平均寿命が延び、高齢者が増え続ける日本において、中高年層の転職や再就職が世間の話題になることがあります。
特に景気が悪化すると真っ先に煽りを受けるのが、中高年や高齢者の仕事。解雇や就職口の減少など、厳しい現実に直面することも少なくありません。
中には非常に労働条件が厳しいものもあります。
このような中高年、高齢者の厳しい状況は、20代、30代の若手社会人であってもいずれ向き合うときがくるかもしれませんよね。
そこで中高年や高齢者が就くことが多い仕事の中から、特にきついという声があったものをランキング形式でご紹介。
さらに、将来を見据えてどのような取り組みが必要なのか、という点についてもまとめてみました。

この仕事はキツそう!高齢者が多い仕事ランキング

まずは比較的メジャーな職業の中から、40代後半以上の年齢層が多いものをピックアップ。さらにそれを収入面や労働条件などから、キツいという声の多かったものから順にランキングしています。

1位:タクシー運転手

賛否両論ともに多数の声があったのが、このタクシー運転手という仕事です。40代後半以上の中高年層でも転職しやすく、高齢者であっても稼ぎ続ける方がいます。
しかし、タクシー運転手は良くも悪くも「腕次第」。泥酔客に対する対応や地理的な知識、運転を続ける体力と精神力などが問われます。
タクシー運転手は高齢者が転職しやすい仕事として需要があるものの、稼げる人と稼げない人の間には2倍以上の差があることも珍しくありません。
例えば、東京都内のタクシー運転手の平均年収は400万円と言われていますが、上は800万円を稼ぐツワモノから、下は200万円台まで存在するのが実情です。
営業力が無いと、年収は大幅にダウンしてしまいます。
頭の回転も良く、体力面でも有利な30代から40代前半のドライバーに比べると、年を取るにつれて不利になることも考えられるでしょう。
門戸は広くとも、稼ぎ続けるのは簡単ではないといえそうです。
また、若手タクシー運転手の増加により競争が激しくなり、相対的に高齢者の居場所が減ることも懸念として挙げられます。

2位:清掃員

タクシー運転手と同様に高齢者であっても転職しやすい仕事に、清掃員があります。
しかし清掃員は収入が低い傾向にあり、清掃員のみで生活を成り立たせることは厳しいのです。
清掃員の平均時給を調べてみると、東京都こそ1004円と1000円台をキープしているものの、大都市圏を離れてしまうと一気に700円台まで落ち込んでしまいます。
年金を受給できている現役の高齢者であれば生活を成り立たせることは可能ですが、20年後、30年後に日本の年金制度が現在の水準を保っている保証はどこにもありませんよね。
むしろ、現在20代から30代の人間は、「果たして生きている間に受給できるのか」という点が話題にあがるほど。
ただし、収入面を除くと対人関係のわずらわしさも少なく、清掃場所によっては肉体的にも辛さが少ないなど恵まれていることもありますので、収入は度外視で、とりあえず働きたいという方には適しているのかもしれませんね。

3位:マンション管理人(夫婦住み込みなど)

都市部では一軒家よりも分譲マンションや賃貸マンションのような集合住宅に対する需要が高くなっています。
それに比例するように、マンション管理人の求人が掲載されることも多いのです。
マンション管理人のうち高齢者向けのものとしては、住み込みの求人が挙げられるでしょう。
例えば60歳や65歳で会社を定年退職し、その後に夫婦で住み込む形で勤務するという例があります。
その場合、家賃はもちろんのこと、水道光熱費の一部も雇い主側の負担となり、一見待遇が良い仕事のように見えますよね。
しかし、職場と住居が同一ということは、裏を返せばプライベートの時間が侵食されるということにも繋がるのです。
加えて、住民から要望やクレーム対応など、精神的な負担になる内容も少なくありません。
報酬面も、夫婦二人分ということで考えるとそれほど恵まれていないケースがあり、この仕事を終の棲家としてしまうのはリスクが伴うように感じます。

4位:警備員

ときに「楽な仕事」として紹介されることもある警備員の仕事ですが、実際は体力と忍耐力が必要。また、勤務する現場にもよりますが、時間帯が不規則になりがちな側面もあります。
特に最近はセキュリティに対する意識が高まっているため、従来よりも警備に求められる内容が高度化し、肉体的にも精神的にも負担が大きくなる仕事と考えられるでしょう。
IT技術への対応や警備体制の厳重化など、高齢者が定年退職後にのんびり勤務できる仕事、という内容ではなくなっていくと予想されます。
また、有事の素早い対応という意味で考えても、高齢者より若手の人材を育成するケースが増えていくでしょう。

高齢者向けとして求人が多い仕事のうち、キツさが増していきそうな仕事を紹介してきました。
もちろん、これらの仕事に自ら進んで転職しているのであれば問題ありません。
しかし、「他に仕事がないから」という理由で安易に選んでしまうと、経済的にも肉体的にも追い詰められてしまう可能性があります。
では、年を取ってから充実した生活を送るために、どんな取り組みが必要なのでしょうか?

20年後を見据えた取り組みのコツ

門戸が広く開放されている仕事の多くは、常に人手が不足しており、どこかに必ずその理由があります。
また、比較的誰にでもできる仕事というのは、「多くの人が辞めていく仕事」と言い換えることもできます。
収入面や待遇面で問題を抱えていたり、将来性が乏しかったりと、働くことに意義を見出しにくいのです。
さらに、20年後という区切りで考えた場合、若年層の台頭や技術の進歩によって、転職や就職自体が厳しくなっていく可能性も大いにあります。
そこで、一生働き続けたいという方は、次の3点を意識してみてください。

その1:専門性を磨く

まず、何かの分野で専門性を磨くことが大切です。
将来的にその分野で仕事をすることがなくとも、何かひとつ特化したスキルや経験があるということは、仕事を探す上で大きな強み。
自分の能力、経験などをアピールする土台になりますし、専門分野から派生した分野の仕事にも繋がりやすくなります。

その2:テクノロジーへのアレルギーを減らす

今後20年で、あらゆる分野にテクノロジー、特に情報技術が密接に関わるようになるでしょう。
現に「〇〇テック」と呼ばれるサービスが続々と登場しています。
医療であれば「ヘルステック」、金融であれば「フィンテック」、不動産の「リアルエステートテック」などです。
どんな業界であっても、「デジタルが苦手」という言い訳は通用しにくくなります。
プライベートではアナログを好む傾向にあったとしても、ICTへのアレルギーは極力減らしておくに越したことはありません。
新しいモノやサービスを受け入れる柔軟性が大切です。

その3:ライフワークを持つ

ライフワークと言うと少し大袈裟かもしれませんが、要は「趣味」です。
仕事のほかに、情熱や時間を投入できる趣味がある人は、10年や20年という時を経て、それが仕事に繋がるケースが多くなっています。
特にクラウドサービスやWebサービスの増加で、個人的に蓄えた経験や知識をもとに収入を得ることが可能になっており、趣味の延長が意外なところで仕事に繋がることも珍しくありません。
例えば筆者はライターとして働いていますが、「DIYに関する有識者を募集」という仕事を見かけたことがあります。
実体験をベースにした情報を求められるので、単価が良くてもなかなか人が集まっていませんでした。
何よりも「利益度外視でやりたいことをやっている人間」は、不思議と周囲の人を惹きつける魅力があるもの。
趣味探しも、立派な老後対策になると言えるのではないでしょうか。

変化の激しい時代に年をとっていくということは、どこか自分が置き去りにされた気分になりがちです。
しかし、自分の核となるスキルや趣味を大切に育てていけば、それが人生を豊かにしてくれるでしょう。
高齢者になって生活だけを目的としたキツい仕事を選択しないためにも、今から出来ることはないか考えてみることをおすすめします。