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楽な仕事がしてえ!

はい、誰しもそうだと思います。よく「生産性を高める仕事術」とかありますけど、あれ僕全部間違っていると思うんですよ。労働者にとって「生産性が高い」というのは「極力働かずに金をたくさんもらう」ということです。業務効率を上げればあげるほど、労働者としての「生産性」は下落します。
この概念、本当に謎で揶揄的な意味での「経営者目線」というやつだと思うんですが、持っていても一つも良いことはないので今すぐゴミ箱にダンクしましょう。本物の生産性を上げる必要があなたにはあります。

さて、そんな話を枕に本日のテーマは「楽な仕事」です。僕も色んな仕事をしてきました。楽なのからしんどいのまで様々でした。それぞれ一つずつ考えていって、本当に「楽な仕事」というのは何か、探っていきたいと思います。

1. 浄水器営業

最近は下火になりましたが、一昔前唐突にピンポーンと鳴って「水質検査しませんか?」ってアレ来ましたよね。僕は若いころアレやってました。僕の職業体験における最初の「楽しい」はこの仕事だったと思います。

というのも、この仕事は非常に裁量が大きかったのです。なにせ、「浄水器」の定価すら定まっていないし、営業マニュアルもほとんど存在しない。なんかカスみたいなのあった記憶があるけど読むだけ時間の無駄の代物でした。

しかし、戦略を考え自分で営業先を絞り込み、トークで売り付ける。浄水器の品質は胡散臭く、全く持って褒められたお仕事ではないですが、僕はこの仕事をかなり楽しんでいました。でも、一般的にこの仕事は「最悪」と言われる部類の仕事です。

実際、朝礼では売上が悪い人間がガッシガシに人格も存在も否定されていました。ブラック企業あるある「詰め朝礼」です。人間が次々に破壊されていくのを目の当たりにしました。でも、僕自身がこの「詰め」を苦にしたかというと、それほどでもなかったです。「売れないと怒られるんだな」「なるほど、最適回答はこれか」「どうせ怒られるんだから無になっていればいいな」で乗り切れました。「売りますゥ!」と大声で叫んでいれば逃げられる程度の詰めで人間がどんどん壊れていくの、未だにピンと来ません。

逆に、良い売り上げを出したら全員から猛烈な拍手と賞賛、そして歩合が貰えました。これは「エモノを追って仕留める」という根源的な快感があり、僕にとっては「楽で楽しい」仕事だったと思います。この会社は「上司を殴った人間が翌日昇進した」辺りを皮切りに「ちょっとシャレにならないですね」という機運が連続発生したのでバックレました。いや、辞めるって言うよりバックレた方が早そうだし、日常的にバックレは出てたので…。あの会社、退職届出して辞めた奴いたのかな…。

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楽さ ★★★
楽しさ ★★★★★
異常さ ★★★★★

 

2. 塾講師

僕はかつて教育者を目指したことがあります。そういうわけで、必然的に塾講師をしていました。結構多くの皆さんもやったことがあると思います。この仕事は楽しかったかと言われればとても楽しかったと思います。しかし、「楽だったか?」と言われれば「キツかった」としか言いようがありません。

僕は子供が好きです。勉強の苦手な子が少しでも成績が上がるのを見ると、とても嬉しい気持ちになります。僕の志望は「学校から零れた子を拾う教育」だったので、補習塾を中心に講師をやっていました。しかし、「子供に勉強を教える」というのは、非常に消耗する仕事だというのは否定できない事実です。

僕が教えていた塾はたいてい、「勉強の苦手な子」というラベリングされた子供たちが一つの教室に押し込まれているタイプだったのですが、「勉強が苦手な子」のバリエーションは「勉強が得意な子」より遥かに多いです。一人一人の「出来ない」理由は全く違います。基本的な日本語読解能力がない、集中力が続かない、家庭環境が厳しく自宅で学習する余地がない…。そういった問題を「授業」一つで解決するのは不可能です。

また、「出来ない」にもレベル差があります。テストで30点を取る子供にも「実はちょっと後押ししてやれば伸びる子」と「そういうレベルではどうにもならない子」がいます。僕自身もそうですが、「発達障害の子」というのも当然います。「1時間机に座ることがまずできない」という子供もたくさんいるのです。

正直、毎日「辛い」と思ってました。自分に理想があった分だけ、日々現実とのギャップに悩み、塾という営利企業の限界に突き当たり、また塾経営というレッドオーシャンの厳しさも目の当たりにしました。私塾経営者を責められるわけもないです。むしろ、「補習塾」は学力の下支えとしてとても大事だと思います。

今でも僕は「物を教える」のは好きです。僕の授業はそんなに評判が悪くなかったので、適性もなくはないと思います。でも、僕は疲れ果てて逃げ出してしまいました。講師の仕事はわりと生徒の人気がつくと給料も上がり、時間効率で言えばかなり「楽な仕事」と言えたと思うんですが、僕は本当に疲れ果ててしまいました。

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楽さ ★★
楽しさ ★★★★★
異常さ ★★

3. 金融

僕は色々あって、金融業に就いたことがあります。かなり大きく格式あり、給料もとても良い会社でした。わりと採用された時は「奇跡」と言われました。あの、「ついに田舎のチンピラがここまで辿り着いたぞ」という高揚した気持ちを今でも覚えています。

しかし、ここは僕にとって最悪でした。複雑で完成度の高い業務マニュアル、非言語的ルールの強い人間関係、求められる「マナー」のレベルの高さ、個人の裁量の驚くほどの小ささ。まさしく僕にとって「地獄」と言える環境でした。結局僕は、苦労して辿り着いた「到達点」から2年ともたず逃げ出すハメになりました。

僕の人生最大の敗北体験なので、詳しくは著作の方を読んでいただければと思います…。「発達障害の僕が『食える人』になったすごい仕事術」、KADOKAWAさんより好評発売中です。ステルスしないマーケットです。本でてます⇒https://www.amazon.co.jp/dp/4046020768/

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楽さ ★
楽しさ ★
異常さ ★

4. ラブホテルの清掃員

某繁華街の人が2時間くらいで入れ替わるタイプのラブホテルでアルバイトをしていたことがあります。人が出る、清掃する。人が出る、清掃する。まるで、ある種の永劫を目指しているような職業でした。清掃しても清掃しても清掃しても人がやってきて、実にバリエーション豊かな汚し方をして去っていきました。

最初は面白みもありましたが、人間はいずれ環境に慣れます。「異常な汚れ方」も、異常さの上限を見てしまうともう驚けなくなります。なお、食事中の方もいらっしゃる可能性があるので、「異常さの上限」については言及を避けさせていただきます。

このアルバイトをやっていたころ僕はひどい鬱状態にあり、逆に鬱状態の間はこの仕事はそれほど苦痛ではなかったです。ボサボサのヒゲと後ろでひっつめた長髪で出勤し、黙々と作業をする。ラブホテルにおいて清掃員は空気です、誰も存在を気にしません。あるいは、気にしないフリをします。無感動に思考を止め、粛々と仕事をする。それは、ある意味でとても楽だったと思います。

しかし、然るべき時が来て鬱が抜けてくると途端にひどい苦痛が襲ってきました。飽きたのです。つまんねぇ、という凶暴な衝動が襲ってくると、途端に職場に行くのが苦痛になってきて、ミスが激増しました。

また、ほとんど無言で働き続ける鬱野郎として職場に認識されていた僕は「便利な労働者」ではあったでしょうが、会話相手とは見做されていませんでした。同僚も皆そんな感じで楽しくなる要素がなかった。そんなわけで、僕はこの仕事を辞めました。あれはとても不思議な体験だったと思います。

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楽さ ★★★
楽しさ ★★
異常さ ★★★★

5要素で分類

さて、この4つの職業体験からどんな教訓が引き出せるでしょうか。

僕は「裁量性」「作業性」「対人性」「組織性」「異常性」の5つで分析しています。裁量性とは「好き勝手にやれる」度合いです。「作業性」というのは、「黙々と続ける」とでもいうようなアレです。「対人性」というのは、「接客」に代表されるような対人技能、「組織性」は組織の一員としてのチームワークの要求度です。最後に「異常性」というのは「面白さ」と同義です。異常なものは面白い、ただし面白ければよいわけではない。わかりますよね。

さて、僕の場合は

裁量性

⇒高ければ高い方がいい、逆に常に監視下におかれるような職業は一切出来ない。

作業性

⇒高いと即死。同じ作業を延々続けることは出来ない。ただし、鬱状態の場合は多少できる。

対人性

⇒営業のような「成果に向かって交渉する」は大得意。

組織性

⇒高いと問答無用で即死。組織に「馴染む」能力が極端に低い。

異常性

⇒高ければ高いほどモチベーションが湧く、ただし高すぎると大変なことになる。

 

こういうことになりました。
でも、これは結構レアケースらしいと最近は思います。「裁量性」が高いと即ダメになる人もたくさんいるし、組織性の低い会社(典型で言うと全員が営業マンみたいな成果主義の会社)に全く適応できない人もいます。対人交渉はまるでダメだが組織は得意だという人もかなりいるようです。「異常性」については、「会社で異常なことが起こると楽しい!」という僕の感性はそれほど多数派ではなさそうですね…。

これらを総合して、あなたの適性にマッチした職業があなたの適職です。是非、よく検討して「楽な仕事」に就くことを勧めます。そう、これを読めばわかる通り、僕は往々にして「ホワイト企業よりブラック企業の方が楽」な人なんです。とても悲しいことです。ホワイト企業を目指したあの努力は完全にムダでした。

最後に一つアドバイスを。あなたのオールラウンダー度を測るのに最適の仕事があります。コンビニアルバイトです。あれは、この5要素をかなりバランスよく併せ持つ職業です。フランチャイズ店舗だと実質オーナーの独裁国家なので「異常性」も期待できます。店長がキュワっとワンカップをキメて、32時間働き続ける雄大な資本主義を見ることも出来るかもしれません。資本主義奇想天外。管理監督者。

コンビニアルバイトを問題なく複数店舗でこなせたあなたは、多分大抵の仕事がやれます。僕は一切やれず逃亡しました。いや、無理だってなんだよあの大量の事務、挙句接客もあるしチームワークも要求されるし…。
コンビニアルバイトが「無理っぽい」と悟ったところからが人生です。みなさん、やっていきましょう。

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この記事を書いた人

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http://syakkin-dama.hatenablog.com 発達障害者ライフハックブログをやったりしている人です。32歳です。コンサータは72ミリ飲んでます。よろしくお願いします。 syakkindamaアットhttp://gmail.com 試験的にメアド公開始めました。お仕事の依頼などはこちらにどうぞ。

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