収入が景気の波に左右されにくく、解雇される可能性も非常に低い公務員。
バブル崩壊後の就職氷河期で人気が高まって以降、安定して人気の職業となっています。
しかし一言に公務員とはいっても、初任給や仕事内容に違いがあるのです。
今回は、公務員を目指す方のために、初任給のランキングや必要な資格などをご紹介します。

公務員は民間企業からも転職可能?

公務員は地元志向や安定志向の強い方に人気の職業です。
よく、「公務員は安定しているから」という言葉を耳にしますよね。
確かに公務員の安定性は抜群で、滅多なことでは解雇されません。
また、年収も基本的には年齢とともに上昇していくため、民間企業よりも収入の波は緩やかです。
それだけに、不安定な民間企業を脱出して公務員へ転職を目指す方が一定数存在します。

ここで気になるのが、「いったん就職したあとでも公務員へ転職可能か?」という点。

結論から言えば、民間企業から公務員への転職は可能です。
実際に筆者の同僚でも、IT業界から東京都内の某市の職員へ転職した人間がいました。

公務員は中途採用も行っており、一定の条件に合致すれば誰もが公務員への転職に挑戦できます。
しかし、自治体や職種によって条件は様々ですので、まずはその条件を調査するところから開始していきましょう。

公務員への転職条件は?

公務員への転職は、民間企業への転職と少し異なります。
公務員になるには、試験を突破しなくてはならないからです。
この試験は俗に「公務員試験」と呼ばれており、筆記試験と面接試験や小論文試験によって構成されています。
これは、転職による中途組にも適用されており、「社会人経験者採用」向けの試験があるのです。
また、年齢にも一定の要件を設けている場合があります。
これは、自治体ごとに実施している地方公務員試験か、国が実施している国家公務員試験かで違いもありますので、以下に例を挙げておきます。

地方公務員の場合

・仙台市 平成28年度採用試験概要の要約
・事務職
年齢……昭和32年4月2日生まれ~昭和62年4月1日生まれ(59歳から29歳程度)
職歴……直近7年のうち5年以上、関連した職務経験があること
試験内容…筆記試験、面接

・獣医師職
年齢……昭和56年4月2日以降生まれ(35歳以上)
資格……獣医師免許を取得(見込み)の人
試験内容……筆記試験、論文試験、面接

国家公務員の場合

・国家公務員一般職試験 (社会人試験(係長級))
年齢……昭和52年4月2日以降生まれ(40歳~)
試験内容……基礎能力試験(筆記)、経験論文試験、政策課題討議試験(グループディスカッション)、面接

このように、地方か国家かなどで違いはあるものの、一定の条件があります。
ただし、年齢に関しては近年非常に緩やかになっており、30歳以下に限定するような若年層を対象としたものではありません。
40代、50代といった年齢の方も挑戦できるよう、年齢制限が変化しています。
つまり、誰もが自分の経験を活かして公務員試験に挑戦できるような土壌が整いつつあるのです。

公務員の職種別初任給ランキング!

安定志向とはいっても、収入は大切です。
「公務員は給料が高すぎる!」「民間に比べると安い!」という世論が巻き起こることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
ランキング形式で初任給を紹介していきます。
ただし、転職後の初任給は経験年数によって人それぞれですので、

1位:公務員医師・歯科医師

トップとなったのは、公務員医師・歯科医師です。公務員で医師?と不思議に感じるかもしれませんが、
国立病院などに勤務している医師は、国家公務員扱いなのです。
気になる初任給ですが、
博士課程修了……328200円
学部卒(6年)……243300円
となっています。

初任給で30万円オーバーは非常に高額といえるでしょう。これに経験年数が適用されれば、もっと高額になる可能性があります。
当然のことながら、国家公務員試験の突破以前に、医師・歯科医師資格が必要です。

2位:研究職

医師に続いて、研究職も初任給が高い傾向にあります。
博士課程修了……274800円
大学院卒……222600円
これは、資格というよりも学歴が大切。大卒よりも修士、修士よりも博士と初任給があがっていくため、ほぼ年功序列といえそうですね。

3位:警察官・消防士

警察官や消防士といった、時に危険な仕事に携わる職種では、初任給も高めです。
例えば、国家公務員として警察庁に採用された場合、初任給は以下のようになります。
総合職(院卒)……246000円
総合職(大卒程度)……218000円

また、地方公務員として警視庁に採用された場合、
大学卒業程度……252000円
高卒程度……212000程度
となります。

資格は得に必要ありませんが、年齢制限や体力、その他の条件が厳しい傾向にあるので注意が必要です。
以上、公務員への転職で初任給が高い職種トップ3をご紹介しました。
前述したように、これはあくまでも参考です。転職による初任給はバラバラであり、すべての人が同じ給料をもらうわけではありませんからね。
また、職種だけではなく、自治体ごとに初任給が異なる例も多いのです。

転職なら地方公務員がねらい目?自治体ごとに異なる初任給

かつて筆者の同僚が東京都内の某市へ転職したとき、それとなく給料の話をふったことがあります。
公務員は民間企業に比べると給料が低めという認識があり、年収はダウンしても安定をとったのかなと気になったからです。
ところが、返ってきた答えは「ほぼ横ばいか少し上」でした。
実際、大都市の公務員は年収が高めで、特に東京都を中心とした関東圏は自治体別ランキングでも上位を占めています。

参考までに、市町村別の平均年収を調べみると以下のようになりました。

1位:杉並区(東京都)……平均年収736万1020円
2位:目黒区(東京都)……735万2048円
3位:三木市(兵庫県)……733万7980円
4位:市川市(千葉県)……729万4780円
5位:浦安市(千葉県)……729万2816円

人口が多く活気のある自治体が多い関東圏が非常に強いですね。
ちなみに、知町村別平均年収を見ると、10位までのうち実に9つが東京、千葉、神奈川、埼玉で占められています。
さらに、都道府県別でも、1位は東京都の710万2564円。

地方公務員への転職とはいえ、東京都内や関東圏ならば上場企業レベルの高い年収を期待できるといっても過言ではないでしょう。

まとめ

年齢制限が緩和され、誰もが目指しやすくなった公務員。
特に地方公務員は、民間企業経験者へも広く門戸が開放されています。
福利厚生や年金の制度も手厚く、まだまだ安定した職といえるでしょう。

ただし、公務員は決して楽な仕事ではありません。
民間企業とは一味違う文化がありますし、職種によっては仕事も厳しいものがあります。
それでも、民間企業では体験することのない損得を抜きにした仕事や、社会のためになる仕事が多く、そこに魅力を感じて転職する方も多いようです。
自分の適性や将来を考えつつ、立場も年収も安定した公務員を目指してみてはいかがでしょうか。