退職証明書とは?書き方と記入例から請求・発行方法までステップナビ

女性

会社を辞める時、新しく転職するときに「退職証明書」「離職証明書」というものが必要になる場合があります。

男性

退職証明書なんてあるんですか?
初めてききました!

女性

はい。あるんですよ。
絶対に必要、というものではありませんが、転職先の企業によってはこの「退職証明書」の提出を求められることがあります。

今回は退職証明書のあれこれについてお話させていただければと思います。

退職証明書って何?

退職証明書

「退職証明書」とは、その名前そのままの意味で、みなさんが会社を退職したことを証明する書類になります。

女性

退職証明書を以前勤めていた企業に発行を請求することで、企業が発行します。
行政が発行する公的書類ではなく、企業が発行する「私的書類」になります。

ただし、後述のように離職票の代わりにもなるため準公的書類という位置づけです。

企業は「労働基準法第22条第1項」(※)で発行の義務があるので、どんなに嫌な辞め方をされた社員に対しても、退職証明書を発行しなければなりません。

労働基準法22条1項
第22条 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

ブラック企業が平気で無視する労働基準法ですが、退職証明書については、比較的どんな企業でも発行しています。お金がかからないからでしょうか。

もう1つ、同じ22条の3項と4項を見てみましょう。

労働基準法22条3項4項
3 前二項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
4 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

ブラック企業はあらゆる機会に労働者に嫌がらせをしようとしますが、この退職証明書に「こいつはこんな悪い奴なんだ!」「実はこういう思想で」など余計なことを書いてはならない、と念を押されています。

男性

こういう規定ができたということは、この規定がないと転職の邪魔をするブラック企業がある、ということの証明でもありますね。

離職票とは違うの?

「あれ?自分は請求しなくても退職の書類もらったよ」と思っている方、それは退職証明書ではなくて「離職票」ではないですか?

離職票がこれです。

離職票

離職票

離職票のフォーマットは全国統一で、用紙に人事が手書きで記入し捺印して、辞めた人に渡すことが多いです。

女性

これは、退職後ハローワークに提出して、雇用保険(失業手当)の失業給付を受給するために必要な書類です。

男性

今まで勤務していた会社が、みなさんの雇用保険喪失と同時に職業安定所長に申請して交付をうけ、退職者に送付する書類ですね!

離職票には、勤務していた最後の1年の月額報酬金額、退職理由等が記載されています。
離職票の発行根拠は「雇用保険法」であり(※)、労働基準法が規定する退職証明書とは法的根拠が異なるんです。

離職票については詳しく書いた記事がありますので、そちらを読んでください。
離職票とは?発行して書き方からハローワーク提出までのフロー解説。離職証明書と違いも

※雇用保険法
(離職票の交付)
第十七条 公共職業安定所長は、次の各号に掲げる場合においては、離職票を、離職したことにより被保険者でなくなつた者に交付しなければならない。ただし、その者の住所又は居所が明らかでないためその他やむを得ない理由のため離職票を交付することができないときは、この限りでない。
一 資格喪失届により被保険者でなくなつたことの確認をした場合であつて、事業主が当該資格喪失届に離職証明書を添えたとき。
二 資格喪失届により被保険者でなくなつたことの確認をした場合であつて、当該被保険者であつた者から前条の規定による離職証明書を添えて請求があつたとき。
三 第八条の規定による確認の請求により、又は職権で被保険者でなくなつたことの確認をした場合であつて、当該被保険者であつた者から前条の規定による離職証明書を添えて請求があつたとき。
2 前項第一号の場合においては、離職票の交付は、当該被保険者でなくなつた者が当該離職の際雇用されていた事業主を通じて行うことができる。

「離職証明書」とも違う

離職証明書

なお、退職証明書や離職票とは別の書類に「離職証明書」というものがあります。

こちらは、離職票を会社が発行する前に、会社→ハローワークに提出し、ハローワークの方で、退職者を雇用保険から脱退させるために使われます。
こちらは、退職される人が目にすることがない書類になります。

  • 退職証明書:必要に応じて辞める人が会社に請求
  • 離職票:必要に応じて失業手当をもらうためにハローワークに提出する(開業する人などは発行しなくてもい)
  • 離職証明書:退職時に会社がハローワークに提出する書類

この違いに注意してください。

退職証明書とハローワークは関係ない

ポイント 女性

上記を見ればわかりますが、退職証明書は発行について、直接ハローワークは関知しません。

男性

いろいろな書類があるんですね!

女性

みなさんと職場とのやり取りになりますので、発行されないときにハローワークに相談しても(相談自体はOK)、強制力がある措置は取れないので注意してください。

退職証明書の提出が必要なケース

それではどういうケースに退職証明書が必要になるのでしょうか?
筆者の場合は、離職票はもらいましたが、退職証明書はもらっていません。

全員がもらうわけではなく、必要な人が会社に請求する形になります。

1.転職先の企業から提出を求められるケース

退職証明書

転職先の企業の中には、本当に前の会社に勤務していたのか、確実に退職しているのか確認したいところがあります。

「転職者が履歴書に書いて、面接で話したことを信じていないのか?」と嫌な気持ちになるかもしれませんが、そういう求めがあれば応じざるを得ません。

女性

退職証明書に記載してある全職場の勤務期間(後述)など、自己申告が本当なのか、退職理由は自己都合なのか会社都合なのか、など正式な証明書をもって確認すべき、という価値観が特に古い会社にはあるようです。

採用関連で以前トラブルがあった企業などは、退職証明書を提出させることもあります。

2.離職票が手元になく、公的手続きが必要な場合

離職票

前の会社とハローワークとのやり取りが手間取り、本来は退職日から10日以内に発行されるべき離職票が送られてこないというケースで、健康保険の切り替え(社会保険→国民健康保険)やハローワークでの失業手当受給の手続きに間に合わないというケースがあります。

その場合、退職証明書があれば、離職票の代わりになります。
どちらも「退職したことを公的に証明する書類」ですので大丈夫です。

女性

離職票はハローワークとのやり取りが必要で時間がかかりますが、退職証明書はその会社だけで発行できるので、時間はかからないはずです。

退職証明書の記載内容

退職証明書に記載する事柄は、以下の5つのうち退職者が「希望する項目のみ」になります。
会社側の判断で勝手に書き加えることはできません。

5つの事柄とは

  1. 雇用期間
  2. 業務の種類
  3. その事業における地位
  4. 賃金(年収、月収どちらでのOK。転職先の指示がある場合それに従う)
  5. 退職事由(退職の事由が「解雇」の場合は、その理由も含む)

退職証明書の発行を前の会社に依頼する際には、どの項目を載せるのか指定してください。
転職先の会社から「これを載せて」と指定がある場合はそれに従います。
もちろん、5項目全部記載したものを受け取っても構いません。

退職証明書には離職票のような指定のフォーマットがありません。
厚生労働省や東京都労働局に退職証明書のフォーマットがありますが、それに従う必要はなく、要は上の5つ(ないし退職者が指定した項目)の記載があればいいです。

<退職証明書が欲しい人(転職者)>

辞める会社の指示に従って退職証明書を申し込んでください。
申込書などもあるかもしれませんが、詳しくは会社にお聞きください。

<退職証明書を発行する人(人事)>

自分の会社の様式(テンプレ)があるはずなのでそれを使ってください。

一応、公的なフォーマットもリンクを貼っておきます。
退職事由に係るモデル退職証明書|厚生労働省

また、ネット上で検索したテンプレートを使用しても構いません。
WordでもExcelでもどちらでも大丈夫です。

退職証明書の記入例を以下に貼っておきます。
こんな感じですね。

退職証明書サンプル

退職証明書発行の手続き、いつ請求したらいいの?

在職中の人は人事に伝える

女性

在職していて、転職が決まり退職する人は、在職中に人事に伝えましょう。
退職願、退職届を出した後ならばいつ申し出てもいいでしょう。

男性

逆に、退職日ぎりぎりで申し込むと、人事が混乱するかもしれませんね。

退職証明書の申し込み方法については、社内の規定に従ってください。

退職している人は退職2年以内に請求を

退職証明書の発行は、退職者から請求された場合、企業の「義務」になりますが、その義務は退職日から2年以内となっています。

女性

つまり、2年経過後に退職証明書の発行をお願いしても、断られる可能性があります(もちろん、発行してもいいので発行してくれる会社もあります)。

退職から転職まで2年以上のブランクがある人は、転職先企業に事前に退職証明書の発行義務期間を過ぎていることを相談しておきましょう。

とりあえず辞める時にもらっておくのもあり

女性

前の会社を辞める時に、転職先がまだ決まっていなかったり、自分で開業予定だったりする場合も、念のため退職証明書をもらっておくと、時間が経過して前の会社に退職証明書を請求する気まずさがありません。

退職証明書には「有効期限」がないので、もらっておいて損はありません。

パートやアルバイトの人も退職証明書はもらえる

女性

退職証明書は正社員だけではなく、パートやアルバイトの人も発行してもらうことができます。
特に正社員として転職する場合は、転職先から提出を求められるかもしれないので、事前に用意しておきましょう。

退職証明書についての説明は以上になります。
発行してもらっておけば、助かることもあるので、ついでに辞める時に請求しておいてもいいでしょう。
これは、辞める労働者の権利ですので、会社におもねる必要はありません。堂々と請求してください。

退職証明書とは?書き方と記入例から請求・発行方法まで まとめ

  • 退職証明書は前職を辞めたことを証明する書類
  • 「離職票」や「離職証明書」とは異なる
  • 雇用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職事由の5つの事項のうち退職者が指定する項目のみを記載する
  • 会社が発行するものでハローワークは関係ない
  • 退職日から2年以内が「発行義務」がある
  • 転職先から提出を求められることがある
  • 離職票が間に合わない場合に「退職を証明する書類」として代替できる
  • 指定されたフォーマットはなく、会社が独自に発行する
  • 退職時には必要がない人ももらっておいた方がよい
  • パートやアルバイトの人も発行OK
  • 辞める前に人事に発行してもらうようお願いするとよい