ロボット業界に就職・転職!年収やロボット開発に必要なスキルも解説

AIやIoTといった先進的な技術に関する人材が非常に注目されています。ロボットの分野(ロボティクス)もそのひとつ。今回はロボットにまつわる仕事をしたい、ロボット業界に就職を考えているといった学生のみなさんへ、お届けするコンテンツです。

ロボットの分野ってやっぱり憧れるなあ!
ロボットに関する職業にはどんなものがあり、どういった仕事内容なのでしょうか。
今回はロボット業界の仕事や就職のしかたについて、詳しくお伝えしたいと思います。
これを読んで、憧れのロボット業界への就職を目指しましょう!
この記事でわかること

経験者に聞いたロボット開発のやりがいとは ⇒こちら
ロボット関連業務はどんな仕事がある? ⇒こちら
ロボットクリエイターになるにはどんなスキルが必要? ⇒こちら
ロボット業界への就職・転職に強いサイト ⇒こちら

ロボット業界経験者に聞いてみた!ロボット開発のやりがい

ロボットクリエイターは、ロボット開発の仕事に対してどのような思いを抱いているのでしょうか。

ロボットを開発している上場企業において現役ロボットクリエイターとして活躍しているT氏に、「ロボットの開発をしていてよかったこと」などをお伺いしました。

「ロボットクリエイターをやっていて一番良かったと思える瞬間ってどんな時でしょうか。
お客様から、喜びだけでなく驚きの声を頂いた時ですね。
「まさかこんなことまでロボットでできるなんて思ってもいなかった」なんて言われるとクリエイター冥利につきます。
この快感は他の仕事では味わえません(笑)。
お客様からの反応が一番嬉しいということですね。それはTさんが優れたクリエイターだからこそであって、他の方では難しいのでは?
いいえ、ロボットはクリエイターの力だけで製品化できませんので、会社の組織力が重要です。
決して自分だけの手柄だとは思っていません。
また、ロボット産業は自動車や家電製品より未熟と思われているようなので、期待値がまだそれほど高くないんですよ。
なので「こんなことができるの?」と驚いてくださるんだと思います。
ということは、これからロボットクリエイターになる方々にもTさんが経験したような評価を得られるチャンスは十分あるということでしょうか。
そのとおりです。
ロボットの可能性がまだまだ過小評価されている段階なので、しっかりとロボット作りに取り組めば多くのクリエイターが社会から喜びと驚きの評価を得られるチャンスは存分にあると思います。

ロボットを仕事にするなら今!ロボット業界が注目される理由

「もしロボットが人間の仕事をするようになったら…」「賢いロボットが危険な仕事をするようになったら…」こういった話題は、数十年前から存在しています。

しかし2010年以降、ロボットに関する話題は非常に多くなり、注目度も上がっているのです。これにはいくつかの理由がありますが、もっとも大きなものとしては「ロボット工学と周辺の技術レベルが上がった」ということが挙げられるでしょう。

特にAIやIoT、クラウドといった分野はロボット工学と相性が良く、これらを組み合わせて、たくさんの新しいサービスが登場しています。

ロボットを使った新しいサービス例

  • 店員の技術を見よう見まねで学び、接客や呼び込み、おもてなしをする「ロボットサイネージ」
  • クラウド上からロボットを操作できる「クラウドロボティクス」
  • 介護の現場でリハビリやコミュニケーションをサポートする「介護ロボット」
  • 災害時の危険地域で調査や救助作業をする「災害救助ロボット(レスキューロボット)」

これらはロボット工学の発展はもちろんのこと、AIやIoTが発達するにしたがって実現されてきたサービスといえます。そして、いずれも「人間があまりやりたがらない仕事」を代行してくれるという特徴があるのです。

例えば、小売業界介護業界は、常に人手不足ですが、この2つの業界ではロボットの活躍が期待されています。老人介護やリハビリ、コンビニなんかではロボットの導入が進みそうですね。
こういった背景から、ロボットは人間社会に無くてはならないものとして注目されています。

今までも工場のラインでは様々なロボットが活躍しているけど、これからはもっと広い分野でロボットが活躍する時代になるんだね!

ロボットに関する仕事にはどんなものがあるのか

このように急激に社会から注目されるようになったロボットですが、これらは当然ヒトが創り出しています。つまり、それだけロボットに関する仕事は需要があるということです。

では一体、どういった仕事があるのでしょうか。簡単に整理してみますね。

ロボットを作りたい!人に向いている仕事

ロボットエンジニア

文字通りロボットの設計・開発が仕事です。今までは産業用ロボットの分野が主流でしたが、今後はサービスロボットの分野でもロボットエンジニアの求人が増えそうですね。

機械・工学・電気・電子系の知識が必要となり、敷居は決して低いといえません。しかし、ロボット業界の中核を担う職業となるため、やりがいや需要は大きいでしょう。

ロボットクリエイター

ロボットエンジニアと似ているけど、こちらは「クリエイト(創作)」の比重が大きめだね。

ロボットの設計や開発のみならず、コンセプトやデザインなども考案します。
デザイナー的な要素や社会に対する問題意識などが役立ちそうですね。

ロボットデザイナー

ロボットクリエイターと非常によく似ていますが、こちらはロボットだけではなく「ロボットが社会やヒトとどう関係していくのか」というテーマも含めてロボットをデザインする仕事です。

まだ日本では聞きなれない仕事の一つかもしれませんね。しかし、近い将来、確実に需要が増えてくる仕事だと思います。

エンジニアやクリエイターよりもデザインの比重が大きくなる仕事です。機能性を保ちつつ、見た目も重視し「ヒトに愛される」ロボットを創り出すのがミッションといえるでしょう。

ロボットを運用したい(操作したい)人に向いている仕事

産業用ロボットオペレーター

工業製品の溶接や組み立てなど、産業用ロボットが用いられている業界は非常に多いです。

このような産業用ロボットに対し、教示作業(ロボットティーチング)を行ったり、ロボットを動かすためのプログラムを作成したりするのがロボットオペレーターです。

電気制御関連やプログラミングの知識があれば就職しやすいでしょう。

ロボットを整備する仕事

ロボット整備士

新しい技術が登場するごとにそれを整備する仕事も増えます。自動車整備士なんかが良い例です。

最近ではスマホをメンテナンス・修理する業者も増えていますしね。ロボットも同様と考えて良いでしょう。

ロボット整備士は、産業用ロボットやサービスロボット、家庭用ロボットのメンテナンス・修理を行う仕事だね。

知識としてはメカトロニクスや情報技術などが必要になるでしょう。電子工作技術もあると、より重宝されるかもしれません。

ロボットクリエイターに必要な知識やスキルとは

ロボットクリエイターへの転職を実現するには、ロボットクリエイターとしての資質や要件を満たす必要があります。

ロボットクリエイターになるにはどのような資質が求められるのか、知識や経験、センスなど項目ごとにご紹介致します。

求められる知識もしくはあった方が望ましい知識

ロボットクリエイターには次のような幅広い知識が求められます。

  • 電気回路を設計、製図できる知識
  • AI(人工知能)のプログラミング知識
  • CADの知識
  • 機械工学やロボット工学に関する基礎知識
  • 高校で学ぶ数学(特に微分や積分)や物理の知識

ロボットはハードとソフトの技術を組み合わせることではじめて開発可能になってきますので、ハードだけ、ソフトだけを開発するクリエイター以上に広範な知識が必要とされます。

中でも重要になってくる知識が電気回路に関する知識です。

電気的な働きを電気回路図上で的確に表現できる知識は、ロボットクリエイターとして必須です。

ロボット関連の業務経験

即戦力が求められる転職市場で最も有利になる経験と言えば、ロボット開発に関わった実務経験となってしまいますので、ここではロボット開発実務未経験の方を前提に必要、あるいはあった方が望ましい経験とは何かをご紹介します。

ロボットクリエイターとして必要あるいはあった方が望ましい経験(趣味領域)
  • 走行可能なモデルカーや遊具用ロボットなどの組み立て経験
  • DIY(日曜大工)や電動製品の修理経験
  • ゲームや実用的アプリのプログラミング経験
ロボットクリエイターとしてあった方が望ましい経験(実務領域)
  • 商品の企画、開発、製造経験(機械や電器製品であれば尚良い)
  • CAD操作や設計図の作成経験
  • 実務でのプログラミング経験

自主的な物作り経験は重要!

ロボット開発の基本となるのは「物作り」です。

仮に実務において電気的な機械の製造経験がなくとも、趣味領域において自分で電気的に動く物を作るといった経験があることは重要です。

採用面接で問われるからという意味ではありません。

自分がロボット作りに本当に興味や関心があるなら、趣味であっても電気的に動くものを組み立てたり、修理に取り組んだりした経験として表れるからです。

即ち、必要な経験と言うよりロボット開発に取り組む意欲の有無を図るバロメーターとしてそうした経験の有無が問われることになります。

立体造形物に対する美的センス

意外に思われた方も多いかも知れませんが、ロボットクリエイターは知識が豊富なだけでは務まりません。むしろ知識以上に重要と言っても良いのが、立体造形物に対する美的なセンスです。

ロボットは外観の美しさや格好良さも問われます。

例えばスポーツカーは一般乗用車より遙かに高馬力ですが、機械的な仰々しさや重量感はあまり感じません。

むしろ一般乗用車以上にスマートで、スタイリッシュなデザインが多いのがスポーツカーの特徴ですが、基本的にはこれと同じことです。

内部の機械的な複雑さを包み込む見た目の美しさや格好良さは、特に一般の方々が目に触れる領域で使用することになるロボット作りにおいて大変重視されます。

立体造形物に対する美的センスは、これからのロボットクリエイターを目指す方々にとって不可欠なセンスと言えます。

物事を柔軟に捉える発想力や思考力


ロボット開発は、数学の問題を解くような理詰めの思考や発想だけでは行き詰まってしまいます。

ロボットクリエイターを募集している多くの企業が口を揃えて「必要」と言っているのが、物事を柔軟に捉える発想力です。

ロボット開発はセオリー通りにいかない様々な問題に直面し、それらを一つずつ解決してゆくことで実現できる仕事なのです。

それには柔軟な発想が不可欠です。

硬直的にしか物事を捉えることができなければ、優れたロボットの開発は無理と言っても良いでしょう。

ロボット業界への就職・転職を目指すなら

これまで紹介したようなロボットに関する仕事に就くには、どういった経路が最適なのかを考えてみます。

まず、ロボット業界への就職には「理系の知識」が必須といえるでしょう。

例えば、機械・電気・電子・IT・その他制御系や電子工作系ですね。クリエイターやデザイナーであれば、プロダクトデザイナーやインダストリアルデザイナーの知識も重宝されるため、CAD3DCG系のスキルも役立ちそうです。

こういった知識・スキルを身に着けるには、大学の理系学部や専門学校で学んでおきたいところ。また、ロボットに関する仕事は複数分野の知識が必要となるため、専門領域を2つから3つ程度持っておくと強みになりますよ。

ロボットクリエイターの年収について

年収はサラリーマンの平均年収より若干上

あいにくロボットクリエイターだけの年収データは存在しませんが、ロボットクリエイターを含めた電気や機械製品の設計開発に関わる技術者の年収データを参考にした場合、平均で500万円前後となっています。

サラリーマン全体での平均年収が440~450万円ぐらいですので、全体の平均年収をやや上回る程度の水準と言えます。

ロボット開発は高度な専門性や幅広い知識が問われる高難度の職種です。

にもかかわらず平均年収をかろうじて上回っている状況なので、現時点では年収面で優遇されているとは言えないでしょう。

開発ロボット次第で高額ボーナスの可能性も!

ロボットクリエイターの魅力は現在の年収ではなく、将来性にあると言えるのではないでしょうか。

ロボットに対する需要は今後益々拡大することはあっても減少することは考えにくく、将来性抜群であることを踏まえれば、将来年収が上昇する可能性はとても高いと言えます。

また、既にそうした事例が生まれていますが、ヒット商品となるロボットを開発できた場合にはインセンティブとして破格のボーナスを得られるチャンスもあります。

年収は生涯にどれくらい受け取ることができるかという視点も大切です。

その点でロボットクリエイターは、現時点での年収は平均的水準であっても生涯年収においては他の職種を大きく上回る可能性を秘めた職種と言って良いでしょう。

ロボット業界への就職・転職に強いエージェント・サイト

知識やスキルとともに、実際の仕事探しも重要です。ロボット業界へ就職を希望する方は年々増えており、社会からの需要も高まっています。

そのため、ロボットに関する仕事も急増中です。

そこで、ロボット業界・ロボットに関する仕事の情報を集めるためにおすすめのサイトを紹介しておきますね。

doda(デューダ)

豊富な案件量を誇るdodaデューダ)は、ロボット業界の仕事でもやはり強いですね。
2017年7月時点で、ロボットに関する求人情報は1200件以上もあります。
例えば、こんな仕事がヒットしますよ。

ロボット科学教育の企画運営

【年収】300万円~420万円【月給】250,000円~350,000円
ロボット製作を通じて科学を学ぶ教室の運営や企画

日本国内の倉庫ロボットインテグレーターやユーザーへのトレーニング設置およびサポート

【年俸】 300万円~500万円以上
国内ユーザーサイトへ物流・倉庫用ロボットの設置。テクニカルサポートやアプリケーションソフトの開発もあり。
年1回のアメリカ(シリコンバレー)研修

doda(デューダ)は希望した分野で仕事が見つかりにくくても、関連分野で仕事が見つかることがあります。
営業力が非常に強い会社ですので、小まめにチェックしておきましょう。

⇒doda(デューダ)の公式サイトを見る!

⇒doda(デューダ)の詳細や評判はこちら

リクナビNEXT

20代の正社員就職・転職に強みを持つ国内最大級の求人サイト「リクナビNEXT」。
当然、ロボット関連でもさまざまな求人をおさえています。
例えば、こんな感じですね。

製造現場の省人化に貢献するロボットの設計

400万円/25歳・入社1年目/月給24万円+賞与
メーカーで使われるバリ取りロボットの設計や専用機械の設計など

制御設計でオーダーメイドロボットを動かすオペレーター

月給25~50万円
専用ソフトでのロボット動作のシミュレーション、ロボットティーチング(教示作業)、プログラミングなど
未経験、文系可、CADスキル優遇

リクナビNEXTは求人の質・量ともにレベルが高いというのが筆者の印象です。
急成長中のロボット業界の仕事も、基盤がしっかりした企業の求人が揃っています。

⇒リクナビNEXTの公式サイトを見る!

はたらいく

地域密着型の就職・転職サイトといえば「はたらいく」。
ロボット関連の仕事をできるだけ地元で探したい、という方にはおすすめです。
正直なところ、ロボットを作りたい!という方には少し物足りない求人量ですが、
ロボットを使って社会に貢献する仕事は結構ありますね。
例えばこんな感じです。

最先端ロボットを使った下水道管の清掃や管理

月給25万円以上
官公庁との取引で、公共インフラ(下水道管など)の中をロボットと高圧洗浄機で洗浄

「ロボットティーチング」「ロボットオペレーター」などで検索すると、非常に多くの求人が見つかります。
また、大企業のほかにもキラリと光る技術を持った中堅中小企業が多数ヒットします。
地元志向の若者にはおすすめですね。

⇒はたらいくの公式サイトを見る!

マイナビクリエイター

ロボットクリエイターを目指すなら、マイナビクリエイターも外せない転職エージェントの一社です。

マイナビクリエイターはロボットクリエイター専門ではなく、どちらかと言えばWEB系のクリエイター職種を中心とした転職エージェントですが、それでも1位として同社をオススメのには理由があります。

一つは利用者満足度が大変高いこと。

転職エージェントのサービスの善し悪しは、転職支援を行う専門スタッフによるパーソナルなサービスの品質でほぼ決まります。

マイナビクリエイターは、転職支援を行うキャリアアドバイザーの資質が高いことで定評がある上、社員教育にも日夜大変力を入れています。

そのためマイナビクリエイターを利用すれば、優秀なキャリアアドバイザーによる満足度の高いサービスを期待できます。

二点目は厳選された良質な求人の紹介を得られること。

マイナビクリエイターは求人数を増やすことより、良質な求人を紹介することを重視している転職エージェントです。

求人企業から登録要請があっても即座に認めず、独自の基準で求人企業の調査を行ってから可否を決めており、問題があれば登録を断ることも厭いません。

たくさんの求人を紹介してもらうことはそれほど期待できないかも知れませんが、その代わり安定性や将来性、職場環境などで優れた求人企業の紹介を得られます。

ロボット転職ナビ

ロボットクリエイターへの転職を目指す方なら絶対に登録すべきと言える転職サイト兼転職エージェントが「ロボット転職ナビ」です。

ロボット転職ナビはその名称通り、ロボット業界に特化して求人情報提供を行ったり、求人企業の個別紹介を行ったりしています。

ロボット転職ナビの求人数は公開、非公開併せて約150件超と決して多いとは言えません。

しかし、全ての求人がロボット業界の企業であり、職種もクリエイターやデザイナー、エンジニアに特化されているため、ロボットクリエイターを目指す方にとっては無駄のない求人情報ばかりと言えるサイトです。

また、ロボット転職ナビは転職エージェントサービスがオプションで無料利用できるという特徴もあります。

転職エージェントのサービスとはマンツーマンで求人企業の紹介や転職活動のサポートを行ってくれるサービスのことですが、こうしたエージェントのサービスには自分のペースで転職活動できなかったり、紹介を受けられる求人が限定されてしまったりするデメリットがあります。

従ってロボット転職ナビであれば、自分のペースで求人企業を探したい場合は転職サイトとして、転職支援を受けながら転職活動を行いたい方は転職エージェントとして利用するといった、ニーズに応じた使い分けもできるのです。

⇒ロボット転職ナビの公式サイトを見る!

まとめ

ロボット業界は今後ますます拡大していくと予想されます。かつて、最近の好景気と相まって一種のバブルのような雰囲気さえありますからね。理系の学生だけではなく、ロボットや先端技術に興味のある文系学生にも、十分チャンスはあるでしょう。

そもそも人手が不足している業界からの需要が多いため、就職へのハードルもそれほど高くありません。「できるかできないか」よりも、「やりたいかやりたくないか」を重視して仕事を探してみてください。

ロボット業界のように先進的な技術やサービスを扱う仕事は、「モチベーションや情熱」が非常に大切です。文系であってもあきらめることなく、興味のある仕事にはどんどん応募していきましょう。