転職の際に求人条件に「即戦力人材求む!」と見かけることが多いのではないでしょうか?
即戦力の人材は本当に企業が求めているのか、なぜ「即戦力」と謳って求人することが多いのか、そもそも即戦力ってどういうものなのか、本記事では総合的に「即戦力」について考えたいと思います。

企業が即戦力を求めたい理由

企業が転職希望者の採用にあたって「即戦力の人材を!」と募集することが多いですが、どうして「即戦力」という言葉を使うのでしょうか?理由があるはずです。

転職希望者を採用するということは、どこかで欠員が出たり新規事業のために増員が必要になったりの場合だと思いますが、ギリギリの予算で回しているので、新規に採用した人に丁寧な研修やスキル習得をしてもらうだけの時間的、経済的な余裕がない場合が多いんですね。

第一線で働いていて会社にも貢献していた人が急に退職や病気などでそのポジションからいなくなってしまったため、その人と同等以上の能力を持つ人を採用しなければならない緊急性があるケースがまず思い浮かぶと思いますが、即戦力採用はそれだけではないです。

自社の社員の急な退職など、定年退職以外のケースでは新入社員を採用して育成していきますが、急な転退職や人員ニーズの発生では、計画的に社内で人材を育成していくことができません。

だからこそ、経験者採用、中途採用のニーズが発生するのですが、全く他業界からやる気と熱意だけで転職してもらっても、年齢的に相応の待遇をしなければいけませんから(新入社員よと同じ給料というわけにはいきませんからね)、スキルがありすぐに現場で活躍してもらえる「即戦力」を募集するわけです。

採用する人や募集企業によって即戦力の定義や求めているラインは違うのだと思いますが、「即戦力募集」と求人に書くことで、まったくの未経験者からの応募を減らして(「即戦力」にならないと思う人は応募しないはず)、少しでも採用後のリスクを減らすためということになるでしょうね。

とはいっても本当に即戦力になる人材を募集しないと会社が傾きかねない業種もあり、そういう会社については相応の給料で迎えることになるでしょう。

即戦力求人が歓迎するスキル

本当に即戦力が求められる業界とはどういうところなのでしょうか?どういうスキルを持っていれば好待遇で迎えられるのでしょう?

1.プログラミング、システム設計、コンピューター

IT業界、SEに限らず、コンピューターの知識を持っている人は歓迎されます。
IT業界やSEであれば、どの言語がどのくらい、どういうプロジェクトに何年いたのか、など分かれば、その人のスキルが可視化され、転職に際しても有利に働きます。
そうでなくても、機械に強いことは大きな武器になります。

例えば、筆者がかつていた会社の「情報管理センター」には転職で入ってきた「主」のような人がいて、平均3年で他部署に異動する会社に会って10数年異動しませんでした。

この人を異動させると他に対応できる人がおらず、本人はシステムがやりたくて転職したわけではないのに、全く別の業務を担当させてもらえませんでした。「余人をもって代えがたし」を地で行くような感じで、もしそういう人が退職してしまった場合、会社のシステムが回らなくなるので、即戦力にいくら給料を支払ってでも来てもらいたいということになります。

ポイント 女性

IT会社、理系の会社ではなく昔ながらの文系の会社も、IT化、システム化から逃れることはできず、かといって、自前の人材もいないので「即戦力」としてその分野を担当できる人材が喉から手が出るほどに欲しいんです。

2.英語力

英語力も即戦力になります。
そもそも外資系で本社が外国にある日本法人などでは、顧客が日本人とは限りません。英語を使えなければそもそも仕事にならず採用されないでしょう。
即戦力というよりも最低限の「必須スキル」といったところでしょうか?

それ(貿易商社など)以外の業界でも、英語力があると評価されます。この場合の英語力は実践的な英語力ですから、英検よりもTOEICやTOEFLなどになるでしょうか?TOEIC600点くらいでは評価されませんので、やはり900点以上など圧倒的なスコアを見せることが大切です。

日本企業でも「国際部」など外国とやり取りする部署はありますが、英語力がない普通の人は行きたくないのが正直なところです。もし、ご自身の英語力を使ってもいいと考えているのであれば「国際部要員」として即戦力の転職をするのもアリです。

3.法務

ちょっと意外ですが、法務畑の人材が今の日本では足りていません。
弁護士などの法曹資格を持っていれば心強いのですが(企業弁護士)、弁護士ならば弁護士業で食べていける人も多いので、そこまで行かなくてもビジネス実務の法務に強ければ重宝されます。

特許や商標、意匠、著作権などを担当する部署には、法務に強い人が不可欠ですし、それ以外にも訴訟対策やクレーマー対策、会社の危機管理が重要な昨今においては、法務、コンプライアンスに詳しい人はどの会社でも即戦力になり得ます。

そういう分野を軽視する会社は早かれ遅かれ潰れてしまうでしょうね。法曹資格以外にも「ビジネス実務法務検定」や「ビジネス著作権検定」など法務関係の検定試験合格者も転職では大事にされます。

ポイント 女性

あと、少し例外ですが、ロースクールへ行き、結局司法試験を受けなかった(&合格しなかった)「法務博士」もアピールの仕方によっては即戦力になるかもしれません。
「司法試験に受からなかった人」ではなく「積極的に法律実務をロースクールで学んだ」と訴えることができれば意外といい企業に就職・転職できるかもしれません。

4.人事労務

4つ目は人事労務です。そう、採用業務をやっていた人は別の会社の即戦力になります。
会社の人事というのは意外と専門性があり、単に採用や異動、雑務に関わるだけではなく、社内の研修やスキルアップにもかかわります。

スキルアップに関わる人のスキルが素人であれば、他へ悪い意味で波及して会社全体がボトムダウンしてしまうでしょう。だから、人事畑の経験がある人を即戦力として採用する企業は意外と多いんです。

人事は会社の中でも「出世コース」のところも多いですよね。運よく人事に慣れたら、ご自身のキャリアアップや収入アップのために積極的に転職ができるかもしれません。営業や事務よりも人事に異動する方がはるかに難しいはずですしせっかくのチャンスを生かしましょう。

5.経理

経理も「社内専門職」の色彩が強く、その人がいないと回らなくなりがちです。

筆者の知人も、某鉄道会社勤務で普通なら途中で現場の担当者(どこかの駅の駅長)になるはずですが、経理部門に10年以上います。新入社員時に駅員をやってから、以降はずっと経理端です。

各会社によって独特な勘定項目もあり、誰でも経理畑の人が即戦力として転職できるかどうかわかりませんが、経理にいたことがない人はまず務まらないと思うので、経理経験者は即戦力として歓迎されるのは事実でしょう。

「即戦力」って何?

以上挙げた「即戦力」とは会社にとって必要な客観的なスキルを持つ人を言います。
しかし、即戦力になるというのはスキルの話だけではないかもしれません。

即戦力が持つもう一つの意味が「適応力」です。

いくらスキルがあり同業他社で経験があっても、転職先の会社のカラー、文化というものがあります。転職を繰り返す人は、能力はあるのでしょうが、この適応力がないために長続きしないのです。

ポイント 女性

同じような商売をしていても会社によってやり方が違います。
つまり、即戦力になるためには、転職してその会社のやり方に馴染み、会社の文化の中で力が発揮できる必要があります。

男性

確かにそうですね。
むしろスキル以上に「適応力」が即戦力の重要な要素ですね。

筆者がかつていた会社に、信金(信用金庫)から(片道)出向で来ていたおじさんがいましたが、口癖は「金融機関では・・・」でした。
信金、あるいは金融機関のやり方が絶対で、私がいた会社の文化や空気に馴染めないようでした。
能力があっても、「郷に入れば郷に従え」ができないと(これが正しいとも思いませんが)、「即戦力」として評価されないのだと思います。

ということは、採用にあたって重視する「即戦力」とはスキルに加えて「持っている能力をその会社で適切に発揮できる力」なのかもしれないですね。

周囲の状況を把握する力、協調性があり他人と衝突しない素質、一を聞いて十を知る能力、物事を先読みできる職務経験なども即戦力として重要な要素であり、会社によってはスキル以上に重視するかもしれません。ただ、面接の限られた時間でそれを見抜くのもなかなか大変です。

採用者が思う即戦力

採用には時間とお金がかかりますし、いざ採用してみて全く使えない人であれば、企業への損失に加えて、採用担当者自身が「使えない人」の烙印を押されてしまいます。そういうこともあり、また採用のプロとしての自負もあり、思っている以上に、本気で人材を欲している会社の採用担当者は動いているようです。

そして、その人たちが考えているのは「即戦力≠経験者」という事実ですね。

ポイント 女性

「10年やっていたから即戦力」ではなく、例え1年でもその仕事に順応してデキる人であれば即戦力になります。
仕事を長くやっていたから即戦力という命題はない、です。

デキる採用担当者は転職希望者を見抜く審美眼を持っているということですね。
審美眼を持っている採用担当者は、転職サイトや転職エージェントを通さず、ダイレクトに人材へ接触することもあります。

大手企業の中には、即戦力として自社に来てほしい人材をピックアップして「プール」するところもあります。
つまり、ヘッドハンティングやスカウトをする前に、挨拶をして連絡を数年にわたってとり続け、いざ転職したくなったと思われるときに一気に引き抜くというやり方です。

そこまでの人材であれば、能動的に転職活動をしなくても業界で評価されますが、なかなかそういう人は少ないですよね・・・。そこに採用担当者の悩みがあります。

その「即戦力」アヤシイのでは?~即戦力ばかり採用する会社はブラックである説

ここまでは「即戦力」を評価すべきこと、肯定的な意味で書いてきましたが、会社によっては「即戦力の人材採用」という謳い文句が逆にネガティブになってしまうケースもあります。その「即戦力」が却ってアヤシイのでは?

「即戦力歓迎」と書いている会社の中には、人材を育てる気が全くなく使い捨てる気が満々のブラック企業も少なくありません。

誰でもできる仕事で、心身ともに疲弊する仕事は容易に使い捨てができますから、ある意味誰でも即、戦力なります。
そして何の補給もサポートもなく散ってきます。

ポイント 女性

名の知れていない会社で、即戦力を前面に出している。具体的な業務の内容が書いていない、ぼかしていると感じた場合、その会社は「即戦力詐欺」をしているブラック企業の可能性を疑ってみてください。

「やりがい」「アットホーム」「社員の仲がいい」「自己実現」「夢をかなえる」と同レベルのブラックワードにもなり得るのが「即戦力」です。
どういう業界の「即戦力」がアヤシイのか、断定的なことは言えませんが「不規則勤務」「シフト制」「休みが少ない」「肉体労働」などを伴うものが多いでしょう。

具体的には介護、外食、小売あたりで「即戦力」を謳っている会社は、人がどんどん辞めていきかつ誰でもできる=超ブラックである可能性が高いです。

「不規則勤務」「シフト制」「休みが少ない」「肉体労働」でも看護師などは、収入もいいですし、本当に専門性、スキルがある即戦力は優遇されますから、これには該当しません。

日本的な会社慣行の中で「即戦力」はあり得るの?

最後に、根本的な問題として日本的な企業慣行で本当に即戦力が歓迎されるのか?ということです。
特に文系の新卒採用で顕著ですが、日本では即戦力や個性を求めませんよね。

  • 浪人、留年は2年まで
  • 専門性を持った大学院卒は歓迎しない
  • 学部の知識を前提にしない
  • 下手な知識はいらない
  • 就職してから一から会社の色に染め上げる

プロパーがこういう中で育っているのに、スキルを売りにした「即戦力」が果たしてすんなり活躍できるのでしょうか?
と考えると

  • 本当に即戦力が必要でスキルや経験を活かせる環境を整備している会社
  • 即戦力と言いつつも、実際のスキルよりも社内に順応、適応しやすい「代わり」を求めている会社
  • 最初から使い捨てにする気満々のブラック企業

の三つに分別されるはずです。

三つ目のブラック企業は論外ですが、一つ目と二つ目どちらの「即戦力」を求めているのか、なんとなくわかる場合とそうでない場合があると思います。

疑問 男性

うーん、それを素人に完ぺきに見分けるのは難しいのかもしれませんね。

本当の意味で即戦力としてよい待遇で転職したいならば転職エージェントの活用を!

というわけで、同じ「即戦力採用」でも採用側の意向がかなり異なることがわかりました。ブラック求人を避けて、よりご自身のスキルが発揮できる即戦力の職場を探していくためには、自分一人では限界があります。
そこで、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか?

ポイント 女性

転職エージェントならばば、みなさんが思っているスキルや経験をもとに、それを発揮できる職場を探すサポートをしてくれます。
スキル評価型の即戦力なのか、適応力重視型の即戦力なのか、ご自身がどちらを希望するかも含めて転職エージェントに相談してください。

エージェントは持っている求人の中から、適切なものを紹介してくれるはずです。
もちろん、ブラック求人はその段階で排除されますのでご安心を。

当サイトに掲載している転職エージェントは、どちらも実績があるところばかりで安心して登録して転職活動ができます。
あなたの「即戦力」を求めている企業がたくさんあります。
是非ともそれを見つけるための一つのツールとして転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか!?

採用者が語る即戦力の人材の募集をかける理由とスキルまとめ

  • 企業が「即戦力」に何を求めているのか把握する必要がある
  • 高度なスキルなのか、その会社への適応力、順応力なのか求人によって違う
  • プログラミング、英語力、法律知識、人事経験、経理スキルなどが即戦力として評価されやすい
  • 自分のこれまでのスキルや経験を棚卸しして「売り」を性格に把握する
  • むやみに「即戦力」を掲げる企業は人の出入りが激しくブラックな可能性がある
  • 高度なスキル、適応力、どちらの「即戦力」なのか、ブラックを避けるためにも転職エージェントの活用をおススメする

こちらの記事も読まれています