最近よく耳にする「地域おこし協力隊」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
「田舎暮らしができて、楽しそう!」
「行政から補助金が出るし、楽してお金稼げる?」
などと安易に考えている人も多いかもしれません。

実際のところ、どうなのでしょうか?地域おこし協力隊に参加した経験者に聞いた、その実態についてお話しします。

地域おこし協力隊とは?

まずこれが制度化されたのは、2009年、総務省によって行われました。地方自治体が募集を行い、地域の活性化のために都市部の住民を受け入れて地域おこし協力隊員として委託する制度です。

活動内容は?

地域おこし協力隊としてそれぞれの地域に赴任すると、その地域の経済活動などを活性化させるための活動を行います。具体的には、地場産品の地域ブランド化のための商品開発や販売、プロモーション活動、環境保全活動、地域の人々の見守りサービス、学校行事の支援、伝統芸能の応援など、様々です。

地方自治体からの隊員への支援内容は?

地方自治体側は隊員のための移住支援や報償費の支給などを行います。その財源となるのは、国からの地方交付金です。総務省が隊員一人につき報償費として年間200~250万円、活動費として年間150~200万円を上限に地方自治体に対して特別交付税措置をします。さらに、2014年度からは隊員としての任期が過ぎた後の1年の間に、隊員が起業するための経費として100万円上限が上乗せされました。

このように、国からの税金によって、隊員への報酬や地方自治体への対応費用が賄われています。月収にすると、大体14~20万円が相場のようです。
また、隊員のために住居を確保してくれるケースもあります。

任期は?

地域おこし協力隊の任期は、おおむね1年以上、最長3年までとしています。
3年を過ぎても、そのまま地域に移住する人もいます。

地域おこし協力隊はどうやって探せばいいの?

地域おこし協力隊になってみたい!と思ったら、次は、どこで隊員になれるのかを見てみましょう。

どこで探すの?

どの地域で地域おこし協力隊を募集しているのか、どんな仕事ができるのか、を確認するためには、地域おこし協力隊オフィシャルサイトの「活動検索ページ」を見ればわかります。
赴任したい都道府県や活動分野などから、情報を検索することができます。

どこで募集しているの?

地域おこし協力隊オフィシャルサイトの「活動検索ページ」を見ればわかりますが、日本全国で募集しています。多いのは、過疎の村や島しょ部などです。過疎化して元気のない地域こそ、地域おこし協力隊の出番です。普段はめったに行かないような地域で、あなたの力を必要としているでしょう。

募集時期はいつ?

募集時期は地域や案件によって様々です。地域おこし協力隊オフィシャルサイトの「活動検索ページ」を探してみればわかりますが、今まさに募集を行っている地域もあります。
ぜひ探してみてくださいね。

地域おこし協力隊のメリット・デメリット

地域おこし協力隊のメリット、デメリットとはどのようなものがあるのでしょうか?

メリット

他ではできない経験ができる

地域おこし協力隊の最大のメリット、それは、地域の人々との交流を深め、普通の仕事をしていては絶対にできない貴重な経験ができるということでしょう。縁もゆかりもない足を踏み入れたこともない土地で暮らし、地域の人々と助け合いながら地域の活性化という同じ目的のために働くという経験は、なかなかできるものではありません。

自分の力だけで田舎に移住しようと思ってもなかなか難しいものがありますが、地域おこし協力隊の仕組みを使えば、国からの助成金や地域の人々の受け入れ態勢があります。そのため、スムーズに移住し地域に溶け込むことができるのです。そして、何より地域の人々のために働くことで地域の人々に感謝されるという経験は、何物にも代えがたい貴重な経験になるはずです。

お金を稼げる

地域おこし協力隊をすると、国の補助金からお給料がでます。その金額は決して高くはありませんが、しっかりとお給料をもらえることは間違いありません。しかも、住居が提供されるケースもあり、その場合は家賃がかかりません。それに、都会と違って野菜をもらえたり駐車場代が安かったりしてあまりお金がかかりませんから、お金は貯まるはずです。

田舎暮らしを始めるきっかけになる

田舎で暮らしてみたい、と思っているなら、田舎暮らしができるチャンスです。国からの補助や地域の受け入れ態勢などがある程度整った状態で移住ができるので、「田舎暮らしがしてみたかったが、ハードルが高い」と思っていた人には、良いきっかけになるはずです。
地域おこし協力隊を利用して試しに田舎暮らしをしてみて、もし続けられそうなら任期が終わった後も続けることができます。

デメリット

地域によって状況が全く違う

「地域をおこす」と言っても、どこへ行っても同じ仕事をするという訳ではありません。その地域地域で特色が違うので当然ですが、地域によって地域おこし協力隊の受け入れの態度も違うということはデメリットになります。
例えば、赴任してくる隊員のための受け入れ態勢が全く整っていなかったという自治体も、中にはあるのです。

それはなぜなのでしょうか?

よくあるのが、「隣村も地域おこし協力隊っつーのをはじめたみたいだし、うちでもやってみっべ」と、地方自治体が見よう見まねで安易に始めてしまうケースです。

「隣村だってできるんだし、うちでもできるだろ」などという軽い考えで募集はしてみたものの、隊員に何をしてもらうのか、そもそもなんのためにやっているのかなどというポリシーもなく、隊員の住居などもしっかり用意していない、そんなケースも中にはあるのです。
そんなはずれを引かないためにも、事前の情報収集はしっかりと行いましょう。

仕事を辞めると任期が終われば無職になってしまう

地域おこし協力隊の最大のデメリットが、「任期が終われば無職になってしまう」という点です。

その地域に移住して仕事しなければならないため、今の学業や仕事はいったん中断しなければなりません。うまく休学や休職できれば良いですが、1~3年間もの長い期間を休学や休職が認められるケースは少ないでしょう。

そうすると、退学や退職をしてから赴任しなければなりませんから、任期が終われば無職になってしまいます。地域おこし協力隊を始めるなら、任期が終わった後の身の振り方もきちんと決めておきましょう。そのままその地域に住みたいならその地域に就職先がありそうかを確認する必要がありますし、もといたところに戻るなら再就職先を探さなければなりません。

地域おこし協力隊の体験談

地域おこし協力隊の成功体験談と失敗の体験談の二つをご紹介します。

理想の島にスムーズに移住できた!成功談

「島での生活にあこがれて、離島の地域おこし協力隊に参加しました。島の人たちはみんな優しくしてくれて、野菜やら魚やらをいつも下さりました。おかげさまで、いつも新鮮な野菜や魚を食べることができました。そして、島で就職先を決め、任期が終わった後もそのまま島に住み着くことになりました。毎日きれいな海の目の前で暮らすことができる、島暮らしを満喫しています!」

受け入れ態勢が整っておらず悲惨な生活を強いられた・・・失敗談

「地域おこし協力隊として過疎の村に赴任すれば、村人たちから感謝されて大事にされるかと思っていました。しかし現実は、ボロボロの廃屋のようなところに住まわされ、村人たちからは『税金で暮らしてるんだろ』『若いんだから村のためにしっかり働け』と、重労働を強いられるつらい生活でした・・・。地域おこし協力隊になったからと言って、周りから大事にされると思ったら大間違いでした!」

まとめ

地域おこし協力隊は、田舎暮らしをしたい、違う環境で生活してみたい、と思っている人にとってはとてもうれしい制度です。
しかし、今の生活を捨て、新しい環境に飛び込まなければならないため、決して安易に決断すべきことではありません。募集要項をしっかり確かめ、面接で不明点などはしっかり確認するようにしてくださいね。

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