プログラミングスクールは無駄?学べるスキルを紹介

ここ2、3年で格段に注目されるようになったプログラミング教育。
幼児から会社のCEOまで、プログラミングスクールに通う人が増えています。
なぜここまで注目されるようになったのでしょうか。IT業界出身の筆者が、プログラミングスクールについて考えてみたいと思います。

プログラミングスクールに通うのは無駄?

結論から言うと、プログラミングスクールが無駄になるかどうかは人によります。

正直、プログラミングは独学でみっちり学んで高いスキルを付ける人も多いですし、独学で学べるならスクールの費用もかかりません。

そのため、筆者個人としては高額な費用を出してまでプログラミングスクールに通うのは無駄だと思います。

独学の勉強が苦手なら通うのはあり

ただ、プログラミングで結局一番大事なのは1日でも早く現場で経験を積み、実践的なスキルを身につけることです。

そのため、独学で学ぶのが苦手な方や、スクールを卒業した実績をアピールして就職・転職に活用したい場合はプログラミングスクールに通うのもありでしょう。

とはいえ、スクール卒業後にいきなり第一線での活躍は難しいですが、SESに就職→経験を積んで大手に転職したりフリーランスで独立を目指すなら悪い選択肢ではありません。

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プログラミングスクールで学べるスキルは?

プログラムの作成方法

では具体的にプログラミングスクールで何を学べるのかというと、当然基本はプログラムの作成方法です。

スマホアプリやwebサイト、オンラインバンキングのシステムなど、現代の生活の中にはさまざまなアプリケーションがありますよね。

こういったwebが絡むものは「webアプリケーション」呼ばれますが、すべて何かしらの言語を使ったプログラムで作られています。

また、家電製品の内部にもさまざまなプログラムがありますし、大企業を支えるプログラムの集合体のような製品もあります。

こういったプログラムの作り方を、言語ごとに学ぶのがプログラミングスクールといえるでしょう。

また、スクールによっては言語に依存しない、汎用的な思考能力を養えるところもあります。

設計方法

プログラミングは、何もないところから急にはじめることは稀です。何段階かの設計書を書き起こし、それに準じてプログラミングしていくことが一般的といえるでしょう。

例えば、「Aという処理の次に、Bという処理があり、その結果とデータCを用いて処理Dを走らせる」といったプログラム自体の流れを「フローチャート」という図でまとめる方法があります。

こういったフローチャートの作成方法なども、スクールで学ぶことがあるでしょう。

コードをどう管理するか

実務でプログラミングを行う場合、書きかけ(プログラミング途中の)ソースコードをしっかり管理する必要があります。

なぜかというと、プログラマーは自分一人で仕事をするわけではないからです。

あるプログラムに対し、複数の人がそれぞれのタイミングで変更を加えた場合、ソースコードの管理がしっかりできていなければ、変更が反映されなかったり不具合がおきたりします。

こういった事態を防ぐために、「バージョン管理ソフト」などを利用しながらソースコードの管理を行うわけです。

デバッグ(エラー調査)の方法

プログラムは、作ることよりも治すことのほうが大変です。

特に他人が作ったプログラムであればなおさらです。そして現場では作った人はとっくの昔に辞めており、直し方が誰も分からないという場合も珍しくないのです。

他人のプログラムに対して何らかの手を加えるとエラーが起こるので、そのプログラムを調査し、どこに原因があるかを特定するためのスキルを身につけることができます。

地道な「不具合探し」をプログラムスクールであらかじめ経験しておけば、後々大きな武器になるはずです。

プログラミング言語そのものに関する知識

特定の言語を対象としているプログラミングスクールであれば、プログラミング言語そのものの知識を学ぶこともあるでしょう。

C言語やC#、javaといったメジャーな言語は一度理解しておくと様々な言語に応用できますので、基礎として学んでみても良いかもしれないですね。

独学とプログラミングスクールで学べることの違い

結論から言うと、一旦現場で実績を積んでしまえば、独学であってもプログラミングスクール卒であっても、現場での評価であまり違いは生じません。

この独学とプログラミングスクールで学べることの違いについては、筆者自身の体験と同僚の体験を交えて考えていきたいと思います。

スクールは基礎力を素早く身につけられる

筆者はほぼ独学で、仕事に必要なプログラミング言語を身に着けました。そのため、スクールに絶対通うべき!とは思っていません。

しかし、基礎力を高める期間を十分に設けられなかったので、いつも場当たり的でした。

その場その場でなんとか解決はできるものの、常に心の中には「じっくり基礎を身に着けたい」という気持ちがありました。

やはり基礎力がしっかりしていると応用力つきやすいですし、凡ミスが無くなります。

独学でもプログラミングを学ぶことは不可能ではありませんし、業務レベルに持っていくこともできますが、「誰かにしっかり教わって得られる知識」「わからないことを解決できるまでの時間の長さ」「くだらない部分で悩む時間」という場面が出てくるのも事実です。

そのため、プログラミングスクールでの学習を、正直うらやましいと思う場面もありました。

最近は悪質なスクールも増えているので、優良なプログラミングスクールを見抜ける、という前提ですが短期間で効率的かつ正確に基礎力を身に着けられるのは、プログラミングスクール特有のメリットだと思います。

プログラミングスクールは人脈ができる

通学型のプログラミングスクールは学生同士の交流がありますし、グループで課題をこなすこともあります。

そのため、日々の学習や活動を通じて、将来同じくプログラミングで働く人との人脈ができることは大きなメリットです。

「同じ釜の飯を食った仲間」で、なおかつ「仕事の話もできる」間柄というのは、そうそう得ることができません。

職場で出来る人間関係と違いプライベートでも交流しやすいですし、プログラミングの現場で欠員が出た際に職場を紹介してもらうこともでます。

プログラミングスクールを無駄にしないための注意点

以下ではプログラミングに通う場合、それを無駄にしないために知っておきたい注意点を紹介していきます。

学ぶ言語によって就職で有利不利がある

プログラミングスクールに通った後、プログラマーとしてIT業界に転職したいのであれば、それぞれの言語の特性や就職での有利不利を把握しておく必要があります。

例えば、「java」は、今でも広く使われている言語として有名です。

つまり、シェアが大きいために求人も多くあり、自然と転職や就職に役立つ可能性が高まりますし、追加でjavaを学ぶことで「オブジェクト指向」という概念を学ぶことができる、というメリットがあります。

オブジェクト指向を使った言語は数多くあるので、就職でも色々と応用が利きますので学んでおけば損はないでしょう。

もうひとつ例を挙げるとCOBOL(コボル)という言語があるのですが、1959年に開発されすでに登場から半世紀以上経過しているのに今でも使われているシステムは少なくありません。

公共系・金融系システムでは、依然としてCOBOLが使われているケースがあります。

COBOL自体は古いだけで決して悪い言語ではなく、むしろ実績が豊富で扱いやすい上に「誰がプログラミングしても一定のものができる」という利点があります。

ただCOBOLはニーズの多いwebアプリやwebサービス、スマホ用アプリの仕事をしたいのであれば不利です。

逆に公共系や金融系の仕事をしたいのであれば、COBOLが役立つ場面が多いように、目指す業界に応じて学ぶ言語を取捨選択する必要があります。

スクール在籍中にビジネススキルを身につけるべき

プログラミングスクールでは、プログラミングをする上で必要なビジネススキルを学べますので、これを在籍中にしっかり身につけましょう。

例えば、以下のようなスキルを学ぶことができます。

  1. 論理的なものの考え方
  2. ビジネス上の要求を処理単位に落とし込むスキル
  3. 物事を根気強く整理、調査していくスキル
  4. ひとつの要求を実現するために、様々な可能性を探して実装するスキル

上記のスキルはプログラミングはもちろんIT業界以外への転職・就職でも役立ちますし、求められます。

プログラマー以外の「企画・リサーチ・商品開発・営業」といった職種でも「デキル人」はこれらのスキルを備えていますので、プログラミングに限らず身につけておきましょう。

最近は起業家や企業のCEOがプログラミングスクールに通う、という話をよく聞きます。

これは実際にプログラミングを仕事にするわけでなくとも、ビジネスの核となる部分を自分で理解したり、ビジネスにおけるものの考え方や段取り、整理方法などを強化できるからだそうです。

プログラミングに必要な倫理的な知識やスキルを学ぶことで、有利に転職や就職に繋げることが可能となるでしょう。

プログラミングスクールは無駄まとめ

プログラミングは独学でもできるので、独学で問題ない人にとってはプログラミングスクールは無駄にお金を払うだけの存在になるでしょう。

しかしIT業界への転職においてプログラミングスクール卒という実績はプラスに働く可能性は高いので、年齢にもよりますが実務未経験であっても短期間で戦力になると見込んでもらいやすいでしょう。

プログラミングを通じて学べるスキルは社会人・ビジネスパーソンとして必須といっても過言ではないので、仮にプログラマーを続けることができなくてもIT業界以外への転職・就職にも役立てられます。

そのため、独学でスキルを身につける自信がない方は通ってみても良いでしょう。