トラック運転手の仕事は拘束時間が長く、時間も不規則になりがちと言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。

トラック運転手を巻き込んだ流通全体の問題を紹介しながら、労働時間や睡眠時間、休日などに触れていきます。
また、おすすめ企業情報もありますので、トラック運転手に興味がある人は必見の内容ですよ。

「トラックドライバー2015年問題」って知ってる?

すでに2015年は過ぎ去り、2017年となっていますが、この2015年問題は日本の流通にとって大きな課題でした。
トラック運転手が働く物流業界は、2015年に「2015年にトラック運転手が14万人不足する」というデータに端を発します。
トラック運転手は2006年の92万人をピークに減り続け、その後8年間で8万人から9万人が減少。
流通を支えるトラック運転手が減少すれば、さまざまなサービスに影響が出ることになります。
例えば今はアマゾンや楽天、ヤフーなどでネットショッピングを使う方が増えていますが、これらの便利な配送サービスなどが
機能しなくなる可能性があるわけです。
2017年現在もトラック運転手は依然不足しており、物流業界は深刻な人手不足に陥っているといえます。

なぜトラック運転手が減ったのか

トラック運転手の人口が減った背景には、規制緩和による物流業界の価格競争と、それに伴う労働環境の悪化があります。
日本では物流2法と呼ばれる法律が1990年に施行され、その影響で物流業に参入する事業者が増えました。
特に運賃が許可制ではなく届け出制になったことで、価格競争が巻き起こったのです。
その後ネット環境の発達で小口の配送量は増えるものの、価格は下げ止まらず、そのしわよせがトラック運転手に襲い掛かったといえます。
即日配送や無料配送がかなり増えましたからね。
その負担は事業者や運転手が負担していると考えて良いでしょう。
では実際、トラック運転手の労働環境がどんなものなのか、参考例を紹介します。

トラック運転手の労働環境・睡眠時間・休日は?

まず拘束時間ですが、トラック運転手は、1勤務あたり12時間から15時間程度拘束されます。
引っ越し屋さんのトラック運転手であれば朝7時に営業所に集合し、夜22時近くに帰宅というケースも珍しくありません。
繁忙期ともなれば、帰宅時間は夜12時をまわり、睡眠時間は4時間から5時間程度になります。
長距離トラック運転手ともなれば、大都市間を数日かけて往復することもあるわけです。
夜を徹して走り続けることもありますから、睡眠時間が3時間から4時間という日も出てくるでしょう。

かつて、国土交通省の調査により、連続16時間以上の運行が43%に達したというニュースもあったほどで、
いかに労働時間が長いかがお分かりいただけるかと思います。

また、輸送するものにもよりますが、大半は週1日の休みで、月間休日が3日から4日ということも珍しくありません。

このような過酷な労働環境によって事故が起こり、それが社会問題化したために、厚生労働省から改善基準が提案されました。
改善基準によると、以下のようになっています。

厚生労働省の改善基準提案
・1月あたりの運行時間は原則として293時間以内
・協定によって例外的に320時間まで延長可能
・始業から就業までの拘束時間は1日あたり原則として13時間以下
・拘束時間の延長は16時間まで可能だが、15時間を超える運行については月2回まで

しかし、これらを守らなかったからといって刑事罰はなく、行政処分や事業の停止にとどまっています。
健全な事業者の中にはこの基準よりも手厚い待遇を設けることもありますが、中小企業の多くはこの基準では営業できないとして、
全てを完全に守ることは難しいようです。

なぜ過酷な労働になるのか?

拘束時間が15時間、睡眠時間は3時間、賃金はそれほど高くないという状況がなぜ生まれるのでしょうか。
それは前述したような規制緩和やネットの発達の影響もありますが、「荷主の権力が強い」という業界の風潮が関係しています。
荷物を依頼する側の力が強すぎるために、無理難題や原価割れするような仕事でも当然のように発注されてしまうのです。
例えばあのアマゾンの配送を請け負っていたのは佐川急便でしたが、あまりにも無理な要求が多いために現場は混乱し、
現在では配送を請け負っていません。
それでもシェア獲得競争が激しいために、ヤマト運輸が代わりに配送業務を請け負っています。

確かに荷物を頼む人がいなければ成立しない仕事ですから、発注側が強くなるのは仕方のないことでしょう。
しかし、それはどの仕事にも言えることで、仕事を引き受ける側も何らかの付加価値をつけつつ、運賃の下落は労働環境の悪化は防ぐべきですよね。

比較的ホワイトな企業もある?

ここまでの内容で、トラック運転手の過酷さが身に染みたという方も多いでしょう。
しかし、中には10年15年とトラック運転手を続けている方もおり、仕事としてはしっかり成立しているのです。
それは、業界の風潮に流されず、比較的ホワイト(良質)な労働環境を維持している企業があるからこそ。
比較的ホワイトな企業の例として、「日本通運」があります。
引っ越しや企業向け物流を取り扱う事業者として有名ですが、純日本的な企業で安定しています。
また、ほかの事業者に比べて現場環境も悪くなく、とびぬけた高収入を得るというよりは、ほどほどに稼ぎたい人におすすめ。

さらに、「西濃運輸」も法人からの受注が安定しており、会社としては非常に安定しています。
中途入社が多いものの、コースが決まっていることが多く、一度ルートを覚えてしまえば比較的楽になっていくという
口コミが見られました。現場の厳しさは物流業界なのである程度は仕方ないものの、ブラックな雇用環境ではないと言えるでしょう。

どちらも大手企業で歴史があり、法人からの安定した受注があるという特徴がありますね。
また、人手やトラックの数も多いことも安定の理由でしょう。
トラック運転手として転職を考えているならば、会社の規模や人手、トラックの台数などに注目すべきかもしれません。
また、長時間勤務については協定があるか、交代制をしっかり実施しているかなどもポイントになりそうです。

まとめ

過酷な労働環境によって人手不足が社会問題となっているトラック運転手。
それだけに求人については、売り手市場となりつつあります。
少しでも有利な条件で転職するために、転職サイトやエージェントを駆使して情報を集めてみてください。
過酷とはいえ無くてはならない仕事であることは間違いありませんし、中途入社も積極的に受け入れている企業が多いですからね。
トラック運転手の仕事探しに、本記事が参考になれば幸いです。

ホワイト企業や、より良い労働環境の職場を探すには転職サイトを賢く利用しましょう。