看護師は「売り手市場」だと言われています。高齢化が進む中で病院へ行くお年寄りも増えていますし、それだけではなく老人ホームや福祉施設、訪問看護など看護師の資格を持っている人への需要は増えています。だから、無理をして低賃金、悪い待遇の中で働くことはないのです。

今回は転職を希望している看護師がどのように転職すればいいのか、ハローワークと転職サイト、転職エージェントを比較してみようと思います。どちらが有利なのでしょうか?

売り手市場の看護師

現在、看護師は空前の売り手市場になっています。

厚生労働省の統計によると

平成26年の求人倍率

全求人倍率 1.52倍
看護師求人倍率 3.26倍
准看護師求人倍率 1.61倍

正看護師の場合、1について3.2社の求人がある状態であり、「選ばなければどこかに就職・転職できる」のではなく「十分選べるだけの求人がある」と判断されます。

労働市場分析レポート 第 61 号

一方で離職率が高いのも看護師の特徴ですよね。夜勤、休日出勤、シフト制、もちろん生死の現場にいるというストレスもあり、心と体がもたない人も増えています。だからこそ、今ならばより良い環境に転職できるチャンスなんですね。みなさんが欲しい職場はたくさんあります!

ハローワークは玉石混交

転職と聞くとまず思い浮かぶのが「ハローワーク」(公共職業安定所)です。国が運営する転職先あっせん所であり、誰でも利用することができます。

在職中に転職先が決まらなかった人や、退職して落ち着いた環境で転職活動したい人は、ここに登録して「失業者認定」を受けることができます。もちろん、在職中にこちらで転職先に応募することも可能です。

ハローワークでできることは以下の通り。

  • 求職手続き(求職申込み、職業相談、職業紹介)
  • 雇用保険手続き(失業等給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付(高年齢者雇用継続、育児休業、介護休業))
  • その他のサービス(就職・仕事に関する情報提供、就職に必要な資格・経験・職業訓練コース等の情報提供)

企業求人だけではなく、看護師向けの求人も多数あります。求人票が壁に貼っているほか、大部分の求人についてはハローワークの専用端末(PC)で探します。行ったことがある人ならご存知でしょうが、キーボードで入力するのではなく、タッチペンで直接端末を押していき探します。

職を探しに来る人は、みなさん当たり前のようにパソコンを使えるわけではないということですね。ただ、みなさんにとっては端末の操作は造作もないことでしょうから心配しなくても大丈夫です。

ハローワークにある求人は、当該ハローワークの近くの事業所だけではなく、遠隔地も探すことができます。だからこそのコンピューターネットワークなのですが、転職サイトの専用端末がハローワークにあると思ってください。

求人数は非常に多いのですが、実は当サイトではあまりハローワークをおススメしません。理由は以下の通り。

①求人票の掲載が無料

ハローワークではどんな企業、事業所(病院や学校なども含む)も無料で求人票を出すことができます。無料で出せるということは採用にお金がかからないということであり

  • ブラック企業
  • 採用にお金をかけたくてもかけられない経営がやばい企業
  • 社員なんてコマの1つとして見ていない企業

など、転職してはいけないレベルのところがごろごろしています。もちろん、いい企業、ホワイト企業もあるのですが、玉石混交であり、しかも玉よりも石(それも黒い石や溶岩)が多いので探すのが大変です。

②半社会的な求人や明らかな違法求人があっさり掲載される

もう1つ、やはり「お役所仕事」なので、内容への審査があまりありません。「明らかにこの求人は反社会的でヤバいんじゃ・・・」というものや「休日毎月2日」(休みは毎週1日以上)「時給700円」(最低賃金以下)といった違法な労働条件の求人が当たり前にあるのがハローワークです。

最近はチェックも入るようになりましたが、「裁量労働制」「残業代は〇〇時間まで込)といった感じでブラックであることを巧妙にごまかして求人する企業が後を絶ちません。

③やはりお役所仕事

ハローワークは原則8時30分から17時15分まで、土曜日・日曜日・祝日・年末年始はお休みというカレンダー通りの仕事です。最近は19時くらいまで開庁していたり、土日も一部で相談を受けるところも増えてきましたが、民間エージェント(後述)のようなフレキシブルさはありません。

ただ、「みんなでブラックな環境になろうぜ」ということは良くないですからね。人によっては行けないケースもありますし、紋切り型の対応に文句が出ることもあります。

④担当者はプロではない人も

ハローワークの担当者は看護師転職のプロではありません。看護師業界、医療業界に詳しいわけではありませんから、定型の決まった対応しかしないでしょうしできないと思います。細かい看護のことを聞かれても答えられません。

せっかく売り手市場なのですから、もっと自分を評価してくれるところに行くべきです。

ハローワークでの転職はまとめるとこんな感じ

・誰でも無料でできるところなのでサービスはお察し
・職員も看護業界に詳しいわけではない
・人事にお金をかけられない、かけたくないブラック企業が多い
・玉石混交で石のほうが多い

となります。本に例えると、看護の専門書はしかるべきところで売らないと高く売れません。B●▲K O◆Fなら、中身の査定をせずに、発刊日だけ見て1冊10円とかの値を付けます。これがハローワーク。

しかし、神保町などにある専門古書店なら、しっかり中身を吟味して、1冊数千円で売れる。こちらが転職サイトや転職エージェントになります。

せっかくご自身の価値を高く売れるのに、素人の目利きで変な客に売るなんてとんでもないです。だからハローワークをメインにするのはNGです。暇ときに覗いてみてもし優良そうなものがあれば応募する、くらいならOKです。

転職サイトは依頼主がお金を出している

次は転職サイトです。

転職サイトには

・「リクナビNEXT」や「en転職」など総合転職サイト

・「看護の仕事」「マイナビ看護」

など看護師専門の転職サイトがあります。

当然ながら看護師に理解があり、優良求人が多いのは看護師専門の転職サイトです。

転職サイトは

  • 掲載するには求人側がお金を払う
  • 何かあれば(違法行為等)以降の掲載ができなくなる
  • 長い付き合いのところは「隠れ求人」などの良い条件の求人が掲載される

という特徴が一般的にあり、さらに看護師専門であればより専門性に詳しい担当者がいるので、ICU看護師や手術室看護師といったなかなか他では求人できないような重要なポジションの看護師も求人が出るというわけです。

じゃあ、リクナビ等の総合転職サイトには登録する必要がないかというとそうでもありません。リクナビは圧倒的に民間企業に強いサイトですよね。

つまり、「企業看護師」や製薬会社で看護師職を持って働くケース、治験会社などの求人であれば、薬剤師や化学・生物学の修士などと一緒に求人がある可能性があります。資格者が少なくて専門的過ぎる分野は、それに対応した転職サイトがないのでリクナビなどに掲載されるかもしれません。

また、看護師として働くのか、一応持っているけど他の事務職にするのか迷いながら探しているケースなどは、看護師専門転職サイトではない方がいいでしょう。

当サイトとしましては

  • リクナビ、enなど総合転職サイト1つ
  • 看護師専門サイト2つくらい

に登録して転職活動をすることをおススメします。

転職サイトはハローワークと違い、求人を掲載するのに広告費を払うわけですから、求人にお金をかけられない、かけたくない、かけるつもりのない「ブラック」な職場は排除されています

また、夜でも休日でも自分の空いた時間に応募できますから、働きながらでも、辞めて昼はリフレッシュしながらでも転職活動ができるメリットがあります。

採用スケジュールも書いてありますから、「すぐ来てください」とか「明後日面接します!」と慌てて呼び出されることもないので、プライベートと転職活動の両立がしやすくなっています。

最近は履歴書やエントリーシート、職務経歴書の添削指導や電話、メールでの相談を受け付けているところもありますから積極的に利用しましょう。もちろん、転職サイトの利用は無料ですので安心してください!

転職エージェントは採用した側がエージェントのギャラも払う

3つ目は「転職エージェント」です。看護師は売り手市場なので、専門の転職エージェント会社がいくつもあり、ハローワークや転職サイトに出ない「非公開求人」もたくさんあります。

看護師専門の転職エージェントとしては

メドフィット看護師」や「美容外科求人ガイド」、「ナースライフ」などがあります。

※当サイトの各看護師転職エージェント記事はコチラ

メドフィット看護師の評判|クオリティーが高いワケとは?

美容クリニック専門【美容外科求人ガイド】の口コミ集めました

看護師専用転職支援サービス【ナースライフ】口コミ・評判ガイド

転職エージェントの特徴を改めてまとめると

①履歴書の作成、応募、スケジュール管理などすべてやってくれる

商品価値ありと判断した人を転職させるのがエージェントです。そのため、求人への応募や各種書類作成、スケジュール管理まで全部やってくれます。だから身一つで面接に行けばよくて、忙しい看護師の方も安心です。

②非公開求人、特別求人などがある

転職サイトやハローワークと違い、誰でも求人を探せるわけではなく、エージェントに来た求人をエージェントが「この人なら大丈夫そう」と判断し紹介するわけです。

したがって、希少な勤務場所の求人(公的機関や有名イベント会場など)や、普通の人にはレベルが高い求人(ICU、VIPルーム、救急病院等)も人を選んで紹介される可能性があります。

当然、給与は高いですし、待遇についても配慮されています(すぐに辞められると困りますからね)。こうした「掘り出し物」があるのは転職エージェントならではと言えるでしょう。

③転職エージェントが生活のために頑張る

転職エージェントの多くが「歩合給」となっていて、保険の外交員や結婚相談所のカウンセラーのように契約が取れないとお金がもらえない仕組みになっています。

しかも、保険会社や結婚相談所であれば入会させれば後は放置プレイでいいのですが、転職エージェントの場合、転職後数か月経たないと転職させた会社から報酬が入らない仕組みになっています。

つまり、適当な会社(ブラック含む)に転職させてもすぐに辞められると一銭もエージェントに入らないので、

  • まともな会社を紹介し(事前の情報収集含む)
  • アフターフォローもしっかりやる

ということが不可欠です。だから、転職エージェントに「価値あり」と認められた人は、懇切丁寧なサービスが期待できるというわけです。

繰り返しますが、看護師は売り手市場なので転職するだけならそこまで大変ではありませんが、より良い職場に転職するためには「付加価値がある」と客観的に認められなければならず、そのために手っ取り早いのが看護師転職を手掛けて長い転職エージェントというわけです。

転職エージェントで食べていけるということは、しっかりとまともな会社に転職させていることにほかならず、すごく信頼できるはずです。

じゃあ、ハローワークは不要!?違います!

ここまで書いてくると、転職サイトか転職エージェントの2択でハローワークなんていらないんじゃないの?と思うかもしれません。

しかし、ハローワークには他では絶対できない「公的機関」としての役割があります。

①失業保険の受給

退職後の転職活動ならばハローワークに登録して失業保険(雇用保険)をもらいましょう。早く転職が決まれば「お祝い金」ももらえますし、これまで雇用保険を払ってきたわけですから権利としてもらえるものはもらいましょう。

転職活動(求職活動)の実績が必要ですが、ハローワークのブラック案件に応募する必要はなくて、転職サイトや転職エージェント経由の面接などでもOKです。つまり、ハローワークは失業保険をもらう場所にするわけです。

②職業訓練・教育給付金

ハローワークでは一定のスキルを身に付ける講座を無料で受けることができます。看護師関連のものはないですが、ワードやエクセルの基礎などもあります(あとは木材加工とか溶接とかありますがみなさんには関係ないですよね)。

ちょっと時間が空いたから、という場合、カルチャースクール感覚でタダで受講できます。また一定の検定試験や資格のための塾や通信講座を受ける場合、給付金をもらうことができます。タダで受講できればありがたいですよね。

望ましい転職戦略とは?

これらからわかるのは

  • ハローワークは失業保険をもらったり、職業訓練を受けたりする場所として割り切る(求人には積極的に応募しない)
  • 転職サイトや転職エージェントをメインにする

ということです。転職サイトの数は上に書いた通り、1つ~3つ、転職エージェントも1つか2つでOK。転職サイトと転職エージェントは活動のテンポやシステムが違うので「掛け持ち可」とします。

当サイトで紹介している転職サイト、転職エージェントはそれもおススメできるところばかりなので、とりあえず1か所ずつ登録してみて、自分の看護師としての転職価値を知るのも話悪くないと思います。

というわけで、表題の答えは

転職サイトや転職エージェントのほうがハローワークより看護師転職に有利

です。みなさんの活躍を応援しています。

転職サイトやエージェントとハローワーク、看護師転職に有利なのは? まとめ

・看護師の求人は空前の「売り手市場」である
・正看護師の求人倍率は3倍超、十分職場を選べるだけの求人がある
・ハローワークは無料で求人を出せるためブラック求人が多い
・転職サイト、転職エージェントは求人を出すのにお金がかかるのでブラックは減る
・「看護師専門」の転職サイトや転職エージェントを選んだほうが隠れた優良求人がある
・転職サイトと転職エージェントの掛け持ちはOK
・あなたに転職かあるなら転職エージェントはすごくがんばるはず
・ハローワークは失業手当等をもらうだけの場として割り切る
・有利なのは転職サイト、転職エージェント
・当サイトに掲載しているところはどこもおススメできます!