求人情報誌や広告では、よく「店長候補募集」や「幹部候補募集」の文字を見かけませんか。ひとつのお店のオーナーになれると喜んで、応募すると思わぬ罠にはまってしまうことがあるのです。
今回は「店長候補」、そして「幹部候補」の言葉の裏に潜む落とし穴を紹介しつつ、正しい求人広告の読み方を紹介します。

「店長候補」や「幹部候補」は誇大広告?本当の意味は?

一般的に「店長候補」は、ひとつのお店の店長を務めながら、店員としても接客や商品管理を行う人のことを呼びます。

こう聞くと「最初からいきなり店長になれるなんて魅力的!」と思うのかもしれませんが、勢いで飛びつくと思わぬ失敗をする恐れがあります。

まず、「店長候補」はあくまで候補であり、本当に店長になれるかどうかは、入社後の働きぶりで決まるということを覚えておきましょう。店長になるためには、複数の業務を短期間で覚えて、周りに認められなければいけません。これは、右も左もわからぬ新入社員にとってはかなり大変なこと。

それで店長になれたとしても、その後は過重労働を強いられたり、複数の店舗に回されたりして、肉体的・精神的に疲弊してしまう人が非常に多いのです。
この傾向は特に飲食店やコンビニなど小売業やサービス業でよく見られます。

店長候補によく似た求人で「幹部候補」の募集もよく見かけますが、こちらは店長候補よりも理想と現実のギャップが激しいと言われています。
「幹部候補」というと、いきなり役員や部長・課長になれるのではないかと、期待する人がいますが、ほとんどの場合は平社員からスタートし、その後結果が認められなければ、いつまでたっても平社員のままこき使われることもあるでしょう。
店長候補よりも格上の印象を受けるため、誇大広告に思えるのかもしれません。

求人広告の記載内容ではわからないリアルな話

求人広告で「店長候補」や「幹部候補」の文字に魅かれて入社したものの、後悔している人多数。リアルな現場の声を紹介します。

コンビニの店長候補として入社したものの、ある日はA店で9~18時、翌日はB店で16~24時、そのまた翌日はC店で10~19時というシフトを組まれて毎日くたくたです。複数の店舗を持つ会社への転職は要注意です。」
「幹部候補として入社し、すぐに管理職につきました。しかし、名ばかり管理職で、仕事は一般社員と同じ、むしろそれ以上なのに、管理職であるため残業代はつきません。入社後に激しく後悔しています。」
スーパーの店長候補として入社しましたが、年俸制で残業代はゼロ。朝4時から20時まで働きっぱなしで、1日の労働時間は15時間を超えていました。残業代がつくアルバイトの方が割がよく、働いていると虚しさが募ります。」
「某飲食チェーン店で幹部候補として入社しましたが、実際にはアルバイトと変わりがない接客や調理の仕事を任されました。24時間営業の店舗だったため、シフトはめちゃくちゃで、家で3時間しか寝れないときもありました。」

この他にも、悲痛な声がたくさんありました。よく考えてから、応募しましょう。

なぜ「店長候補」「幹部候補」の文字が目立つの?

このような実情がありながら、なぜ求人広告には「店長候補」や「幹部候補」の文字が目立つのでしょうか。
一般的に、「店長」「幹部」というと社会的地位もあり、高給なイメージを思い浮かべる人が多いです。この先入観を利用して、管理職という耳障りのよい言葉を並べて募集する企業が存在します。

また、未経験者でも管理職になれる点を強調する企業も目立ちます。通常、未経験者は未知の業界に不安を抱えているものですが、「未経験者でも管理職になれる」と聞けば、応募したくなるはずです。
もちろん、本当に店長や幹部を育成するつもりの企業も存在するのできちんと見極めてから応募しましょう。

ブラック企業に騙されないためには

ここまで読んで、「店長候補」や「幹部候補」が落とし穴である理由や実情がわかりましたね。しかし、少なからずきちんとした経営を行うホワイト企業もあるのです。
ブラック企業に騙されないためには、求人情報をしっかり読み込むことが大切。この章では注意点を紹介します。

常に求人情報を載せている

求人情報誌の常連企業は、それだけ人の出入りが激しく、ブラック企業体質であることが多いです。

「やる気」や「体力」を強調

「やる気があればOK!」「体力自慢の人歓迎」などの謳い文句は、厳しい環境に耐えられる人材を遠回しに求めています。

社員の平均年齢が低い

社員の平均年齢が20~30代前半の場合は、人の出入りが激しいブラック企業である可能性が高いです。

給与にも注目

サービス業の場合、給料が「月収20~40万円」と幅広く設定している企業にも注意しましょう。この場合、月収40万円までいく人はほとんどおらず、大抵は20万円前後でずっと働かされます。

転勤の有無

中には、「店長になった場合、転勤あり」という企業も存在します。店長になった場合のことを考えて、転勤の頻度や範囲を忘れずに確認しましょう。

まとめ

サービス業の「店長候補」「幹部候補」の文字は要注意であることがわかりましたね。近年問題となっているサービス業のブラック体質は、少しずつ改善の兆しを見せていますが、未だなお、名ばかり管理職に苦しむ人が多く見られます。求人情報をよく読み込んで、悪徳企業に騙されない知恵を身に着けましょう。

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