
たとえ嫌なことや不満があって辞めるとしても、無用なトラブルを回避するためには円満退職をするのが重要です。
特に保育士の場合は円満退職をするには現場に迷惑をかけない、子供や保護者にも退職する旨を上手く伝える必要があります。当記事ではそんな保育士が円満退職するためのポイントや伝え方を紹介しています。
保育士が円満退職する4つの方法!
不快感を与えない退職理由を考えておく

保育士が円満退職する上でもっとも重要なのが退職理由です。主な保育士の退職理由には給与や待遇への不満、人手不足による劣悪な労働環境、他の保育士や上司などの人間関係の悪化などが挙げられます。
中には結婚や出産などのおめでたい理由や、親の介護など家庭の事情でやむを得ずということもあるかもしれません。
ただどんな理由であっても、周りに不快感を与えない退職理由にすることを心がけてください。どうせ辞めるのであれば思い切り不満をぶちまけたい、と思うかもしれませんが、それでは退職日まで気まずい思いをしながら過ごすことになりますし、場合によっては退職を認めないとしてトラブルになる可能性があります。
たとえ何らかの不満が退職理由であっても、不満をそのままぶつけるのではなく、「新しい環境で〇〇に挑戦したい」など、前向きな表現で伝えるのがおすすめです。
ただし、不満が解消できれば今の園に居ても良い意志がある場合は、思い切って本当の理由を言うのもありでしょう。僅かですが待遇が改善される可能性もあります。
逆に待遇が改善されたとしても絶対に辞めると決めている場合は、その意思をはっきり伝えましょう。あいまいな伝え方をすると、しつこく引き止められてしまうこともあります。
年度末での退職を申し出る
退職は労働者に与えられた権利なので、辞める時期も自由に決められますが、保育士の場合は年度末に退職するのが基本です。
多くの場合保育士は担任を持っていますので、年度途中で辞めてしまうと国の配置基準で決められている保育士の人数を満たせません。
フリーポジションの保育士が多くいる職場であれば問題ありませんが、元々カツカツの場合は新しく保育士を募集しなくてはいけないので、同僚だけでなく職場全体に迷惑をかけてしまいます。
実際、保育園の中には就業規則などで年度末の退職を求めている所もあります。ただし、期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職を申し出てから2週間で退職できます(民法627条)。契約期間が決まっている場合は、やむを得ない事由がある場合などを除き、原則として契約期間の途中で退職することはできません(民法628条)。円満退職のためには、園とよく話し合って退職時期を決めましょう。
ただし、退職理由によっては年度末にこだわる必要はありません。ハラスメントによるストレス、同僚からのいじめ、園の移転により通勤ができない、親の介護をすぐに始めなくてはいけないなどの理由であれば、途中退職でも受け入れてもらえるでしょう。
しかし、急ぐ必要性のない退職理由の場合は、年度末に退職を申し出るのが円満退職のポイントです。
退職を伝えるタイミングは2ヵ月前までに!
周りに快く退職を受け入れてもらうには、仕事上で迷惑をかけないようにすることも重要です。そのために必須なのが、引き継ぎの時間に余裕があることです。
どの保育士も業務内容はほとんど同じですが、それでも自分のクラスを請け負ってもらったり、自分のやり方で進めていた事務作業を人に教えたりするには、引き継ぎにもそれなりの時間が必要です。
つまり十分な時間がないと、退職した後で他の保育士に迷惑をかけてしまいます。自分は辞めるから関係ない、という考え方では円満な退職は出来ません。
民法上では、契約期間が決まっていない雇用の場合は退職日の2週間前までに退職することを伝えれば良いとされています。
しかし、2週間で子供達のことやクラスのこと、事務作業や担当業務の引き継ぎをするのは難しいのが保育士の実情です。
出来れば2ヵ月前、最低でも1ヵ月前までに退職の意志を伝えましょう。ただし、就業規則で退職の申し出期日が決まっている場合は、必ず期日までに伝えてください。
退職希望は口頭で伝えること!
退職希望は、まず口頭で伝えることがマナーです。最初に伝えるのは直属の上司か園長ですが、どちらに伝える場合でも必ず口頭で伝えるのが礼儀です。
口頭で伝えるのは気まずいかもしれませんが、いきなり退職届を提出するのは、相手の意見に耳を貸すつもりがないという意思表示と捉えられてしまいます。
不満やトラブルがあればすぐに退職届を出してすっきりしたいと思うのも当然かもしれませんが、まずは口頭で退職の意志と理由を伝えましょう。
引き止められても、辞める意思が固いことを落ち着いて伝えれば大丈夫です。退職届は口頭で伝えて納得してもらった後で出すのが一般常識ですので、流れを間違えないようにしてください。
保育士が円満退職するための同僚への退職理由の伝え方

同僚への退職の伝え方はタイミングを間違えると仕事に支障がでるので注意しましょう。
また、たとえ仲の良い同僚であっても、退職の理由で不平不満を言ってしまうと、園に残る側の保育士の気持ちも萎えてしまうので安易な伝え方はNGです。
ここでは円満退職のポイントの1つとなる同僚へのベストな伝え方をご紹介します。
伝えるタイミングは引き継ぎ前がベスト
同僚に退職のことを伝えるのは、引き継ぎをする前がベストです。
そもそも、採用や退職など人事は園の運営に関わってくることなので、自分で勝手に判断して同僚や周囲に話せる事柄ではありません。
迷惑がかからないように早めに伝えた方が良い、と思うかもしれませんが、引き継ぎのことが決まっていないうちに知らせてしまうと、周りを混乱させたり余計な負担をかけたりすることになります。
退職が決まったとしても、自分も同僚も毎日の仕事があるのですから、引き継ぎの流れが決まるまではそのルーティーンを崩さないようにしましょう。
個人的な付き合いがある同僚には事前に伝えたくなるかもしれませんが、話が広がってしまうかもしれないので出来れば周りに伝えるタイミングと合わせてください。
退職理由はオブラートに包むこと
退職することを同僚に伝えると、なぜ辞めるのか理由を聞かれるかもしれません。
もし理由が家庭の事情やおめでたいことであれば、自分の判断で話しても良いでしょう。
しかし、労働環境への不満や人間関係のトラブルなどネガティブな理由の場合は、ダイレクトに伝えないのが円満退職のコツです。
自分は辞めるので良いとしても、同僚は働き続けるのですから、その職場の不満や不平を言われたら気分を害してしまいます。万が一同じ不満を持っている同僚がいたら退職の連鎖が起きて職場に迷惑をかけてしまうでしょう。
ただし、嘘の理由を伝えると、あとで気まずい思いをしながら働くことになるのでやめましょう。
詳しく話したくない場合は、「いろいろ考えて決めました」など、詳細には触れずに伝えれば十分です。
仲が悪い人にも退職の挨拶はするのが無難
保育士が多い職場では、同僚でも仲が悪い人がいるかもしれません。また、場合によってはその同僚が退職理由になっていることもあるでしょう。
そのため、仲が悪い人に対しては、「もう退職をするのだから挨拶しなくてもいいだろう」と思ってしまいがちですが、気持ちよく退職をするためには嫌いな相手でもしっかり最後の挨拶をしておくのが社会人としての礼儀です。
気持ち的には嫌かもしれませんが、わざと無視をするような形になると嫌がらせを受けて退職日までの業務に支障が出たり、引き継ぎがスムーズに出来なかったりする可能性があります。
いくら仲が悪くてもうわべだけでも「お世話になりました」と言っておけば逆にすっきりするので、最後と割り切って挨拶だけはきちんとしておきましょう。
保育士が円満退職するための子供達への退職理由の伝え方
円満退職には関係ないように思えるかもしれませんが、子供達にもきちんと退職することを伝える必要があります。
大好きな先生が突然いなくなってしまったら現場が混乱して、他の保育士に迷惑をかける可能性もあるので気を付けましょう。
伝える前に園長に相談する
本来であれば、子供にもきちんと退職することを伝えるべきですが、園の方針によっては事前に伝えないとしているところもあります。まずは園長に相談しましょう。
そこで勝手に伝えてしまうとせっかく円満退職出来る環境を整えても、全てぶち壊しになってしまう可能性もあるので注意してください。
保育園側からすると子供達が動揺したり保護者に不安を与えたりしないよう、タイミングを見計らって伝えたいという思惑もあるかもしれません。
退職するまでは職員ですので基本的には園の方針に従い、先走って伝えないようにしましょう。
不安にさせる別れ方をしないこと
子供に伝える上で重視したいのが、不安にさせないことです。子供にとって保育士は、保育園に行けば絶対に居てくれて、昼間はママ代わりになってくれる大切な存在です。
その先生が突然いなくなれば、どんな退職理由であれ子供はショックを受けますし不安になってしまいます。
ある程度言葉が分かる年長さんでも辞める理由や退職の意味を理解するのは難しいですから、貴方が辞めることへの悲しみや不安の方が大きいです。
そのため、辞めることにフォーカスして伝えるのではなく、「遠くへ行くけどみんなを応援しているよ」「みんなの成長を楽しみにしているからね」など、前向きなお別れの言葉で伝えるのがおすすめです。
また、子供は難しい言い回しをしても理解できないので、分かりやすい言葉でゆっくり伝えることを心がけましょう。
保護者にはお礼と後任者について説明をしておきましょう
子供達に辞めることを伝える場合は、保護者にもきちんと退職の挨拶をしておきましょう。
子供からの又聞きで退職が伝わってしまうと、保護者は「園に問題があるのでは」と不安になってしまいますし、途中退職であれば後任の先生がどんな人なのか心配になります。
ですので退職をすることは、保護者が不安にならないよう、言葉を選んできちんと伝えましょう。
園への不満などのネガティブな話は保護者の不安をあおったり、園に不信感をもたれたりしてしまうので、退職理由を詳しく話す必要はありません。
また、子供を預からせてもらったことへの感謝と保育に協力してもらったお礼も併せて伝えると、より円満な退職に繋がります。
会えない保護者がいる、もしくは登園やお迎えの時に伝えるのが難しい場合は連絡帳や園便りなどを使い退職の挨拶をしておきましょう。
保育士の円満退職の方法や退職理由の伝え方まとめ
保育園を退職して新生活を気持ちよく始めるためには、今までお世話になった園長や同僚、そして園児から笑顔で見送ってもらうのが理想です。
ただ、保育士不足が続く中での退職は、どんなに言い方に気を使っても反感を持たれたりしこりが残ったりすることもあります。
それでも、退職を伝える時期や伝え方に気をつけ、引き継ぎをしっかり行えば、円満退職に近づけます。退職後の仕事探しには、ハローワークや各都道府県の保育士・保育所支援センターなども活用してみてください。