ブラック企業診断テスト!7つの中からあなたの会社はいくつ当てはまる?

ブラック企業診断テストのポイント7つ

転職先が決まり大喜びしたのも束の間、実は転職先がブラック企業だった・・・

転職は人生を左右する大きな決断となるだけに、こうした悲劇は絶対に避けたいものですよね。
ブラック企業への転職を避けるには、ブラック企業の見極め方やブラック企業が悪用したがる雇用制度や給与制度などに対して理解を深めておくことが大切です。
この記事のポイント

そこで今回はブラック企業がはびこる温床ともなっている定額残業代(固定残業代)にスポットを当てて、制度要件やブラック企業が悪用するポイントなどをわかりやすくお伝えすると共に、ブラック企業見極めのポイントなどを紹介します。

自分の会社が厚生労働省のブラックに既に登録されている、されていそうな場合はブラック企業マップツールの記事をご覧下さい。

こんな企業はブラック?ブラック企業診断テスト開始!見極めの7ポイント

定額残業代制度の見識を深めて頂いたところで、もう一つのテーマである、転職活動におけるブラック企業の見極め方をお伝えします。

求人企業に応募する段階で取得できる情報はどうしても限界がありますが、その限られた情報の中でもブラック企業の可能性を探ることは可能ですので、ぜひ参考にしてください。

定額残業代を導入しているが、そのルールを明らかにしてない

ブラック企業診断における定額残業代の罠を図解

説明を通じてお分りになったとおり、定額残業代は企業側にとっては実は不利な制度であり、判例の傾向でも企業側が厳しく評価されていることが明らかです。

にも関わらず定額残業代制度を導入しているということは、ブラック企業の可能性が疑われるところですが、そうした疑念を晴らす唯一の方法は定額残業代に対するルールが明示されていることです。

もし求人要項で定額残業代を採用していることがわかれば、本記事を参考に運用ルールを質問するなどして必ず確認するようにしましょう。

それを明示しない、あるいは誤魔化すようであれば、また既出のとおり「何時間残業しようが一律だ」と回答するような企業は応募は避けるべきと言えます。

平均残業時間や離職率に対する回答を求めても明確な返答が得られない

定額残業代以外にも確認すべきことはあります。

ブラック企業として最も触れられたくない情報として、平均残業時間数離職率があります。

例えば転職エージェントを利用して転職活動を行なっている場合には、転職エージェントの担当者を通じてこの二点は必ず確認すべきです。

この質問に対してお茶を濁したり、明確な回答を拒否したりするようであれば、ブラック企業の可能性大です。

社会への貢献ではなく「やればできる」等の根性論を社是として掲げている

面接の機会等、求人企業へ訪問する機会があれば社内に掲示してある「社是」などを確認することでもブラック企業の可能性を探ることができます。

社是は、一般的にはその企業がどのような理念に基づいてお客様や社会へ貢献するかを明記しているものです。

ところがそうした社会に対するメッセージではなく、従業員に向けられており、且つ「やればできる」等の体育会的根性論、精神論を大々的に掲げている企業は従業員にそうした精神論で企業に従わせることを目的としている企業、即ちブラック企業の可能性が極めて高い企業と評価できます。

長期間求人広告を出し続けている

求人サイトや求人広告誌をみて「あの企業ずっと求人を出している」という企業を見かける場合があります。

新卒採用ならともかく、中途採用の求人は本来臨時性がとても高い求人であって、一定期間ずっと求人を行なう性格のものではありません。

にも関わらず、同じ内容、同じ職種、同じ条件でずっと求人広告を出し続けている企業は人が集まらないか、集まってすぐもに辞めて定着していない企業、即ち人材の募集や定着で問題を抱えている可能性が高い企業と言えます。

「モデル給与」はあるが正確な給与水準や実績がとてもわかりにくい

求人広告を観ていると、時々「モデル給与」として例えば「年収1千万を可能!」といったギラギラ感のある求人広告を見かける場合もありますが、こうした求人広告も要注意です。

ブラックかどうかの前に「モデル給与」自体がそもそも怪しいと言わざるを得ません。

年収1千万を支払って雇用している従業員が多数いるなら、その実績を訴求した方がはるかに説得力が高いからです。

実績を一切隠したまま数字上魅力的な「モデル給与」だけを提示している求人は、そうした虚飾をしないと人が集まらない、問題のある企業の可能性大です。

誇張やオーバーな修飾語が多い求人広告である

「モデル給与」以外にも例えば「1ヶ月で売上300%アップ!驚異的な成長力!」だとか、「世界的な特許で世界を席巻!」、「高額所得者続々誕生!」といった、ネット上の情報商材サイト顔負けのオーバーな修飾語で自社を広告している企業も、ブラック企業の可能性を疑うべきです。

優良企業は謙虚であり、誠実です。

ネット上の情報商材で見かけられるような派手な修飾語は、仮にそれらが事実であったとしても、そもそも使用しないものです。

従って情報商材臭が漂う修飾語で彩られた求人広告に出会ったら、ブラック企業の可能性大と考えるべきです。

執拗に体力面の有無を聞いてくる

ガテン系の職種でないにも関わらず、求人企業に連絡したり、面接を受けたりした再に執拗に体力面のことを聞いてくる求人企業もブラック企業の可能性が極めて高いと考えた方が良いでしょう。

体力面について執拗に尋ねてくるということは、要はハードワークを課す気満々であり、それに耐えられる体力があるかどうかを重視しているからに他ならないからです。

この辺りは毎年話題になっているブラック企業ランキングでも振られていますね。

不幸にしてブラック企業に採用されてしまったが・・・いいことも!

ブラック企業の見極め方をお伝えして参りましたが、ご紹介した方法でも100%完全にブラック企業を認定できる方法とは言えません。

ブラック企業側も知恵を絞り、求人段階で気付かれないよう年々巧妙になってきているからです。

ではブラック企業に不幸にして採用されてしまった場合、全てが全て悪いことだけかというとそうとも言い切れません。

職場としてはできるだけ早く変えることをオススメすることを前提とした上で、ブラック企業を体験した方々がブラック企業で働いて「良かった」と思えたことについても最後にご紹介しておきます。

  • 精神的にとてもタフになった
  • ブラック企業を辞めて転職したが、転職先での仕事が楽に思えてしょうがない
  • この先少々辛い仕事を指示されても、乗り越えることができる自信がついた
  • 今はブラック企業ではないが、他の社員が皆不満や愚痴をこぼすようなことでも全く気にならなくなった
  • 少々の残業ぐらいなら、全くストレスを全く感じなくなった

 

 

ブラック企業が悪用したがる「定額残業代」の要件とは?

定額残業代、または固定残業代(※)とはその言葉からわかるとおり、定額で雇用主が従業員に残業代を支払う制度のことです。(※以後「定額残業代」として説明します)

残業代を定額にする・・・この時点で既になんとなくブラック臭が漂ってくるような制度ですが、定額残業代という賃金制度自体は違法ではありません。

但し!

違法にならないためには次の要件を満たすことが前提となります。

  • 定額残業代とは何時間分の残業時間なのかが明示されていること
  • 定額残業代とそれ以外の給与や手当てが明確に区分されていること
  • 定額残業代で明示されている残業時間を越えた場合には、別途残業手当てを支給すること

定額残業代制度自体はご紹介した主に3つの要件が守られている範囲で「合法」ですが、これらの要件を曖昧にすることや、守らないことは法律上許されないということをまずはしっかりと理解しておいてください。

そのため、例えば「我が社は定額残業制になっているから、何時間残業しようが一律の残業代を支払うことになっている」と説明を受けたとしたら、この企業は完全にアウトです。

定額残業代に含まれる時間を越えて残業を課した場合には、残業手当として割増賃金を支払う「義務」があります。

何時間残業しても一律の支払いで済ますということは許されませんので、こうした説明を行なう企業はその時点で「ブラック企業」と判断して構いません。

定額残業代に対する二つの疑問

さて、定額残業代に対する3つの要件はわかったけれども、二つほど気になる点がありますよね。

一つは定額残業代で設定できる残業時間に上限があるのか、何時間でも設定できるのかという疑問。

もう一点はもし定額残業代で定められている残業時間に満たなかった場合には、定額残業代は減らされてしまうのかという疑問です。

この点も明確にしておきましょう。

一つ目の残業時間の上限ですが、この基準となってくるのがサブロク協定といって労働基準監督署に届けられた労使協定の残業時間の上限、即ち労働者と使用者が話し合って決めた残業時間の上限を超えることは「原則」できません。

また、いくらサブロク協定を結んだとしても、月間で45時間を越える残業時間を設定することも「原則」できません。

原則というのは一時的にやむを得ず45時間を超過することを特例(年6回以内)で認められるという意味であって、原則だから毎月45時間を越えて残業させても良いという意味ではありませんので、月45時間がほぼ実質的な上限と考えて構いません。

定額残業代以前の問題として毎月例外なく45時間を越える残業を課している企業はブラック企業ということです。

こうした残業時間の上限に対する考え方から、定額残業代を100時間として設定することは通常認められず、最大でも45時間が定額残業代を設定できる上限となってきます。

次に二点目ですが、例えば定額残業代として月20時間分が設定されていた場合で、ある月の残業時間数が10時間に留まった場合には定額残業代を半額にする・・・
ということは実は許されません。

定額残業代を採用したなら、その規定時間に満たない場合であっても定額残業代は「満額」支払わなければならないのです。

定額残業代は労働者側の無知を良いことにブラック企業が悪用している制度ですが、実は使用者にとって不利で、労働者にとって有利な制度なのです。

仕事が決まったらまずは就業規則・雇用契約書を確認しておこう!

定額残業代制度に対する知識を得て頂いたところで、それを活かすにはどうすれば良いかということですが、仕事が決まったら真っ先に就業規則と雇用契約書の両方を確認することです。

残業代に対する支給要件は就業規則だけに明記されているとは限らず、雇用契約書にも書かれている場合があるため、両方を確認する必要があります。

もし定額残業代制度が導入されている企業へ転職が決まったなら、就業規則や雇用契約書の書面情報で先程紹介した3つの要件や2つの疑問点を参考に適法な制度となっているかチェックしておくことが、就業後の自分を守る手立てとなります。

定額残業代にまつわる判例から言えること

定額残業代はブラック企業が「定額で残業代を払っているのでそれ以上は支払わない」といった理屈で悪用されているケースが多々見受けられます。

そうした世情を受けてか、近年の判例では定額残業代を導入している企業を厳しく断罪する判例や、中には就業規則で明記されていた場合であっても、定額残業代そのものが否認される判例などが相次いでいます。

例えばこの記事で紹介した45時間を越えた定額残業代が設定されていた事例では、雇用主側が従業員の安全配慮義務を怠った制度になっているとして、定額残業代そのものが札幌高裁において否認された例などが代表的な判決事例です。

また、これ以外でも定額残業代制度を採用していた企業側が従業員から訴えられて負ける判例が相次いでおり、司法の場では定額残業代を悪用した場合は勿論、不備があれば認めないという姿勢を明確に示していると言えます。

もし定額残業代で現在不利益を被っているという方は、最終手段として司法を頼るという方法がありますので、決して泣き寝入りをしてはなりません。

 

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