入社直後の結婚あり、なしについては皆様はどのような考えをお持ちでしょうか。

入社直後の結婚のあり、なしについては様々な意見がありますが、企業側がどう考えるかが大きな鍵となることは間違いありません。

そこで当編集部は各企業の人事部に取材を敢行。

企業側が就職直後の結婚についてどのような意見を持っているのか、皆様に詳しくお伝えして参ります。

入社直後に結婚を報告した場合の企業側の意見は?

複数の企業へ入社直後の結婚に対する意見を求めたところ、同じ企業であっても「新卒就職時」と「社会人の転職時」、更には「男性社員」と「女性社員」の場合で意見が異なることがわかりました。

したがって就職編と転職編のそれぞれ男女別に分けた上で、どのような意見があったかをご紹介します。

新卒入社では

男性の場合

男性については人事評価や社内の立場で、特に悪くなることはないとの意見が大勢を占めましたが、2つほど条件が付されました。

2つの条件とは次の2点です。

 ・新婚気分で浮かれないこと。早期に仕事を憶え、戦力となるよう努力すること。

 ・いきなり新婚旅行で長期休暇を取得しないこと。

新入社員は入社したらすぐに新人研修を受けることになりますが、通常集合形式で行われますので欠席者だけに個別実施することはできません。

そのため、入社後すぐに新婚旅行で会社を休めば新人研修を受けられずに配属される可能性が高まりますので、本人にとっても会社にとっても大きなマイナスになります。

また、新人研修後もしばらくはOJTを受けることになりますが、OJTを行ってくれる先輩社員や上司は自分の仕事を抱えながら時間をやりくりして指導を行うことになります。

にも拘らず、対象者がいきなり長期休暇を取得すれば良い感情を持てなくなりますので、組織内での立場も悪くなります。

つまり「入社直後に結婚すること」がいけないのではなく、「結婚を理由に入社後すぐに長期休暇を取得すること」がいけいないということです。

女性の場合

女性の場合は結婚から妊娠→出産→育児休暇、更には退職までが連続して起こる場合があり、その点を企業側が懸念していることがわかりました。

近年は「デキちゃった婚」というケースが多いこともあり、デキちゃった婚の場合なら入社後数ヶ月程度で出産休暇、育児休暇と長期休暇が必要になります。

また、育児休暇が終了しても育児が終わる訳ではありません。

その結果、仕事との両立が困難となり、結局退職してしまうケースも十分考えられます。

新人研修だけを行い、戦力として成長しないまま1年程度で辞められてしまえば、会社としては大きな損失となります。

この点を企業側が危惧していますので、辞めずに働く意志がある場合には結婚の事実だけでなくそうした意志も丁寧に伝え、理解を得ることが大切になってきます。

中途入社では

男性の場合

企業側が最も容認していたケースが中途入社の男性が入社直後に結婚する場合です。

元々即戦力として採用しており、新入社員のような集合研修が必要となるケースも少ないため、新入社員と比較すれば影響が少ないからです。

ただし、入社直後に新婚旅行で長期休暇となれば組織に溶け込む前の段階となりますので、新卒同様好ましく思われません。

女性の場合

女性の場合も新卒女性ほど強い懸念ではありませんが、やはり結婚後の妊娠、出産、退職となることは企業にとって痛手となります。

ただし中途入社は男性同様即戦力採用が前提ですので、すぐに新婚旅行、あるいは出産休暇の取得とならない場合なら容認するという企業がほとんどです。

入社直後に結婚が決まった場合の適切な対応とは?


入社直後に結婚(ここでは入籍と定義します)が決まった場合にはどのような対応が望ましいのか、この点も企業側の意見を参考にご紹介いたします。

結婚が決まった時点で一刻もはやく上司へ報告すること

家族構成が変わるということは、企業側が行っている源泉徴収手続きや家族手当の発生等々企業側にかなり影響を与えることになります。

そのため、本来であれば結婚する2~3ヶ月前に上司へ申告しておくことが望ましいとされています。

結婚が決まったら、役所へ出向いて入籍手続きをする前に一刻もはやく上司へ報告することを優先すべきです。

申告の際は会社の業務へ支障が生じないことを宣言すること

会社側の意見に集約されているとおり、会社側は結婚がいけないと考えている訳ではなく、結婚によっていきなり長期休暇を取得することで重大な影響が出ることを懸念している訳です。

特に新卒入社した社員が研修を満足に受けず、すぐに新婚旅行へ行くのは非常識な振る舞いと言えます。

新婚旅行は最低でも半年以上先にすることです。

その上で、大切なことはすぐに新婚旅行で長期休暇を取得しないこと、特に女性は妊娠、出産、退職といった三点セットは当面ないことをはっきりと伝えることが大切です。

もっとも、この点は配偶者ともよく相談しておく必要があります。

自分の考えだけで会社側へ申告してしまった結果、それが原因で家庭内不和を招けば 元も子もありません。

配偶者と今後の方針についてよく協議を行い、今後の新婚生活の過ごし方について同意を得ておくことも重要な取り組みです。

入籍したら速やかに身上異動届や扶養控除申告書、戸籍謄本などを提出

入籍手続きを行ったら会社の総務部等へ確認し、必要な書類を一式揃え、これも出来る限りはやく早く会社側へ提出することです。

会社側に提出が求められる可能性がある書類としては

・扶養控除申告書

・身上異動届

・住民票、戸籍謄本

などです。

ただしこれらの書類を揃えるためだけに1日休みを取得し、役所へ出向くといったことは避けたいものです。

配偶者や親族の協力を仰ぎ、書類準備で会社の業務に支障が生じないよう留意することも大切です。

また、女性の場合には旧姓で仕事を行うか、結婚後の性で仕事を行うかは会社側に相談した上で決めるようにすることがスマートと言えます。

入社直後に結婚を報告した場合のQ&A

面接時点で結婚が決まっている場合は報告するべき?報告したら不利になる?

結婚を報告したら不利になることを考えるより、報告しなかったことにより後々立場が悪くなる場合があることを考慮すべきです。

つまり、仮に尋ねられなかったとしても面談の段階で正直に報告しておくべきです。

もし結婚を報告したことで評価が悪化するなら、もともとそれほど高い評価を得ていなかったと考えるべきです。

ぜひとも欲しい人材と評価されている場合には、結婚によって業務に支障が生じる懸念がない限り採用には影響しません。

内定中に結婚が決まり長期休暇を取りたいと報告したら内定は取り消される?

結論から言えば内定が取り消される可能性はほとんどありません。

内定取り消しは実質的に解雇と同じであり、例えば犯罪を犯すといった社会通念上重大な問題でも生じない限り軽々に内定を取り消すことは法律上できないからです。

しかし内定が取り消されないなら、どんなことも許されるとの考えは間違いです。

会社側にも都合があり、それらを無視して長期休暇を取得することは会社側に多大な迷惑を与えることになります。

はっきり言えば社会人としてマナー違反です。

出社後は先輩や上司の対応も厳しくなるでしょう。

その結果、会社に居づらくなって辞めてしまうことになれば内定取り消しを回避できても意味がないのではないでしょうか。

また、日本の有給休暇制度は原則として入社後6ヶ月以上勤務した場合に付与される制度です。

長期休暇を検討するのはせめて有給休暇が取得できるようになった後と言えます。

女性の場合、姓が変わるのが一般的だが登録変更などの手続きで企業側に嫌な顔をされるのでは?

企業側の取材を通じてわかったとおり、企業が懸念するのは現状の業務に支障が及ぶこととです。

業務に支障がなければ、女性の性が変わることは新卒、中途採用に拘らず現役社員についても起こり得ることなどで特に心配する必要はありません。

子育てに協力的ではない企業の場合、すぐに退職すべき?

この点は分けて考えるべきと言えます。

事前の報告をすることなく入社直後に結婚し、すぐに妊娠、出産し、育児休暇取得となれば企業にも多大な迷惑をかけることになります。

その点を顧みず、企業側の姿勢が協力的でないと批判するのは適切とは言えません。

一方、就業規則や会社の状況を十分考慮した上で出産休暇や育児休暇を計画的に取得しようとしたにも拘らず、一切考慮して貰えないという場合は「子育てに協力的でない企業」となります。

この点は何を優先するかですが、子育てを重視するなら退職や転職といった選択を積極的に検討すべきと言えるでしょう。

入社直後の結婚した人の失敗談


入社直後に結婚したことで退職せざるを得なくなったというAさんの手記をご紹介しておきます。

入社直後の結婚の是非ではなく、入社直後に結婚した場合に起こり得る問題を考えるきっかけにして頂ければ幸いです。

影響出ないつもりだったが結局退職するはめに・・・・(Aさん男性20代)

「私は私的な事情があって大学卒業後すぐ、つまり入社直前に結婚しました。
会社へは採用担当だった人事の方にすぐ伝えましたが、その時は必要な手続きの指示を受けただけで特に問題はありませんでした。
また、私としても入社後すぐに新婚旅行に行くつもりなどなく、会社の仕事を憶えること、慣れることに専念するつもりでした。
勿論妻にもそのことは理解してもらっていました。
ところが、入社して2週間目のことですが、妻が交通事故に遭うというアクシデントが起きてしまったのです。
幸い命に別状はなかったのですが一部傷跡が残るということにショックを受け、精神的に不安定になったのです。
それで研修期間中だったにも拘らず数日休暇を取得し、妻につきっきりで看病しました。
その結果、職場復帰後も疲れが取れず、気付いたら居眠りをするなどしていたため研修担当者の方からひどく叱られてしまいました。
つまり新人研修はボロボロの状態になった訳です。
その後も、家内は通院時に介助が必要だったため、時々早退したり、休暇を取ったりして介助を行ったことで研修後の仕事にもかなり支障が生じました。
最初の頃は事情を理解してくれていた上司も何かとかばってくれましたが、仕事も満足に覚えていない状態でこうした状況が続いたため、徐々に職場で孤立してゆきました。
それでも生活があるからぐっと耐えていましたが、ある時、知識不足が原因で取り返しのつかない重大なミスを犯してしまいました。
さすがにこれ以上会社へ迷惑をかけることができないと考え、自分から退職願いを出し、退職するはめになりました。
私の体験談を聞いて「滅多にないケース」と考えた方がいるかも知れません。
しかしれは違うと思います。
結婚とは結婚相手と運命を共にする覚悟が必要です。自分でなくとも相手に災いが降りかかれば、それは自分に災いが降りかかったことと同じなのです。
結婚したらこうしたことも起きることを十分覚悟した上で、結婚や仕事の今後を考えることが大切だと思います。」