心臓血管外科医師の平均年収はいくら?転職方法も紹介

心臓血管外科医師の平均年収はいくら?転職方法も紹介

心臓血管外科は心疾患(心臓弁膜症、不整脈、冠動脈疾患など)や大動脈疾患など心臓とその周辺の血管を中心に外科的な治療を行う診療科です。

「心臓」という大切な部分に触れるという仕事だけに厳しさもありますがやりがいもあり、最近は医療技術の進歩によって循環器内科医と連携する機会が増えています。

このページではそんな心臓血管外科医の年収や働き方、転職する方法についてご紹介します。

心臓血管外科医の平均年収はどれくらい?

心臓血管外科医師の平均年収はいくら?転職方法も紹介

厚生労働省が実施している「賃金構成基本統計調査」(2019年版)や、各転職サイトにある心臓血管外科医師の年収データを集計した結果、心臓血管外科医師の平均年収は1,500万ほどでした。

ただこれはあくまで平均なので勤務医と開業医、地方と首都圏、勤務している医療機関などの要素によって大きく数字が変わってきます。

また、年齢によっても年収は大きく異なってくるので、以下では勤務医や開業医、地方と首都圏、勤務している医療機関といった要素別に心臓血管外科医師の年収を詳しく紹介していきます。

心臓血管外科医の年収事情~勤務医の場合

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(2011年)によると、内科医と外科医の平均年収を比較すると、内科医は1247.4万円ですが外科医は1374.2万円で約127万円も高くなっています。

また、外科、内科、脳神経外科、整形外科の年収の分布は下記のようになっています。
(外科には心臓血管外科以外の外科も含まれています。)

年収外科内科脳神経外科整形外科
300万円未満2.1%3.5%1.0%4.2%
300~500万円未満2.4%7.1%3.9%3.8%
500~700万円未満4.7%7.4%2.9%2.5%
700~1000万円未満11.8%13.5%10.7%12.7%
1000~1500万円未満27.9%29.%221.4%34.7%
1500~2000万円未満39.1%28.4%40.8%33.1%
2000万円以上12.1%10.9%19.4%8.9%

年収が1500万円~2000万円未満の層は全診療科の中で脳神経外科が40.8%でトップですが、次に外科が39.1%と多くなっています。

それだけ外科系は年収が高いということがわかります。

ただ、心臓血管外科の診療は手術経験が求められます。そのため、経験が少ない若い医師の年収は低く、経験を積むほど高くなる傾向が見られます。

年代別に見る心臓血管外科医の平均年収

大手医師転職支援サイトの調査では、外科医(心臓血管外科医、脳神経外科医など外科系全体)の年代別平均年収は20代のほとんどが600万円~1000万円未満となっています。

しかし、30代になると600万円未満、1000万円~1400万円未満、2000万円以上のそれぞれが同割合(33%)になり、40代になると1000万円~1400万円未満が約32%、1500万円以上が半数以上を占めるようになります。

20代の若い外科医はみんな年収は低いですが、30歳を過ぎるとどこでどのような条件で働くか、また当直の有無やアルバイトの有無などで年収に差が出てくることがわかります。

医療機関別にみる心臓血管外科医の平均年収

医師の年収はそれぞれの医療機関が定める給与規定によって異なります。「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると医療機関の経営形態別平均年収は次のようになっています。

  1. 医療法人……約1444万円
  2. 個人……約1414万円
  3. その他の法人……約1406万円
  4. 公的……約1353万円
  5. 公立……約1347万円
  6. 社会保険関係団体……約1281万円
  7. 国立……約882万円
  8. 学校法人……約740万円

心臓血管外科医の勤務先は大学病院や民間病院が中心で、クリニック勤務はほとんどありません。上のデータからもわかるように、国立や公立の医療機関は給与が低いので、どこに勤務するかで年収が左右されます。

具体的にいくつかのケースを見てみましょう。

【国立病院機構の場合 】

国立系の病院に勤める医師の年収は下記のようになっています。
役職の有無で年収には差があり、役職についていない医師の平均年収は約1520万円です。ただ、これは全年齢の平均額なので、若い医師はもっと低いと考えられます。

(平成30年度平均額、ボーナスを含めた総支給額)

  • 医師……約1520万円
  • 医長……約1680万円
  • 部長……約1850万円
  • 副院長……約1960万円
  • 院長……約2050万円

(参考:国立病院機構 採用情報)
https://nho.hosp.go.jp/career/cnt1-0_000362.html#dr01

【都立病院の場合】

東京都立病院の給与は医師免許取得後の年数によって下記のように設定されています。
(基本給+地域手当+初任給調整手当 平成31年4月現在)

  • 医師免許取得後3年目……約487,500円/月
  • 医師免許取得後5年目……約524,300円/月
  • 医師免許取得後10年目……約603,000円/月

なお、ここには扶養手当や超過勤務手当、宿日直手当、賞与(令和元年は4.65月分)は含まれていません。

給与とボーナスの合計を年収に換算すると、医師免許取得後3年目で約820万円、5年目で約873万円、10年目で約1004万円となります。
宿日直手当など各種手当は含まれていないので、実際にはもう少し多くなります。

(参考:東京都病院経営本部)
https://www.byouin.metro.tokyo.lg.jp/about/shokusyu/doctor/saiyou/

一方、民間病院の場合はそれぞれの病院の給与規定があるので、求人内容をよく確かめることが大切です。

地域別にみる心臓血管外科医の平均年収

民間の医療機関は公的機関よりも年収が高いと書きましたが、それも病院や地域によってかなり違いがあります。

いくつかの求人例を見てみましょう。

地域内容給与
東京都新規開業の一般病院1400万円~2000万円
北海道診療体制強化のため1600万円~2000万円
群馬県常勤医師不足のため30代後半までの医師を募集1500万円~2500万円
静岡県常勤医師の負担軽減とオペ件数増加のため1400万円~2000万円
愛媛県常勤医師の補充、特にオペ担当を希望1600万円~1800万円
宮崎県体制強化のため1300万円~2000万円

このように首都圏だけでなく地方でも心臓血管外科医の求人は高報酬を提示しているものが多くあります。

特に常勤医師の数が少なく、現職医師の負担軽減や体制強化のために心臓血管外科医を募集している求人がたくさんあります。

心臓血管外科医の年収事情~開業医の場合

心臓血管外科は高度な医療機器を備え、スタッフの数も必要です。心臓系、血管系の手術は長時間にわたるものが多いため、患者さんの術後も万全な管理が求められます。

こういった背景から開業するケースは少なく、心臓血管外科医の約97%は病院勤務だと言われています。

また、厚生労働省「医療施設(静態・動態)調査」(平成29年)の「診療所の診療科目別にみた施設数」を見ても、心臓血管外科の施設数は386施設で全体の0.4%%しかありません。

(参考:厚生労働省 統計)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/17/dl/09gaikyo29.pdf

このように心臓血管外科として開業する事例は少なく、実際に開業するとしても心臓全般
を診る診療所や循環器内科系の診療所としてオープンし、心臓血管外科医は比較的小規模な手術や心エコーなどを受け持つ程度になります。

開業は初期費用と維持費がかかる

一般的に開業医の年収は約2500万円程度と言われていますが、開業するとなると初期費用として5000万円以上が必要です。

特に心臓血管外科系は高度な医療機器が必要なため、初期費用がかなり高くなります。また、維持費もかかるため、現実的には経営が難しいと言えます。

ただ、そんな中でも優れた手術実績を持つ先生は、知名度を活かして開業し集患に成功しているケースもあります。

心臓血管外科の勤務医が年収をUPする方法

心臓血管外科医師の平均年収はいくら?転職方法も紹介

心臓血管外科医として開業するのはハードルが高いと考えられるので、ここでは勤務医としていかに年収をUPするかについて考えてみましょう。

方法としては、次の4点があります。

  • 民間の医療機関で働く
  • 首都圏や大都市圏より地方(特に医療過疎地)で働く
  • 経験を積み、より有利な条件で転職を進める
  • どうしても収入が足りない場合はアルバイトをする

より好条件の職場に転職するのがポイント

ここまででご説明したように心臓血管外科医は国立・公立よりも民間の医療機関の方が給与は高いです。また、多くの求人例からも首都圏や大都市圏より地方、特に医療過疎地の方が好条件で求人を出しています。

さらに高報酬を得るには、心臓手術の経験を積んでその実績をアピールして報酬交渉を有利に進めるという方法があります。

なお、どうしても収入が足りないという場合はアルバイトをする方法もありますが、外科医は労働時間が長い上に緊張感のある手術を多く行います。医療ミスを防ぐためにも無理は禁物です。

先生ご自身のワークライフバランスを保ちながら年収を上げるように考えていきましょう。

心臓血管外科医は激務!~年収と働き方のバランスが重要

心臓血管外科医は年間何件もの手術をこなすため「激務」と言われます。経験値を高めるには手術件数が多い医療機関で働くのが理想ですが、少し緩やかに働きたいという場合は「手術なし」の求人を探すのもひとつの方法です。

例えば循環器内科医が不在の医療機関では、「手術はないが心臓カテーテルができる医師がほしい」というケースがあります。大がかりな手術が必要な場合はそれなりの設備が整っている病院に紹介すればいいでしょう。そういった働き方も可能なので、転職支援サイトで相談してみるといいでしょう。

心臓血管外科医の年収や働き方~まとめ

心臓血管外科医師の平均年収はいくら?転職方法も紹介

心臓血管外科医の年収は内科よりも高い傾向があります。ただ、手術の経験が求められる診療科なので若い医師は年収が低いため、アルバイトをする先生もいます。

一方、経験を積んだり、高度な医療機器を使いこなしたりできるようになると年収UPが期待できます。

また、勤務する医療施設によっても給与体系が異なります。心臓血管外科医として年収を上げるには、公的医療機関よりも民間機関に勤務するのがおすすめです。なお、民間でも地域によって年収は異なります。特に地方の方が高報酬の求人が多いので探してみましょう。

一方、心臓血管外科医で開業するケースは少ないのが現実です。

勤務医として働く場合でも心臓血管外科医は長時間の手術が多く、激務だと言われています。年収だけでなく先生の心身の健康も維持しながら働けるように考えてみましょう。

転職支援サイトではさまざまな角度から相談やアドバイスを受けることが可能です。転職も視野に検討されることをおすすめします。

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