派遣から正社員への転職

「雇い止め」という言葉をあちこちで聞くことはありませんか。改正労働者派遣法の施行によって、ベテランの派遣社員を中心にこれまで勤めていた会社から、「雇い止め」、あるいは「派遣切り」に遭うケースが増えています。

あれっ?でも派遣社員で3年いると正社員になれるような話ってなかったでしたっけ?

派遣から正社員へ転職するカギを知る

  • 同じ会社に派遣としていられなくなる法改正がありました
  • 35歳を過ぎると統計上、派遣→正社員はかなり難しくなります
  • 思い立ったらすぐに正社員転職へ動く必要性を知ります
  • 志望動機を工夫すれば正社員からの転職組に勝てるかもしれません
  • 正社員はメリット、デメリットがあり派遣社員のままの方がいい人もいます

大前提 派遣法が改正されました

労働者派遣法

派遣社員の根拠となっている「労働者派遣法」ですが、2015年に改正されました。
大前提として、それを知って置いてください。

本来、改正法では、同じ職場で働くのは最長3年とし、それを超える場合は派遣元が派遣先に直接雇用を依頼する、という措置が講じられるはずでした。

理由として、派遣社員の正社員登用を促すためのものでしたが、実際に起きたのはその逆で、「もう3年だね。うちは直接雇用するつもりはないから。さようなら」とその職場に5年、10年いるベテラン派遣社員を切る口実に使われてしまっています。

ベテラン派遣切り横行 「3年超せば正社員」回避か 9月「義務化」前に“雇い止め”相次ぐ|西日本新聞

企業側は、そもそも、派遣社員の中から「これは!」と思う人を直接雇用(正社員や契約社員)したい意思はあまりなく、「替えがきく部品」程度にしか思っていなかったんです。

「部署の主」のようになっている派遣社員(仕事を抱えている)は、切りたくて仕方がないわけで、いい口実ができたというわけです。

そういうこともあり、同じ会社内で派遣から正社員に転換するのはかなり難しいのが現状です。
派遣社員が正社員になるためには転職しかないのでしょうか?そしてそれは可能なのでしょうか?

平成27年労働者派遣法の改正について|厚生労働省

派遣社員から正社員へ転職するのは難しいのか?

実際に派遣社員から、別企業の正社員求人へ応募する場合、やはり難しいのでしょうか?
考えてみたいと思います。

人事から見た派遣社員のイメージ

派遣に対する認識の変化

派遣社員が行っている業務は、かつては「一般職」と呼ばれた主に女性社員が行う、管理部門や経理部門の仕事が多くなっています。

本来の派遣社員は、システム開発や通訳など高度なスキルを持つ専門職のみが対象で、「自分の高いスキルを高い時給で売り、それ以外の社内庶務はやらない」という派遣社員上位の働き方ができるはずでした。

しかし、今では、誰でもできる事務や庶務を安価でアウトソーシングでき、「契約更新をしない」という「社員の解雇」よりも簡単な方法で、人員を調整できる手段として使われています。

人事から見ると派遣社員は

  • 部内の庶務など仕事以外の雑務をしたくない人
  • 自分のプライベートをしっかり確保したい人
  • 高い責任を持って働きたくない人
  • 能力があまりない人

というイメージを持っています。

派遣法施行当初は、非常に高いスキルを持っているので、本来業務以外のことをしなくていい、だから高い時給を払うので来てください、と人事がお願いして来てもらうのが派遣社員だったはずですが、いつの間にか「アルバイトのちょっと上」「すぐ切れる雇用の調整弁」「福利厚生などお金をかけずに働かせられる存在」として、きわめて「安牌」な存在として認識されるようになってしまいました。

だから派遣社員を転々としている人に付いては、能力面や責任感の面でポジティブなイメージは持ちにくいのが現実です。
「この人は苦労や責任をしたくない人なのでは?」と先入観を持つ人事も少なくありません。

もちろん仕事内容にもよって違って、システム開発や通訳で採用したい人の場合、派遣社員歴が長くても「能力がある人なんだな」とプラス評価になります。

要は事務職の派遣をやってきた人に付いては、加点評価はされにくいということになります。

派遣就業時の職歴は評価されるのか

評価されるのは専門職だけ

職歴については2つの点から考える必要があります。

1)仕事内容

事務職の派遣を行ってきた場合、職歴はあまり評価されません。
要は誰できできる仕事を派遣で行ってきただけなので「スキルがあまりない人」と低評価になります。

一方、最初の派遣法(1986年成立)が予定していた専門職である、システム開発や秘書、通訳などについては、専門スキルが高い人が、正社員になる腹を決めてくれた、という解釈になり高評価になります。
職歴についてもしっかり加点評価してくれるはずです。

正社員になれば転職する可能性はあるものの、「期間が来たんで辞めます」ということは減るはずで、より能力がある人を社員にできるため積極採用につながります。

2)勤務会社の数、離職期間

どの派遣社員にも共通しますが、1つの会社に3か月とか半年しかおらず、派遣を転々としている場合は「問題があるのでは?」という評価になります。

また派遣と派遣との離職期間が長い人も、やはり評価は低くなります。
これは正社員と正社員の間の離職期間が長い人と同じです。

「何か精神疾患があるのでは?」「真面目に働く気がないのでは?」というイメージを持つ人も少なくありません。

長年派遣で働いているのは不利になるのか

それだけですごく不利になることはありません。

「就職氷河期」か今のように売り手市場かで違いますし、仕事内容も影響します。
ずっと通訳の派遣をやってきた人を不利にはしないでしょう。

派遣でやっていけるだけのスキルがある人はぜひ社員に欲しいからです。
同じ職場で派遣としてやってきた人と、正社員で転職を繰り返して来た人では、前者の評価の方が高くなります。

  • 派遣での業務内容
  • 何回派遣で職場を変えたのか

これが有利、不利の評価に影響すると考えていいでしょう。
長年派遣だからダメということはありません。

【年代別】派遣から正社員への転職の成功率※転職するなら経験を積むより早い方がいい

派遣から正社員へ転職するなら経験を積むより早い方がいい

派遣からの正社員への転職成功率ですが、まず、以下の点を抑える必要があります。

  • システム開発などの専門スキルを持っている人は不利にならない
  • 事務の派遣は正社員の転職に比べるとはるかに難しい
  • 正社員と転職と同様に35歳を過ぎると一段と厳しくなる

35歳を過ぎると、プレイヤー的な立場での転職ではなく、マネージャー、管理職としての転職求人が多くなります。

公式な統計はありませんが、一説には派遣社員から正社員へ転職できるのは20%~30%前後だと言われています。

公的な資料を出します。
年齢階級別・就業年数別の非正規雇用から正規雇用への移行率|平成26年版労働経済の分析(労働経済白書)|厚生労働省によると
前職非正規雇用だった者が過去5年以内に離職し、正規雇用へと移行する割合は以下のグラフのようになります。

※第3-(3)-11図 年齢階級別・就業年数別の非正規雇用から正規雇用への移行率

年齢 正規移行率(%)
15~24歳 27.6
25~34歳 34.9
35~44歳 22.8
44~55歳 17.8
55~64歳 11.2
65歳以上 5.1


「非正規雇用」なので派遣社員だけではなく、アルバイトも含むので、派遣社員に限定した数字は若干異なるかもしれません。

25歳から34歳の非正規雇用から正規雇用への移行率、つまり正社員へ転職できた確率が最も高く、35歳を過ぎるとガクンと下がってしまうことが見て取れます。

つまり、35歳を過ぎて焦っても遅いということで、もし35歳過ぎの派遣社員の方ならば、すぐに転職活動を開始すべきです。

年齢を重ねていくとどんどん不利になっていきます。

就業期間別にみると、就業期間が1年以上5年未満

正規雇用への転職成功は 非正規雇用期間が 1年以上5年未満が多い

次に、正規雇用への転職に成功した人の中で、その非正規の前職に何年就業していたのか、同じ調査で結果が記されていますので、こちらもまとめてみます。

※第3-(3)-11図 年齢階級別・就業年数別の非正規雇用から正規雇用への移行率

就業期間 就業期間別の正規移行率
1年未満 21.4
1年以上3年未満 26.3
3年以上5年未満 25.9
5年以上10年未満 21.8
10年以上20年未満 17.1
20年以上30年未満 9.8
30年以上 10.7


 

就業期間5年までは正規雇用への移行率が上昇し、それ以降は下がっていきます。

派遣での就業期間が長くなれば年齢も上がるので、それで不利になる面もありますが、例えば、23歳で派遣としてある会社に就職した場合、30歳を待たずに転職活動した方が有利になりそうです。

ただし、最初に書いたように、派遣法の改正で3年を超えて継続して同じ会社に派遣として働くのは難しくなりますから、いずれにせよだらだら続けるならば1年、2年で転職活動をした方がよさそうです。

なぜ派遣社員から正社員に転職しようと思ったか?

派遣から正社員への転職理由

派遣社員から正社員に転職したい理由はどのようなものが多いのでしょうか?これについては、一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣社員WEBアンケート調査」2017年1月の結果を見てみましょう。

『正社員希望の理由』の回答結果(複数回答可能)は以下のようになりました。

正社員(無期雇用派遣含む)希望の理由 割合
雇用が安定するから 85.5
賞与があるから 70.1
福利厚生が充実しているから 53.4
定期的に給与が上がりそうだから 39.9
雇用形態のことで差別されたくないから 39.4
処遇を向上させたいから 35.6
責任範囲の拡大にチャレンジできるから 21.0
いろいろな仕事を経験したいから 18.6
職種領域の拡大にチャレンジできるから 16.3
昇進して責任の重い仕事に携わりたいから 14.3
様々な地域の事業所で働きたいから 3.0

正社員を希望する理由は、8割以上が「雇用が安定するから」と答え、次いで「賞与があるから」「福利厚生が充実しているから」になっています。やはり派遣のままでは不安です。

派遣社員から正社員に転職するには

転職エージェントは それぞれ特色がある

通常の転職のように直接応募したり、転職サイトを利用したりしてもかまいませんが、派遣として身につけた能力を少しでも役立てたいですよね。

システム開発や通訳など専門的な派遣の方は、そういう人向けの転職エージェントを利用すると、ピンポイントで条件の良い求人を紹介してもらえるはずです。

そうではない、普通の事務職の派遣の人は、ある程度戦略を持ちながら転職活動をすべきです。
転職エージェントに登録するのも1つですが、正社員としてやってきた人でも「あなたに紹介できる求人はありません」と言われてしまう世界です。
過度な期待は持たないようにしてください。

準備は計画的に:派遣で働きながら転職活動

職務経歴や履歴書の準備を!

派遣社員の場合「職務経歴」を深く評価してくれない可能性があります。
正社員ならば「○○という仕事を△年やっているなら」という転職評価の公式がありますが、事務系の派遣社員の場合、単なる一般職的事務経験としか評価されません。

したがって、ある程度長期戦を覚悟して、計画的に転職活動をしましょう。
求人が多くなる時期を逆算して、職務経歴や履歴書の準備をしておきましょう。

派遣社員ならば正社員のように残業や休日出勤なども少なく、時間は取りやすいはずです。

志望動機と履歴書※なぜ今まで派遣だったのかの説明をポジティブに変換するのがカギ

正社員として転職するためには、しっかりとした志望動機が必要になります。

ポイントは

  1. 今まで派遣社員だった理由のポジティブな説明
  2. 正社員として働きたいポジティブな理由

です。

1については、「氷河期世代」で正社員として就職できなかった人は正直に話しても構いませんが、この世代はもうアラフォーで、どちらにせよ非常に厳しいです。

それよりも下の世代の場合は「敢えて派遣社員」を選んだ理由をポジティブに答えることが重要です。

例:

  1. 様々な業種を派遣社員として経験して自分の適性を見極めたかった。
  2. 現場の作業を覚えるために、その仕事を確実にできる(それ以外のことはやらない)派遣社員を選んだ。
  3. 一時的に家族を介護する必要があり、時間の融通が利く派遣社員を選んだ。

などです。
家庭の事情ならばマイナス評価にはなりませんが、その部分が解消されたことを必ず付け加えるのを忘れないでください。

2については、上の調査でもわかるように、「安定した仕事に就きたい」というのが本音だと思いますが、それはNGです。むしろ、表の下位の回答

  • 責任範囲の拡大にチャレンジできるから
  • いろいろな仕事を経験したいから
  • 職種領域の拡大にチャレンジできるから
  • 昇進して責任の重い仕事に携わりたいから
  • 様々な地域の事業所で働きたいから

こういう内容を含めて構成し、会社員として責任を持った仕事がしたい、正社員としての帰属意識のようなものをにじませると効果的です。

面接で聞かれること

面接

通常の正社員の面接の内容に加えて、面接官は「楽をしたくて派遣社員をしていた」という先入観を持っている人もいます。
あるいは本気度を知るために敢えて、以下のような質問をしてくるかもしれません。

Q:派遣社員から正社員の転職という事ですが、なぜ今回は正社員になりたいのですか?

Q:派遣社員として働く場合は、会社に貢献できないのですか?

Q:なぜ最初から正社員としての働き方を選択せずに派遣の道を選んだのですか?楽をしたいからですか?

Q:新卒採用の就職活動をしている時に、この業界は受けなかったのですか?前職もこの業界ではないですよね?

Q:派遣として働いていた時の正社員の姿を見ていると思います。ああいう責任を持たされる働き方、本当に大丈夫ですか?

Q:正社員からの転職希望者と比較してあなたに勝てるところはありますか?

このような質問が来る可能性があります。結構辛辣な内容も含まれますが、これについては事前にしっかりと準備しておきましょう。
逆に、きついことを聞かれない会社は「誰でもいい=ブラック企業」である可能性が高いです。

紹介予定派遣という選択肢も

正社員として働くために、最初は派遣で働き、一定期間経過後に正社員になれる「紹介予定派遣」という働き方があります。
これは、3年経過後・・とは別の制度で、「派遣期間終了後に(双方合意の上)社員として雇用すること」を前提とした派遣制度のことです。

詳しくは、当サイトの紹介予定派遣とは!?知らなかったメリット・デメリットを徹底解説をぜひ読んでください。

派遣から正社員に転職する際のポイント

自己PRと転職理由が大事! 長く働きたいことを伝える!

とても重要な自己PRと転職理由

繰り返しになりますが、求人企業は派遣社員だった人について「楽をしたいから派遣の道を選んだ」「責任のある仕事の経験がないから難しい」「スキルが低いのではないか」というフィルタで見ています。

(ITや通訳など高スキルの仕事は別にして)逆に派遣社員が正社員に勝てる要素がないのも事実です。それを覆すだけの自己PRと転職理由が絶対に必要になります。

できれば、職務経歴、職務経験の比重が少ない20代のうちに転職活動すれば、「ポテンシャル採用」や「第二新卒」と同じ枠に入れてもらえるかもしれません。やはり、派遣社員から正社員への転職活動時期は早い方がいいんです。

辞めやすいイメージを面接で払拭する

派遣社員を転々としている場合、さらにイメージがよくありません。「続ける根性がないから派遣をしている」という偏見やイメージを払しょくするためにも、面接では熱意と正社員として会社のため、お客様のために働きますという気持ちを積極的にアピールしてください。

ここが覆らないと、正社員の転職組との競争に勝つことはできません。

派遣から正社員に転職したら…メリット・デメリット

正社員になると安定しますが、メリットばかりではありません。メリットとデメリットをよく考えて転職活動を行ってください。

給料の違い:月収は下がったが年収はアップ

年収アップ

時給制の派遣社員と違い、正社員の給料は「月給+時間外手当(残業代)」が基本です(「日給月給」の場合もあり)。転職したばかりのころは、月給を勤務時間で割って時給平均を出すと、派遣社員時代よりも低いという可能性があります。

もちろん、サービス残業のリスクもあります。しかし、通勤手当が出る、ボーナスが出る、保険や年金への会社の補助がある、会社の福利厚生制度が利用できるなど、トータルすれば正社員の方が得です。

そもそも、人を安く使いから派遣を雇っているわけですから、正社員にかかるお金の方が高いわけです。年収ベースでみても、正社員で働いた方がいいでしょう。

ただし、一部外食や小売のブラック企業の中には、「コンビニで働いた方がマシ」という働かせ放題の暗黒企業があるのも事実です。そういう会社には絶対に引っかからないようにしてください。

将来への不安が消えた

不安が消えた

派遣社員を使うもう1つの理由として、人員の調整弁にでき、「契約を更新しません」で簡単に首を切れることがあります。日本の労働法では、正社員を解雇するのはかなり条件があり、逆にそれだけ正社員の地位が安定しているということになります。

よほどの不始末や、本当に使えないなど判断されることがない限り、(出世はできないかもしれませんが)正社員の地位は守られます。年齢給の比重が高い企業ならば成果を上げなくても、結構な額の給料をもらえるはずです。

責任と残業が増えた

残業が増える

正社員の場合、平社員→係長→課長→部長など出世にともない、仕事上の責任も大きくなります。立場上、平社員の下で決められた仕事をすればいい派遣社員とは別次元のストレスを抱えることになります。

もちろん、責任にともない、残業なども増えるかもしれません。派遣社員は時間が来れば帰れますが正社員はそうもいきません。サービス残業ではなくても心身への負担は大きくなります。

派遣社員が帰らなければ、誰か正社員が残らないといけません。筆者がかつていた部署では、残業代稼ぎの派遣社員が全然帰らないため、担当正社員が残らざるを得ず、心身の不調をきたした人がいました。

私はこうして派遣社員から正社員への転職に成功した(体験談)

派遣社員から正社員への転職に成功29歳女性

短大卒業後、いくつかの職場で派遣社員として働いていました。会社の受付嬢などもやっていて接客もそこそこ自信があり、30歳を前に思い切って正社員の求人へ応募することにしました。

時間はあったので、各社の採用スケジュールを検討して、求人への応募が絶えないよう、なおかつ、派遣の仕事と並行できるスケジュールを組みました。書類選考で落とされる会社も多かったですが、しっかり志望動機を書けば、案外面接まで進めました。

PRしたのは、受付として様々な人と接し、クレーマーなどのあしらい方や、偉い人への接遇などを派遣社員として複数の会社で身につけたということです。それぞれの会社でお客さんの層が違うので、そのまま正社員として新卒就職した人以上の経験があると訴えました。

その点を評価してくださったようで、採用後、いきなり社長秘書に抜擢されました。「秘書はある程度社会人経験がある人がいいから是非お願いします」と理由を伝えていただきました。

この段階で正社員になろうと活動して本当に良かったと思います。

法律の改正で正社員登用は難しくなった?

契約打ち切り

最初のほうで書いたように、改正労働者派遣法によって

  • 3年以上
  • 同じ職場で働く
  • 派遣社員

の人は、派遣元(派遣会社)が派遣先(働いている職場)に直接雇用を依頼するなどの「雇用安定措置」が義務として発生するようになりました。

いわゆる「3年ルール」です。
実は、派遣とは別に契約社員の「5年ルール」もあるのですが、ここでは省略します。(この2つを合わせて「2018年問題」と呼ばれます)。

改正労働者派遣法によって、3年以上同じ職場で働く派遣社員は、派遣先企業が直接雇用(正社員など)にしないといけなくなります。

※例外的に派遣先が3年を超えて同じ派遣を受け入れる場合は、派遣先の事業所の過半数労働組合等からの意見を聞いて認められることもあります。

本来、これによって派遣社員の正社員化を促進するはずだったのですが、そもそも正社員を雇うお金がない(あるいはケチりたい)から派遣社員を受け入れているだけなので、2年9か月とか2年11か月の時点で「あなたの契約は終わりです。さようなら」と契約を打ち切られるケースが続出しています。

これが「雇い止め」です。
10年以上働いていて、余人をもって代えがたいと思われていた人も、正社員になれず容赦なく切られています。

「正社員以外は人にあらず」が多くの日本企業の本音で、残酷までにその牙がむき出しになっています。
正直、多くが「御用組合」の労働組合も、正社員のライバルが増えるようなことをアシストはしないでしょうし、正直派遣社員なんてどうでもいいんです。

正社員登用が難しくなったというよりも、端から正社員にするつもりなどなかった、という企業の本音が出たのが2018年です。

35歳を過ぎると正社員としての転職が難しくなるのは上で書いた通りです。
つまり、様々な職場を派遣やバイトとして転々として生きていくしか方法がなくなります。

慣れていない職場に派遣されれば「使えないやつ」ということで簡単に切られますし、派遣としての時給もどんどん下がってきます。悪循環で「詰んで」しまうんです。

これでも派遣社員として働き続けるのがいいのでしょうか?

立場によっては派遣社員のままの方がいいケースもある

生活スタイルに合った働き方を

ここまで書くと「派遣社員はダメ!何が何でも正社員!」と思われるかもしれませんが、あまり責任がなく、決められたことして、バイト以上の時給をもらえる派遣社員がいいケースもあります。

例えば、夫婦共働きのどちらかで、扶養の範囲を超えて稼ぎたい人や、子育て中の方などは、残業なく定時にほぼ帰れ、パートより割がいい派遣社員の方がいいでしょう。

ご自身の生活スタイルや家庭生活も勘案して、派遣社員を選ぶのはありです(3年ごとに職場を変えるのも別に問題なければ)。

ただし、1人で(独身で)派遣として生きている人は、人生が「詰んで」しまうこともありうる事態になっています。

まとめ

派遣から正社員への転職は難しい? まとめ

  • 改正労働者派遣法の「3年ルール」で派遣社員が3年以上同じ職場にいるのが難しくなった
  • 35歳を過ぎると転職が非常に難しくなる
  • 35歳を過ぎた派遣社員は派遣として転々とするしかない
  • 正社員として転職する場合「35歳まで」「派遣の前職場が5年以内」ではないと転職が厳しくなる
  • 会社や人事は楽をしたいから派遣社員をしているというステレオタイプを持っている
  • それを覆す志望動機や自己PRが必要
  • 若ければ若いほどやる気や熱意でポテンシャル採用されやすい
  • 「生活の安定のため」など守りの志望動機はNGである
  • 正社員になるメリットやデメリットをよく理解する
  • 共働きの場合などは派遣社員のままの方がいいケースもある