残業200時間超え!残業230時間の会社からホワイトへ転職したのに、適応できなかった

残業200時間超え!残業230時間の会社からホワイトへ転職したのに、適応できなかった

残業200時間超えの世界とは、一体どんなものなのでしょうか。

「働き方改革」とはよく聞くものの、法外な残業をしている方は少なくないのが現状です。

この記事では、実際に残業200時間を超える企業からホワイト企業に転職したのに、ブラックな職場に慣れてしまっていたために適応できなかったというトイアンナさんのコラムを中心に、「残業200時間のリアル」をお伝えします。

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残業200時間は違法です。精神的にも身体的にも異常をきたします。

そんな残業200時間の生活リズムや給料、違法性などについて書いていきます。

ぜひこの記事を読んで、あなたの労働環境についても再考してみてくださいね。

残業200時間は「帰ったら寝るだけ」すら無理な生活リズム。

残業200時間は「帰ったら寝るだけ」すら無理な生活リズム。

時間外労働が200時間を超えると、「帰ったら寝るだけ」の生活すら難しくなります。

月の勤務日数にもよりますが、残業200時間の場合、1日あたりの残業時間は8時間~9時間超。

9時~17時定時の企業だとすると、夜中の1時~2時まで仕事をする計算になります。

そうなると、勤務時間以外の自由な時間はたったの7~8時間しかありません。

通勤時間や食事、入浴、支度の時間を考えると、睡眠時間は最大でも4~5時間が限度。

毎日の睡眠時間が4時間じゃ足りないですよね……しかも人によってはもっと少なくなる……
そう、残業200時間は「帰ったら寝るだけ」の「寝るだけ」すら十分な時間を確保することが困難なレベルなのです。

残業200時間の残業代と給料。

ここでは残業200時間の給料を計算し、残業100時間と60時間の場合と比較してみたいと思います。

残業60時間

  • 20万÷22日÷8=1136円
  • 1136円×1.25=1420円
  • 1420円×60時間=8万5200円(残業代の合計)

20万円+8万5200円=28万5200円

残業100時間

  • 20万÷22日÷8=1136円
  • 1136円×1.25=1420円
  • 1420円×100時間=14万2000円(残業代の合計)

20万円+14万2000円=34万2000円

残業200時間

  • 20万÷22日÷8=1136円
  • 1136円×1.25=1420円
  • 1420円×108時間=15万3360円

<深夜労働>

  • 1136円×1.5=1704円
  • 1704円×92時間=15万6768円
  • 15万3360円+15万6768円=31万128円(残業代の合計)

20万円+15万3360円+15万6768円=51万128円

残業60時間、100時間、200時間の残業代と給料を表にまとめてみましょう。

残業60時間残業100時間残業200時間
残業代8万5200円14万2000円31万128円
給料28万5200円34万2000円51万128円

月の出勤日数が22日で残業200時間だと、確実に深夜労働せざるをえないのでこのような計算になります。

確かにかなり給料は上がるけど……でも本当にこれで良いのでしょうかね……
残業200時間は、給料が上がって喜ぶ次元ではありません。次で説明しますが、身体的にも精神的にも支障をきたすレベルです。

⇒参考 残業100時間と60時間を比較※残業代・給料や健康リスクに差がですぎ?

医師の診察必須レベルな残業200時間

医師の診察必須レベルな残業200時間

残業200時間というのは、はっきり言って「病院にお世話になるレベル」です。

労働安全衛生法第66条8項では、月の残業時間が100時間以上で疲労が見られる場合には医師による診察・面談が義務づけられています。

医師による診察は、月残業80時間でも努力目標として設定されているのです。

すなわち、残業200時間は体力や精神力に自身のある人でも、医師の診察が必須なレベルといえます。

いくら給料が増えても、これじゃあ精神も身体も壊しますね……

残業200時間は特別協定を結んでいても違法。

年中残業200時間を強いられているのであれば、それは間違いなく違法です。

労働基準法第36条(通称:36協定)で定められた残業時間の上限は週15時間、月45時間。

時間外労働をするために36協定の特別協定を結んだとしても、上限は月100時間で、それも年6か月以内と決められています。

残業を200時間もしていたら、人間らしい生活は送れません。
法律でもしっかりと労働者を守るよう定められているのです。

コラム:「ホワイト企業に適応できない」トイアンナさん

トイアンナ
新卒で入った会社から転職した。1社目では残業が一番ゆるいときで月150時間、ピーク時に月230時間まで上がった。今思えば非現実的な数字だけれど、少なくとも当時の私はそれを生きていた。

 

残業申請を咎められて、神速でホワイト企業へ行った

 

典型的な生活サイクルはこんな感じだ。

08:00     起床 会社側のマンションから出勤

09:00     始業 メールの返信

10:00     会議

12:00     ランチを兼ねた会議

17:00     会議が全て終わりペーパーワーク開始

00:00     終電で退勤 家へ仕事を持ち帰る

02:00     終業・就寝

 

これで仕事が余ったら週末に持ち越す。お盆も正月もない。ヒラから役員までこんな具合に働いていたので、新卒入社した人間はみなこれが普通だと順応していった。代わりに中途入社した方の離職率はすさまじく、1年で2割残るか残らないかだったと思う。びっくりするかもしれないが、株式上場している優良企業だった。

 

それにしても、私のときは人件費が少なかったらしい。私の年次からベース給与が数百万円単位で下がった。残業はほぼサービス扱い。出退勤には月30時間までしか申請できなかった。私はがめついので月30時間きっちり申請していたが、ある日上司に呼び出された。

 

「あのね、先輩方は0時間しか申請してないのにヒラのあなたが30時間も出してると、示しがつかないでしょう」

 

アッ辞めます。そう思ってからは早かった。

ホワイトすぎて干されていると思い込んだ

 

小会議室からこっそり転職エージェントに電話した。震える手で「22時に帰れるホワイト企業ないですか?」といったら爆笑された。この世で22時退勤はブラック扱いらしい。MAJIで? 1社目のネームバリューのおかげで、内定をすぐ手に入れた。その点は感謝してもしきれない。

 

そして1か月後。私は同業他社という名の、超絶ホワイト企業にいた。出社して1週間、上司からこう言われた。

「〇〇さん、もう18時だから帰りなさい」

 

とてつもない不安が襲ってきた。こんな時間に帰らされるのはおかしい。前職でこんな時間に帰ることを許されていたのは親族が危篤な人くらいだ。鬱の社員だってもう少し残っていた。私は間違いなく、入社早々干されている。

 

翌週上司に頼んで10分時間をもらった。せっかく転職させてもらったのに、早々に干された。ふがいない。辞職しようか、それとも異動か。冗長におずおずと尋ねた。

 

「私、もうダメなんでしょうか……。こんな時間に帰らされるなんて、私の至らない点が多々あるのは承知していますが……どうかラストチャンスをいただけないでしょうか!」

 

上司は目をまん丸くして、大爆笑した。前職ってそんなにひどかったの?かわいそうに。といって「これ会社の納会で余ったやつだけどあげるね」とシャンパンまでくれた。泣きそうになった。そうか、ここはもう天国なんだ。私、もう頑張らなくてもいいんだ。戦争は終わった。

 どこまでが「頑張っている」なのかわからなくなる

 

ところがそのあと、問題は起きた。脳がリラックスしすぎたのか、ポカミスが増えたのだ。WAR IS OVERだとしても、戦後処理はある。あるイベント企画で納期ギリギリになったお叱りを受けたとき「やはり頑張らねば」と気を引き締めた。

 

気を引き締めたはいいが、どこまで頑張ればいいのだろうか?

 

これまで120%でしか頑張ったことはない。以前のように頑張るとおそらく部署全体の仕事を奪うくらい働いてしまう。それはいくら何でも迷惑だろう。ではどこまでギアを入れれば? 私はまるで時速120kmか、10kmしか出せない車のようだった。適度な頑張り方がわからない。日常を普通に頑張るってなんだっけ?

 

悩んでいるうちに部下がつき、ますます混乱は増した。部下に毎週どれくらい時間を割けばいいか? プロジェクトはどの程度完成度を上げれば「ホワイト企業に適合した」と言えるのか?

 

その間、プライベートで異変があった。夫が海外転勤するという。念の為社内でも海外転勤願いを出してみたが、ポジションに空きがなかった。辞めるか別居するか。私が出した結論は、夫を選ぶことだった。

ブラックへ帰りたがる社員たち

 

というわけで私はホワイト企業を2年弱で辞め、いまはフリーランスで活動している。「いつでも戻っていらっしゃい」と言ってくれた2社目への恩はいかばかりか。一方で最後まであそこへ順応できていたとは言えない。私はいつでも困惑していた。

 

そして同様にブラック企業からホワイト企業へ転職した知人は、転職を選ぶ率が高かった。いわく「ここでどう頑張ればいいのかわからない」「もっと頑張りたい」と。水は低きに流れるというが、そんなことはない。人は慣れている環境へ戻りたがる。

 

ブラック企業勤めは、一種の戦争体験だ。だから辞めた人へも「これが日常なんだ、日常ではこうやって過ごせばいいんだ」とフォローがないと戦争へ戻ってしまう。DVを受けた人が夫のもとへ戻ってしまうように、アルコール依存症の親に悩む子がパートナーへ同じ依存症患者を選んでしまうように。ブラック企業、激務企業で苦しんでいる人へ向かって「逃げろ、ホワイト企業はいくらでもあるぞ」と叫ぶだけではどうにもならないということを、身をもって学んだ20代だった。

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この記事を書いた人

トイアンナ
執筆業&マーケター。TV出演「おしゃべりオジサンと怒れる女」「最上もがのもがマガ!」など。恋愛とキャリアが専門。飯キチ。http://toianna.hatenablog.com/