青い空、エメラルドグリーンの海、焼けつくような太陽と、のんびりゆったり流れる島時間。
そんなイメージをもってふと思い立ち、4泊5日で行った奄美大島旅行。目の前に広がる想像通りの景色に加えて、素朴な島の人たちのあたたかさに触れ、島に住むためにリゾートバイトを体験したお話です。

旅行のつもりが下見に?リゾバをスタートしたきっかけ

夏の暑さを過ぎ、肌寒くなって秋の人恋しさを感じはじめた11月初旬。
仕事に煮詰まってしまい、南の島に現実逃避の旅行にでも行こうと思い立ちました。

沖縄は普通すぎると思いつつ、いろいろ調べた結果、世界遺産登録に向けてニュースなどで名前を耳にするようになり始めたに興味を持ち、4泊5日の旅へ出ました。

搭乗客の少ない飛行機内に少し不安になりつつ向かった初めての奄美大島。
エメラルドグリーンの海、離島感満載の驚くほど小さな空港、11月だというのに半袖、ビーチサンダル、日差しもそれほど強くなく、水着で海に入れるんじゃないかというくらいの心地よい気候に心を躍らせながらの旅行スタートとなりました。

観光シーズンを過ぎていたのでどこへ行っても観光客は少なく、ゆったりのんびり穏やかに過ぎていく時間に寒さに縮こまっていた体も心も解放されていきました。
3日目には「ここに住みたい!」と思うほど魅了されていきました。
そんなとき、宿泊したリゾートホテルで住み込みのリゾートバイト募集を見つけ、翌月から初めてのリゾバをスタートさせることになりました。

時給670円!リゾバであった怖い話

ダイビングをするわけでも、サーフィンをするわけでもなく、ただ「ここに住みたい」という希望からスタートした奄美大島でのリゾバ生活。

勤務場所はレストランが併設された20室に満たないリゾートホテル。
時期は12月だったので観光客はほぼおらず、働くホテルも空室が多め。
新しいスタッフを募集しているにもかかわらず、スタッフが多くて仕事がない状態でした。

少ない仕事を多くのスタッフで分けあっているため、勤務時間は一日3~4時間で週の半分は休み。
しかも、時給は670円(当時の鹿児島県の最低賃金は654円)。
一か月働いて月収4万円という恐怖の給与明細を手にしたとき、現実に引き戻されました。

ここから家賃3万円を差し引かれ、3食まかない代を差し引かれ、雇用保険や税金を引かれて年金を払ったら、残るものがないどころかマイナスです。

「夏のピーク時には休む暇もないくらい働いて、もっと収入があるよ」というリゾバ仲間の言葉にほっとしたのもつかの間。
フルで働いたとしても時給670円×8時間×月25日勤務で13万4千円。
しかも、半年働けばベテランの域に入ってしまうという離職率の高さ。奄美大島に住むことの難しさを実感しました。

振り返ると、そもそもリゾバの収入で生活基盤を築こうという考え自体が間違えていたように思います。
リゾバはあくまでバイト。
「長期の旅行ついでにお小遣い稼ぎができれば御の字」くらいの感覚でのぞむべきものだったと、リゾバ生活をスタートさせてから恐ろしくなったことを覚えています。

リゾバはきつい?つらい?楽?体験してわかるリゾバの実態

オフシーズンのリゾバは、はっきり言って楽です。

ホテルに宿泊するお客さまがいないので、仕事をしたくてもすることがありませんでした。
しかも、ホテルの収入が減るため人件費を抑えようとバイトスタッフは休みになることが多く、自由になる時間はたっぷりありました。

給与収入が非常に少ないというつらさはあっても、思う存分に観光やマリンスポーツなどを楽しむ時間をとることができます。
少しばかりの収入と住む場所があり、島のことを教えてくれる同僚がいて、時間がある。趣味を優先したい人にとっては天国のような環境でしょう。

しかし、オンシーズンのリゾバとなると違います。
ひっきりなしに訪れるお客様と、突然現れる台風、予想もつかないような出来事が日々起こり、休みをとることも難しい状態。
オンシーズンは非常に大変でした。
中でも最も大変だったのは、当たり前のことではありますが宿泊やレストランを利用するお客さまが本土からくる人だという事。

おおらかな島の人であれば待ち時間が長くなってしまっても、慣れないために不手際があったとしても、少しくらいであれば穏やかに待ってもらえることがほとんどです。
しかし、本土からやって来るお客さまは違います。
本土並みの接客レベルを要求され、少しの待ち時間も許されない。
張り詰めた雰囲気の中仕事をすることが一番きつかったです。

リゾバは出会いが多い!なぜ島の人になってしまったのか

12月のオフシーズンからリゾバをスタートさせたため、先輩スタッフは現地を生活基盤にしている島の人か、島に永住したいというIターン希望者、夏を乗り越え帰るタイミングを逃してしまったリゾバスタッフたち。

働き始めた当初から、スタッフ間で「いつ辞める」という話が飛び交っており、半年ほど働くといつの間にかベテランの域に。
長年勤務している社員すら辞めたい、バイトに戻りたいという状況の中で、長く勤めるほど辞められなくなっていきました。

しかし、1年ほどリゾバを体験して見えてきた現実に打ちのめされ、いつまでもこのままでいるわけにはいかないと実家へ帰ることを決意。

帰る前に、旅行に来た時のために島に知り合いを増やそうと思って参加した飲み会で予期せぬ出会いを果たし、気づけば結婚することに。

リゾートバイトとはいっても、全員が同じようにリゾバをしに来たスタッフというわけではなく、現地を生活基盤としているスタッフもいます。
その気になれば、そういうスタッフを介して島の人と出会うチャンスはたくさんあります。
リゾバスタッフ同士、宿泊客、現地の人、リゾバは出会いが多く、オフシーズンは特に時間があり余っているため飲み会が増え、交友範囲が広がるでしょう。

まとめ

リゾートバイトはあくまで「バイト」です。
リゾバで生活を安定させることは難しいでしょう。

また、リゾバ先は忙しい時期に働いてくれるスタッフがほしいと募集をするため、オンシーズンは仕事に追われてしまうこともあります。
そうなると、「地元でバイトしてお金をためて旅行に行った方がよい」という事にもなりかねません。

リゾバ先は慎重に選ぶことをおすすめします。

しかし、旅行ではなく現地で働くからこそ経験できることも多く、地域に魅了されてそのままIターンする人も多いです。
ぜひ、楽しいリゾバ生活を経験してください。