デンソーの期間工で働く全て。過酷さの口コミやメリットをレポート

「期間工は稼げる」と言われています。確かに、夜勤も多く残業手当や夜勤手当もたくさんもらえそうです。

さらに、寮生活によって、日常の衣食住が

  • 衣:作業着は支給
  • 食:寮の食堂でボリュームある食事を格安で食べられる
  • 住:家財道具一式がそろった部屋に格安で居住できる(光熱費会社負担のところもあり)

と保証され、日常生活費の会社負担が多く、自腹を切るシーンが少ないため、お金が溜まります。

残業代+夜勤手当+衣食住の補助

これで、期間工はとても稼げるのですが、それならば人が殺到するはずですが、そこまで集まっていません。

やはり、期間工の仕事内容や寮生活がキツイということの現れなのではないでしょうか?
過酷な生活では心身ともに参ってしまいますよね。

そこで今回は、口コミなどをもとに、デンソーの期間工についてあらゆる角度から検討してみたいと思います。

デンソーの期間工について知るメリットはこれ!
  • デンソーの仕事内容は他の会社の期間工とは少し違います
  • 待遇や寮の環境について理解します
  • 女性が多いこととなぜ女性に人気なのかその理由を知ります
  • デンソー期間工の過酷さは肉体的なものではないことを知ります
  • 口コミにはあまり批判的なものがありません。それはなぜなのか理解します

そもそもデンソーってどんな会社?

denso

まず、デンソーという会社について知っておきましょう。

デンソーは、トヨタ自動車グループの自動車部品メーカーです。
主な製品は、自動車の熱機器関連、エンジン関連(各種センサ、ECU、燃料噴射装置、点火装置、噴射ポンプ、コモンレールシステム)、電気機器関連、電子機器関連、ITS関連で、さまざまな自動車部品を生産しています。

また自動車部品以外でも、その技術を応用したドローンなども生産しています。
さらに、ワインセーバーや基礎化粧品など、自動車や機械に限らない製品開発に取り組んでいます。

かつてはアマチュアの多くを生産していましたし、今の生活に欠かせないスマホの「QRコード」を開発したのもこのデンソーです。車に乗らない方々もデンソーの技術にお世話になっていない人はいないくらい重要な会社だということがわかるはずです。

  • 自動車の組み立て、ボディの溶接、塗装→トヨタ自動車
  • 内部の部品生産→デンソー

こういう住み分けになっていると考えると、イメージしやすいはずです。
日本の自動車産業にとって絶対に欠かすことが出いない会社がデンソーです。

勤務先、工場は以下になります。
愛知県刈谷市を中心に、一部三重県や静岡県にも工場があり、その近くに寮もあります。

主な事業内容 所在地
本社 自動車関連分野、生活関連機器分野、産業機器分野など 愛知県刈谷市昭和町1-1
安城製作所 スタータ、オルタネータ、インバータ、MGの製造 愛知県安城市里町長根2-1
西尾製作所 カーエアコン、ラジエータ、電子制御式ディーゼル・ガソリン燃料噴射装置の製造 愛知県西尾市下羽角町住崎1
高棚製作所 情報通信関係製品、走行安全関係製品、半導体デバイス/センサ関連製品の製造 愛知県安城市高棚町新道1
大安製作所 点火系製品、先進安全関係製品、動弁系製品、駆動系製品、吸排気系製品の製造 三重県いなべ市大安町門前
幸田製作所 C、電子制御製品の製造 愛知県額田郡幸田町大字芦谷字丸山5
豊橋製作所 カーエアコン、サーボモータ モジュール、自然冷媒CO2家庭用ヒートポンプ給湯機の製造 愛知県豊橋市明海町3-23
阿久比製作所 生産設備、熱流センサ、LCPモジュール基板の製造 愛知県知多郡阿久比町大字草木字芳池1
善明製作所 電子制御式ディーゼル燃料噴射装置の製造 愛知県西尾市善明町一本松100
湖西製作所 ワイパシステム・パワーウインドウモータ等、自動車用小型モータの製造 静岡県湖西市梅田390
豊橋東製作所 ブロワモータ・クーリングファンモータ等、自動車用小型モータの製造造 愛知県豊橋市原町字南山1-323

詳しくはこちらをご覧ください。デンソーが誇る ものづくり拠点

デンソーの期間工の特徴は「軽い」「女性が多い」「残業が多い」

デンソーの期間工は、他の期間工と比べて「男くささ」「泥臭さ」が少なくなっています。特徴は以下の4点に集約されます。

1.力仕事が少なく、仕事が「軽い」

扱っている製品が軽いため力仕事が少ない

仕事が楽だということではなく、デンソーの製品(電装部品)は、車の部品の中でもかなり軽い部類に入る「ワイパー」や「ETC車載器」などが中心です。ワイパーを重いと感じる人はまずいないでしょう。

重い部品でも10㎏以上のものはほとんどなく(他の部品メーカーは数十kgのものを扱う)、肉体労働で疲れ切ってしまうということもありません。

体力がない人でもデンソーの期間工ならばこなせそう、ということで人気なのです。
重量の軽い電装部品を作っています。

普通の部品メーカーであれば、扱っている製品が ミッション等で数十キロを超えますが、デンソーの扱っている製品はこれだけ軽いんですね。

2.女性が多い

部品が軽いので女性でも問題なく取り扱えます。したがって期間工の女性比率が高く、男女比がほぼ半々です。

女性が多いから華やかできれいという一面もありますが、逆に女性が多いことで派閥やグループもできやすく、そういうのが嫌いな人や、孤立してしまいがちな人は向かないかもしれません。工業高校のように圧倒的に男性が多く、女性は5%くらいのほうがいい人もいますよね。

3.残業が多い

昼勤務夜勤務例

デンソーの場合、多品種を生産し、精密なチェックを行うので、残業時間が長くなります。

他の自動車の期間工の残業時間は、毎月10日程度ですが、デンソーの場合45時間を超えることが普通です。

「働き方改革」による残業規制で減っていくとは思いますが、力仕事は少なくても、集中して品質チェックを行う時間が長くなるので、精神的に参ってしまう人も出ます。

もちろん、残業代はきっちり支払われます。
残業代で稼ぎたい人にはデンソーはおすすめです。

4.3K仕事が少ない

精密部品の組み立てや検品が中心

デンソーの仕事は精密部品の組み立てや検品が中心です。

したがって他の自動車メーカーのような

  • 溶接:高熱のバーナーなどで板金等を焼き切る
  • プレス:機械で金属をプレスする
  • 塗装::薬品で塗装する

という工程がありません。

溶接やプレスは事故が起きると命にかかわりますよね。
塗装は薬品を使います。薬品中毒になったり、病気のリスクが増したりする可能性があります。

しかし、デンソーの場合は、細かい部品を組み立てるのが中心なので、命に関わることや、健康上のリスクを背負うことは稀です。だから人気があります。

<口コミ>

口コミも大体この通りで、総じて評判は良く、女性が多いのも事実で、残業もかなりありそうです(1日、3時間残業ならば1か月で60時間になります)。

デンソーの仕事内容は女性も問題なくできます 力仕事が少なくて楽!?

力仕事はないが細かい仕事が多い

デンソーの期間工として行う仕事は「多品種少量生産」で、カーエアコンやワイパーなどの部品を生産します。細かい手作業が多く、非常に神経を使います。

1.男性は製品の組み立てが中心

男性の期間工の方は、製品(電装部品:そう「デンソー」はここからきています)の組み立て作業を主に担当します。

力仕事になりますが、製品自体は重くないので、「非力だ」と思っている人も大丈夫です。また溶接やプレス、切断、塗装などの仕事はあまりないので、業務上危険なことも他の自動車期間工と比べて少なく、けがなどのリスクも低めです。

フォークリフトなどで製品を運ぶこともします。これも事故のリスクはあまり高くないですよね。

2.女性は製品の検査工程が中心

一方女性の期間工の方は、検査工程が中心です。機械を組み立てることもなく、力仕事がなく、だからこそデンソーは女性人気があるわけです。

ただし、製品検査ということは細かいところまでチェックしなければならず、精神的にとても疲れる細かい作業です。集中して何時間も同じチェック作業をするというのは、向かない人には向かないでしょう。

女性だから絶対に検査工程、ということもないので、苦手だと思う人は、面接時にその旨を伝えておくとよいでしょう。

<口コミ>

デンソーの給料は業界でも上位!手当も充実!

デンソーの期間工は給料も高く、年収500万円超えも可能だと言われています。なぜでしょうか?

1.基本給

デンソーでは

  • 時給 1260円前後
  • 日給 9900円

からスタートします。

日給約1万円、衣食住にお金があまりかからないので、これだけでも結構貯まりそうです。

2.残業代

毎月の残業が45時間を超えるデンソーです。

単純計算すると
1260円(時給)×1.25(残業割増)×45(残業時間)=70875円

基本給に加えて約7万円、残業代で稼げることになります。

3.夜勤手当

デンソーの部署によっては、夜勤があるポジションもあります。夜勤があるということは夜勤手当も付くというわけです。

したがって、基本給+残業代+夜勤手当で月収30万円超というのは、むしろ当たり前の世界であると言っていいでしょう。

4.満了金や入社お祝い金

期間工で働く場合、入社時にもらえる「入社お祝い金」や契約期間終了時にもらえる「機関満了報償金」が大きな魅力です。

デンソーの場合は、入社お祝い金は2万円と少ないのですが、半年ごと、契約期間をもとにもらえる「期間満了報償金」が他社に比べて多くなっています。

計算式は複雑なので省略しますが、出勤日数に応じて積み立てが行われ、

  • 最初の6か月 約13万円
  • 以後6か月ごとに(最大3年) 約30万円

もらえます。

つまり、3年満期まで在籍すれば

  • 最初の半年 13万円
  • 以後の2.5年 30万円×5=150万円
  • 合計 163万円

の報酬金がもらえます。

残業や夜勤が多い人は、満了報奨金も合わせれば、年収500万円も現実的な数字であることがわかります。

<口コミ>

デンソー期間工は正社員登用される!

「期間工から正社員」を謳ってる企業多いのですが、実際には「過去にいた」程度でほとんど可能性がない企業もあります。

しかし、デンソーの場合は、そうではなく実際に採用をしています。

デンソー2017年度の採用計画、179人増の1065人

2年前の記事ですが
>そのうち期間従業員からの正社員登用は32人増の140人とする計画だ。
とあるように、期間工の正社員登用を積極的に行っています。

ただし、20代であることなど条件もありますが、これだけ期間工から正社員登用を行っている企業もなく、さすがデンソーといったところです。

<口コミ>

正社員への登用は「都市伝説」ではなく、実際にも結構あり、SNSの口コミからそれを確認することもできます。

劣悪環境!?デンソーの寮生活とその口コミ

これまでの口コミは基本的にいいことばかりでしたが、環境としてマイナスだと言われるのが寮生活です。

寮費、光熱費は7000円

まず、「光熱費」名目で毎月7000円を給料から引かれます。無料の期間工の会社もあるのですが、デンソーは7000円だけかかります。それでも、家賃+水道光熱費で7000円ですから、一人暮らしするよりもはるかにお金が貯まります。

寮の部屋は当たり外れあり

どの寮になるのかは、仕事内容や性別、運などに左右されます。まさに「寮ガチャ」といえるでしょう。

1.完全個室タイプ

マンションのような部屋、学生会館や新しめの学生寮のイメージです。
お風呂やトイレが共同のところもありますが、個人のプライベートは完全に確保されます。

2.ルームシェアタイプ

3DKなど大きな部屋を数名でシェアします。ルームシェアと同じ感覚です。

お風呂やトイレ、ダイニングなどは共有して、寝室は各自別になります。鍵がかからない部屋もあり、壁が薄かったりして、完全なプライベートの確保はできないかもしれません。

3.和室ルームシェアタイプ

洋室、フローリングではなく、和室(畳)の部屋をルームシェアします。より所帯じみて、若い人には不評です。

教育寮ではないので、数人で1人の部屋に暮らしプライベートがない、ということはありませんが、寮には古い、新しいがあり、やはり新しい個室タイプをみなさん希望しますが、数は少ないようです。

新しめの寮に当たるといいのですが、外れを引くと昭和の高度成長期のマンションのように朽ち果てていく物件に当たるかもしれず、それがデンソー期間工の大きなマイナス点になっています。

キッチンがなく食堂を利用する

デンソーの寮には、キッチン(個室、共用スペース)がないところがほとんどで、火災防止のための措置なのですが、そうなると自炊ができず、工場の食堂か外食、コンビニなどで買ってくるしかありません。

食堂では1食600円~1000円くらいかかるので、3食食べると結構な出費になります。
寮費は安いのですが、衣食住の「食」についてはそこまで節約できないかもしれません。

その他寮について注意点

  1. ネット環境は自分で用意する
    寮に無料wi-fiなどはないので、自分でネット環境を用意します。回線を引くのは面倒なので、ポケットwi-fiなどを用意する人が多いようです。
  2. 車は6か月結果までは持ち込みできない
    愛知県の田舎に寮や工場があるので、市街地に行くためには車があると便利です。しかし、決まりで期間工として半年経過しないと持ち込みができなくなっています。

寮の環境に納得できない場合、自費でアパートなどに住むことも許可を撮れば可能ですが、それではただの契約社員です。寮付きでお金が貯まるのが期間工のいいところなので、メリットを消してしまうことになります。

<口コミ>

twitterのつぶやきでも、かなり寮には当たり外れがあることがわかります。
外れを引くと苦痛の半年(以上)になってしまいます。

デンソーの期間工に合格するには?

デンソーの期間工

デンソーの期間工として働くためには採用試験に合格しないといけません。

上述のように、機械の検査をするので、目がいいことが必須です。
また40歳までとなっているので、若い人向けの求人になります。

流れとしては

  1. デンソー採用ホームページにある「期間従業員採用情報」から応募する
  2. 選考会会場一覧画面が出るので、面接会場と日時を選択し、プロフィール等を入力して面接を予約する
  3. 当日は履歴書・筆記用具・本人確認書類を持参して会場に行く

という流れになります。一流企業の面接ですから、スーツで行くべきです(スーツがなければ落ち着いた格好(ゴルフができるような)で構いません)。採用倍率は0.5倍くらい、半数が落とされることもあります。

デンソーの期間工は果たして過酷か?

デンソーの期間工は過酷?

以上、さまざまな角度からネット上の口コミも参考にまとめてみました。
もっと辛辣な口コミも探したのですが、寮のボロさ以外はほとんど見つかりませんでした。

  • 重くない、力仕事は少ない
  • 女性が多い
  • 製品検査で神経を使うが体力はそれほど使わない

デンソーの期間工に向かないのであれば、「期間工」という働き方そのものに向かないのかもしれません(それがいい悪いではなく、そういう職業適性ということです)。

<デンソー期間工の過酷さ>

  1. 寮が汚い(可能性)
  2. 残業が多い
  3. 作業が細かく精神をすり減らす

この3点に集約されます。

ただ、こういうつぶやきもあります。期間工の宿命ですね。

残業と夜勤さえ大丈夫ならば、年収500万を超えて稼ぐことができ、住居費がほぼ無料なのでお金が貯まります。だから、採用倍率が高く、なかなか採用されない狭き門ということです。

「デンソーは期間工の中で過酷ではない。ただし、過酷だと感じる人は期間工自体に向いていない」
というのが答えになります。

期間工として働きたい方、その中で力仕事や体力に自信がない方はデンソーの期間工を候補にしてみてください。

デンソーの期間工で働く全て まとめ

デンソーの期間工まとめ
  • デンソーは愛知県刈谷市になる自動車の電装部品(ワイパー等)を作る会社
  • 期間工の仕事は力仕事や3K仕事は少なく、軽いものの精密チェックが中心
  • 肉体よりも神経を使う
  • 女性比率が約50%。他の期間工より抜きん出て多い
  • 一般的な期間工よりも残業が多い
  • 残業や夜勤が多いので稼げる
  • 入社お祝い金は少ないが、満了報奨金が多い
  • 年収500万円も結構簡単に達成できる
  • 寮に当たりはずれがあり、それが満足度に大きく影響している
  • 寮であたりを引けばかなりおすすめの職場である
  • 寮の環境以外のネガティブな口コミはとても少ない

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