
転職をする際、もっとも気を付けたいのはブラック保育園に就職してしまうことです。
一見すると普通でもブラック保育園には共通した特徴があります。求人の内容でも見分けることが出来るので、ホワイト保育園の見つけ方と合わせて転職前にチェックしておきましょう。
常識では考えられない!ブラック保育園の特徴

働き方改革で環境の整備が進んでいる保育業界ですが、いまだに保育士を酷使する労働環境を強いているブラック保育園は少なくありません。
ここでは、ブラック保育園に共通している特徴をご紹介します。
保育士の年齢が偏っている
若い保育士ばかり、もしくはベテラン保育士ばかりというように、保育士の年齢が偏っているのはブラック保育園によくある特徴です。
本来であれば保育園も普通の企業と同じで、ベテラン保育士が若手の保育士を教育しながら育てていくのが一般的です。
若い保育士だけでは保育士としてのノウハウが不足しますし、ベテラン保育士だけでは保育方法の柔軟性がなく時代にそぐわない保育になってしまいます。
こういった状況になるのは、若手だけが優遇されたりベテランが若手にパワハラをしたりしている可能性が高いです。
保育士の年齢や経験年数に偏りがあるのは、本来の保育園の労働環境が形成されていない証拠になるので要注意です。
子供の元気がない
保育士の労働環境が悪いと保育のレベルにも大きな影響が出ます。ブラック保育園の保育士は常に体も心も酷使しているため、ちょっとしたことで子供を怒ってしまったり、大声で怒鳴ったりします。
また、子どもが泣いても放置をしたり、自分が保育しやすい子供をえこひいきするなどの状況が生まれます。
保育園は閉鎖的な空間なので、このように子供への対応が悪い保育士が多いと子供は萎縮して元気がなくなってしまうのです。
子供は状況や環境を言葉で伝えることが出来ませんし、身を守る本能が働いて親に何も言えないままになるため、ブラック体質を増長させてしまうこともあります。
保育士が頻繁に入れ替わる
当然ですが、ブラック保育園というのは人がすぐに辞めてしまいます。
そのため、保育士が頻繁に入れ替わるという特徴があります。いつみても求人が出ていたり、人が入っている様子なのにすぐに募集が再開されるような保育園は要注意です。
ブラック保育園だと募集をしても応募がないのでは、と思うかもしれません。しかし、ブラック保育園には募集要項に実際と異なる好待遇を記載しているところもあるため、比較的人員が集まりやすかったりします。
残業なしと書いているのに実際は残業が大量にあったり、休日や給与が求人票とは全く異なるということはブラックではそれなりにあります。
しかし、いくら新しい保育士を補充できたとしても数ヶ月で待遇や労働環境が悪いことはバレますし、そんな環境なので新しい人もベテランもどんどん辞めていくので、結果として保育士が頻繁に入れ替わるという特徴があるのです。
サービス残業が当たり前になっている
ブラック保育園の中にはタイムカードなどが導入されておらず、出勤簿に捺印をするだけというケースもあり、残業をしてもそれがお給料に反映されません。
なお、2019年4月からは、タイムカードやパソコンの使用記録など客観的な方法で労働時間を把握することが、法律で事業者に義務づけられています。
そしてブラック保育園の労働時間はブラック化が常態化していますから、子供達の保育が終わってから行う事務作業はサービス残業となるのが当たり前になっています。
園側としては子供のお昼寝の時間に事務作業をすれば良い、残業したくないなら持ち帰ってやれば良いというブラックな考え方なので、残業代に関してはまったく払う気がないのが実態です。
有給休暇を取れない
ブラック保育園は人手不足のところが多く、規定の人数ぎりぎりで保育を行っているため有給休暇を取得出来ないのが一般的です。
有給休暇は保育園の好意で与えるものではなく、労働基準法によって与えることが義務づけられています。
特に働き方改革後は年に5日の有給休暇を取得させることが経営者に義務づけられており、取得させないと違法となり罰則が与えられます。
しかし、それは労働者側が訴えなければほぼ発覚することではないので、働き方改革後も有給休暇を取らせないブラック保育園は少なくありません。
保育士も職業柄子供の安全が脅かされたり同僚に迷惑をかけたりしないよう気を使ってしまい、有給休暇取得を諦めて訴えない人が多いため、結果的に有休を与えないブラック保育園も摘発されないのが実情です。
経営者の一存で方針が決まる
経営者には一般職員にはない大きな責任があるため、保育や運営方針を決める権限が付与されています。しかし、経営者がすべてを独断で決めており、職員の意見が全く反映されないというのは異常です。
こういったブラック保育園は家族経営されているパターンが多いです。子供のためにならない方針であっても反対意見が言えないような環境になっているなら、明らかにブラックと判断して良いでしょう。
上司に対して意見を言うのはハードルが高いので、働いている側はブラックだと気がつかないこともありますが、一般の企業と同じように利益追求に固執したり、子供や保育士のことを考えず方針を決めるような経営をしている保育園には注意しましょう。
パワハラが日常化している
一般企業でも問題になっているパワハラは、保育園でも起こっています。また、園長や管理職がパワハラと指導を勘違いしていることも多いです。
パワハラは最初は指導的な感じで始まるので、パワハラを受けている本人も気がつかないままエスカレートしていきます。
指導とパワハラを区別するには、パワハラにあたる具体的な内容を知っておくのがポイントです。厚生労働省は、身体的な攻撃、人前での叱責や人格を否定するような精神的な攻撃、仲間外れなどの人間関係からの切り離し、明らかに不要なことや遂行できない仕事を押しつける過大な要求、能力とかけ離れた仕事しか与えない過小な要求、私的なことに過度に立ち入る個の侵害の6つを代表的な類型として挙げています。パワハラの防止措置は、2022年4月から中小企業を含むすべての事業主に義務づけられています。また、休憩を取らせない、退職を申し出ても辞めさせないといったことも、それ自体が法律上の問題になります。
他にも、人格を否定されたり、プライベートなことまで批判されたりする場合もパワハラに該当しますので、当てはまるようなら転職を検討した方が良いでしょう。
間違って応募しないためのブラック保育園の見分け方
保育士として転職をする場合、当然ですが求人募集から応募しますが、この段階でブラック保育園と気づかず応募してしまう方も多いようです。
自分の希望条件に適しているかどうかで応募を決めてしまうと、実はブラック保育園だったなんてことになりかねません。
ブラック保育園は求人募集からも見分けることができるので、紙面上のブラックチェックも忘れないでください。
いつも求人募集をしている
求人募集でブラック保育園を見分ける一番簡単な方法は、いつも求人募集をしているということです。
いろいろな求人媒体で募集している、求人情報が更新されてもまた募集情報が掲載されているのはブラック保育園の確率が相当高いと言えます。
常に求人募集をしているのは、新しく保育士を雇ってもすぐに辞めてしまう、複数の離職者が出ている証拠です。
人がすぐに辞めるのは職場の環境が悪い、もしくは掲載されていた労働条件と実際が違うなどの可能性が高いため、ブラック保育園だと考えられます。
家族経営の私立保育園
断定できるわけではないものの、家族経営の私立保育園の中にはワンマン経営になっているところもあるので、注意が必要です。
園長や副園長はもとより、会長や理事長も一族の場合、子供や保育士ではなく自分達の利益や地位などを優先する運営体制になっていることもあります。
そのため、人件費を削減するため人手不足になる、サービス残業をさせるなどブラック保育園が形成されてしまうのです。
園の経費削減のしわ寄せはすべて保育士に来ますし、少しでも上司を怒らせてしまうと一存で待遇が悪くなることもあるので、家族経営の保育園に応募する場合は、見学や面接で運営方針や職場の雰囲気をよく確認しましょう。
給与が「例」でしか表記されていない
給与が「例」でしか表記されてないのは、注意が必要です。給与は募集をするうえで最も重視される項目の1つですから、それを曖昧な数字でしか表記しないのは明らかにおかしいです。
例えば、「月収例 23歳 248,000円(残業代・諸経費含む)」という表記はよく見かけますが、これはよく見ると基本給がいくらなのかすらまったく分かりません。
数字が記載されていると何となくそれが基本給のように思えてしまいますが、実際は残業代が40時間含まれた計算になっていて、手取りは十数万しかないなんてケースは多いです。
他にも経験者優遇などの曖昧なワードで最低基本給しか書いていないのも要注意です。優遇と書いてあっても実際にいくら優遇されるかは不明で、実際に働いてみたら基本給しかもらえないケースも珍しくありません。
こういった募集をしている保育園に応募する場合は、面接で基本給や手当の内訳を必ず確認しましょう。はっきり答えてもらえない場合は、応募を見直したほうが安心です。
園見学をさせない
園内の見学をさせていない保育園は、見学をされると応募してもらえないことが分かっているブラック保育園です。
ブラック保育園には、子供の元気がなかったり保育士同士の関係がぎすぎすしていたり、人手が足りず園内が雑然としているなど、見学すると一目でブラックと分かる特徴があります。
そのため、ブラック保育園は見学を受付けていないことが多いのです。
普通の保育園なのに相場よりも高待遇
保育士は一般職よりも給与や待遇が悪いといわれているので、今より少しでも高待遇の職場に転職したいという方も多いでしょう。
しかし、相場よりも高待遇の求人募集には注意が必要です。高額な保育料を徴収する私立保育園であれば別ですが、普通の保育園は税金と保育料で運営されていますから、ずばぬけて高額なお給料やボーナスを払うことはありません。
それなのに相場以上の高待遇条件を提示しているということは、そういう募集を出さないと人が集まらない保育園なのです。
このように高待遇を売りにするのはブラック保育園の常套手段ですが、もちろんそれが守られるとは限りません。
特にボーナス部分は労働基準法での規定がないので、たとえば求人には「ボーナス4ヵ月分」と書いていても、経営者がボーナスの支給が出来ないと判断すればそれまでです。
ホワイト保育園の見つけ方4選

ブラック保育園の特徴や見分け方を見ても、正しく判断できるか自信が無いという方もいるかもしれません。
そんな時は逆にホワイト保育園を探すという方法もあります。
ここではホワイト保育園の見つけ方をご紹介するので参考にして下さい。
園見学を受付けている
ホワイト保育園を見つけるには、まず園見学を受付けているかをチェックしましょう。優良な保育園は園見学を必ず受付けていますし、逆に見学を勧めてきます。
ブラックじゃない保育園であれば、保育士がころころ入れ替わるような環境は子供の保育にとって良くないことが分かっていますので、しっかり園内を見学してもらい、実際の現場を見て納得してから就職を検討してもらうことを前提としています。
園見学をしてもらえば面接とは違う角度から保育士のやる気や経験、保育への姿勢も判断できます。
ただし、園見学が出来ても保育終了後だったり、短時間で切り上げようとしたりするのは形だけの可能性があるので、じっくり見学できるかもチェックしておきましょう。
保育士に活気があるか確認する
見学をしたときには、園内の様子だけではなく保育士の状態を必ず確認しましょう。
保育園には市町村や国によって定められた配置基準があるので、これを守っている園であれば働く環境が整っていますし、保育士にも活気があります。
地域事情にもよりますが、人員を確保できていない、又はしていない保育園は保育士への負担が大きく、休みもまともに取れないことで疲弊していて疲れた様子で活気がないことがあります。
保育士が生き生きと働いている保育園はホワイトの証ですから、園見学の時に保育士の表情や仕事ぶり、子供への接し方に余裕があるか、子供達がのびのびとしているかなども確認しておくといいでしょう。
残業に関しても詳しく記載している
募集要項でホワイト保育園を見つけるポイントの1つが、残業について詳しく記載しているかということです。保育士の仕事で残業0にするのが困難です。
そのためホワイト保育園であれば残業について正確かつ詳しく書いているのですが、ブラック保育園の場合は残業代を払いたくないので、残業に関してざっくりと書かれていることが多いです。
ホワイト保育園であれば残業が職員にかかる負担をきちんと理解していますし、労働基準法を遵守していますから、月にどれぐらい残業があるのかがきちんと記載されています。
さらにしっかりした保育園であれば、残業代の算出方法も記載しています。
残業は保育士の業務にとって一番大きく関わってくるものですから、この負担をごまかさないで記載するのはホワイトな保育園と言えるでしょう。
残業無しには要注意!
求人情報の中には、残業無しと記載している保育園もあります。
一見、残業がないというのは魅力的に思えますが、正規雇用の保育士で残業がまったくない職場は多くありません。
どんな保育園でも、保育以外に事務作業やイベント準備があるので大なり小なり残業はあります。
正規雇用で残業がないのは、残業になるような事務作業を持ち帰らせている可能性があります。
もちろん100%嘘とは断言できませんが、多少の残業はどこの保育園でもあることなので、こういった求人募集に応募する場合は面接時にしっかり確かめてください。
ママ保育士が多い
ほとんどの保育園は、早番中番遅番の3交代制でシフトが組まれています。
人手に余裕のない職場では、子育て中の保育士がシフトの融通を利かせてもらうのは難しく、働き続けにくいのが現実です。
一方、ホワイト保育園は無理なシフトを組まなくても保育士同士の連携やサポートがあるので、ママ保育士でも問題なく働くことができます。
保育士不足が続く中、本来であれば潜在保育士となってしまうママ保育士が働ける環境を整えられるのはホワイト保育園ならではですから、ママ保育士が多いというのもホワイトを見つける基準の1つになります。
ブラック保育園の特徴と見分け方まとめ
ブラック保育園はブラックだと判断されないよう、不都合な部分を隠しています。
そのため、どんなに特徴や見分け方を熟知していても、ブラック保育園に転職してしまうリスクを100%回避するのは難しいのが現実です。
しかし、求人票をよく確認し、見学や面接で職場の様子や労働条件を確かめれば、ブラック保育園を引いてしまうリスクを大きく減らせます。
労働条件で困ったときは、各地の労働基準監督署や総合労働相談コーナーにも相談できます。ブラックとは縁のない保育園への転職を成功させましょう。