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転職サイト・エージェントと一口に言っても、例えば看護師やIT専門の転職情報など専門職種だけを手掛けている場合もあれば、海外や地方、都市部中心と言った特定の地域に特化して転職情報を提供したり、サポートを行ったりしている場合があります。

つまり、転職サイト・エージェントにはそれぞれの独自色というものがあるのです。

転職では職種や業種が大切であることは言うまでもありませんが、それと同じぐらい「転職する地域」も重要になってきますよね。特に地方への転職を志望されている方は、その地域に特化した情報を提供している転職サイト・エージェントが良いのか、それとも全国津々浦々までカバーしている総合的なサイトの方が良いか判断に悩むところだと思われます。

a_085そこで今回は転職サイト・エージェントおよび転職事情における「地方」と「都市部」の違いにフォーカスして徹底的に比較し、どう転職サイト・エージェントを活用することが望ましいかを明らかにして参ります。

「地域」からみた場合の転職サイト・エージェントの区分

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都市部と地域の転職サイト・エージェント(以下転職サイト)の違いを理解して頂くために、「地域」から転職サイトをどのような区分けで捉えることができるか、それぞれどのような特徴があるかについて簡単にご紹介することにします。

転職サイトを地域から区分した場合には、概ね次のような3つに分けて考えることができます。

全国ネットワーク型

04特定地域に限らず、日本全国、サイトによっては海外も含めて幅広くネットワークしている総合的な転職サイトです。

全国を網羅するには転職サイト自体が全国に拠点を持っている必要があります。そのため、転職サイト側に一定の企業規模と体力が必要になってきますので、中小企業では運営が難しく、必然的に大手企業がその体力を活かして転職サイトを運営している場合が多いと言えます。

首都圏、都市部中心型

05首都圏や都市部は求人件数が多いため、それだけ市場が豊富であることから、

多数の転職サイトがひしめいている状況になっているのが首都圏、都市部中心型です。

首都圏や都市部に特化することにより、全国の地方に拠点を構える必要がないことから中小から大手まで多数の転職サイトが存在しています。

地方密着型

06仮に九州を事例とした場合、「九州地方」に限定して情報提供やサービスを提供している転職サイトや、福岡県など政令指定都市のある都道府県については「福岡県」という都道府県単位で地域に密着して転職支援事業を行っている転職サイトなどが該当します。

全国ネットワーク型と比較した場合、その地域に特化できる分小回りやきめ細かな対応がしやすくなりますが、「求人件数の分母が限られてくる=売上がある程度限られてくる」ことから、主に中堅、中小企業が運営しています。

check-c021これらのことを念頭に、まず「地方への転職」を考えた場合にはどの転職サイトを活用すべきかを比較してみることにしましょう。

都市部本社の支店採用はローカル転職サイトでは不利

地方へ転職する場合、企業のタイプによって大きく二つに区分して考えることができます。その二つとは次のとおりです。

・Aタイプ:都市部に本社を構える企業の地方営業所や事業所、工場、研究施設など
・Bタイプ:地元に本社を構えて事業活動を行っている企業

これらA、B二つを考えた場合にAに強みを持つのは都市部に拠点を構えている主に全国ネットワーク型の転職サイトとなります。

なぜなら多くの場合、Aタイプ企業の人事部は本社にその機能があり、本社人事部が司令塔となって各地方事業所の採用もトータルに管理している場合が多いことがあげられます。

そのような場合、仮に採用地域が地方であったとしても、求人に関する企業側との交渉や打ち合わせを行うには人事部がある都市部で行われることが多く、そこに拠点を構えていない転職サイトでは求人企業との二人三脚的連携が行いにくくなるからです。

Bタイプであっても職種によっては都市部が重視される傾向が高まっている

もっとも、Aタイプにはその地域にある事業所でずっと勤務をし、原則転勤が伴わない「地域採用枠」というものがあり、こうした地域枠については本社人事部ではなく地元の事業所が中心となって採用を行う場合もあります。

check-c021このような地域限定の採用枠やBタイプの地元に本社を構えている企業なら、地元に密着している地方転職サイトの方が有利にも思えますが、実は近年そうだとは言い切れなくなっています。

転職ブームが採用する側のトレンドも変えている

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ぜひ採用する側の立場になって考えてみて欲しいことなのですが、企業としてはどのような場所で事業を行っていようが「企業は人なり」の言葉通り、優秀な人材を常に欲しています。

そのためには一定の水準を超えた優秀な人からできるだけ数多く応募してもらい、その中から優秀な人材を獲得したいというのが企業側の本音です。

地元だけにこだわって間口を限定してしまえば、その分候補者が減ってしまい、優秀な人材を獲得できる確率も下がることになります。

つまり、地方の企業もしくは事業所であっても、本音としては全国、特に優秀な人材が多数いる都市部から優秀な人材を獲得したいというニーズが根底にあります。

しかしながら求人の間口を都市部に拡げたとしても、地方という理由から敬遠されたり、賃金水準や福利厚生面での違いなどで都市部企業との競争で負けたりすることから、都市部の優秀な人材獲得は難しい状況にあり、諦めていた面がありました。

ところが近年、地方の企業や事業所にも都市部にいる優秀な人材を獲得しやすくなった環境が生まれてきました。近年「ブーム」と言われている転職市場の盛り上がりです。

その結果、都市部に住んでいながら地方企業への転職を希望する人が増加してきたため、地方の事業所や企業も都市部での人材獲得に積極的に取り組むようになってきたのです。

こうした背景から、その地方の地元企業への転職ならその地方に密着して活動してきた転職サイトが有利と言う構図が崩れつつあります。そのためBタイプ企業であっても、特に全国市場を相手にしている有力企業ほど人材獲得面では地元地域だけに拘らない傾向が強まっています。

a_085以上のような状況からAタイプは都市部に拠点を構える主に全国ネットワーク型の大手転職サイトが優位Bタイプでも特に地元の有力企業においても同様に都市部に拠点を構えている全国ネットワーク型の大手転職サイトが優位になりつつあるのです。

事業所数・年収における地方と都市部の驚くべき格差の現実

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では次に「地方」や「都市部」に限定せず、全国区で転職を考えた場合で「地方」と「都市部」への転職について改めて比較してみることにしましょう。

事業所数の分母差

まず歴然としているのは事業所数の数です。全国には約600万の事業所数がありますが、東京だけでその内の12.3%(総務省調査)を占め、これに神奈川、愛知、大阪のわずか3県を加えただけでなんとその率は31%、約200万事業所にも達します。

即ち東京、神奈川、愛知、大阪の4都道府県だけに全国の約1/3の事業所が集中しており、残り2/3を43もの都道府県で分け合っている状況なのです。

これがそのまま転職先の分母となりますので、地方の県と4県の都市部を比較した場合には単純な確率として、どちらが転職先が多いか、選びやすいか、転職しやすいかは明白だと言って良いでしょう。

平均とは言えない平均賃金の驚くべき実情

地方と都市部の賃金格差はよく社会問題として指摘されていますが、その驚くべき実情について皆さんはご存知でしょうか。

まず日本の労働者の平均年収(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(平成25年))からご紹介しますと”平均”年収は

・464万円

となっています。

これは47都道府県の平均賃金から導かれたものですから、「平均」という言葉を普通に受け止めたなら平均年収を上回っている都道府県の数は20~23程度あるものと考えられます。

ところが「年収464万円」という平均賃金を上回っていた都道府県は、次にご紹介するたった「7県」しかないのです。

平均賃金を上回っている都道府県
東京 580万円
神奈川 525万円
愛知 518万円
大阪 498万円
滋賀 484万円
京都 474万円
兵庫 474万円

このように上位の7県、特に東京から大阪までの上位4県が全国の平均賃金を大きく押し上げている格好となっているのです。

ちなみに460万円以上でみても静岡468万円、埼玉468万円、千葉465万円、茨城461万円、三重460万円とわずか5県が加わるだけです。

しかもこれら5県はほぼ全て都市部に隣接している県ばかりです。

つまり、「平均的な収入さえ得られれば良い」と考えた場合でも、その平均値を確保できる地方の都道府県は一握りだということです。

check-c021そのため仮に都市部から地方の都道府県への転職を考えた場合、少々の年収ダウンでは済まず、大幅に年収ダウンする可能性がとても高いということなのです。

これらの差が転職サイトの「検索対象条件の差」となって表れてしまう

こうした事業所数や賃金格差は労働市場全般のことであり、転職サイトに限定された話ではありませんが、結果的に都市部に拠点を構える大手を中心とした転職サイトと地元密着型の転職サイトにもこうした状況は当然大きな影響を与えることになります。

一つは検索対象となる企業登録数の違いが顕著な違いとして表れることになります。

転職サイトは多くの求人件数の中から最適な求人情報を得ることに一番の価値がありますが、その点で大きな格差が生じているということになります。

また、転職するといっても生活が成り立たせることは絶対条件です。そのような意味で検索条件として「年収」は大変重要な条件になると言えますが、年収条件において「○○○万円以上」で検索を行った場合、都市部では多数ヒットするのに地方密着の転職サイトでは「0件」担ってしまう等、如実な件数差となって表れてしまうことになります。

転職ナビ

結論です。

仮に特定地域への地方転職を考える場合であっても、幅広い選択肢から転職を考えるという点で地方ではなく、都市部の転職サイトを利用することが不可欠になってくるということです。

また地域を特定せずに転職を考えているという方も、自分の人生を豊かにするためにどのような転職をめざすべきかについては地方と都市部で生じている歴然とした格差の現実を踏まえた上で、冷静に且つ慎重に判断することが大切であると言えます。

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