近年、Uターン転職する方が右肩上がりで増加しており、「人口還流現象」として注目を集めています。

しかしながら、都心部と比較すると地方の求人数は限られている現実があり、Uターンを希望しても誰もが転職できる訳ではありません。

ではUターン転職を成功させるにはどうすれば良いのでしょうか。

体験者にそのコツを尋ねたところ、異口同音にあげたコツが一つあります。

それは「タイミング」です。

Uターン転職を成功させるためのタイミングとは果たしてどのようなタイミングなのか、体験者のアドバイスやコメントを交えて詳しく解説して参ります。

Uターン転職を考える二つのタイミングその1:年代上のタイミング

Uターン転職を考える上で重要な「タイミング」は二つあります。

その一つが年代上のタイミングです。

東京や大阪と比較した場合、地方の中途採用求人数は少ないのが現状です。

全国的には売り手市場と言われている転職市場ですが、地方の人気企業や好条件の求人についてはほとんど言って良いぐらい買い手市場になっています。

その結果、年代的な有利、不利は東京や大阪とは比べものにならないくらい色濃く出てしまうため、年齢上のタイミングはUターン転職を成功させる上で大変重要な条件になっているのです。

年代では27歳~35歳ぐらいがベストなタイミング

地方求人の厳しい状況を踏まえた場合、どのような年代がUターン転職する際のベストタイミングとなるのでしょうか。

Uターン転職経験者やUターン転職支援専門の転職エージェントへヒアリングした結果、年代上のベストタイミングとして浮かび上がってきたのは「27歳から35歳程度」という年齢幅です。

こうした年齢幅を裏付ける声として体験者談や転職エージェントの声をご紹介します。

メーカー勤務/男性

「地域性もあるかも知れませんが、Uターンした地元では「第二新卒」に対する求人ニーズはあまり聞かれませんね。
地方の企業は研修体制が大手ほど整っていないので、東京で就職して3年未満で辞めた方を受け入れる余力はないということでしょう。」

ホテル勤務/女性

「東京の企業で一定の経験を積んだ人材を欲している地方企業は少なくないと思います。
実際私がその恩恵に預かってUターンできた訳ですからね。
じゃあ一定の経験がどれくらいかと言うと「石の上にも3年」じゃないですね。最低でも5年は実務の経験は必要だと思いますよ。」

不動産会社勤務/男性

「地方企業が必要としている中途採用の人材は間違いなく即戦力です。
ただ、即戦力といっても30代後半から40となると敬遠されている傾向があるように思えます。
私の会社も36歳の方が応募してきた時には年齢で即却下していましたよ。」

転職エージェントのキャリアコンサルタント

「業種や職種によって事情が異なるため、一概には言えませんが、トータルにみて地方企業を狙うなら35歳ぐらいまでに決断した方が良いと思います。
かといってあまり若いと経験不十分として敬遠されます。
ベストな年齢としては30歳前後といったところでしょうか。」

20代前半は早過ぎる

社会経験が乏しい20代前半は地方企業の転職市場で厳しい傾向にあることは、体験者だけでなく、転職エージェントのUターン担当者も同様な見解を示していました。

従って20代前半の方々は、今はまだUターン転職の好タイミングとは言えません。

「石の上にも3年でも短い」との指摘もあったとおり、最低でも5年は現職で経験を積んだ後でUターン転職を考えるべきでしょう。

35歳以降はUターン転職不可能か

Uターン転職の上限年齢は35歳程度ですが、では36歳以降はどうなのかと言えば、あくまで一般論ですが「転職は難しい」となります。

ただし次のような内容の口コミも一部で見られました。

食品メーカー勤務/男性

「35歳というより、40代、場合によっては50代でも大丈夫だと思いますが企業の管理職や経営幹部としての求人ならこの地方でもチラホラ見かけることができますよ。
勿論管理職経験があることは絶対条件だと思いますが。」

地方企業には後継者難に苦しんでいる中堅企業が数多く存在しており、次期経営幹部として優秀な管理職経験者への求人ニーズも実は一定数あるのです。

ただし幹部候補となる求人ですので大量に募集されることはまずありませんし、一度採用が確定すればそう何度も求人募集が繰り返されるものでもありません。

また、将来の幹部として活躍することへの期待があるため、資質やキャリアにおいてかなり高い水準が要求されることにもなります。

つまり求人数が少なく、求められるレベルも高いという狭き門になりますが、狭き門を突破できる資質やキャリアがあれば30代後半から40代、50代の方であってもUターン転職できるチャンスはまだ残っているということです。

Uターン転職を考える二つのタイミングその2:時期的なタイミング

Uターン転職を考える場合に重要な二つ目のタイミングが「(年間での)時期」です。

地方は求人企業数そのものが限られているだけに、できるだけ求人が盛んになる時期に照準を合わせてUターン転職活動に取り組むことが成功の秘訣となります。

では年間での時期としてはいつ頃がベストタイミングか、体験者に尋ねてみました。

電機メーカー勤務/男性

「地元も高卒や大卒を採用する時期は東京と変わりませんよ。地方の学校は卒業時期が9月なんてことはありませんからね。
決算時期も3月の企業が多いのではないでしょうか。
4月から新しい期が始まりますので、1月から3月にかけて求人が増える傾向はどこも変わらないと思います。」

土木会社勤務/男性

「業種なんかで違いがあるかも知れませんが、地方企業も半期で一区切りさせている場合は結構ありますから、8月から11月にかけて後期に向けての即戦力人材確保に企業が求人に動き出すという話は地元でも聞かれます。」(土木業・男性)

Uターン転職に適した時期は「1月~3月」と「8月~11月」頃

Uターン転職に成功した方々の体験談をまとめますと、「1月~3月」と「8月~11月」頃の二つのシーズンがUターン転職を行う時期としてベストなシーズンと言えそうです。

学校の卒業時期が全国共通であることと、それに連動して地方企業も3月を決算月としている場合が多いことから、期の変わり目、もしくは前期と後期の変わり目の時期に中途採用の求人が増加しやすくなる時期となります。

地方企業で中途採用の求人が増加する時期は、首都圏で増える時期とあまり変わらないと考えて良さそうです。

業種を絞っている方は業種特有の繁忙期なども考慮する必要がある

先程ご紹介したタイミングは全国的にみた場合での望ましい時期でしたが、転職先の業種を絞っている方ならその業種の繁忙期を考慮に入れる必要があります。

例えば沖縄出身の方が沖縄の観光業界へUターン転職する場合などです。

沖縄の観光業界は繁閑の波が比較的はっきりしていますので、閑散期になる秋以降のシーズンは沖縄の主要産業とも言える観光業界であっても求人意欲は低下します。

また沖縄に限らず、全国的な知名度を誇るお祭りが行われる地方ではお祭りシーズンに観光関連業界を中心に忙しくなりますので、シーズン前に求人の増加が見込めます。

その他、地方には地元の特産品を加工販売している優良食品加工会社などがありますが、お歳暮やお中元の重要が高まる時期や、特産品の収穫期などが特に忙しくなる時期です。

この時期にもし欠員が生じれば早期に穴埋めしたいと考えるでしょうから、好条件での求人を期待できる場合もあります。

従って一般的な企業会計年度の変わり目という時期に加えて、業種をある程度決めている方はその業種と関わりが高いと考えられる地域のイベントだとか、需要や生産が高まる時期なども考慮した上でUターン転職の時期を見定めるようにすることが大切です。

Uターン転職に臨む上で覚悟しておくべきこと

冒頭でもお伝えしましたとおりUターン転職は希望者が増加傾向にありますが、地方は求人の受け皿が限られています。

そのため、特に地方の優良企業への転職は競争が激化している状況にあります。

では厳しいと言われるUターン転職に臨むにあたって具体的にどのようなことを覚悟しなければならないのでしょうか。

この点も体験者に意見を求めてみました。

職種や業種の選択肢が限られているので選り好みはできない

建設業勤務/男性

「一口に地方と言っても地方間で更に格差があります。私の地元は経済的に冷え込んでいて、Uターン転職するにあたって職種や業種を選り好みできる状況ではありませんでした。
地元がよほど経済的に潤っていない限り、あれもイヤだ、これもイヤだと言ってしまえばUターン転職は無理だと思いますよ。」

鉄道会社勤務/男性

「多少覚悟していましたが、求人数の少なさは想像以上でした。それでも自治体の方に尋ねると一昔前よりは改善したとのことでしたが・・・
Uターン転職を検討されている方は職種や業種はあまり選べないとの覚悟が必要だと思います。
業種や職種にこだわりたいなら、やはり首都圏での転職に留めておくべきではないでしょうか。」

住宅メーカー勤務/男性

「私の場合は営業職だったので潰しが効きましたが、大手企業で高度な専門職に取り組んでいた方がUターン転職を考えても、そうした高度な技能や知識を活かせる職場自体がないと思います。
営業や販売職でもやる覚悟がないとUターン転職は難しいかも知れませんね。」

こうした体験談は多数寄せられていました。

Uターン転職は業種、職種を選ぶというより、転職できる業種や職種の中から選ぶしか無いのが現状と言えそうです。

一定の年収ダウンは覚悟する必要がある

機械メーカー勤務/男性

「私の場合、年収で150万円ほどダウンしました。
いざ提示を受けた条件を見たときにはさすがにショックでしたが、この条件を受け入れないとUターン転職は実現しませんでしたので、清水の舞台から飛び降りるような覚悟で条件を受け入れました。」

食品加工会社勤務/女性

「事務職なのでそれほど年収が大きくダウンしたという感じはしませんが、それでも月額給与では4~5万ほど低くくなってしまいました。
東京にいる頃はそんなに高い給与で雇ってもらっている意識はなかったのですが・・・
いざUターン転職してみると東京での給料は恵まれていたんだと実感しました。」

Uターン転職でもう一つ覚悟すべき事項として多かった意見が「年収ダウン」です。

東京や大阪で働いている方が地元へUターン転職するなら、よほどのことがない限り、年収はダウンするとの覚悟が必要です。

どのくらいダウンしてしまうかは現在の年収とUターン先の企業によって事情が異なってきますので、一概には言えません。

その上で、当サイトへ寄せられた体験者談を通じた話としては100万円程度の年収ダウンは決して珍しくないということです。

まとめ

Uターン転職を成功させることはなかなか容易なことではありません。

しかしながら、簡単ではないUターン転職に取り組もうとしている方々は年々増加しています。

転職先の業種や職種の選択が限られたとしても、あるいは年収がダウンしたとしても、自分が生まれ育った故郷に戻って働けることはそうしたデメリットを全て吹き飛ばせる大きな喜びであるからと考えられます。

そうした喜びを得るためにUターン転職を望まれるなら、本記事を参考に一定の覚悟を固めた上で、慎重に計画的に転職活動に取り組むようにしてください。

皆様からの吉報をお待ちしております。