学んだりするのが楽しかったよ。

また、失業給付を受給中に職業訓練校に入学すると、在学中の期間は給付が続くこともメリット。
A氏は半年間のコースに入学したので、通常の失業給付期間よりも半年長く給付を受けたことになります。

A氏A氏

毎月1回の認定日も、失業訓練校で手続きを代行してくれるので楽だったし。

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受講手当や交通費(通所手当)が失業給付に上乗せされるため、贅沢をしなければ学業に専念できる環境でもあるね。

ITフリーランスで月収70万円になるまでの具体的な道のり

半年間の職業訓練校生活を終えて、IT業界に足を踏み入れることになったA氏。
IT業界に入ってからは、不景気も重なってそれなりに苦労したようです。

サーバー監視で年収280万円からのスタート

menガッツ

A氏がIT業界で最初に就職したのは、企業のネットワークやサーバーを監視するD社。
筆者とはここで知り合いました。

A氏はD社の正社員、筆者は外注として参加していたのですが、同じチームになってすぐに打ち解けたものです。

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親交を深めるうちにお互いの年収の話になり、A氏の年収は280万円だと聞きました。
外注として参加していた筆者よりも低かったので、驚いたのを覚えています。

A氏はD社で監視業務から監視設定作業、監視サーバーの初期構築までを担当するようになり、約1年半後に退職。

1回目の転職~年収400万円で本格的なサーバー構築を経験

A氏が、IT業界で最初の転職先として選んだのはサーバー構築と自社サイトの運営を主な業務とするF社。
ここで本格的なサーバー構築や、ネットワークの知識を学んだようです。

A氏A氏

年収は400万円で、1社目での経験を評価されたため満足でしたよ。
転職エージェントは4社くらい使いましたね。

2回目の転職~年収430万円でインフラ担当

F社には都合2年程度勤めたものの、なんとリーマンショックの影響で解雇に…。

この時は本当に気の毒でした。1か月弱前に解雇予告があり、解雇予告手当をもらって退職。

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リーマンショック直後に筆者も転職を経験しましたが、転職成功後にA氏が解雇されたことを聞いて、ぞっとしたのを覚えています。

しかしF社への転職時に知り合って転職エージェントから何とか話をつけてもらい、G社へ入社。
幸い年収も30万円アップし、エンタメ系事業を行うG社のITインフラ担当として転職しました。

ITフリーランスへ~月収43万円からスタート

A氏A氏

G社で4年半ほど勤務し、その後は「会社員はもうおなか一杯」とフリーランスになりました。

ITインフラは直接利益を上げる部門でないため、コストとしてとらえられがちで、技術者の給与が伸びなかったそうです。
また、「服装自由」という決まりで入社したはずだったのに、服装のセンスをいちいち指摘され、我慢できなくなったとのこと。

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こういう小さいことの積み重ねで会社を辞めちゃうものですよね。

A氏はもともと組織や団体が苦手だったこともあり、ごく自然にフリーランスの道を選びました。
筆者も最初に報告をうけたときは、「思い切りがいいなあ」と思っていました。

A氏A氏

なんかもう、フリーランスでも会社員でも別にやること変わらないし月収あがるからいいかなと思って。あまり悩まなかったな…。
会社員でも切られるときは切られるし。実際に俺解雇されたしね

確かに…。
独立する人って、このあたりは楽観的だしさっぱりしています。
最初の月収は43万円。サラリーマン時代より10万円あがり、年収も微増したので満足だったそうです。

3年後~月収70万円のフリーランスへと成長

もともとモノ作りが好きな性格もあって、案件ごとに色んなシステムを見られるフリーランスは、A氏の性に合っていたようです。
インフラ担当としてサーバーやネットワークの構築、運用、保守が守備範囲。
営業会社とも顔なじみになり、着々と単価をあげていって、3年後には月収70万円のフリーランスに。

A氏A氏

個人事業主なので、税務処理は税理士にお任せ。
副業も含めると年収は900万円近くになり、収入には満足している。

高卒フリーランスで苦労したこと

「高卒が稼いでいることに腹を立てる人間が一定数いる」

A氏とは知り合って10年以上の付き合いなので、先日質問してみました。

menガッツ

失礼なんだけど高卒で苦労したことはない?

返ってきた答えは
A氏A氏

そりゃあるよ

A氏と同年代(アラフォー世代)で、そこそこの大学を卒業し、なおかつA氏よりも収入が少ない人が、
皮肉っぽく「コスパ良い人生だよねえ」と言ってくることが何度かあったそうです。

本人としては、新聞販売店でしっかり働いて、職業訓練校や転職先で勉強した結果なので、あまりいい気はしないとのこと。
A氏は「大学出てない人間が稼ぐことに不満がある人はたまにいる」と言っていました。確かにそれはあるかもしれない…。

「間接的な学歴自慢をスルーするのが面倒」

A氏A氏

高卒と分かった途端に、学生時代のキャンパスライフやら大学生ネタを盛んに持ち掛けてくる人がいて、「ああこの人は自慢したいのか」とすぐにわかるよ。

しかしそこは大人なので、笑ってスルー。それでも面倒くさいと感じることは多いようです。

「フリーランスになるなら学歴は全く関係ない」

最後に、もうひとつ質問してみました。

A氏A氏

フリーランスになるのに学歴は必要だと思う?

menガッツ

分野によると思うけど俺は関係ないと思う。
純粋にスキルと経験人数、あとは営業力(営業会社との付き合い含む)の結果だだから、クライアントから学歴を聞かれることもまずないなぁ。

確かに就職後数年たつと、学歴ってあまり関係ないですよね。少なくとも日本では。

筆者からみた「高卒のA氏がITフリーランスとして成功した理由」

筆者が長年の友人としてA氏を客観的に見たとき、やはり対人コミュニケーション力が高いのと、モノ作りが好きなことが成功の理由だと感じています。

menガッツ

IT業界へ入る前の新聞販売店勤務で、かなり対人力を鍛えられたのでしょうね。
集金や営業を何年も続けるくらいですから。この点は、筆者もかなわないと常々感じていました。

IT業界のいい加減な営業とも、最終的には仲良くしちゃいますし…たくましいです。
また、純粋に「カンが良い」タイプの人で、技術的な話を直感的に理解し、すぐ形にします。
この「形にする能力が高い」というのは、技術者として相当プラスですし、クライアントから信頼される要素です。

まとめ

A氏はIT業界へ足を踏み入れて7年でフリーランスになりました。そしてトータル10年で年収900万円近くに。40代前半(40歳から44際)男性の平均年収が約567万円なのを考えると、収入的には十分成功の部類でしょう。※

menガッツ

A氏をはじめ、筆者の周りには高卒の成功者が複数います。
ただし、彼らはどこかで必ず「勉強する期間」を設けていますね。
勉強といっても座学や読書だけじゃありません。「スキルを身に着けるための経験や投資」です。

また、IT業界はフリーランスとして生きやすい業界ですから、技術力と経験次第では十分に高収入を狙えます。
高卒でも、社会に出てから十分にチャンスはありますよ。

※参考:国税庁 平成27年民間給与実態統計調査より