教師辞めたい…教師から転職した人の離職率1%(20代は3%)の理由と原因

教師辞めたい

「学校の先生は忙しすぎる!」
これが、今の教師を取り巻く環境です。

具体的には

  • 学習指導要領による教える内容の増加
  • 部活動による長時間の拘束
  • 残業代が出ない「教職員給与特別措置法(給特法)」
  • 総合学習の準備
  • 会議の報告書や様々な研修
  • モンスターペアレンツの増加
  • 多様な生徒への配慮(昔のように画一的な指導ができない)
  • ネットやスマホの発達によるいじめや問題行動の深刻化

など挙げればきりがありません。

給特法ができた1966年と比べて、今の教師の残業時間は倍になっています。

残業代ゼロ 教員の長時間労働を生む法制度

外から見れば、残業代も出ず、ひたすら馬車馬のように働かせる「ブラック労働」そのものです。使命をもって教育に臨んでいる先生方は「やりがい搾取」されているともいえます。

そうした中で、心身を壊し、職場に絶望し、離職、転職する人も後を絶ちません。実際にあこがれだった(はずの)教師を辞めて転職した人の理由はどういうものなのでしょうか?やはり教師の離職率は高いのでしょうか?いろいろまとめてみました。

教師から転職した人の離職と離職の理由と原因を知るメリットはこれ!

  • 離職率自体は公務員全体と比較して大きくありません
  • しかし、業務負荷の増加で休職者がかなり増えています
  • 業務負荷は特に部活動などによって大きく増えています
  • 転職理由は学校のシステム上のことが大きく影響し、教師本人の努力ではどうにもならない段階にあります
  • 若いうちならば十分転職できることを理解します

教師の離職率は実は1%未満だった!?激務で追い込まれているのでは!?

教員の離職率は低い

学校の先生は激務なので離職率も相当高いのでは?と思われるかもしれませんが、そこまででもなく、むしろ公務員全般とそれほど変わらないことが調査で分かっています。

平成 28 年度 地方公務員の退職状況等調査|総務省によると
教員の離職率は「0.7%」でと比較しても全然高くありません。

他の公務員

一般行政職 0.80%
警察官 1.00%
自衛官 1.00%
消防士 0.60%

警察官や消防士など公安系の公務員の方が離職率が高くなっています。計算の仕方にもよりますが、高くても2%未満だといえるでしょう。

民間企業全体の離職率は約15%であり、そこと比較しても全然高くないですね。学校の先生を目指している人は、本当に真面目で過酷な環境にも耐えていらっしゃることがわかります。率直に尊敬します。

昔は「デモシカ先生」(目的がないから「先生にでも」なってみるか。「先生しか」なれないダメ人間が就く職業)と揶揄されましたが、今は能力と目的と理想と根性がないととても務まらない職業だとわかります。

ところが「教師 離職率」などで検索すると、50%近い離職率があるというデータを示すサイトもあります。これは巧妙なミスディレクションです。

新規学卒者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)|厚生労働省

によると、「教育・学習支援業」の新卒3年以内の離職率が46.2%となっています(高校卒業した人ではさらに高い59.4%です!)。これをもとに「教師の離職率は50%近い」と書いているサイトもありますが違います!

教育・学習支援業は民間企業であり(つまり公務員の公立学校教師は含まない)、実際は

  • 学習塾講師
  • 通信講座を運営する会社の社員
  • スポーツインストラクター
  • 教育情報システム会社
  • 英会話学校

などが含まれます。

離職率が高いのは学校の先生ではなく、これらの会社の社員です。
昔問題となった悪名高きウルトラブラック企業の「中央出版」(および大成社など系列企業)もこのカテゴリです。何十万円もする教材を飛び込み営業するこの会社の社員は、辞めて当然ですよね。

まさに2人に1人の割合で教育に関係する仕事が続かないことがわかっています。

大学卒業者の3年以内の離職率平均が約30%ということからすると、教育産業はかなり大変なのですが、教師の離職率とは直接的な相関関係はなさそうです。

半面多すぎる休職率~クビにはならないがキャリアは終わる

休職率は年々増加

では、離職したり退職したりする教師は甘えていてストレス耐性がないのでしょうか?

違います!

激務やストレスによって教師の病気休職者、休職率は年々増加しています。

精神疾患 うつ病など休職教員5045人 続く高止まり|毎日新聞

精神疾患による休職者は教師全体の約0.6%で下がる兆しが見えません。この割合は、従業員が~1000人までの民間企業とほぼ同等の割合になっています。

つまり、民間企業よりも離職率は低いものの、激務等で病んでしまう先生は民間企業並みということです。

民間企業では転職してその環境から逃れるのは当たり前ですから、教師の転職もまったく不思議ではありません。

逆に、休職→復職→休職を繰り返してしまうと、教師としてのキャリアは終わってしまいます。現場に立てず、遺跡の発掘など関連団体に出向して定年までというケースもあります。教師としてやる気がある人も、もうチェックメイトになってしまいます。

若手教師は離職率が高い

教師の離職率は年代で違う

前述のように、教師(公立)の離職率は全体で0.7%と書きましたが、年齢によって過多があります。

少々古いデータ(2009年)なのですが、
教員の離職率(2009年度)②|データえっせい
を見てみましょう。

リンク先資料によると、20代の教師の離職率は「25.1‰」(パーセント(%)ではなくパーミル(‰))、つまり1000人中25人が辞めています)。%に直すと2.5%です。30代、40代になるにつれて離職率は大きく下がり、1%を切ります。

離職率が高いのは

  • 女性>男性
  • 中学校>高校=小学校

です。

また、2006年と2009年を比較しても公立中学校の離職率が大きく上がっています。中学校の先生はすさまじく大変だと言えます。おそらく今はもっと離職率が上がっているでしょう。

つまり、20代のうちにうつ病などで休職の「アリ地獄」に陥る前に、さっさと転職活動をするのは、なんら不思議ではなく、むしろ、まだ他業種への転職が可能なうちに、教師に向かない人、職場が大変すぎる人は、転職活動をする方がよさそうです。

教師の転職理由とその原因7つ!

それでは具体的にどういうことが原因で、教師を続けられずに転職をするのでしょうか>見ていきましょう。

業務量が多くてとにかく多忙で休めない

業務量が多すぎる…

教師の仕事は、本来業務である子どもへの教育(教科の指導&クラス運営&生徒指導)だけではありません。

いちばん多忙化に拍車をかけているのが部活指導、こちらは業務ではなく「任意」でやっているという建前なのでほぼボランティアでお金ももらえません(一部手当が出ても、1日2000円とか冗談みたいな額です)。

運動部(特にサッカー部やバレー部、バスケ部など)や吹奏楽部の顧問になってしまえば、休みも自分の時間もほぼなくなります。民間企業や他の公務員で、ここまで本来業務以外に捧げることを強いられる仕事はないですよね。

それ以外にも「校務分掌」(学校の事務仕事を先生方で分担する)、PTAの運営、教育委員会への報告書の作成・・・、授業を行い、6時間目を終えるだけでも定時になるのに、それ以外にこれだけの仕事があり、上述の「給特法」で残業代が1円も出ないという恐ろしい状況です。

これならば残業しただけ支払われる(はずの)民間企業や、他の公務員の方がマシです。

労働時間の管理ができない

先生の労働時間の把握ができてない

「給特法」で残業代がない影響で、残業時間を把握しても意味がないという考えにつながり、学校ではタイムカード管理をせず、出退勤を時間で記録しないところも珍しくありません(押印のみなど)。

残業代の概念がある職場ならば「●●さんの時間外勤務が多すぎる。業務負荷が大きいのか聞いてみよう」ということになりますが(ならない職場も多いですが)、学校では、校長先生や教頭先生も各先生の労働時間の把握ができてないところが多いです。

つまり「〇〇先生は今大変だ」ということがわからないのです。
労働者ではなく各教師は個人事業主のような立場に置かれています。これでは周囲は助けてくれないので転職してしまいます。

業務のスクラップビルドができない

減らす勇気がない

教育の世界にはどんどんIT技術が進出していて、タブレットによる授業や電子黒板も導入されています。一方で、昔ながらのやり方も継続していて、要はやらなくていい仕事を続けて、さらに新しいこともしないといけなくて、業務量が増えてしまいます。

毎日、手書きの「学級だより」を書く先生がいますが、手書きで紙にプリントすることに意味がないならば、メルマガにしてクラスの家庭にメールしてもいいのではないでしょうか?そうすれば印刷の手間がなくなり時間がカットできます。

行事も同様で、あらゆる行事を企画し、「こなす」ことが目的化していることがあります。「総合学習」(総合的な学習の時間)の導入で、この時間を使って既存の行事を置き換えることもできるはずです(がしない)。

教育は様々なことをさせたい、絶対的に無駄なことはないので、減らす勇気がないのです。この考えでさらに多忙化して転職を促してしまいます。

理不尽な保護者の対応が辛い

理不尽な保護者の対応

昨今の様々な事件でも明らかなように、モンスターペアレンツの行動は年々常軌を逸して来ています。

「裁判を起こすぞ!」
「教育委員会に訴えるぞ!」
「今の言葉、録音したからな。twitterに上げて炎上させてやる!」

こういう親への対応が本当に大変です。民間企業でもモンスタークレーマーがいますが、学校の場合モンスターペアレンツは「固定客」で1年間365日対応しないといけないわけです。

最悪の「カスハラ」をずっと受け続けることになり、一方で民間企業のように訴訟などで反撃できないので追い込まれてしまいます。

授業がうまく進行できない

先生としてのスキル不足

こちらは本来の先生としてのスキルがない、教師に向かない人だったということです。
これは他の仕事でもありますよね。向かない仕事を続けても自分を追い込んでしまうだけです。

これは比較的「正統派」の転職理由と言えるでしょう。

生徒指導で病んでしまう

生徒指導で病んでしまう

最近話題となった「町〇総合高校」の炎上動画騒動でもそうですが、うかつな生徒指導をしてしまうと、それを逆手に取られて反撃されます。そうした生徒の親がモンスターペアレンツであれば、うつ病になってしまってもおかしくありません。

生徒が昔よりも悪くなっているということはないでしょうが、先生側の取れる策が80年代のようにはいかなくなっているのも事実で、「武器」がないのが現状です。

教員同士の人間関係がうまくいかない

教師同士の人間関係

人間関係による転職は、民間企業でも当たり前にありますし、それがいちばん大きい転職の理由でしょう。そういう意味では、教師の転職でこの理由があるのも頷けますが、先生の世界は他の公務員や民間企業とは異なる部分があります。

それは管理職である校長や副校長、教頭などを除くと、すべての教師が「一人前の先生」として同じパフォーマンスを求められるということです。

民間企業の場合

  • 新入社員
  • 10年目の主任、係長クラス
  • 部長、課長

に求めるものは、社内でも顧客でもまったく違いますし、それはみんなが理解しています。

しかし学校の場合「○○先生は1年目だから仕方がない」ということは親も生徒も通じません。
また、同僚教師であっても「若いから大目に見る」とか「業務負荷を減らす」ということはありません(むしろ若い先生ほど大変な運動部の顧問を押し付けられます)。

そういう年齢と職務経験と実際の仕事のバランスが悪くなると、人間関係がよりギスギスしてしまいます。

教師が転職する理由はやむを得ないものばかりで自分だけでは変えられません

年齢が若いほどやり直しがきく

このように学校の先生(教師)は、制度上、大きな負荷から逃れることができない構造に組み込まれてしまっています。向かないと感じた場合、年齢が若ければやり直しはいくらでも可能です。

教員採用試験を通るだけの知識と能力があるのですから、他の公務員への転職や(公務員試験は余裕)、民間転職も十分検討に値するはずです。

転職、離職は甘えではなく、避けられない原因によるものです。ご自身の人生がおかしくなってしまっては、家族の幸せもありません。学校の先生は真面目で責任感が強いので、自分で多くを抱え込んで病んでしまいます。

自分一人で、戦後70年かけて形成された学校社会を変えるのは無理です。耐えて、子どもへの教育へ捧げることだけが正義ではありません。近視眼的にならず別の選択肢―転職や他の公務員試験受験―も考えてみてはいかがでしょうか?

数字上、若い先生ほど追い込まれています。

公務員からの転職も珍しくなく、マイナス評価にならない方法もあります。ぜひ、向かない、耐えられないという場合、転職も検討してみてください!

教師辞めたい…教師から転職した人の理由と原因 まとめ

まとめ

  • 教師の離職率はそこまで高いわけではなく他の公務員並み
  • しかし、精神疾患による休職者は年々増加して、民間企業並みかそれ以上になっている
  • 教師の周囲には様々なストレス要因がある
  • 年々業務負荷が増えて残業時間は「過労死ライン」を超えてひどいことになっている
  • 特に部活指導の負担は非常に重くあらゆるところにしわ寄せがきている
  • 離職率は他の公務員と変わらないが、休職率は民間企業並みで高い
  • 一度病んでしまうとキャリアが絶望的になる
  • 教師からの転職理由は本人ではどうすることもできない構造的な問題が多い
  • 20代の教師の中には転職する人も多く受け皿もある
  • 転職の判断は早い方がいい

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