「こんな会社もう辞めてやる!」
そう意を決して退職届を提出したものの、慰留されて心が揺らいだという経験をされた方はいませんか?
実は筆者も慰留された経験があり、散々悩んだ経験があります。
果たして、慰留をスッパリと断り、うまく退職にこぎつける方法はあるのでしょうか?
今回は慰留された時の言動や断る方法、転職とどちらが得か?などを検証しながら解説していきます。

退職を慰留された!そんなときにNGな言動は?

退職を慰留されたとき、返答に困ることはありませんか?
誰でも決心が鈍る瞬間ですし、心に迷いが生じますよね。
そのような時こそ言動に注意しましょう。
迷いがあるときこそ、NGな言動をとってしまいがちなものですからね。
では一体どんな行動がNGになるのでしょうか。

「○○社に内定が決まっていますから」と転職先を明かしてしまう

いずれは知られることになったとしても、慰留の段階で内定先の企業名を口に出してしまうことは控えましょう。
内定はあくまでも内定で覆る可能性もありますし、内定先の企業に迷惑がかかることもあります。
ただし、内定先によっては「前職からの紹介状が必須」というケースがありますから、その場合は早めに対策をしておきたいですね。

今までの恨みつらみを言う

退職を決意するからには、労働環境や人間関係などで何か問題があったのかもしれません。
ここぞとばかりに、今までの恨みつらみで返してしまいたい気持ち、大いに理解できます。
しかし、そこは社会人として理性を保ち、冷静に対処しましょう。
無駄なトラブルを抱え込んでしまうのは得策ではありませんからね。

動揺した様子を見せる

これも気持ちはわかります。今までと態度を一変させ、必死に慰留してくる上司の姿を見て、内心動揺してしまうこともあるでしょう。
また、「転職したってどうせうまくいかない」といった内容で揺さぶられる可能性もあります。
このような時、動揺した態度を見せてしまうと相手の思うツボです。
内心は動揺していても、表面上はあくまでも冷静かつ紳士的に対応し、「ブレない自分」を見せつけていきましょう。

しつこい退職の引き止め出来るだけ穏便な断り方

退職の意思を伝えたあと、慰留につぐ慰留で、必死に上司が引き止め工作を行う可能性は否定できません。
なぜなら、部下の退職はその上司にとってマイナス評価となることもあるからです。
会社としても、時間とコストを投じて育てた人材(例え本人が育てられていないと感じても)を、他社に奪われるのは好ましくないですからね。
では、必死の引き止めを、できるだけ穏便に断るにはどうしたらよいのでしょうか。
筆者自身の経験や元同僚からの情報などをもとに、まとめると以下のようになります。

家庭の事情をアピール

これは実際に筆者の知り合いが行った対策ですが、「実家の事情でしばらく東京を離れなくてはいけない」と伝えたそうです。
転職ではなく、あくまでも家庭の事情であることをアピールし、同情を狙う方向で進めたところ、必要以上に追求されることはなくなったことのこと。
年配の上司には、特に効き目が強い傾向にあります。
もちろん、嘘はよくありませんが、アレンジの一種としておさえておくと良いかもしれません。

「夢をもう一度追いかける」系

「実は一度あきらめた夢をもう一度追いかけたい」という断り方も、なかなか効き目があるようですよ。
例えば難関資格に挑戦するために勉強する、といった内容がこれにあたるでしょう。

揺るがない意思を見せつける

筆者が実際に行った方法がこちらで、どう引き止められても「もう決めたことですから」と一歩も退かず固い意志を見せつけるのもひとつです。
慰留する側は何とかして「交渉」に持ち込もうとしますが、その交渉自体を門前払いするイメージになります。
少し冷たいようですが、相手に諦めてもらうためには、これが基本でしょう。
このとき、今までの感謝も合わせて伝えると、「そこまで決意が固いなら仕方ない」と折れてくれやすいように思います。

慰留でこんな状況を出してくる!会社側の慰留条件の例

前述したように慰留は「交渉」としての側面もありますから、さまざまな条件を付けてくることがあります。
例えば、こんな例です。

給与や手当面の待遇アップ

最もわかりやすい慰留時の条件かもしれません。
しかし、筆者の体感では直接的な収入アップを条件とするケースは少ないように思います。
また、退職理由が収入面以外のところにある場合は、これに応じてしまうと後々後悔してしまうことも。
お金は確かに大切ですが、誘惑に負けず、冷静に考えることを忘れないようにしたいところですね。

労働環境の改善

「仕事の量を減らして、楽なプロジェクトに移籍させるから」というような提案があることもあります。
しかし、一時的には楽になったとしても、数か月後にはまた同じ状態に戻る可能性も大いにあるわけです。

ひたすら泣き落とし

「お願いだから」「頼むから」「私を助けると思って」など、泣き落としの連続で同情を誘うパターンです。
お世話になった直属の上司からこのような言葉を連発されると、強く出ることができなくなりませんか?
筆者も非常に困った経験があります。
しかし、何も解決しない道を選択することになりかねませんから、心を鬼にして冷静に対応していきましょう。

「私は密かに評価していた」という後出しの評価

泣き落としと一部通じる部分がありますが、「会社はどうであれ、私は君を評価していた」と自尊心をくすぐってくるパターンです。
本当に評価していたのなら人事評価に少なからずプラスの影響があったはずですし、全て鵜呑みにするのは危険といえるでしょう。
また、退職時に評価されても意味はなく、ただの後出しジャンケンという見方もできます。

どっちがお得?慰留の承諾VS転職をケーススタディ

最後に、慰留の承諾と転職の決行、どちらがお得なのかを簡単にシミュレーションしてみましょう。
慰留の方法や転職先の条件は千差万別ですから、今回は大きく3パターンにわけて検証してみます。

1.転職先と同等の年収を出すから踏みとどまってくれと言われた場合
転職先の年収と同等の年収を保証する、といった慰留の場合は、年収以外の要素で比較する必要があります。
会社の規模、将来性、労働環境、人間関係などです。
また、見かけ上の年収には表れない「福利厚生」の内容も非常に重要。
転職先の条件が年収500万円で毎月4万円の家賃補助ありの場合、実質的な所得は48万円増えることになります。
もし現職に「転職先と同等」と言われた場合、この48万円をしっかり計算にいれて交渉しなくてはいけません。
仮に見かけ上の年収が同額で福利厚生(家賃補助など)が劣っていた場合は、明らかに転職先のほうがお得ですからね。
さらに、場合によっては家賃補助という形ではなく「借り上げ社宅」という形式で一般の物件を格安で社員に貸す方法もあります。
この場合、年収には全く現れませんが、純粋に「使えるお金」の額が変わってきますから、こちらも計算にいれておくようにしましょう。
例えば、本来9万円の家賃が必要な物件を会社が借り上げ、2万円で社員に貸すという形式の場合、年収が同額でも毎月7万円の差が出てきます。
年間で84万円の差となり、これは無視できる金額ではありませんよね。

2.「いくらでも出すから考え直してくれ」と言われた場合
この「いくらでも」が肝になるわけですが、要は「交渉しにこい」ということ。
これは非常に悩ましいケースです。転職エージェントに相談し、転職先へも交渉をかけてもらうことで、天秤の傾き具合が見えてくるといったところでしょうか。
仮に転職先が「年収アップには応じられない」という回答であれば、保留の状態で現職へ年収交渉をかけるという方法が得策でしょう。
実際にここまでの慰留を引き出せる人材なら引く手あまたでしょうから、最大限年収が上がるよう交渉してみるべきかもしれません。
どちらが得かは……正直なところ時の運としか言いようがありません。

3.新しいポジションもしくは昇格・昇任で慰留された場合
キャリアアップやキャリアチェンジを狙った転職の場合、慰留の条件となるポジションがどの程度の裁量を持っているのかによってお得度は変わります。
一般的に、転職先での人間関係リスクや社風に馴染むまでの期間などを考慮すると、現職に踏みとどまったほうがお得です。
しかし、会社の方向性や将来性そのものに疑問を感じて転職する場合は、どんなポジションを与えられたとしても、同じことを繰り返す可能性が高いでしょう。
ポジションチェンジや昇格によって自分のやりたいことに近づけるのであれば良いですが、単にプライドをくすぐられたというだけならば、転職したほうがお得になるかもしれません。

まとめ

慰留や引き止めは、会社との別れの一部です。ここをうまく乗り切ることで、社会人としての自信や経験にもなりますし、転職時のコツも身につくでしょう。また、このような退職交渉に対し、アドバイスを行ってくれる転職エージェントも存在します。
どうしても一人では断り切れないようなら、専門家に相談してみるのもひとつの方法ですよ。