残業100時間と60時間に「どれくらいの違いがあるのか」についてお調べでしょうか?

残業代の有無に関係なく、どのような職場であってもある程度の残業は発生します。

 

それは人を相手にするビジネスである以上、時期によっては仕方ありません。

だからといって「残業100時間は当たり前!」と言われると「頭おかしいんじゃないの!?」と耳を疑いたくなりますよね。

 

中には残業代全額支給で喜んでいる人もいるかもしれませんが、長時間の残業は健康を害するリスクも高くなってしまうのです。

 

1日2~2.5時間の残業で月間60時間、1日4.5~5時間で月100時間前後。

この違いは残業代や身体の健康に大きく影響してくるのです。

 

この記事では残業60時間と100時間の違いについて、さまざまな側面から比較検証していきます。

■労働基準法の改正で月の残業は100時間が上限

雇用契約において労働者は労働基準法によって守られています。

労働は1日8時間・1週間に40時間までと定められており、本来は労働者に残業をさせることができません。

 

労働者に残業をしてもらうためには「36協定」と呼ばれる協定を結び、それを労働基準局に提出する必要があります。

 

そして36協定を結んでも無制限に残業をさせられるわけではありません。

36協定で認められるのは、1週間に15時間・1カ月に45時間までが上限です。

 

しかし、繁忙期や業務が集中する時期に限り「特別条項」として36協定の残業時間上限を書き換えることができます。

年間で6カ月までという制限はありますが、これまで特別条項を使えば月100時間以上の残業でも青天井に認められていたのです。

 

しかし、残業100時間以上という労働は残業代が全額支給だとしても、体や精神に対する負担が大きすぎます。

 

そこで政府は労働基準法を見直し、特別条項で36協定を書き換えた場合の残業時間の上限を100時間以内と改正しました。

月平均60時間になるように義務付ける方針が決定したのです。

 

■残業100時間と60時間では給与や健康にどんな差がある?

では残業100時間と60時間だと、残業代や健康にどの程度の違いが出てくるのでしょうか。

 

まず残業には「法内残業」と「時間外労働」の2種類があります。

 

・法内残業

1日の労働が8時間以内で収まる残業

・時間外労働

1日の労働が8時間を超える残業

 

法内残業と時間外労働の詳細については以下の記事でも解説しているので、気になる人は参考にしてみてくださいね。

 

残業100時間当たり前は頭おかしいって!※給料比較とリスクを解説

 

そして残業によって発生する残業代は、普段の給与1時間分×1.25の割増となります。

1時間あたりの給与を割り出す式は以下の通りです。

 

月給÷勤務日数÷就業時間

 

月給20万円・月22日・8時間労働の場合

20万÷22日÷8時間=1136円(1時間当たりの給与)

1136円×1.25=1420円(残業1時間当たりの賃金)

 

この例を元に残業100時間と60時間の場合を比較してみましょう。

 

◆給与

残業代は普段の月給に1.25の割増が発生します。

計算式は上述した通りなので、ここでは100時間と60時間の場合を計算。

 

残業60時間

20万÷22日÷8=1136円

1136円×1.25=1420円

1420円×60時間=8万5200円(残業代の合計)

 

20万円+8万5200円=28万5200円

 

残業100時間

20万÷22日÷8=1136円

1136円×1.25=1420円

1420円×100時間=14万2000円(残業代の合計)

 

20万円+14万2000円=34万2000円

 

単純な計算式では

残業60時間だと月収28万5200円

残業100時間だと月収34万2000円

差額5万6800円

となりました。

 

これを高いと思うか低いと思うかは人それぞれですが、月に40時間も余分に消費してしまうことを考えると必ずしもいい収入額とも言えません。5万円のために身体を壊しては本末転倒ですよね。

◆時間

残業60時間と100時間の差は40時間ですよね。

これは1カ月あたりの時間ですが、これが1年や2年・3年と勤続年数が重なるにつれて、大きくなっていきます。

 

計算上どれくらいの時間差になるのか計算してみましょう。

 

60時間×3年(36カ月)=2160時間(90日)

100時間×3年(36カ月)=3600時間(150日)

差は1440時間(60日)

 

3年間同じ残業を毎月行った場合、約1440時間の差が生まれます。

日数に変えると丸2カ月分違ってくるのです。

 

中にはサービス残業として、残業代が出ていない人もいるでしょう。

そのような人たちは、3年間で約2カ月分以上の労働を会社に無償提供していることになるのです。

 

残業代が出ているとしても、本来休むべき時間を年間480時間ほど削って働いていることになります。

身体や心の健康を害するリスクが高くなるのも間違いないでしょう。

 

残業100時間以上は過労死の基準ともなっており、60時間でも人によっては過労につながる可能性がある労働時間です。

 

割増賃金が付くからと残業をしたがる人もいますが、健康を視野に入れると残業は月に45時間程度までに抑えておくほうがいいでしょう。

◆健康

厚生労働省が定める過労死ラインとして、月の残業が100時間に及ぶ場合は労災の対象になると明記されています。

 

そもそも36協定によって認められる残業が月に45時間までであり、それ以上は100時間に及ばなかったとしても身体や心に悪影響を与えると考えられているのです。

 

過労で一度身体や心が崩れると、死亡しなかったとしても大きなダメージが残ります。

精神面や身体に傷跡を残し、そこからの仕事は格段にやりづらくなるでしょう。

 

そのため、月に60時間以上の残業が長期間続く場合は、会社に相談するか転職を検討したほうがいいかもしれません。

■残業代が出ても過労死の可能性はある

働いている人の中には「残業代がなければ生活ができない!」と考えている人もいるかもしれません。

 

残業100時間と60時間の残業代は先述した通りですが、この賃金のために過労死したいという人はいないでしょう。

 

残業代は労働の対価として支払われるものですが、健康を害してしまっては意味がありません。

40時間分の残業代がなければ生活できない状況なのであれば、まずは家計の収支を見直すことが先決でしょう。

■残業がない職場なら時間を有効に使える

残業がないか、今よりずっと少ない職場に転職したとしましょう。

もし残業100時間の会社から残業0の職場に転職したとすれば、毎月100時間の自由が生まれるということです。

 

月に100時間あれば資格の勉強や副業の検討もできますし、自炊して食費を削減することもできるでしょう。

 

結果として残業が少ない環境のほうが、ゆとりのある生活につながっていくかもしれません。何より健康面を考えると、適度な労働時間で私生活を送るほうが確実に有意義でしょう。

 

万が一過労で倒れてしまうと、治療費や入院費は会社から支給されるかもしれませんが、その間の時間は取り戻せません。

身体が元気なうちに行動を起こすことが、長時間残業から抜け出すためのポイントです。

 

■転職先を探すのにオススメの転職サイト

残業が少ない会社の求人を掲載している転職サイトや転職エージェントはたくさんあります。

 

業種によっては特定の転職サイト・転職エージェントが特化している場合もありますが、ここではより多くの選択肢から求人を選べる転職サイトをご紹介しましょう。

◆リクナビNEXT

転職を検討する大半の人が登録する転職サイトが「リクナビNEXT」です。

リクルート業界最大手の「リクルートグループ」が運営しており、登録者数ナンバーワンの実績があります。

 

求人元企業からの認知度も高いため、掲載されている求人数も桁違いです。

同時に非公開案件も多数取り扱っているため、掲載されている求人に希望条件を叶える内容がなければ、担当者に相談してみるといいでしょう。

◆転職サイト@type診断

株式会社キャリアデザインセンターが運営する転職サイトです。

さまざまな分野の全国対応求人を取り扱っており、残業時間の削減目的以外にキャリアアップを目的にした転職にも活用できます。

 

◆キャリコネ

求人元企業で働いている人の口コミや評判を見ながら、転職活動が行える転職サイトです。

企業の印象操作などが行われておらず、より働く環境を具体的にイメージしながら求人を探すことができます。

 

「応募先がイメージや事前情報と違う職場だったらどうしよう…」と不安を感じている人には最適な転職サイトです。

■転職後に残業代分のお金を稼ぐ方法

最後に残業が少なくなったあと、前職での残業代分のお金を稼ぐ方法について触れておきたいと思います。

 

自由に使える時間が増えるのですから、残業代分の副業をするのも1つの手段です。

働き過ぎは転職の意味をなくしてしまいますが、普段は早々に帰宅して休日だけ副業をするなど、休暇と副業のバランスを取りながらであれば問題ありません。

 

ただ会社によっては副業禁止のところも多いので、事前に相談しておくか自己責任で行ってください。

◆ネットビジネス

最近はクラウドソーシングやネットビジネスが発展しており、パソコン一台で副業ができる時代です。

 

アフィリエイト・ライター・デザイナー・ネットショップなど、自宅に居ながらお金を稼ぐことができます。

土日など休みだけ行っても、月に数万円程度の収入にはなるでしょう。

◆日雇い派遣

パソコンが苦手でネットビジネスのハードルが高く感じる人は、日雇い派遣を活用しましょう。

 

派遣会社にスタッフとして登録しておけば、特定の曜日だけ日雇いで働くことができます。

日雇いの派遣業務も幅広く、データ入力から肉体労働までさまざまです。

 

その他転売ビジネスや株・スキル販売など、昔では考えられなかった副業が多々存在します。

自分に合った方法を選ぶようにしましょう。

 

■まとめ

残業100時間と60時間は給与こそ10万円に満たない差額ですが、健康面のリスクが大きく違ってきます。

 

残業が少ない職場に転職すれば、その時間を使って健康・金銭の両方を得ることができるかもしれません。

まずは身体を第一に、健康的に毎日を過ごせるようにしましょう。