転職や就職を志すかたであれば、転職サイトや就職サイトを利用することも考えられますよね。

インターネットによる情報提供は非常に便利ですし、求職側も求人側もより多くの候補から、スピーディーに相手を探すことができます。

しかし、これが職業紹介にあたるかどうかは、判断が難しいところなのです。

そこで今回は、「求人情報や求職者情報提供事業」と「職業紹介」の違いについて、まとめていきます。

求人情報や求職者情報提供事業とはどんなものを指す?

求人情報提供事業や求職者情報提供事業とは、主にインターネットを通じて求職者、求人者双方に情報提供をおこなっているものを指します。
つまり、単なる「情報サイト」であると考えられるでしょう。

あるサイトにたくさんの求人情報が載っていたとして、その情報をもとに自分で応募する形をとっていることが大半です。

求人情報提供事業や求職者情報提供事業では、サイト上に載っている情報へ誰の手を借りることもなくアクセスしていることがポイントです。

ちなみに、求人情報提供や求職者情報提供を行うにあたっては、特に許可や申請が必要とされていません。
しかし、転職サイトや就職サイトでは、単に情報を掲載しているだけではなく、応募に関する相談を受け付けたり、おすすめの企業を提供したりと、求職者と企業側の間に「第三者」が介入するサービスがありますよね。

こうなってくると、話は少し変わってきます。いわゆる「職業安定法第4条」における「職業紹介」に該当する可能性があるのです。

職業紹介ってどんなサービスを指すの?


では、職業安定法第4条に規定された職業紹介とは、どういったものさすのでしょうか。
職業紹介について、職業安定法第4条第1項では、次のように定義しています。

「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう」
引用元…厚生労働省(http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/anteikyoku/minkan/)

つまり第三者が求人側と企業側の間をとりもって、様々な調整や斡旋、仲介などを行えば、それは職業紹介に該当するということになります。転職エージェントは、この職業紹介に該当するといってよいでしょう。また、職業紹介事業を行うためには、厚生労働大臣の許可が必要です。担当するコンサルタントと面談しながら、おすすめの企業を紹介されるというスタイルがありますよね。これは、職業安定法第4条第1項における雇用関係の成立を斡旋するに該当します。しかし、場合によっては直接コンサルタントと面談をすることなく、メールや電話でのやりとりで紹介をうけることもありますよね。地方在住の方であれば、近くに転職エージェントの拠点がないといった理由で、電話とメールによる相談などもあり得ますから。
その場合、果たして「求人情報や求職者情報提供事業」に当たるのか、それとも「職業紹介」にあたるのか判断しづらいという声があがっていました。そこで厚生労働省によって、この2つを区別するための基準が設定されたのです。

厚生労働省の基準による区別とは?

インターネット上のサイトに求人情報や求職情報を掲載するサービスが、職業紹介に当たるかどうかという判断基準として、厚生労働省は以下の4点を掲げています。

number3_21 img提供される情報の内容又は提供相手について、あらかじめ明示的に設定された客観的な検索条件に基づくことなく情報提供事業者の判断により選別・加工を行うこと。

number3_22 img情報提供事業者から求職者に対する求人情報に係る連絡又は求人者に対する求職者情報に係る連絡を行うこと。

number3_23 img求職者と求人者との間の意思疎通を情報提供事業者のホームページを介して中継する場合に、当該意思疎通のための通信の内容に加工を行うこと。

number3_24 img情報提供事業者による宣伝広告の内容、情報提供事業者と求職者又は求人者との間の契約内容等から判断して、情報提供事業者が求職者又は求人者に求人又は求職者をあっせんするものであり、インターネットによる求人情報・求職者情報提供はその一部として行われているものである場合には、全体として職業紹介に該当する。
引用元…厚生労働省(http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/anteikyoku/minkan/)

これら4つをごく簡単に解説していきますね。

1について

求人情報・求職情報提供サイトで仕事や求職者を探すために、ある条件を設定しますよね。このような条件によらず、情報提供事業者が意図的に仲介してマッチングさせようという動きがあれば、それは職業紹介にあたりますよという内容です。

2について

求人情報・求職情報提供サイトを運営する事業者が、求職者もしくは企業側に個別に連絡し、面接日程の調整や推薦などを行うと、職業紹介とみなされます。転職エージェントを使うと、コンサルタントが日程調整や企業への推薦を行ってくれますよね。こういった連絡が該当します。なお、連絡方法は実際の面談だけではなく、電話やファックス、郵便、電子メールも含まれます。

3について

求人情報・求職情報提供サイトを経由して、求職側と企業側双方が直接電子メールで応募、採用といったやりとりを行える場合には、職業紹介には該当しません。この場合、求人情報・求職情報提供サイトを運営する事業者がやり取りしている情報に手を加えないことが大前提です。また、電子メール送信のための入力フォームを設置いる場合も同様の扱いになります。

4について

求人情報・求職情報提供サイトを運営する事業者が、求職者や企業側に対して、「最適な仕事を紹介します」「よい人材がいますよ」といった斡旋をすれば、それは職業紹介に該当します。また、氏名や電話番号、事業所名などを広告宣伝を通じて提供する場合も、全体的に職業紹介になると判断されるようです。

全体的にいえることですが、求職側と企業側の間をとりもつようなサービスがあれば、それは職業紹介にあたると考えてよいでしょう。間をとりもつのは人だけではありません。システムによって「斡旋」が自動化されていても、それは職業紹介になると考えられるのです。

少し難しい話題だったかもしれませんが、求人情報・求職情報提供事業と職業紹介の違いを解説してきました。今後マッチングサイトを運営したい、情報サイトを利用したいと考えている方は、基礎知識のひとつとして覚えておいてくださいね。

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