フリーランス向けおすすめ会計ソフトランキング|確定申告の基礎知識も紹介

サラリーマン時代は無縁だったという方であっても、フリーランスとなれば避けて通ることができないのが年1回の確定申告です。

白色申告の方なら単式簿記、青色申告なら複式簿記で提出が必要になるため、1年分の会計帳簿をつけ終わるまで数日かかってしまうことも珍しくありません。

(個人事業主の)フリーランスの方が確定申告を行なうなら圧倒的にクラウド系のソフトがいいと考えています。
簡単、便利で使いやすいオススメの会計ソフトをクラウド系とインストール系を交えてランキング形式で紹介します。

先に知るべき基礎知識|確定申告とは?

まずは確定申告とは何かということを、どなたでも理解できるようやさしく解説致します。

確定申告とは「所得税を確定させてそれを税務署に申告すること」です。

ただ、この説明だけだと「どのくらいの期間に対する所得税」を「いつまでに」確定させて申告すれば良いかがまだ不明ですので、その点を明らかにしますと次のようになります。

check-t021 img所得税を確定させる期間は?→毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得に対する所得税です。

check-t021 imgいつまでに申告すれば良いの((個人事業主の)フリーランスの場合)?

→毎年ほぼ翌年2月16日頃から3月15日頃まで

 

まとめますと、確定申告とは「毎年1月1日から12月末日までの所得税を確定させて、翌年の2月中旬頃から3月中旬頃までに税務署へ申告すること」ということになります。

おすすめ会計ソフトランキング

それではフリーランスの方におススメしたい、事業の会計処理から青色申告を行なうことを前提とした上で、オススメの会計ソフトをランキング形式でご紹介します。

1位:やよいの青色申告

今回1位として紹介するのは「やよいの青色申告」です。やよいの青色申告のベースとなっている会計ソフトエンジンは、日本で17年連続1位の売上を誇り、大企業を含めた多数の企業から高い支持を得てきた「弥生会計」です。

弥生会計は大企業にも対応したフレキシブルな機能が満載されているので、フリーランスの方にとっては不要な高度な機能もあります。

その点で「やよいの青色申告」はフリーランスの方で、しかも初めて青色申告を行なうというビギナーの方でも簡単に会計処理が行えるように特化された易しい会計ソフトになっています。

弥生会計という圧倒的なブランド力を誇る高機能会計ソフトを、青色申告が初めてというビギナーの方が使いこなせるようにした点を高く評価し、今回1位としてご紹介することになりました。

やよいの青色申告のメリット・デメリット

やよいの青色申告のメリット、デメリットを整理すると、次のようになります。

(メリット)

  • 弥生会計で長年の実績を誇る弥生社が提供している、信頼性の高いソフトである・操作が簡単で、会計処理や青色申告がはじめての方でも画面の指示に従って直感的に操作することで行える
  • オンライン版で、サポートなしのセルフプランなら1年間無料で利用できる

(デメリット)

  • 大規模な会計処理には不向きである
  • サポートが必要な場合には料金が割高になる
  • 時期によっては電話サポートに大変つながりにくい場合がある

2位:MFクラウド確定申告

今回2位としてご紹介するのは「MFクラウド確定申告」です。MFとはMFクラウド確定申告をリリースしているマネーフォワード社の社名の略称で、「マネーフォワード」という家計簿アプリも同社提供のアプリです。

MFクラウドシリーズにはこの他に「MFクラウド会計」があり、こちらは法人専門、一方MFクラウド確定申告はフリーランスをはじめとした個人事業主の方専門です。

同社が培ってきたクラウド会計機能を個人事業対象の会計処理に特化したため、とても使いやすく、簡単な操作だけで会計処理から確定申告まで行える点とクラウドサービスであるためパソコンにインストールする必要がない利便性等を評価し、今回第2位となりました。

MFクラウドの一番の特徴と言えるのが銀行のオンラインサービスやクレジットカードの明細データの自動取得機能があることです。

例えばフリーランスの方が仕事で必要な道具をクレジットカードを利用して購入した場合、そのクレジットカードの明細データを自動的に取得し、しかも仕訳した上で帳簿に反映してくれるため、もはや帳簿入力すら不要となる点がMFクラウド確定申告最大の特徴です。

MFクラウド確定申告のメリット・デメリット

MFクラウド確定申告にもメリットとデメリットがそれぞれありますので、その点を整理してみましょう。

(メリット)

  • 銀行口座やクレジットカードの明細自動取得機能により、帳簿入力が大変楽になる・最大50個の仕訳登録を一括で行なうことができる・勘定科目などの設定やそれに対する適用を予め設定しておくと、入力するたびに設定を求められることなく自動的に割り振りまで行なってくれる
  • クラウド型サービスなので、自分でソフトをインストールしたり、バージョンアップその他の保守、管理をする必要がない

(デメリット)

  • 複式簿記での帳簿作成も直感的な操作でできる反面、プログラムの判断に基づいた仕訳が勝手に行なわれるため、簿記の知識がないと困る場合がある
  • 電話サポート付きプランは年1回払いしか支払い方式がないため、途中でやめた場合には割高になる

3位:みんなの青色申告

第3位としてご紹介するのは「みんなの青色申告」です。こちらは弥生社に負けず劣らず会計ソフトメーカーとして知名度を誇る大手のソリマチが開発した、フリーランスをはじめとした個人事業主の方々に特化した会計ソフトです。

みんなの青色申告も「やよいの青色申告」同様に青色申告がはじめという方でも安心して使える会計ソフトである点と、価格面でも手頃な料金となっている点が評価できましたので第3位となりました。

その料金ですが、希望小売価格は9,800円となっているものの、実売価格は8千円前後です。

しかもこの料金には一年間の電話サポートが付いています。

電話サポートが付くと1万円を超える会計ソフトが多い中、みんなの青色申告は料金面で良心的と評価できます。

みんなの青色申告のメリット・デメリット

ではみんなの青色申告のメリット、デメリットについて整理してみましょう。

(メリット)

  • 8千円程度の実売価格で電話サポートも付いてくる
  • 会計ソフトで高い知名度と実績を誇るソリマチ社が小規模企業や個人事業主向けに開発したソフトであるため、安心感が高い

(デメリット)

  • 電話サポートがある点は心強いものの、確定申告シーズンとなると電話が混み合い、サポートがほとんど受けられなくなる
  • 法人向けの会計ソフトをベースに機能を絞った作りとなっているため、使用されている会計用語や仕訳の考え方がやや高度で、会計や簿記に関する知識がない場合には戸惑う場合もある

4位:freee(フリー)

4位として推奨する会計ソフト、正確には会計クラウドサービスが「free」ではなく「freee(フリー)」」です。Freeよりeが一文字多いユニークな名称で知られるfreee(フリー)は第2位で紹介した「MFクラウド青色申告」と共に、個人事業主や小規模企業経営者の皆様から絶大な支持を獲得し、クラウド型会計サービスの双璧と称されています。

そのため、ネット上ではクラウド型会計サービスでは「MFクラウド青色申告」と「freee(フリー)」のどちらが良いか比較した記事やサイトが多数発見できます。

freee(フリー)の特徴は「みんなの青色申告」や「やよいの青色申告」といった昔からある会計ソフトと一線を画し、用語や複雑さを可能な限り排してシンプルさを追求している点と、MFクラウド青色申告が備えている銀行やクレジットカード明細の自動取得機能を備えている点です。

ところが、これらの点で必ずしもメリットとは言えない面もありましたので、MFクラウド青色申告が2位でfreee(フリー)が4位という結果になりました。

ではfreee(フリー)についてもメリットとデメリットをお伝えします。

freee(フリー)のメリット・デメリット

(メリット)

  • MFクラウド青色申告以上に簡単さ、シンプルさを追求しており、特に青色申告が初めてという方は迷ったり、困ったりする場面がかなり解消されることが期待できる
  • 銀行(オンラインバンク限定)やクレジットカードの明細を自動取得する機能やそれを自動仕訳する機能が備わっている

(デメリット)

  • 明細の自動取得において対応している銀行数やクレジットカードの種類でMFクラウド青色申告よりやや劣っている
  • 会計処理を簡単にすることを追及しているため、例えば補助科目など他の会計ソフトなら当たり前のようにできる機能がないものもある

5位:わくわく青色申告

第5位として最後に紹介するのは株式会社ピクシスが開発した会計ソフト、わくわく青色申告です。わくわく青色申告はフリーランスをはじめとした個人事業主、小規模企業に特化された会計ソフトであり、青色申告がはじめてという方も勿論対象ですが、長年青色申告を行なってきたベテランフリーランスの方や企業経営者の方からも厚い信頼と支持を得ています。

青色申告初心者の方にとっては、ユーザーインターフェースが企業向けの本格的な会計ソフトのようなタッチであるため、多少とっつきにくく感じられる点はマイナスですが、ベテランの方々から高く評価されていることからもわかるとおり、使えば使い込むほど細部まで工夫や配慮がされたソフトであることを実感できる、そんな会計ソフトです。

わくわく青色申告のメリット・デメリット

(メリット)

  • 正統派の企業向け会計ソフト同様のインターフェースで、小規模であっても本格的な会計処理を行なうのに適している
  • 頻繁なバージョンアップがなくアップデート対応で事足りる場合が多いため、長期的に利用した場合にローコストで済む・ヘビーユーザーからの評判が高く、長く愛用できるソフトである

(デメリット)

  • 初心者も対象としているが、インターフェースが堅苦しく、会計ソフト利用経験がない方々にとっては多少難しく感じられてしまう
  • ある程度初歩的な簿記の知識はあることを前提とした作りになっているため、そうした知識がない場合には調べながら操作を行う必要がある

6位:やるぞ!青色申告

おすすめポイント

・申告に必要な機能完備
・2ライセンスに対応だから帳簿の共有ができる
・購入から最長15カ月無償サポートあり

特徴

やるぞ!青色申告は、はじめて確定申告を始める方のために、画像付きマニュアルで操作方法を細かく説明しています。Excelで作ったCSVデータを簡単に取り込めるので、これまで会計帳簿をExcelでつけてきた方も会計ソフトへスムーズに移行できます。

最低価格5378円~
おすすめ度★★★
対応osWindows / MAC
ソフトタイプPCインストール型

7位:ツカエル青色申告

おすすめポイント

・選ぶだけで入力ができる
・事業所データー数に制限がない
・起動から集計までスムーズな動作で快適

特徴

ツカエル青色申告は、使いにくい会計ソフトをシンプルでわかりやすいメニュー画面にしたことで、はじめて利用される方たちに支持されている会計ソフト。複数の事業に対応しているので、活動範囲が広いフリーランスの方におすすめです。

最低価格5000円~
おすすめ度★★★
対応osWindows
ソフトタイプPCインストール型

8位:Macの青色申告

おすすめポイント

・専用iPhoneアプリと連携でどこでも入力可能
・専門地漆器不要で決算書作成までできる
・シンプル操作で入力時間を削減

特徴

Macの青色申告は、青色申告の複式帳簿をMacで作れる数少ない会計ソフトです。複雑な計算などしなくても、簡単なステップで決算書まで作れます。年度途中の消費税率の変更も自動切替が可能なので、頭を悩ませる心配がありません。

最低価格6480円~
おすすめ度★★★
対応osMAC
ソフトタイプPCインストール型

9位:会計王

おすすめポイント

・通帳やカードデータを自動仕訳
・科目を自動変換で提案してくれる
・通信速度に関係なくサクサク集計できる

特徴

会計王は、手間のかかる明細入力を自動仕訳してくれるので、ムダな時間を削減。仕訳がわからないときは対話形式でアドバイスしてもらえ、監視機能が備えられているので入力ミスを防げます。他社データの取込ができるので、すぐに導入から作成までできます。

最低価格40000円~
おすすめ度★★
対応osWindows
ソフトタイプPCインストール型

10位:MJSかんたん!法人会計

おすすめポイント

・複数の帳簿を起動したまま画面切替えが可能
・よく使う機能を記憶してすぐ呼び出せる
・口座やカードの明細データを自動で取り込む

特徴

MJSかんたん!法人会計は、1回の入力で関連する帳簿や資料を自動作成してくれるため、確定申告まで時間が迫っている方におすすめです。付箋機能が備えられているので、重要な内容なども期限前に確認できるため、ミス無く確定申告書類が作成できます。

最低価格32400円
おすすめ度★★
対応osWindows
ソフトタイプPCインストール型

11位:青色申告らくだ

おすすめポイント

・売掛帳や買掛帳の帳簿が簡単に入力できる
・自分好みの形式で入力や編集が可能
・自動バックアップ機能付きでデータをしっかり保護

特徴

青色申告らくだはクラウドストレージ連携したソフトなので、事務所や自宅など、それぞれのパソコンから同じデータの帳簿付けができます。(インストールは2台まで)フリーランスに必要な家事按分が簡単にできるので、経費計算の心配不要です。

最低価格9720円
おすすめ度★★
対応osWindows
ソフトタイプPCインストール型

12位:会計らくだ

おすすめポイント

・各帳簿や伝票の入力情報を自動転記
・複雑な機能もシンプルでわかりやすい
・PDFファイルに変換してタブレットなどで確認できる

特徴

会計らくだは、入力したデータを決算資料として依頼している税理士に提供できるため、コスト削減で確定申告ができます。簡単な処理は自分で行い、難しい処理は専門家にお願いすることで作業時間の効率化ができます。

最低価格12960円
おすすめ度★★
対応osWindows
ソフトタイプPCインストール型

フリーランスが確定申告するべきなのはいくらから?

所得税を確定させるには、その前提として「所得」がどのくらい発生したかが鍵となってきますが、確定申告はいくらの所得が発生した場合に必要になってくるのでしょうか。

check-t021 img「20万円以下」は間違い!正しくは「38万円以下」

 

この点についてサラリーマンだった経験があるフリーランスの方が特に誤解しやすいのが、「20万円以下なら確定申告不要」という基準です。

20万円以下という基準はサラリーマンやパート従業員といった「給与所得」がある方を対象にした場合の基準です。

フリーランスの方は雇われて給与所得を得る立場ではなく、「事業所得」を得る立場となりますので20万円以下という基準は適応されません。

フリラーンスの方が適応される基準は「38万円以下」という基準です。

つまり38万円以下までの事業所得なら確定申告は不要なのです。

この38万円とは「基礎控除」と呼ばれるもので、基礎控除とは所得の種類に関係なく38万円までは所得税から控除する、即ち課税対象外とする金額のことです。

そのため仮に事業所得(売上から経費を差し引いた額)が38万円以下なら所得税が0円となりますので、所得税の確定申告も不要となる訳です。

つまりフリラーンスの方は該当年度に38万円を超える事業所得が生じた場合、確定申告を行なう必要が生じることになります。

青色申告と白色申告の違い

次に確定申告の方法について説明します。

確定申告の方法には「青色申告」と「白色申告」(以下青色と白色)という二つの方法があります。

なぜ青色と白色の二種類の申告方法が生まれたかですが、その大きな要因となったのが所得税の計算根拠となる会計帳簿の記帳方法です。

帳簿への記帳方法は簿記の知識が必要になる複式簿記という方式と、簿記の知識があまり必要とされない、大雑把に言えば家計簿と同様な感覚で記帳できる単式簿記という二つの方式があります。

当然複式簿記の方が複雑で難しいし、記帳作業は大変になります。

一方単式簿記なら簡単で、誰でも取り組みやすいと言えますので、どちらを選んでも良いとなればおそらく多くの方が単式簿記の方を選ぶでしょう。

ところが税務署としてはより正確に申告内容が掴めるのが複式簿記の方なので、できるだけ複式簿記で申告して欲しいのが本音です。

そこで難しく大変な複式簿記を選んで頑張って申告した方にはそれに見合った特典を提供することで、複式簿記での申告をできるだけ選んでもらえるようにということで生まれたのが青色と白色の二つの申告方法だった訳です。

ではどのような違いがあるか、またそれらの違いはどのようなメリットまたはデメリットとなっているのか、主な事項をご紹介しましょう。

複式簿記申告による65万円の税額控除という優遇の有無

  • 青色:複式簿記での申告を選べば65万円の控除を受けることができる
  • 白色:単式簿記でも申告は可能だが、控除は受けられない

専従者給与の全額経費化が可能か否か

  • 青色:生計を共にしている親族の給与が妥当な額なら全額給与、即ち経費にできる
  • 白色:配偶者は65万円、それ以外の親族は50万円までしか経費として認められない

損失額が繰り越せるか否か

  • 青色:最大3年間損失額を繰り越すことができる
  • 白色:原則として翌年以降への繰越は認められない

こうした違いがあります。

複式簿記で記帳し申告することは大変ですが、ご紹介したような税制上のメリットが大変大きいため、こうしたメリットが十分活かせる事業所得が発生した場合には白色ではなく、青色を選択した方が断然有利です。

クラウド型とインストール型会計ソフトのメリット・デメリット

ここまでで申告の違いなどを理解できたと思います。
次に実際に会計ソフトを使う場合はどちらがおすすめかみて行きましょう。

現在、会計ソフトにはパッケージやダウンロード購入する「インストール型」、月額や年払いで利用できる「クラウド型」の2種類あります。これまで手書きをして確定申告していた方にとって、どちらも魅力的な会計帳簿ではないでしょうか。

これから会計ソフトを導入する方のために、クラウド型とインストール型のメリット・デメリットをお伝えします。

クラウド型会計ソフトのメリット・デメリット

クラウド型の方が使いやすいという意見が多く寄せられていますが、デメリットがあることも覚えておきましょう。

クラウド型会計ソフトのメリット

・WindowsとMacのOSどちらも対応
・スマホやタブレットなでも利用できる
・パソコンが壊れても会計データに影響しない
・バージョンアップは無料で行なってくれる
・取引銀行などの情報を自動取得
・他の人とシェアできるサービスもある

クラウド型会計ソフトのデメリット

・私用と混合した明細書も自動取得してしまう
・インターネットが必要
・機能性に欠けている

インストール型会計ソフトのメリット・デメリット

インストール型は主にキーボード入力がメインになりますが、安定感があることから不動の人気を誇っています。メリットが多く感じますが、デメリットもあります。

インストール型会計ソフトのメリット

・会計データをパソコンに保存できる
・回線速度に関係なくサクサク入力できる
・電話サポートなどが充実している
・手動入力で複雑な処理ができる

インストール型会計ソフトのデメリット

・ソフトのインストールが必要
・法令改正したらアップデートが必要
・バージョンアップが有料

知人や仲間とシェアして使える会計ソフトはクラウド型

会計ソフトを会社仲間や税理士などの知人とシェアして使いたいなら「クラウド型会計ソフト」一択になるでしょう。

クラウド型会計ソフトの多くが、パソコンのほかに、スマホやタブレットの端末から操作が可能なので、確定申告をはじめて行うフリーランスの方も安心です。

知人や仲間と一緒に会計ソフトを利用するときは、必ずスマホ対応のクラウド型会計ソフトを選びましょう。使いやすさでおすすめなのは「やよい会計」や「MFクラウド確定申告」です。

のちほど、こちらの特徴や価格などをお伝えしますが、シェア率が高いことで多くのフリーランスの方たちに愛用されています。

勘定科目と機能もクラウド型が優秀

次に勘定項目と機能をみて行きましょう。
この点もインストール型のパッケージ商品よりもクラウド型の方が単価は上がっても拡張性がある分、メリットが大きいでしょう。

フリーランスが会計帳簿をつけるときに、意識する必要があるのが経費などを勘定科目に仕分けることです。たとえば、宣伝活動のためにチラシを作成したときの費用は「広告費」など、税金の計算を分けて記載していきます。

勘定科目を区分することで、経費がどれくらいかかっているのかなど、一目で判断できます。決算書を見やすくするためにも、勘定科目はとても大切な意味があるのです。

勘定科目の違いとは?

勘定科目はいくつもあるので、覚えるのが大変ですよね。数ある勘定科目の中から、一部科目名と意味についてお伝えします。

区分勘定科目内容
資産現金現金や送金小切手など
資産売掛金1年以内に代金を受け取る見込み額
資産商品抱えている在庫
負債買掛金掛けで仕入れた額
負債未払金光熱費などをクレジットカードで払った未払い額
負債前受金手付金など
負債預り金一時的にお金を預かっている分
収益売上高クライアントへ売り上げた額
収益雑収入本業とは関係ない収入
費用地代家賃借貸している事務所などの費用
費用事務用品費コピー用紙やペン、テープ代など
費用消耗品費10万円以下の消耗する物品
費用外注費外注に支払った額
費用給与手当正社員へ支払う給料
費用雑給アルバイトやパートへの給料
費用仕入高商品を仕入れた時の額
費用修繕費会社の建物などを修繕した額
費用水道光熱費電気代や水道代などの光熱費
費用会議費打ち合わせで会議室を使った室料
費用広告宣伝費看板や広告に支払った額
費用雑費どの勘定項目にも当てはまらない少額

補足:フリーランスに最低限必要な会計ソフトの機能

会計ソフトにはさまざまな機能が用意されていますが、それぞれ採用されている機能が異なります。上記でお伝えした勘定項目については、必要な分を追加作成できるため、科目名の多さで選ぶ必要はありません。

フリーランスに最低限必要な機能は、次の3つです。

・各種仕分け機能
・帳簿機能
・伝票機能

会計ソフトは決算書まで作成でいるため、最低限必要な機能は上記の3つさえ揃っていれば、確定申告の書類作成がとてもスムーズにおこなえます。

会計ソフトでなく税理士への依頼はいくらから?

会計ソフトの使いやすさから、フリーランスの利用率が高まっていますが「入力の手間」や「確定書類の用意」など、時間がかかってしまうデメリットがあります。そのため、会計ソフトから税理士へ依頼を考える方も少なくありません。

そこで問題となるのが「いくら稼いだら会計ソフトから税理士に依頼するべきなのか?」です。

正確な確定申告書類が作成できるなら、会計ソフトも税理士のどちらでも問題ありません。いくら稼いだらというボーダーラインがありませんので、自分の好きなタイミングで税理士へ変更することを考えていきましょう。

たとえば、

・収入が上がり入力項目が増えた
・事業と私用の資金データが一緒になって大変
・個人事業税が取られるようになった
・消費税の支払いをしなくてはいけない

フリーランスが税理士に依頼する目安として、まずはじめに個人事業税が取られてから考えてみることをおすすめします。

事業税はフリーランスとして働く人だけに課せられる税金で、所得が290万円を超えると、その超えた分に対して3~5%の税金が発生します。事業税は収入ではなく所得を対象にするのですが、所得が高くなるほど業務も忙しくなるため、経理にかける時間が短くなるケースが多いです。

課税売上が1000万円ラインを超えたら税理士に依頼すべき

業種によって所得290万円以上でも経理時間がある人も多いでしょう。次の目安として消費税の支払いが必要な、課税売上が1000万円を超えたときに考えてみましょう。

課税売上とは消費税が必要な売上の部分をいうため、フリーランスとして働くほとんどの人は課税売上と言えます。

課税売上が1000万円以上といえば、事業税を払っているとき以上に業務が忙しくなるため、時間確保のために会計ソフトから税理士に依頼した方が効率よく働けます。

会計ソフトと税理士のメリット・デメリットを比較

メリットデメリット
・正確に複式簿記を作成してくれる
・節税の見落としがない
・経理時間の削減で作業に集中できる
・確定申告の時期が来ても焦らず過ごせる
・現在の事業結果をアドバイスしてもらえる
・税務調査が来たときに立ち会ってもらえる
・コストが高い
・依頼できる内容は会計ソフトと一緒
・お金の動きなど金銭感覚が鈍る
・資格を持たない偽物もいる
・税理士の強みと業種がマッチしないことがある

税理士に会計帳簿の依頼をするメリットは、業務時間を最大限に活用できることでしょう。経理の時間を削減できるため、事業拡大も目指せます。

ただし、税理士に依頼するとなれば費用が発生することを覚えておきましょう。確定申告の依頼をすると、平均で月1万円からといわれています。経理担当の従業員を一人雇うよりも安いといわれていますが、フリーランスにとって大きな経費に思う方も多いのではないでしょうか。

会計ソフトと税理士の作業を比較

会計ソフト税理士
・Excelで作成したCSVデータを移行・銀行口座やカードデータを自動取込

・仕訳に矛盾があるとエラー表示

・各帳簿データを集計して経営状況データを表示

・パソコンやスマホからデータ操作や確認可能

・税制改正を自動で対応

・バランスシートの作成

・確定申告書を作成”

・レシートなど領収書の登録・税制改正に対応

・バランスシートの作成

・経営の相談やアドバイス

・節税の相談やアドバイス

・複数の業種もすべて対応

・税務調査の対応

・確定申告書に必要な書類をすべて用意

会計ソフトと税理士の作業は、どちらも同じように見えますが、会計ソフトは銀行口座やクレジットカードデータを自動取込が主流になっており、経理ミスを防ぐ機能がたくさん完備。

一方、税理士も会計ソフトではできない経営や節税のアドバイス、税務調査の立ち会いなどをしてくれます。会計ソフトと税理士のどちらがいいのかは個人差がありますので、まずは自分がやってもらいたい作業に当てはめて考えることをおすすめします。

金銭の動きや今の状況を管理したい人は「会計ソフト」、経営や節税アドバイスまでみてもらいたい人は「税理士」が最適です。

フリーランス向け確定申告会計ソフトランキングまとめ

今回は、確定申告に向けてフリーランス向けおすすめ会計ソフトをお伝えしました。各メーカーから、さまざまな会計ソフトが販売されており、特徴や価格が異なります。

事業環境に合わせて選ぶことで、手間のかかる会計帳簿も簡単に作成できますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。