3大国家資格という言葉をご存じでしょうか。
国家資格のなかでも、特に難易度の高い3つの資格を表す言葉です。
その3つの例はいくつかありますが、「司法試験」とともに必ず名前があるのが「公認会計士試験」。
難易度が高いだけに、挑戦するには勇気が必要でしょう。しかしそれ相応のメリットもあるのです。

公認会計士試験の難易度や合格率は?

公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格しなくてはなりません。
公認会計士試験は非常に難易度の高い試験で、合格率は「8%から10%程度」といわれています。
実際に最近の合格率を見ていくと、以下の通りです。
・平成27年度……志願者数10180人中、1051人が合格(合格率10.3%)
・平成28年度……志願者数10256人中、1108人が合格(合格率10.8%)

非常に狭き門ですが、近年は合格率が2桁%に達することが多いようですね。

公認会計士になるための勉強時間は?

平均学習期間は3年程度で、3000時間の勉強が目安になるようです。
このように膨大な勉強時間を経て、公認会計士試験の突破を目指します。

筆者の学生時代の友人にも、公認会計士になった人物がいます。
彼は、大学3年時から資格学校と大学のダブルスクールを実行し、大学4年時には毎日8時間以上勉強していました。
そんな彼曰く「1日が24時間では足りない」とのこと。
人間は無限に勉強できるわけではなく、集中して勉強できる時間は限られていますよね。
難関試験の勉強ですから、体力的にも精神的にもエネルギーを要するわけです。
そこで、リフレッシュしながら勉強していく必要があるのですが、期間が長いため、やはり途中でダレてしまいます。
そんな時は、「インプットはやめて、ひたすら問題だけ解く」ということを繰り返し、勉強を習慣化していったようです。

彼が公認会計士試験を突破したのは大学卒後2年目で、足掛け4年近くかかったことになります。
その後は地元の監査法人に所属し、今では全国各地に散らばるクライアントのもとを訪れるため、飛び回っていますね。
仕事は非常にやりがいがあるらしく、本人の印象も学生時代とはまるで違っていました。

公認会計士の受験資格や試験の内容は?

公認会計士試験には、これといって受験資格がありません。
つまり、どんな人間でも、何歳からでも挑戦することが可能です。
もちろん、学歴も関係ありません。
2006年までは、大卒者のみ1次試験が免除されていたのですが、現在はこの1次試験が撤廃されています。

次に公認会計士試験の試験内容ですが、「短答式試験」と「論文式試験」の2部構成になっていると考えてください。
短答式試験とは、一問に対しての答えが一つの選択肢や言葉になっている形式の試験を指します。
マークシートによる選択式がイメージしやすいでしょう。
実際に公認会計士試験の短答式試験でも、マークシートを採用しています。

公認会計士試験の内容は?短答式試験編

短答式試験では、以下4つの大きなカテゴリーが設けられています。

・財務会計論……簿記や財務諸表論、その他企業の意思決定にまつわる情報提供に関すること
・管理会計論……限界計算、その他業績管理に役立つ情報提供などに関すること
・監査論……金融商品取引法や監査基準について問われること
・企業法……会社法、商法、記入商品取引法、その他監査対象となる組織に関すること

これらそれぞれのカテゴリーの正答率が最低4割以上、全体として7割以上の正答率で合格となるようです。
全体で70点をとっても、企業法で35点をとってしまうと危険ということですね。
また、この短答式試験に合格すると、2年間の免除期間があります。
つまり、一度短答式試験に合格すると、翌年と翌々年の試験では論文試験のみを受ければよいのです。
このことから、まずは短答式の合格を目指す方という方法も可能ですので、しっかり覚えておきましょう。

公認会計士試験の内容は?論文式試験編

短答式試験に合格すると、次は論文式試験です。
短答式と異なり、問題に対する回答を論文形式で記述するため、内容に対する正確な理解と、一定以上の情報量が必要になります。
つまり、運の要素が少なくなるわけですね。

論文式試験は以下のカテゴリーから出題されます。

・会計学……財務会計論(簿記や財務諸表論)、管理会計論(原価計算など)
・監査論……金融商品取引法や監査諸基準、監査理論など
・企業法……会社法、商法、金融商品取引法、その他監査対象となる組織に関すること
・租税法……法人税法、所得税法、租税法総論や消費税法、相続税法など
・科目選択制……経営学、経済学、民法、統計学から選択してひとつ

実はこの論文式試験にも免除制があります。公認会計士試験全体として不合格であったとしても、論文式試験のカテゴリーのうち合格基準に達したものについては「科目合格」となるのです。
これによって、2年間の免除が可能になり、不合格の科目だけに集中することができます。
短答式試験の免除制と合わせて、覚えておきましょう。

その他の免除制度

公認会計士試験では、ほかの分野で一定の資格や学位を持っている人材を対象に、免除制を導入しています。
例えば、短答式試験では、以下のような人材が免除を受けられます。

・大学等で3年以上、教授や准教授に在職していた人(商学関連科目、法学関連科目)
・商学関係の研究で博士号を持っている人
・司法試験合格者

また、税理士資格保持者や税理士試験の科目合格者は、簿記論や財務諸表論が免除されます。
その他、会計監査業務に7年以上従事した人は財務会計論、監査論、管理会計論が免除。
ただし、これらを証明する書類が必要になります。

論文式試験も同等に免除される条件があり、基準は概ね以下の通りです。

・大学等で3年以上、商学関連の教授や准教授に在職していた人……会計学及び経営学が免除
・商学関連の博士号取得者……会計学及び経営学が免除
・法学分野で博士号取得者……企業法及び民法が免除
・大学等で3年以上、経済学関連の教授や准教授に在職していた人……経済学が免除
・経済学分野で博士号取得者……経済学が免除
・司法試験合格者……企業法及び民法が免除
・不動産鑑定士試験合格者……経済学または民法が免除
・税理士試験合格者……租税法が免除
・企業の会計制度の整備など実務従事者……会計学が免除
・監査制度の整備など実務従事者……監査論が免除

このように免除規定が充実しているのは、さまざまな分野から会計の分野へ人材流入を狙っているという背景があります。
実務レベルの知識をもっている方や、他分野(特に法学関連)で専門知識がある方は、有利な条件で挑戦できることになりますね。

公認会計士試験はいつ行われる?

公認会計士試験は、毎年6月に試験施行の官報公告が出され、8月から9月及び、翌年の2月から3月に受験願書が配布されます。
これは、短答式試験が年2回実施されるためです。(12月と5月)
論文式試験は1回で、8月下旬に行われます。

平成29年のスケジュールを例にすると、イメージしやすいでしょう。

平成29年試験スケジュール概要

・試験施行官報公告……平成28年6月22日
・願書配布期間……(短答式1回目)平成28年8月1日~平成28年9月9日、(短答式2回目)平成29年1月16日~平成29年2月24日
・願書受付期間(短答式1回目)……(インターネット)平成28年8月26日~平成28年9月15日、(書面)平成28年8月26日~平成28年9月9日
・願書受付期間(短答式2回目)……(インターネット)平成29年2月10日~平成29年3月2日、(書面)平成29年2月10日~平成29年2月24日
・試験期日(短答式1回目)……平成28年12月11日
・試験期日(短答式2回目)……平成29年5月28日
・試験期日(論文式試験)……平成29年8月25日~8月27日
・合格発表日……(短答式1回目)平成29年1月16日、(短答式2回目)平成29年6月23日、(論文式試験)平成29年11月17日

※平成29年2月現在のデータに基づく

だいたい、8月から願書配布と受付が始まり、翌年の11月までで1セットと考えておいてください。
非常に長丁場ですよね。
しかし、ある程度ターゲットを絞りつつ、期間ごとに重点対策する分野を決めながら挑戦できる試験ともいえるでしょう。

この試験に見事合格すると、2年間の実務経験や実務補修(研修)期間を経て、公認会計士となるのです。
試験合格後、さらに2年間が必要となることも覚えておいてください。

公認会計士になったあとの就職先は?

公認会計士の就職先として最も多いのが、「監査法人」です。
さまざまな企業をクライアントとし、法律上正しい経営を行っているかをチェックします。
日本の法律上、企業に対して監査を行うことができるのは公認会計士だけのため、独占業務です。
さまざまなクライアントと接しながら、公認会計士としてのスキルを磨いていくことになります。

また、通常の企業への就職も可能です。
この場合、ベンチャー企業で合併や買収(M&A)に関する戦略立案を行ったり、経営全般のコンサルティングに従事したりといった仕事になるでしょう。
特にM&A業務は動く金額も大きく、この分野で成功すればかなりの報酬が見込めます。
ただし、実務レベルでさまざまな業界の知識を求められます。

その他、個人が運営する会計事務所に就職する方法もあります。
監査法人やベンチャー企業にくらべると、案件の規模は小さくなるかもしれません。
しかし、財務書類の作成やコンサルティングを通して、地に足のついた実務スキルを磨くことが可能です。

このように、監査法人、一般企業、個人事務所と大きく3つの就職先があると考えてください。

士業飽和の時代でもまだまだ強い!

公認会計士は、その専門性の高さと業務独占資格であることから、まだまだ目指し甲斐のある資格です。
ただし、何年も不合格を重ねると後戻りがキツくなりますので、年数を区切って挑戦してみるのが得策かもしれません。
2016年時点では売り手市場となっており、大手の監査法人からも内定が得られやすい状況のようですね。
少しでも会計分野に興味があり、専門的なスキルを身に着けたいのであれば、決して悪くない選択肢といえそうです。
不安定な時代だからこそ、安定した需要のある専門的なスキルを身に着けておきたいものですね。

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