転職活動では職種や年収といった項目ばかりに着目しがちですが、「休日」という項目も軽視してはならない大切な項目です。

休日があまりとれず労働時間が大幅に増えれば、転職で年収がアップしたように思えても時給換算ではむしろ前職より悪化する場合だって有り得ます。

何より休日がとれなければ体を壊す可能性もありますし、モチベーションの維持も困難です。

転職先の休日に関する条件は、職種や年収などと同じくらい重要な検討項目なのです。

そこで今回は転職先の休日条件をしっかりとご検討頂けるよう、105日と120日という違いを中心に「年間休日」の基礎についてわかりやすく解説致します。

年間休日とは・Q&A形式で年間休日のポイント解説!

年間休日について街頭でインタビューを行なってみたところ・・・

「(会社の)年間休日とは何か」と問われて、回答に悩まれる方はそれほどいません。

当編集部で街頭インタビューを実施したところ、殆どの方が「1年間で休める休日日数のことでしょ。」と素早く回答されていました。

ところが次のような質問となると途端に多くの方が回答に悩まれてしまい、正答率も大幅に低下してしまいした。

・年間休日に有給休暇は含まれるか

・年間休日に国民の祝日は含まれるか

・年間休日に例えば会社の創立記念日など会社独自で設定した休日は含まれるか

・年間休日は法律上で規定があるか

これらの質問について読者の皆様は全て正答できる自信はございますか。

では、それぞれの回答をQ&A形式でご紹介することにしましょう。

年間休日とは何か?

年間休日とは正確には”会社が”就業規則で定めた年間の休日数のことです。

そのため会社によって異なってきます。

年間休日とは「法律で定められた休日ではない」という点がポイントです。

年間休日に有給休暇は含まれるか?

有給休暇は従業員の勤続期間によって法律上取得できない場合があります。

また取得できる場合でも取得できる日数が異なってきますので、一律的に年間休日に含めて提示することは困難です。

従って年間休日に有給休暇は含まれません。

年間休日が105日、あるいは120日となっている場合は、その休日数以外で有給休暇を別途取得できることになります。

年間休日に国民の祝日は含まれるか?

法律上、国民の祝日は従業員を休ませなければならないという定めはありません。

そのため国民の祝日を休日としている会社の場合なら、会社が定めた休日となりますので年間休日に含んで提示されます。

一方、日曜日や国民の祝日とは無関係に年間休日数が定められている会社なら、年間休日に国民の祝日は含まれていないとなります。

国民の祝日が含まれるかどうかは要は「会社次第」となりますが、確実に言えることは105日、120日と言った年間休日とは別に国民の祝日が休日となることは通常ないということです。

年間休日に例えば会社の創立記念日など会社独自で設定した休日は含まれるか?

そうした特別な休日を定めている場合、年間休日に含めて(加算して)勤務条件として提示するのが一般的です。

その分休日日数が増え、求人しやすくなるからです。

ただし、後述しますが、年間休日105日となっている場合は特別な休日をその日数に含めることは法律上不可能です。

つまり105日と提示している会社は特別な休日が含まれていない、即ち105日とは別にあるのではなく、そうした特別な休日がないと判断するのが妥当です。

年間休日は法律上で規定があるか?

意外に思われる方もいるかも知れませんが、法律上年間休日に対する定義や規制は存在していません。

ただし、労働基準法の定めを基準として解釈すれば、最低限年間で従業員に与えなければ与えなければならない休日日数を導き出すことはできます。

事業主と従業員が特別な協定を結んだといった例外的なケースを除き、原則として事業主が従業員に課すことができる労働時間は

・1日では8時間以内

・1週間では40時間以内

という労働基準法の定めがあります。

1日の労働時間を「8時間」で計算した場合、1週間で労働を課せる日数は最大5日となります。

そのため、1日の労働時間が8時間なら法律上週2日休日を与えなければならない計算になります。

1年間(うるう年等は考慮せず)の週数は約52ありますから、単純計算では104日前後は法律上年間休日としなければならないことがわかります。

この日数は起算日となる曜日によって102日~105日程度の幅が生まれますので、法律上年間休日数が明確に定められない理由の一つになっていると考えられます。

以上のことから1日8時間労働の会社で、且つ年間休日105日という会社は最低限の労働基準法に則って休日を定めた会社と言えます。(法律上必ずセーフとは断定できず、起算日によっては労働基準法違反に陥る可能性も含んでいます。)

年間休日105日と120日の違いを徹底解説

年間休日について理解を深めて頂いたところで、年間休日105日と120日の意味や違いについて詳しく解説して参ります。

年間休日105日とは

法律上では

先程の年間休日に対するQ&Aでの解説で触れたとおり、年間休日105日という会社は労働基準法で定められた最低限の休日しか従業員に与えていない、場合によっては労働基準法違反となってしまう可能性もある会社と評価できます。

ただし、年間休日105日という情報だけでそうした会社と断定することは誤りです。

これもQ&Aでの解説でお伝えしたとおり、週2日が自動的に休日となってくるのは「1日8時間労働」を前提とした場合です。

また、法律上定められている休日の頻度は「週1日以上」という規定しかありません。

残りの条件は「1週間で40時間以内」だけですので、例えば週6日が労働日となっているが、その内週5日は7時間労働、週1日だけ5時間労働という勤務体系なら

・1日8時間以内

・1週間で40時間以内

・1週間で1日以上の法定休日

以上3つの条件を全てクリアしていることになります。

その結果、法律上例えば年間休日が60日しかなくとも、違法性はないことになります。

従って法律上の観点で年間休日105日という条件を適切にを評価するためには、1日あたりの労働時間が何時間になっているかも同時に確認することが必須となります。

求人という観点からは

法律は「最低限度絶対に守らなければならない定め」であり、理屈としては法律に従っていれば法律上の問題はありません。

しかしながら、「求人」という観点で果たしてどうかは別問題です。

休日が多い場合と少ない場合ではどちらが求人を集めやすいかと言えば、言うまでもなく前者です。

「法律を犯していないから」という理屈だけで「年間休日が60日」と堂々と広告を載せたところで、1日8時間労働・週休2日制が事実上の標準となっている中、求人への応募を期待することは難しいと言わざるを得ません。

年間休日60日などといった会社は今時ナンセンスと言えます。

そのような観点で1日の労働時間が8時間で年間休日105日という会社はどうかと言えば、法律と求人に応募する側の最低限のニーズをかろうじてクリアしている会社、といった評価が適当と言えます。

年間休日120日とは

年間休日が120日というのは労働基準法は余裕でクリアしている休日日数となりますが、果たしてどのような休日構成になっているのでしょうか。

週休2日+国民の祝日+特別な休日=120日

年間休日が120日とは、52週で単純計算した場合に必要となる休日数が104日、国民の祝日が平成28年度より16日ありますのでこの二つを合算すると丁度120日となります。

ところが祝日は土曜日等会社の休日と重なる場合がありますし、起算日によっては法定上の休日は105日必要な場合もありますので、国民の祝日だけでは若干不足します。

つまり数日程度ですが、会社が定めた特別な休日があると考えることが妥当です。

整理しますと年間休日120日という会社は

・完全な週休2日制

・国民の祝日も休日(仮に出勤となった場合には代休が取得できる)

・週2日の休日と国民の祝日以外に数日程度会社規定の特別な休日がある

という労働条件の会社と言えます。

120日の年間休日以外に有給休暇と慶弔休暇などがあるのが一般的

また、有給休暇は120日には含まれませんので、120日の年間休日以外に別途勤続期間等に応じて所定の有給休暇が取得できます。

加えて結婚や親族の死亡といった個別的な事情で生じる慶弔休暇も個別事情で与えられたり与えられなかったりしますので、年間休日には含まれていません。

そのため、慶弔休暇についても120日の休日とは別に取得できることが通常と考えて
構いません。

つまり年間休日120日という会社は年次有給休暇を法律に則って取得すれば、年間121日以上の休日となりますので、割合としては3日につき1日は休みがとれる会社と表現することもできます。

年間休日105日の企業は避けて120日の企業を選べば転職はOKか

年間休日105日という会社は1日8時間労働なら最低限のルールに従っている会社、一方年間休日120日という会社は週休2日の上、国民の祝日や特別な休日もある会社だとわかりましたが、では転職する場合、年間休日105日は避け、年間休日120日の会社を選ぶことが必ず正解となるかと言えば、実はそうだとは言い切れないのです。

たしかに休日日数だけシンプルに比較すれば、年間休日120日の方に軍配があがります。

しかしそれは「実際に120日の休日が取得できた場合」の話です。

ブラック企業ではなくとも、週2日の休日を完全に取得できない場合があるという会社は決して少なくありません。

また、仮に年間休日120日はしっかり取れたとしても毎日残業が発生しているという場合と、年間休日105日であっても残業はゼロ時間という場合を比較した場合はどうでしょうか。

120日と105日の年間休日数の差は15日なので、1日8時間とすれば105日の方が120時間多く働いている計算になります。

ところが、年間休日120日で仮に平均残業時間が1時間で留まったとしても、365日から120日を引くと245日働いている計算になりますので、245日×1時間で年間残業時間数は245時間となります。

つまり、120時間分の年間休日日数の差がなくなるどころか、わずか平均1時間の残業時間でもそれを大きく上回る結果になってしまうのです。

従って120日と105日の単純な日数差だけで会社の善し悪しを判断することは、決して適切と言えません。

残業の有無や平均残業時間数といった様々な観点からもチェックした上で、年間休日を評価することが大切なことなのです。

★こちらのページもよく読まれています!