100年後も生き残る企業ランキング(リスクモンスター社調査)1位を筆頭に、上位6位中半数の3社を占めたのが自動車業界の企業です。

自動車業界は日本経済の屋台骨ですが、将来性に対する国民的信頼や期待も大変高いことがこの結果から伺えます。

こうした将来性に対する国民的信頼を背景に、就職や転職市場においても自動車業界は抜群の人気を誇っています。

そこで今回は就職、転職市場における自動車業界の人気ランキングをご紹介すると共に、自動車業界の主な職種や必要資格などをご紹介して参ります。

自動車業界の就職人気企業ランキング・ベスト5をご紹介(※)

※出典:「キャリスタ就活2018」より(部品メーカーや輸送機器メーカーも含む)

1位:トヨタ自動車株式会社


言わずと知れた日本産業界最大の稼ぎ頭であり、自動車メーカーとしての売上規模で世界一を誇るトヨタ自動車が人気ランキング1位です。

2016年期連結決算における売上規模は約28.4兆円。

この売上高は発展途上国一国分のGDPに相当します。

ちなみに100年後も生き残る企業で1位に選ばれたのもトヨタ自動車であり、DODAが行った転職ランキングでも自動車業界では勿論1位、総合ランキングでも2位という抜群の人気を誇っています。

トヨタ自動車は、現在各自動車メーカーが熾烈な競争を行っている環境対応型自動車開発において世界をリードしています。

ご承知の通り、日本で初めてハイブリッド車の量産に成功したのもトヨタ自動車です。

こうした先進的技術を一般ユーザーへ「人気商品」として提供できるメーカーとしてのポテンシャルの高さが人気の背景となっているといって良いでしょう。

2位:株式会社デンソー


トヨタのグループ企業でありながら、自動車電装部品メーカーとしてトヨタブランド不要の確固たる「デンソーブランド」を世界的に築いた企業がデンソーです。

デンソーの売上規模は2016年3月連結決算で4兆5千億円超。

連結での従業員数は15万人超、連結子会社は北米 28社、欧州34社、アジア 58社等世界中にあり、その数は計188社にも及びます。

もはやトヨタグループと言うより、デンソーだけで一大グループ企業と言って良いでしょう。

もっともデンソーが就職や転職市場でこれほど人気を博しているのは、こうした規模や売上だけが評価されたからではありません。

IT化の進展により自動車部品において今後ますます需要拡大が見込まれているのが電装部品だからです。

その自動車電装部品の開発を担う日本のトップメーカーとしての将来性が高く評価されていることが、日産やホンダと言った有名自動車メーカーを押し退けて2位に選ばれた大きな理由です。

3位:ホンダ技研工業株式会社


第3位となったのは、100年先も生き残る企業ランキングでトヨタ自動車に次いで第2位にも選ばれたホンダです。

2017年の売上見通しは連結ベースで13兆4千億円。

連結での従業員数は20万人を超えグループ会社数は国内外450社以上と、その規模では第2位となったデンソーを大きく上回っています。

また、ホンダの創始者故本田宗一郎氏は松下幸之助と共に日本を代表する名経営者の偉人として、今尚世界的な知名度と人気を誇っています。

そんな故本田宗一郎氏の悲願だったのがジェット機の開発でしたが、ホンダは創始者の夢を叶え、ビジネスジェット機の開発にも成功。

ホンダが開発したビジネスジェット機は世界中から注文が殺到し、当初100機だった生産予定を大幅拡大したニュースなども就職や転職市場における人気を押し上げた理由の1つになったとみられます。

4位:日産自動車株式会社

コストカッターの異名をとる辣腕経営者カルロスゴーン氏の登場により奇跡的なV字回復を遂げ、また、近年では三菱自動車の劇的な買収劇によってマスメディアの話題をさらった企業が日産自動車です。

日産自動車の現況ですが、資本金は6,058億円、従業員数は連結ベースで15万2千人以上。

2015年度の売上では約12兆2千億円で、総合売り上げでは二輪車など商品領域が広いホンダを下回るものの、4輪車だけで比較した場合にはトヨタ自動車についで国内第2位となっています。

日産自動車が近年力を入れているのが「リーフ」に代表される電気自動車の開発と、市場への投入が間もなく実現する自動運転システム搭載車両の開発です。

電気自動車はリーフが登場した当初は充電インフラの整備が遅れたため、普及が危惧されていました。

しかし近年、コンビニエンスストアが充電器設置に乗り出すなどにより充電インフラが急速に整いつつあることに加え、ワイヤレス給電システムの開発もすすむなど電気自動車の普及する環境が整いつつあります。

将来はハイブリッド車を上回る普及が期待されているだけに、日産自動車は就職や転職市場において更なる人気の高まりが予測されています。

5位:株式会社豊田自動織機

世界のトヨタ自動車を生んだ企業として、就職や転職市場において根強い人気を誇る愛知県の名門企業といえば豊田自動織機です。

設立は大正15年。

同社は一般ユーザー向け自動車生産のほか、フォークリフトを筆頭とした産業用車両で抜群の信頼性と実績を誇りますが、今尚その伝統を受け継ぎ、自動織機においても世界ナンバーワンのシャアを誇っています。

売上規模は2016年で2兆2千億円、従業員数は約5万1千人とベスト4にランクインした企業よりはやや劣りますが、なんといっても

・世界的企業トヨタ自動車を生んだDNAの源流企業であり、同社の大株主であること

・フォークリフトや自動織機といった分野で盤石の世界的シェアを有する企業であること

等の理由が、就職先として大学生や社会人からの高い支持を集める背景となっています。

ベスト6~10位はこの企業!

6位から10位についても順位をご紹介しておきます。6位から10位にランクインを果たした企業は次の通りです。

・6位:マツダ株式会社

・7位:アイシン精機株式会社

・8位:株式会社スバル(旧富士重工業株式会社)

・9位:トヨタ紡織株式会社

・10位:ヤマハ発動機株式会社

自動車業界の職種とは?


自動車業界にはどのような職種があるのか、総合職をはじめとして、整備や流通の現場で求められる代表的職種や必要な資格などをご紹介致します。

自動車メーカー総合職の場合

メーカーの総合職として就職や転職した場合には、「総合」というカテゴリーのとおり、職種は特定されず、幅広い職務を担うことになります。

仕事の中身は自動車メーカー特有のものもありますが、大きな括りとしての職種は他の一般企業同様と考えて構いません。

例えば

・経営企画

・人事、総務

・経理事務

・広告宣伝、広報

・営業

・資材管理

・生産管理

こういった良く聞かれる一般的な職種がそのまま自動車メーカーの総合職にも当てはまります。

なお、自動車メーカーにおける総合職としての営業職ですが、自動車メーカーの場合、自動車販売を専門に担うディーラーと呼ばれる販売店が存在します。

企業によっても多少事情は異なりますが、メーカーにおける営業はそれら販売店や代理店を対象に営業的交渉を行うのが主な仕事であり、個人や法人に車を直接販売する仕事でないことは理解しておく必要があります。

従って個人や法人に対して自動車販売の営業を行いたい場合には、トヨタの東京地区を例にあげるなら東京トヨペットや東京トヨタ自動車が就職先となります。

総合職で資格で必要な資格はある?

日本の自動車メーカー各社はグローバルに事業展開を行っていますので、部署によってはどうしても英語が必須となってきます。

従って自動車業界で人気が高い企業の総合職を目指す場合にはTOEICの高スコアは必須であり、目安として750点以上あることが望ましいと言えます。

また、日本メーカーは資格を重視する傾向にあり、例えば総務職や経理職を目指している場合なら秘書検定の上位級や簿記上位級を取得しておいた方が評価が高まります。

尚、自動車メーカーを目指すなら普通自動車免許は有利、不利というより、取得していて当たり前の資格です。

メーカー技術職の場合

技術職の場合も職種としては他メーカーとそれほど大きな違いはありません。

(メーカー技術職の職種例)

・生産管理

・設計管理

・情報管理

・生産技術研究・開発

・組立管理

ご覧の通り、メーカーの場合は技術職として研究や開発だけでなく、すでに稼働している生産や組み立てに関わる技術的側面からの管理業務も重要な役割になります。

技術職で必要な資格は?

技術職はIT系技術や特に設計においてはCADの技術が必要になります。

例えば応用情報処理技術者といった国家資格やCAD利用技術者資格などがあげられます。

また、グローバルに事業展開しているため、TOEICでのハイスコアもやはり技術職を目指す場合にも必須となると考えて構いません。

もっとも、大手人気メーカーは一般的にそうした資格以上に出身大学や大学院での研究実績が問われますので、資格があれば有利になるとまでは言えません。

自動車業界において資格が必要な専門職

自動車産業は大変すそ野が広い産業で、メーカーや系列販売店での生産・販売で終わりではなく、購入された自動車のメンテナンス、更には購入された自動車の買取りや売却までそれぞれ大きな市場が確立しています。

これら自動車の維持やメンテナンス、売却に至る領域には専門資格が必要な職種がありますので、それら資格が必要となる職種についてご紹介します。

自動車整備士

自動車の維持、メンテナンス、修理の領域で求められる代表的な資格が自動車整備士です。

機械系の高校や専門学校を卒業しているか、普通科の高校や大学を卒業しているかによっても異なりますが、最も易しい3級整備士であっても自動車整備工場で最低6か月以上の「実務経験」が必要になってくる国家資格です。

従って、社会人の方が未経験で自動車整備士になる方法は職業訓練学校の自動車科または自動車整備科の普通訓練過程で2年以上学ぶか、資格なしで自動車整備工場に就職し、6か月以上(普通科の高校や大学卒の場合は1年以上)の実務経験を積んだ後取得するという方法に限られます。

それだけ取得にハードルが高い資格ですが、業務独占資格であり、必置資格(2級以上)でもあるため、資格保有者は就職、転職共にかなり優位になります。

自動車検査員

自動車整備事業者の中には民間ながら車検実施を許可された事業者が存在しますが、車検対象となる自動車の検査を特別に行うことができるのが「自動車検査員」です。

自動車検査員は国土交通省が管轄する地方運輸局が実施する自動車検査員講習を受講することで資格を取得できますが、その受講資格に大きなハードルがあります。

自動車検査員講習を受講するには「自動車整備主任者」として1年以上の実務経験が必要になります。

その自動車整備主任者になれるのは先程ご紹介した「自動車整備士の2級以上」です。

自動車整備士の2級以上の資格を取得するには必ず実務経験が必要になりますので、実務経験なしで2級と自動車整備主任者の両資格を取得できる方法はありません。

また、自動車整備主任者は整備士の管理職的立場であり、実質、1級を取得しているベテラン整備士の中から選任されるのが通常ですので、自動車整備主任者に選ばれ、更に1年以上の実務経験を経て自動車検査員になる道のりはかなり遠く、険しいものと言えます。

それだけに有資格者は転職においてかなり優位になります。

中古自動車査定士

ご存知の通り、自動車は新車販売だけでなく巨大な中古車売買市場が確立していますが、中古車の売買において重要になってくるのが中古車の査定です。

その自動車査定専門の資格が「中古自動車査定士」です。

中古自動車査定士は民間資格のため、法律上業務独占資格でも必置資格でもありません。

しかしながら国土交通省と経済産業省が同資格の後援を行っていることもあり、民間資格ながら対外的信頼性が高く、中古車を扱っている販売店や下取りを行うディーラーへ就職する場合に一定の優位性を発揮してくれます。

求人によっては同資格保持者が応募要件となっている場合もあります。

中古自動車査定士の受験資格には次の3つが必要になります。

・自動車運転免許

  ・小型車査定士なら普通運転免許以上

  ・大型車査定士なら大型第1種免許以上

・自動車販売または自動車整備実務において半年以上の経験を有していること

・日本自動車査定協会が実施ている研修を修了していること

ご紹介した条件からおわかりになるとおり、中古自動車査定士になるためには自動車販売か自動車整備において半年以上の実務経験が必要となります。

従って未経験での転職でいきなり中古自動車査定士資格を取得することはできません。

中古自動車査定士を目指す場合には自動車販売店や整備工場へ就職し、実務経験を積んだ上で取得を目指すという方法になります。