
仕事に疲れたとき、どんな方法でリフレッシュしていますか。「休みの日に寝だめしているだけで、月曜になるとまた疲れている」という人は少なくありません。
リフレッシュ方法は人によって合う・合わないがありますが、我流でやっていると、かえって疲れを溜めてしまうこともあります。
この記事では、心理学やメンタルヘルスの分野で広くすすめられている基本のリフレッシュ方法と、「もう仕事を辞めたい」と感じるレベルまで来たときの対処法、給料と休日のバランスをどう考えるかをまとめました。
仕事に疲れたときの基本のリフレッシュ方法3つ
心理カウンセラーや産業医がすすめるリフレッシュ方法は、大きく分けると「呼吸を整える」「仕事以外に夢中になれることを持つ」「しっかり眠る」の3つに集約されます。どれも特別な道具はいらず、今日から始められるものです。
呼吸法(深呼吸)で体の緊張をほどく

手軽で効果を実感しやすいのが「呼吸法」です。静かな場所に移動して、お腹をふくらませる腹式呼吸でゆっくりと深呼吸をします。
- 鼻から4秒かけて息を吸い、お腹をふくらませる
- 2秒ほど止める
- 口から6〜8秒かけてゆっくり吐く
- これを3〜5分くり返す
緊張しているときは呼吸が浅く速くなっています。意識的にゆっくり吐くことで体の緊張がほぐれ、気持ちも落ち着いてくるでしょう。会議の前やクレーム対応の後など、仕事の合間にも使えるのがメリットです。
仕事以外で夢中になれることに取り組む

「疲れているのに運動や趣味?」と思うかもしれませんが、仕事の疲労は肉体的な疲れだけで生じるものではありません。
ストレスや不快感、イライラといった、仕事で生じたネガティブな感情も、疲労感を招く大きな要因です。趣味やスポーツ、人との交流など、仕事とまったく違うことに没頭する時間は、こうした感情の疲れをリセットするのに役立ちます。

ポイントは「仕事のことを考えなくてすむ時間」を意識的につくることです。スマホで仕事のメールをチェックしながらでは、リフレッシュになりません。
睡眠をしっかりとる

睡眠は、もっとも基本的で重要なリフレッシュ方法です。睡眠不足は疲労回復を遅らせるだけでなく、集中力や判断力の低下、気分の落ち込みにもつながります。
「疲れやすい」と感じている人の中には、そもそも睡眠時間が足りていない人も少なくありません。まずは次のような基本を見直してみましょう。
| 見直すポイント | 具体例 |
|---|---|
| 就寝・起床時刻 | 休日も平日と1〜2時間以内のずれに収める |
| 寝る前の行動 | 寝る1時間前からスマホ・PCの画面を見ない |
| カフェイン・アルコール | 夕方以降のコーヒー、寝酒は控える |
| 寝室の環境 | 光と音を遮り、室温を快適にする |
時間を確保しても、仕事のストレスで寝つけない、夜中に何度も目が覚めるという状態が2週間以上続く場合は、無理をせず心療内科や精神科に相談してください。睡眠の問題は早めに手を打つほど回復しやすいものです。
「仕事を辞めたい」レベルまで疲れているときの対処法

基本のリフレッシュ方法を試しても疲れがとれない、「疲れたから辞めたい」という気持ちが消えない。そんな段階まで来ているなら、リフレッシュ方法の問題ではなく、働き方そのものを見直す時期かもしれません。
選択肢は「転職・異動・休職」の3つ
今の職場で今のまま働き続けることが前提になっていると、できることは限られてしまいます。前提を外して考えると、選択肢は大きく次の3つです。
- 異動:会社は変えずに部署や職種を変える。人間関係や業務内容が原因なら有効
- 休職:いったん仕事から離れて回復に専念する。心身の不調があるなら医師の診断書をもとに検討
- 転職:会社そのものを変える。業界や社風、待遇が原因のときの選択肢
どれを選ぶにしても、心身の不調(眠れない、食欲がない、朝起き上がれないなど)があるなら、まず医師や会社の産業医に相談することが先です。判断力が落ちている状態で大きな決断をすると、後悔につながりやすくなります。

転職を選ぶ場合の3ステップ
転職を選ぶなら、疲れている状態で勢いで辞めるのではなく、順番を決めて進めましょう。
ステップ1:仕事を少しずつ引き継ぐ

転職先が決まってから慌てて引き継ぐより、「任せても問題ない仕事」から少しずつ同僚に渡しておくと、退職が正式に決まったときにスムーズです。円満退職は、転職先での評判にもかかわります。
ステップ2:有給休暇でまとまった休みをとる

疲れきった状態で退職してすぐに転職活動を始めるのは得策とはいえません。残っている有給休暇を使って、在職したまままとまった休みをとり、心身を回復させてから動き出しましょう。有給休暇なら収入が途絶える心配もありません。
ステップ3:求人を探す
休んで気力が戻ってきたら、ハローワークや求人サイト、転職エージェントで求人を探します。「残業が少ない」「年間休日が多い」など、今回疲れた原因を解消できる条件を優先して選ぶのがポイントです。不調がある場合は、医師に相談しながら無理のないペースで進めてください。
給料と休日、どちらを取る人が多い?

リフレッシュして長く働き続けるには休日が欠かせませんが、生活のためには給料も必要です。「どちらかしか選べないなら?」という質問に、働く人はどう答えるのでしょうか。
記事作成時(2018年)に当サイトが社会人100名に行ったアンケートでは、次のような結果になりました。
| 回答 | 人数 |
|---|---|
| 休日をとる | 52人 |
| 給料をとる | 48人 |
休日派と給料派はほぼ半々
「休日をとる」がやや多かったものの、差はわずか4人です。社会人にとって、給料と休日はどちらも譲れない要素だといえるでしょう。
裏を返せば、「どちらも欲しい」というのが多くの人の本音です。では、給料を減らさずに休日を増やす働き方はあるのでしょうか。
給料を減らさずに休日を増やす制度:プレミアムフライデー・週休3日制
プレミアムフライデーとは
プレミアムフライデーは、毎月末の金曜日に午後3時ごろの退社を促す取り組みで、2017年2月に政府と経済界が呼びかけて始まりました。導入は企業の任意で、現在は実施している企業は限られますが、月末金曜の早帰りを続けている会社もあります。
週休3日制の3つのタイプ
週休3日制は、休みが増える代わりに給料や労働時間がどう変わるかで、大きく3つのタイプに分かれます。
| タイプ | 1日の労働時間 | 給料 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 給料維持型 | 変わらない | 変わらない | 誰にとっても理想だが導入企業は少ない |
| 労働時間延長型 | 長くなる(例:10時間×4日) | ほぼ変わらない | 1日が長くても休みを増やしたい人 |
| 給料減額型 | 変わらない | 減る(例:5分の4) | 育児・介護・学び直しなどで時間を優先したい人 |
「週休3日」と書かれていても、どのタイプかで手取りが大きく変わります。求人を見るときは、必ず給料と1日の労働時間をセットで確認してください。
記事作成時(2017〜2018年頃)に報道された導入事例
当時ニュースで紹介された事例を、参考として残しておきます。各社の制度はその後変わっている可能性があるため、現在の内容は各社の採用情報で確認してください。
トリンプ・インターナショナル・ジャパン

月末金曜の終業を午後3時にし、チャイムと消灯で確実に退社させる仕組みを導入した事例として紹介されました。給料は変わらない前提でした。
住友商事

月末金曜は全休を奨励し、それ以外の金曜も午後半休を取りやすくする取り組みとして報道されました。
大和ハウス工業

有給休暇を分割して、偶数週の金曜午後を半休にできる仕組みとして紹介されました。
モンテローザフーズ

週休2日か3日かを社員が選べる「選択制」の週休3日制の例として取り上げられました。週休3日を選ぶと月給は下がるタイプです。
ヤフージャパン

介護や育児をしている社員を対象に、希望者が週休3日を選べる制度を2017年に導入した事例として知られています。
佐川急便

ドライバー不足への対応として、1日の労働時間を長くする代わりに週休3日とする働き方を導入した例として報道されました。
プレミアムフライデーや週休3日制の求人の探し方

こうした制度を導入している企業は、日本全体で見ればまだ少数です。それでも探すのは難しくありません。
- 求人サイトのフリーワード検索で「週休3日」「選択的週休3日」「プレミアムフライデー」と入力する
- ハローワークの求人検索でも「週休3日」でフリーワード検索ができる
- 転職エージェントに「年間休日120日以上」「週休3日制あり」など条件を伝えて紹介してもらう
件数が少ない分、タイミングに左右されます。気になる条件は保存検索や新着通知に登録して、こまめにチェックしておきましょう。

リフレッシュがうまくいった例・いかなかった例(架空)
ケース1:休日の「寝だめ」をやめて軽い運動に変えたAさん(架空)
架空のAさん(32歳・営業)は、平日の疲れを土日の寝だめで取ろうとしていましたが、月曜の朝がいちばんつらい状態でした。起床時刻を平日と1時間以内のずれにそろえ、土曜の午前中に30分のジョギングを入れたところ、2〜3週間で「日曜の夜の憂うつ感が軽くなった」と感じるようになりました。
ケース2:リフレッシュしても戻らず、異動を選んだBさん(架空)
架空のBさん(29歳・事務)は、呼吸法や趣味の時間を試しても、職場の人間関係のストレスで眠れない日が続きました。産業医に相談して部署異動を希望し、異動から1か月ほどで睡眠が戻りました。Bさんのように、原因が「特定の環境」にある場合は、リフレッシュ方法だけでは解決しないことがあります。
仕事のリフレッシュに関するよくある質問
休日に何もしたくないのは異常?
疲れがたまっているときに「何もしたくない」と感じるのは自然な反応で、それ自体は異常ではありません。ただし、何週間も続いて休んでも回復しない、仕事以外の楽しみにも興味がわかない、という状態なら、心身の不調のサインかもしれません。早めに医療機関に相談してください。
平日の仕事中にできるリフレッシュ方法は?
1〜2分の深呼吸、席を立って水を飲む、窓の外の遠くを見る、階段を使って1〜2階分歩く、といった短い切り替えが効果的です。昼休みに外の空気を吸うだけでも、午後の集中力が変わります。
有給休暇を取りづらい職場ではどうすればいい?
年5日の有給休暇は、会社が取得させる義務があります(2019年4月から)。まずは数週間前に日程を伝え、業務の引き継ぎメモを用意して申請してみてください。それでも取れない職場なら、休日の取りやすさ自体が転職を考える材料になります。
リフレッシュのために転職するのは甘え?
甘えではありません。疲れの原因が長時間労働や人間関係など職場の環境にあるなら、環境を変えるのは合理的な対処です。ただ、疲れきった状態で勢いだけで辞めると、次の職場選びで同じ失敗をくり返しかねません。この記事で紹介した3ステップのように、休んでから動くのがおすすめです。
仕事のリフレッシュ方法まとめ
- 基本は「呼吸法」「仕事以外に夢中になれること」「睡眠」の3つ
- それでも「辞めたい」が消えないなら、異動・休職・転職で働き方そのものを見直す
- 心身の不調があるときは、まず医師や産業医に相談する
- 給料と休日はどちらも大事。週休3日制は「給料と1日の労働時間」をセットで確認する
リフレッシュは、疲れきってからではなく、日々の習慣として取り入れるのがいちばん効果的です。できることから一つずつ始めてみてください。