毎月の給料日以上に支給を心待ちにしているという方も多いのが、「ボーナス」ではないでしょうか。

ところが多くの方が楽しみにしているにも関わらず、実際に受け取るまでいくら貰えるかよくわからないという方が多いのも、ボーナスの不思議な特徴と言えます。

額がわからないから楽しみと言えるかも知れませんが、ボーナスを前提にマイカーなどのローンを組んだり、ボーナス一括払いで高額な電化製品を購入するといった場合には、ある程度ボーナス受給額を見通しておきたいものですよね。

そこで今回はボーナスと賞与に違いがあるのか、2016年冬のボーナス平均額はどれぐらいだったかといったボーナスや賞与に関する知っ得情報と共に、ボーナスの目安を導き出すためのポイントなどをご紹介して参ります。

そもそも「ボーナス」と「賞与」ってどう違うの?

ボーナスも賞与も同じ意味!

日本では年間2回程度受け取ることができる特別な報酬のことを「ボーナス」と呼んだり、「賞与」と呼んだりする場合があります。

両者に違いはあるのでしょうか。

前者が英語、後者が日本語で英語の直訳として賞与という言葉が生まれた訳ではなく、語源上の違いはあります(語源については諸説ありますのでここでは割愛致します)。

しかし現在使用されているボーナス、賞与という言葉の意味に違いがあるかと言えば
全くありません。

両語は同じ意味であり、ボーナスと呼んでも賞与と呼んでも構わないのです。

そのため、企業によって「ボーナス」を言ったり、「賞与」を使っていたりと要は支給する企業によってまちまちという状況になっています。

また、明細を入れた封筒の表書きや明細そのものには「賞与」と表現し、社内での会話の中では「ボーナス」と言う等、賞与を文語的、ボーナスを口語的に使い分けている企業なども比較的に多く見かけられます。

ということでボーナスも賞与も同義となりますので、この記事では以後「ボーナス」で統一することにします。

2016年度冬の平均ボーナスは?!

東証一部上場の大手企業のボーナス平均額は?

ボーナスは日本の景気を占う一つの指標として経団連などが毎年調査を行なっていますので、2016年度冬の平均ボーナスが幾らぐらいだったのか、調査結果で確認してみましょう。

経団連が調査を行なっているのは鉄鋼や建設、自動車といった国内の主要20業種を対象に、当該業種の中で東証1部上場・従業員数500人以上という245社のボーナス額です。

つまり経団連が調査しているボーナス額とは、日本の各産業界を代表する大手企業のボーナス額と言えます。

ではそのボーナス平均額ですが、総平均額は927,892円。

約92万8千円といった金額で、ちなみに2015年冬の額が約92万円だったので対前年比較でおよそ8千円ほどアップした計算になります。

ちなみに業種比較で最も高かったのは自動車で約102万円、最も低かったのは商業で約52万4千円です。

このように大手企業間でもボーナスでは最大50万円程度もの差が生じていることがわかります。

対して中小企業は?

東証一部上場の大手企業の平均ボーナス額が92万8千円だったことはわかりましたが、この数字に日本企業の9割以上を占める中小企業は含まれていません。

中小企業のボーナス額はどれぐらいだったかと言いますと、大阪シティ信用金庫が公表した「中小企業の冬季ボーナス支給状況(2016年冬)」が参考にできます。

大阪シティ信用金庫が調査対象としたのは、同信金が取引を行っている大阪府内の取引先企業ですので、日本全国の平均値とは言えません。

が、少なくとも大阪府の景気が他県と比較して著しく悪いといったことはありませんので、平均に近い額、もしくはそれ以上の水準と考えて概ね間違いありません。

同信金の公表データによると全体平均額は約27万7千円。

大手企業の業種比較で最も悪かった商業にも遠く及ばず、その約1/2程度の額に留まっています。

つまり、ボーナスにおいては大企業サラリーマンと中小企業のサラリーマンではかなり大きな格差が生じていると言えます。

中小企業は「ボーナスを支給しない」が約4割も!

しかも驚くのは支給額の低さだけではありません。

対象となった中小企業の内38.5%、即ち約4割もの中小企業が「ボーナスを支給しない」と回答しているのです。

この「ボーナスを支給しない」という意味は「全く支給しない」(約10%)だけでなく、「(ボーナスを支給しない代わりに)少額の手当てを支給する」(約30%)の合算によるものなので、約4割の中小企業が全く何も支給しなかった訳ではありません。

しかしながら、この後紹介する基本給等を基準としたボーナス額にも満たないケースが中小企業では約4割にのぼることを考えれば、日本全体で考えた場合、「ボーナスは貰えるだけありがたいもの」と言っても良いかも知れません。

ボーナスを導き出すポイントその1:従業員規模

大手企業と中小企業の大きな格差からもおわかりになったとおり、ボーナス支給額においては大企業と中小企業で明白な差が生じています。

しかし大企業と中小企業という二区分だけではかなり乱暴な話となります。

そこでもう少し細かな区分けができないかということですが、もう少し細かな区分として「従業員数」を一つの基準にできます。

2016年冬のボーナスで先程ご紹介した経団連と、大阪シティ信用金庫の調査で「従業員数別」の調査も行なわれていましたので、それを一つに並べると次のようになります。

●従業員数500人以上(+東証一部上場):約92万7千円(経団連調査)

●従業員数50人以上(100人未満):約33万4千円(大阪シティ信用金庫調査)

●従業員数20人以上49人以下:約30万3千円(大阪シティ信用金庫調査)

●従業員数20人未満:約26万7千円(大阪シティ信用金庫調査)

この結果から、もし自社企業が50人の従業員数であれば平均額として33万4千円程度(額面)、15人程度なら平均額として26万7千円という金額をボーナス額の目安にできると言えます。

では東証一部上場企業に限定されない従業員数500人以上の目安や、100人以上500人未満の従業員数企業については目安がないかと言うと、あります。

2016年冬の調査結果ではなく、まだ2016年夏のボーナス調査結果しか出ていませんが、厚生労働省が調査を行なった「事業所規模別夏季賞与平均支給額」に関する調査を元に計算すれば、およそ次のようなボーナス平均額が導き出せます。

●従業員500人以上 約65万円

●従業員数100人~500人未満:約42万3千円

冬と夏で調査時期等が異なりますが、これらのデータを一覧として並べてみることにしましょう。

●従業員数500人以上(東証一部上場限定):約92万7千円

●従業員500人以上(上場、非上場を問わない場合):約65万円

●従業員数100人~500人未満:約42万3千円

●従業員数50人以上(100人未満):約33万4千円

●従業員数20人以上49人以下:約30万3千円

●従業員数20人未満:約26万7千円

如何でしょうか。

このように並べてみると、ボーナスの金額は従業員数とかなり比例していることがわかります。

従って、勤務先の従業員数からおよそのボーナス平均額の目安は上記を参考にして頂くことで導くことができます。

ボーナスを導き出すポイントその2:自分が受け取るボーナスの計算基準となるのは「基本給」

ポイント1で紹介した金額は、会社の従業員数からおよそのボーナス額の目安を知るものですので、あくまで会社単位での目安となる金額となります。

この数値も参考にはできますが、もう少し自分自身のボーナス支給額に近付けた額を導きたいという場合には、月度の「基本給」を基準値として目安を求めることができます。

基本給とは通勤手当だとか、家族手当だとかの「手当て」や残業代を差し引いた給与の基本額となる部分のことです。

例えば額面給与の総額が30万円で、各種手当てや残業代の合計が10万円だったとしたら、残りの20万円が基本給になります。

では基本給とボーナスの関係ですが、一般的な支給基準として

基本給×Nカ月=ボーナス

という公式が多くの企業に当てはまります。

例えば基本給が20万円で1ヶ月分ならボーナスは20万円、5か月分なら100万円となります。

但し全ての企業がこうした基本給だけを基準としている訳ではないため、こちらの計算方法もあくまで一つの目安に過ぎないことは十分留意しておいてください。

次に基本給と掛け算する場合の「N」、即ち月数はどのくらいを目安にすれば良いかということですが、様々な調査結果や従業員に対する個別アンケートなどを参考とした場合、

・中小企業の場合:0.8ヶ月~1.2ヶ月程度

・大企業の場合:2ヶ月~3ヶ月程度

といった月数がおよその平均的な数値となっています。

従って、従業員規模数で言えば100人未満の企業にお勤めの方なら基本給×1ヶ月、500人以上なら基本給×2.5ヶ月で計算すれば、自分が受け取ることができるボーナスの目安を求めることができます。

ボーナスを導き出すポイントその3:社会保険はどのくらい差し引かれるのか

ポイント1も2も全て「額面」、即ち個々によって異なる社会保険や所得税は考慮されていません。

額面での目安だけでなく、どれくらいの税金や社会保険料が差し引かれるかについても知っておきたいという方もいるでしょうから、それらの計算方法についてもご紹介しておきましょう。

健康保険と厚生年金は「協会けんぽ」の健康保険料額を参考にしよう!

まず健康保険と厚生年金については次の協会けんぽの「被保険者の方の健康保険料額」から勤務地の都道府県を選択することで保険料を求めることができます。

(協会けんぽ「被保険者の方の健康保険料額」)
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h28/h28ryougakuhyou10gatu

表の見方ですが、まず想定されるボーナス額を「報酬月額」という欄に当てはめてみます。

例えばボーナスが31万円なら「290,000円~310,000円」が該当します。

該当する欄からそのまま右に視線を移動させ、40歳未満なら「介護保険に該当しない場合」で尚且つ「折半額」、40歳以上なら「該当する場合」且つ「折半額」の欄と交差する欄を見ればボーナスから差し引かれる健康保険料がわかります。

また、更に右側に移動すれば厚生年金保険料の欄となっていますので「一般」の「折半額」の方を見れば厚生年金保険料がわかります。

この表から判明した両保険料をボーナス額から差し引けば良いことになります。

雇用保険料は簡単

次に雇用保険もボーナスから差し引かれますが、こちらの計算は簡単です。

ボーナス額×0.5%

上記の計算式で求めることができますので、例えばボーナスが40万円なら雇用保険料は1万円です。この額も引き算します。

源泉所得税の「税率」は「前月の給与」が計算基準

最後に源泉所得税ですが、これがやや厄介で「税率」はボーナス額で計算するのではなく「前月の給与」から導く必要があります。

まず

前月の給与-(前月の社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)

という平易な計算によって「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」を出します。

次に「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」という財務省が公表している表にアクセスし、先程求めた金額と該当する扶養家族の数が一致する箇所を見つけます。

(賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2015/data/17-18.pdf

該当する欄と同じ行の一番左にある欄が「税率」となります。

この税率を「ボーナス額 - 社会保険料(健康、厚生、雇用)」に掛ければボーナスに対する所得税を求めることができます。

後はこの所得税を差し引けば、およその手取りボーナス額となります。

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