会社からサービス残業分の残業代を請求できないかとお考えですか?

いまの日本社会において、サービス残業は撲滅すべきだという認識が広がっています。

 

そもそも契約時間外の労働には、割増賃金を支払うのが本来の雇用契約です。

それが暗黙のルールで帰れない雰囲気ができあがり、結果としてサービス残業になってしまいます。

 

・会社側が「残業代はつかないから」とルール化している

・定時退社を謳っていても、タイムカードを押したあとに残業している

・会社を出たあとに自宅で残業をさせられている

・リーダーやマネージャーなど役職をつけて「管理職には残業代は出ない」と言われている

 

以上のような状況から発生する長時間労働のほとんどは「サービス残業」です。

 

労務局とかに言ったら、社内での居場所がなくなるかもしれないし…

仮に残業代を支払ってもらえても、その後の生活に影響が出ることを考えるとなかなか言い出せませんよね。

 

残業代は請求後の動き方も踏まえたうえで、行動しなければなりません。

この記事ではサービス残業やみなし残業の請求方法から、そのような残業が発生する理由や対策について詳しく解説します。

 

すでに退職した人でも未払いの残業代を請求できる可能性もあるので、泣き寝入りをしてしまった人もぜひ参考にしてみてください。

 

サービス残業の残業代は請求できる

知らない人も多いと思うのですが、契約上の就労時間を超えて労働した場合、会社側は割増賃金を支払う義務があります。

 

また労働基準法により1週間あたりの上限も決められているのです。

基本的な労働時間の上限は1日8時間、1週間で40時間までとなります。

 

1日8時間か1週間で40時間を超える労働については、割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。

 

割増の比率は契約内容によりますが、原則1時間あたりの賃金×1.25です。

※残業をした合計時間や勤務時間によっては1.5倍以上になるケースもあります

 

仮に時給換算して1時間当たりの労働賃金が2000円なら、残業分の賃金は2500円となります。

 

社内の圧力から未払いの残業代に目をつぶっている人も多いですが、働いた分の残業代はしっかりと請求したいですよね。

 

でも何をどうすればいいのかわからないし…

という不安や気持ちもあるでしょう。

 

まずは自分がどれくらい残業していたのかを明確にする、物的証拠を集めておくことをおすすめします。

 

後ほど残業代の請求に関する相談を受け付けている窓口を紹介するのですが、その際に根拠となる勤務時間データなどの証拠がそろっていたほうが有利に動けるのです。

 

逆にそれらの証拠がそろっていないと、会社側の隠ぺい工作によって未払いのままになってしまう可能性が高くなります。

 

会社側も訴えられたりしたときの対策を考えた上で、サービス残業を強いているケースも多いためです。

 

サービス残業の残業代を請求したいけどどこに相談すればいい?

在職中・退職後どちらかによっても、残業代を請求することへの精神的ハードルは異なります。

 

退職後であれば精神的な負担も少ないのですが、在職中で残業代を請求する場合はその後の不安も多いです。

 

さまざま理由で未払いの残業代を請求できない人たちが、相談すべき窓口を紹介していきましょう。

 

全労連労働問題ホットライン

各地の労働組合が集まった労働者のホットライン。

残業代の未払いや突然の解雇などはもちろん、社内でのパワハラや「雇用契約の変更について会社が相談に応じてくれない」といった問題に対したサポートを行っています。

 

フリーダイヤルで全国どこでもつながるため、相談事や労働に関して疑問に感じていることがあれば、メールや電話で問い合わせてみるといいでしょう。

 

労働基準監督署

企業が労働基準法をはじめとする法律を守っているかを監視し、違法している企業に対して行政指導を行ってくれます。

 

公的機関として警察と同じように逮捕権・捜査権も持っており、事実上の警察と変わりありません。

 

パワハラや残業時間の相談をはじめ、労働に関わる多種多様な問題について相談することも可能です。

 

ただ警察と同じように、明らかな違法行為(脱税や横領など)をしていない限りは「行政指導」にとどまるケースが多く、個人の残業代請求に直接関与することはほとんどありません。

 

そのため、労働基準監督署への相談だけでは問題が解決しない人も少なくないでしょう。

なお相談方法はメール・電話・対面です。

 

労働局雇用均等室

基本は他の相談口と同じで、労働者と経営者の間で発生した問題についてサポートを行う機関です。

 

パートタイムの管理問題や産休・介護休暇など、さまざまことに対応しています。

全国対応でどこからでも相談が可能。

 

メールでの問い合わせは対応しておらず。電話か面談での相談が基本となります。

 

社労保険労務士

各種労働問題の専門家であり、その分野の国家資格を持っているのが「社労保険労務士」です。

問題の当事者に話を聞いたうえで、社労保険労務士は「個別労働紛争のあっせん」という方法を用いてトラブルを迅速に解決してくれます。

 

労働側・経営側にはそれぞれの言い分があるため、双方の意見を取り入れた上で総合的にサポートされるのが一般的です。

 

弁護士

労働問題はもちろん、あらゆる法律問題のスペシャリストは弁護士です。

パワハラなどのオフィス内での人間関係に関わる問題はもちろん、残業代未払いや雇用問題などさまざまな問題に対応してくれます。

 

万が一未払いの残業代請求で裁判までなだれ込んだ場合でも、弁護士なら交渉・弁護まで一貫して対応することが可能です。

ただ相談時に費用が発生するケースもあるため、事前にホームページなどでチェックしておくようにしましょう。

 

弁護士によっても得意とする分野が異なるので、労働問題に関する実績が多い事務所を選ぶことをオススメします。

 

以上が残業代の請求に困ったときの相談窓口です。

より残業代を回収できる可能性が高いのは弁護士への相談となりますが、コストもかかるため会社側の動き方を見て調整するといいでしょう。

 

サービス残業を請求したらどれくらい受け取れるの?

実際に残業代を請求したとして、一体どれくらいの金額を受け取れるのでしょう。

 

1日8時間を超える労働にはすべて残業代が発生するわけですが、残業代は普段の賃金よりも割増しで支払うことが労働基準法で定められています。

基本的な時間外労働であれば、割増率は1時間あたりの賃金の1.25倍です。

 

ただ残業代の割増率にはいくつか分類があり、どこに当てはまるかによって割増率が異なります。

それぞれの概要と割増率は以下の通りです。

 

時間外労働の分類 残業代の割増率
時間外労働(法定労働時間を超えた場合) 25%増
時間外労働(1ヵ月あたり60時間を超えた場合) 50%増
深夜労働(PM10時からAM5時まで深夜料金) 25%増
休日労働 35%増
時間外労働+深夜労働 50%増
時間外労働(月に60時間以上)+深夜労働 75%増
休日労働+深夜労働 60%増

午前6時から午後10時までに行った残業の割増率は1.25倍です。

しかし、1カ月に60時間以上の残業を行った場合は50%まで増額されます。

 

さらに深夜労働を行う場合も1.25倍となるため、60時間を超える深夜労働をした場合は最大75%までの割増賃金が発生するのです。

仮に時給換算した賃金が2000円なら、割増後の金額は3500円となります。

 

サービス残業に関して各相談窓口に相談したとき料金は発生する?

残業代に関して相談したいけど、相談すること自体に費用が発生するのか不安ですよね。

これは相談する窓口によって異なります。

 

国が運営している労働基準監督署や、各地の労働組合が集まった全労連労働問題ホットラインは無料で相談可能です。

弁護士や社労保険労務士は事務所によって料金体系が異なり、相談1時間あたり1万円程度の費用が発生することもあります。

 

電話相談は無料の弁護士もいるので、ご自身の状況に合わせて最適な相談窓口を選択してください。

 

みなし残業ってどんなにやっても残業代請求できないの?

結論からいうと「みなし残業手当」が給与に含まれていたとしても、そのみなし残業分以上の残業が発生すれば超過分の請求は可能です。

 

残業代の未払いに苦しむ人の中には、会社から「残業代はみなし残業として給与に含まれているから」と言われている人も多いと思います。

 

ほとんどの人はこの「みなし残業代」は、法律に準じた制度であり、これ以上の残業代は出ないと思い込んでいるのが現状です。

みなし残業」とは、一般的に「固定残業手当」と呼ばれる手当になります。

 

この「固定残業手当」は「あらかじめ給与に固定の残業代を含んでいるから無制限に残業をさせられる」という制度ではありません。

毎月一定の残業が発生することを想定した手当なのです。

 

求人にはよく「給与〇万円(40時間分のみなし残業代を含む)」という表記があります。

これは給与+40時間分の固定残業手当を含んだ額という意味です。

 

つまり毎月40時間までの残業代分は固定で払っているから、40時間を超えるまでは別途残業手当はつかないということ。

逆に「月の残業が20時間であったとしても、40時間分の固定残業手当は支払う」という制度です。

 

ですが40時間以上の残業が発生しているのなら、超過分の割増料金は同様に請求できます。

このみなし残業の超過分を無視して、労働者に長時間労働をさせている企業も少なくありません。

 

もし契約内容が「固定残業代含む」となっている場合は、そもそも給与だけだといくらなのかが分かりませんよね。

みなし残業制度を導入するにはかなり厳しいルールがあり、簡単に利用できる制度ではありません。

 

みなし残業手当の金額も会社側が自由に設定できるようなものでもないため、みなし残業手当と表記している会社の8割は違法だと言われています。

※Yahooニュース「約8割が違法?ハローワークが指導に乗り出した「固定残業代」に気をつけよう」

 

これらの理由からたとえみなし残業代が含まれていようと、それ以上の残業をしていれば未払いの残業代を請求できる可能性は高いです。

ただし請求できる残業代は遡って2年までなので、もし行動をする場合はできるだけ早く相談することをオススメします。

 

まとめ

残業代の未払いは、労働者側が泣き寝入りしてしまうケースも多い問題です。

しかし、最近は相談窓口も増えてきており少しずつですが改善の傾向が見え始めています。

 

労働者が労働や残業に関する知識を持っていないからこそ、会社側の違法行為が続いてしまうという場合がほとんどです。

まずは残業代の未払いについて疑問に感じたら、相談窓口に連絡してみることからはじめるといいでしょう。