上司や経営者から「利益拡大のために残業100時間程度は当たり前だ!」と言われて、疑問と不満を感じてはいませんか?

 

近年では長時間のサービス残業によって、身体的・精神的に健康を害して退職してしまう人も少なくありません。

 

しかし「一昔前まで残業200時間は当たり前!100時間程度で情けない!」などという上司や経営者も多いです。

 

そもそも残業100時間は仮に残業代が全額支給であったとしても、違法になります。

残業を認めるための労使協定を結んだとしても、認められる残業時間は1週間に15時間、一カ月45時間までです。

 

とくに残業100時間超えは過労死認定の基準ともなっており、身体的・精神的なリスクが高いのも間違いありません。

 

この記事では、残業100時間という状況がホワイト企業と比較してどうなのか。

また残業代・リスク面ではどのような違いが出てくるのかについて、具体的に比較検証します。

 

長時間のサービス残業が辛く、それを理由に転職するのは甘いのか?と不安や疑問を感じている人もぜひ参考にしてみてください。

 

■残業100時間は残業さえ出れば合法なの?それでも違法?

経営者や管理者の中には、どんなに残業をさせても残業代さえ支給すれば大丈夫と思っている人も少なくないでしょう。

 

結論から言って、そもそもの労働時間は1日8時間・1週間で40時間までが上限です。

ここから社員に残業をしてもらうには「36協定(労使協定)」という協定を結ぶ必要があります。

 

しかし、この労使協定を結んだとしても限度なしで残業させられるわけではありません。

まず残業をしてもらうには、労働者と雇い主との間で「労使協定(36協定)」と呼ばれる協定を交わす必要があります。

この協定を交わさなければ、そもそも1日8時間・1週間で40時間以上の労働をさせることはできません。

 

36協定を申請して労働基準局に受理されると、1週間15時間・1カ月45時間までの残業をしてもらえるようになるのです。

当然、残業をする間の残業代は全額支給しなければなりません。

 

ただ時期によっては、36協定で定められた残業時間だと会社が回らなくなる繁忙期もあります。ケーキ屋のクリスマス時期などをイメージすると分かりやすいでしょう。

 

そのようなときは年に6回まで「特別条項」と呼ばれる制度を使って、36協定で定められている残業時間を延長することができます。

 

この特別条項を申請すると、労働基準法としての残業時間上限が実質無制限になってしまうのが現状です。

※ただし年間の半分を超えない範囲の期間という制限はあります

 

しかし、長時間に及ぶ残業はたとえ法律で認められても、過労やストレスの影響で健康を害する可能性が非常に高くなります。

これらの背景も含めて、政府は残業時間の上限を定める方向で調整を行っている最中です。

 

「うち特別条項とか話聞いたことないけど、月100時間とか余裕で残業してる…」

と思っている人もいるかもしれませんね。

 

世間で「ブラック企業」と呼ばれる会社の多くは、特別条項などの申請さえ行っていません。

社員の残業時間自体をなかったことにして、労働基準局に提出しているのです。

 

■残業100時間をしたときの残業代とは

まず、残業には大きく分けて「時間外労働」と「法内残業」の2種類があります。

労働基準法の視点から見ると、同じ残業でも意味が違ってくるのです。

◆法内労働

労働基準法で定められている労働時間限度は1日8時間・1週間で40時間です。

そして会社が就業時間として設定するのは朝9時~17時(うち休憩1時間)などでしょう。

 

この場合、休憩時間を除いた労働時間は7時間となります。

ここから1時間残業を行うと労働時間は8時間。

 

就業時間から1時間残業しても、1日8時間以内ではあるので労働基準法が定める労働時間内に収まっていますよね。

 

これが「法内残業」です。

法内残業の残業代は割増賃金の対象にはなっておらず、基本的には勤め先企業の規則に準じる形になります。

 

しかし、実際はほとんどの会社で時間外労働と同じ条件で支給されているようです。

 

◆時間外労働

労働基準法である1日8時間を超えて残業をした場合、適用されるのが時間外労働です。

先述した例でいうと、就業規則が9時から17時までの勤務で2時間残業したとします。

 

就業規則

9時~17時(休憩1時間・労働7時間)

 

2時間残業

9時~19時(休憩1時間・労働9時間)

 

法内残業

17時~18時(始業からの労働が8時間までは法内残業/割増義務はなし)

時間外労働

18時~19時(始業からの労働が9時間/18時から19時までの1時間分が割増対象)

 

2時間残業すれば休憩時間を除いたとしても9時間労働です。

労働基準法で定められているのが8時間なので、1時間分は「時間外労働」となります。

 

一般的に問題視されている残業とはこの「時間外労働」のことです。

 

■残業100時間が全額支給された場合と無支給のときを比較

割増残業代の金額は1時間あたりの「給与額×1.25」になります。

1時間あたりの給与は「月給÷1カ月の勤務日数÷1日の就業時間」で割り出すことが可能です。

 

◆残業代を比較

例として住宅手当や通勤手当などを除いた、基本給+役職手当で月給30万円の人が時間外労働を100時間したとしましょう。

 

30万円(月給)÷22日(勤務日数)÷就業規則時間(8時間上限)

1日あたりの賃金=13636円

1時間あたりの賃金=1704円

 

1704円×1.25(時間外労働の残業割増)=2130円(時間外労働1時間分の賃金)

2130円×100=21万3000円(時間外労働分)

 

仮に月給30万円の人が100時間の残業を行った場合、給与とは別に21万3000円の残業代が発生するということになります。新卒1人分の働きを余分にしているのとほぼ同じです。

 

もし100時間の残業代が1年間未払いの場合、それだけで会社は年間で255万6000円の人件費を違法に削減していることになります。

逆に労働側は年間で255万6000円分もの労働力を無償で提供しているのと同じ状況です。

 

そしてこれは1人あたりの計算なので、もし同じ労働環境の従業員が10名いた場合、年間で2556万円分もの金額になってしまいます。

※より具体的な残業代は勤務形態や会社との契約内容によって異なるので、あくまで一例です。

■残業を100時間した場合の身体への影響とは

無茶な長時間残業は、賃金面の問題もありますが何より身体や精神面への悪影響が何より重大です。

 

月に100時間以上の残業は過労になりやすく、心身共の疲労からうつ病や自律神経失調症などにもつながりやすくなります。

 

その他「睡眠障害・うつ病・過労死」など、さまざまな面で生活に支障が出てくるリスクは高いです。

これらの点からもし100時間分の残業代が全額支給されるとしても、その環境で長期間働き続けるのはオススメできません。

 

どんなに給与や報酬が高くても、健康を害してしまっては何の意味もないからです。

■残業100時間することで仕事は進むのか?

会社は人件費の削減を目的にして、社員にサービス残業を暗に強制しています。

実際に長時間残業したことがある人なら分かると思いますが、時間が延びれば仕事が進むかと言われればそうでもないでしょう。

 

残業時間が長くなるほど、仕事の効率は落ちて思考力も最高時の50%も発揮できません。

1日あたりに高いパフォーマンスを発揮できるのは、8~9時間が限界なのです。

 

いい仕事をするためには、適切なタイミングで休養を挟むことも重要なポイントになります。

 

これらの前提を理解せずに長時間残業を強いている環境は、労働者にとってマイナスになる可能性が非常に高いです。

 

■長時間残業がもう嫌だと思ったら転職も検討

ここまでの理由から残業100時間など過酷な環境が続くようであれば、転職も視野に入れることをオススメします。

 

人は残業が常時100時間あるような職場に在籍していると、それが当たり前のように感じてくるのが難点です。

たとえ残業代が発生しない状況であっても、仕事を失うリスクも含めてなかなか踏み出せない人は多いでしょう

 

しかし、実際には残業なしでも今と同等の給与が保障されているホワイトな会社も少なくありません。

 

100時間も余分に無償労働を提供するのであれば、多少給与が下がっても残業が少ない会社に移ったほうが、結果として時間を有意義に使うことができます。

 

転職エージェントなどを活用すれば、求人元企業との交渉や紹介を代行してもらえるので、より条件を具体的にしてから利用してみるといいでしょう。

 

■オススメの転職エージェント

転職に活用できるエージェントはさまざまな分野で非常に多くの種類があります。

その中でもとくに人気が高く、オススメのエージェントは以下の通りです。

 

◆リクナビエージェント

リクルート関係の最大手「リクルートグループ」が運営している転職サービスです。

他を圧倒する求人数を抱えており、非公開案件も多いので選択の幅がとても広がります。

 

リクナビエージェントの詳細については以下の記事をご覧ください。

 

【リクルートエージェント】評判ガイド※ブラック企業求人を避けるテクニック

 

◆DODA

比較的新しい転職エージェントですが、急成長して人気を集めています。

プライベート優先の求人など変わった条件でも柔軟に対応してもらえるので、ぜひ活用してほしいサービスです。

 

DODAについての詳細は以下の記事を参考にしてみてください。

 

大手転職エージェント【DODA】を徹底解説※大手の強みを調査

 

■転職・退職前に行っておくべき準備

最後に転職や退職を実行する前に、最低限行っておくべき準備について触れておきましょう。

残業100時間超えで体調を崩してしまった場合は仕方ありませんが、可能であれば以下の項目は満たしておくようにしてくださいね。

 

◆仕事上の引き継ぎ

あなたが役職持ちで、仕事の引き継ぎなどが必要であれば退職前に後任者に伝えておきましょう。クライアントへの挨拶やその他業務に関する伝達事項など諸々の引き継ぎです。

 

◆転職先を探しておく

残業が100時間を超えていて残業代も出ない!今すぐやめたい!と行動に移したい気持ちは分かりますが、ちょっと待ってください。

 

退職をする前に転職先を見つけておきましょう。

そうしなければ再就職に焦るあまり今と同じ、または今よりも劣悪な環境に飛び込んでしまうかも知れません。

 

残業が長すぎて転職活動をする暇がないという場合は、上司に相談して面談や面接がある時は定時退社をさせてもらうようにしましょう。

どうせ辞めるのですから、必要以上に気を遣う必要はありません。

 

◆有給消化の申請

有給が残っているのであれば、すべて消化してから退職手続きに入りましょう。

仮に30日の有給が残っているのなら、有給消化中に転職活動を行えば効率的に次の職場を探すことができます。

 

長時間の残業で疲れた心身には休暇も必要なので、旅行などで息抜きするのもいいでしょう。

 

■まとめ

残業100時間は残業代の有無に関わらず、避けたほうがいいです。

現状100時間以上の残業で転職を悩んでいるのであれば、できるだけ早めに行動したほうがいいでしょう。

 

単純に「100時間の残業が辛い」というのもありますが、それは即ち「自分の時間を毎月100時間会社のために消費している」状況です。

 

月に100時間、年間で1200時間。

日数にすれば50日です。

 

残業にこれだけの時間を奪われた挙句、精神面や身体面にダメージを残してしまいます。

以上を踏まえた上で、残業100時間を超える職場であれば転職を検討したほうがいいかもしれません。