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ストレスフルな看護師のために

講座やセミナーなども開催して、知識や技術も伝えるため 、独立して21年になりました。
看護師の知識も活用できるカウンセラーとして、のべ1万件以上のご相談を受けさせていだいています。
「悩みを解決するためのヒント」をホームページやブログで発信しています。
Twitter:https://twitter.com/taoshinri
看護師は、心身ともにストレスが多い職業です。
日々の業務は生死に関わることも多く、心理的にストレスがかかりやすいものです。
また、不規則な勤務をされている方も多く、身体的にもストレス状態ということもあるかもしれません。
そういった中では、自分の今後について、悩むことも多いです。
また、同僚の看護師や医師などとのコミュニケーションで悩むこともあります。
患者さんとの接し方でも頭を痛めることがあります。
悩みを抱えながらの看護は辛いですし、患者さんにも悪影響を与えます。
ストレスを軽減し、悩みの解決に導いてくれるのが心理カウンセリング。
ストレスの多い看護師こそ、心理カウンセリングを生かすことができるのです。
自分を知るために
看護師として仕事をしていると、日々の業務に流されてしまい、自分を見失ってしまうことがあります。
自分のことがわからず、悩みだけ増えていく、ということもあります。
悩みを解決するために大切なのは、自分を知ることです。
自分のことですから、知っていると考える方が多いのではないでしょうか?
しかし、人から指摘されて、自分を知った、という経験がありませんか?
「ジョハリの窓」というものがあります。
自己分析をするツールとして有名です。私たちには、4つの自分があるというものです。
- 開放の窓:自分も他人も知っている自分の性質
- 盲点の窓:自分は気付いていないが他人は知っている性質
- 秘密の窓:他人は知らないが自分は知っている性質
- 未知の窓:自分も他人も知らない性質
盲点の窓や未知の窓など、自分が知らない性質もあるのです。
看護師は、患者さん主体に考えて仕事をしやすいです。
それは大切なことなのですが、自分を置き去りにしてしまい、より自分に負担をかけてしまいます。
自分を知ることも、看護師には必要なのです。心理カウンセリングは自分を知る手助けをしてくれます。
相手を知って適切な看護のために
看護は患者さんの状態に合わせて行われるものです。
手術後であれば、術後のケアがされます。術後なのに、退院の指導をするというのはミスマッチですね。
適切な看護をするためには、患者さんの状態を把握することが大切です。
看護師は、状態把握をするために、専門的な視点を学んできているのです。
ただ、その専門性が故に、どうしても身体的な側面が中心になりやすいです。
心理的な側面を見落としてしまうことがあるのです。
しかし、心理的な面を把握していかないと、患者さんに不快な思いをさせてしまうかもしれません。
看護師がよかれと思って行ったケアが、逆に、怒らせてしまうというようなことにもなりかねません。
心理カウンセリングには、認知療法という理論があります。
認知とは、「ものの見方や考え方」です。これを変えて、悩みを解決しようとする方法です。
認知は、人によって異なります。
自分の認知と他人の認知は違うということを、認知心理学は教えてくれています。
独りよがりのケアをしないためにも、患者さんの心理の把握は欠かせません。
患者さんを知れば知るほど、適切なケアをすることができるのです。
適切なコミュニケーションのために
看護は、黙々と1人でこなす仕事ではありません。
患者さんとのやり取りがないということはありません。
コミュニケーションが不可欠なのです。
患者さんとのコミュニケーションだけでは看護師の仕事はできません。
上司や同僚、医師、その他の医療スタッフとのコミュニケーションもあるのです。
看護師以外の仕事でも職場のコミュニケーションは不可欠ですが、看護師は、その分量が多いのです。コミュニケーションのためには、自分と相手が必要です。
適切なコミュニケーションのためには、まず、自分を知ること、自分の癖を知ることです。そして、相手を知ること、相手の癖を知ることです。
その上で、コミュニケーションを行うことで、いいやり取りをすることができるのです。
「交流分析学」という理論があります。名前の通り、「交流:コミュニケーション」を分析していきます。
人は、自分なりのコミュニケーションの癖があります。
その癖のため、不適切なコミュニケーションを取ってしまうことがあるのです。
不適切なコミュニケーションは、とても不快です。時に、心身に大きなダメージを与えることがあります。
こういったことを防ぐ方法を「交流分析学」は理論的に教えてくれます。
悩みの半分以上は、人間関係といわれています。人間関係を良好に保つことができれば、悩みはかなり少なくなります。
心身を健全に保つことが、適切な看護につながっていくのです。
悩みの中に生きている看護師のために
病気の方は病気でのことで悩みます。病気を予防したい方は病気にならないように悩んだりします。
看護師は、こういった方々の中で仕事をしていきます。ですので、悩みが身近にないということはありません。
では、悩みって何でしょう?
心理カウンセリング的な答えは、「ズレ」や「ギャップ」です。
例えば、「やりたいことができない」で悩むことがありますね。
これは、「やりたいこと」が「現実的にできない」というズレがあるから悩むのです。
「わかってくれない」で悩むこともあります。これは、「わかって欲しい」のに、「わかってくれない」というズレです。
もし、わかってくれたら、悩まないですよね。ズレがないからです。
悩みと接するは、「ズレ」や「ギャップ」を考えることが必要です。
その「ズレやギャップ」がわからないと悩みを解決することができないからです。
しかし、この「ズレやギャップ」、本人にもわかっていないことがあります。
心理カウンセリングは、この「ズレやギャップ」をわかる形にしてくれます。
そして、「ズレやギャップを」なくしたり、少なくしたりしてくれるのです。
自分らしさを発揮できるために
看護師は、看護師である前に、1人の人間です。
人は誰1人として同じ人はいません。考え方も夢も、持ち味も人それぞれです。
それが、特徴となり、その人らしさになります。
その「らしさ」を発揮することができると、悩むことはなくなります。ズレがないからです。
「らしさ」に気づくために心理カウンセリングが役立ちます。特に、話をしていくことで、見えてくることがあります。
「らしさ」は、仕事にも反映されます。赤ちゃんが好きな人は、婦人科で「らしさ」を発揮しやすいです。
高齢者が好きな人は、老人施設などで「らしさ」を発揮できます。
内科で発揮できる人もいれば、外科で発揮できる人もいます。
もしかしたら、看護師以外に「らしさ」があるかもしれません。
こういった「らしさ」を知り、「らしさ」をどのように発揮したらいいのか、ということを教えてくれるのも心理カウンセリングなのです。
自分を生かし、相手を生かすために
看護は、患者さんと看護師の相互関係です。
患者さんにプラスになるのは、もちろんのこと、看護師にもプラスになるのが良い関係です。
交流分析学では、二者間の関係には4種類あると考えています。
- 自分にも良くて、相手にも良い関係(I am OK,You are OK)
- 自分には良くて、相手には悪い関係(I am OK,You are not OK)
- 自分には悪くて、相手には良い関係(I am not OK,You are OK)
- 自分にも悪くて、相手にも悪い関係(I am not OK,You,are not OK)
良い関係は言うまでもなく①です。
自分も生かし、相手も生かす関係。自分も相手もOKの関係。
この関係は、患者さんとの関係だけに望まれるものではありません。
職場スタッフはもちろんのこと、家族や恋人、親子との関係などにも望まれるものです。
仕事以外での生活、人間関係も悩みなく、充実させること。
こういったことができるのが、素敵な看護師、いや、素敵な人なのです。