この記事で分かる転職時の確定申告の知識

転職した際、特定の条件に当てはまる方は確定申告が必要になってきます。
そこで転職時の確定申告が必要・不要な方の違いや書き方、万が一確定申告を忘れたり源泉徴収票を失くしたらどうなるのか解説しています。
転職で確定申告が必要な人
12月の時点で会社に属していない人


源泉徴収票とか言われてもなにがなんだかわからないよ。

そのため、転職の際に12月に会社に属していない場合は自分で確定申告する必要があるんです!

いきなり確定申告しろなんていわれてもやり方がわからないから無理だよ!

以下ではそんな「何もわからない!」という方のために、転職の際の確定申告や源泉徴収票のことをわかりやすく画像つきで解説していきますよ!
まずはチェック!!
確定申告の基礎知識
●源泉徴収票とは?⇒その会社での給与所得の確定申告書
●転職時に自分での確定申告は必要か?⇒12月末時点で無職の場合は必要
●退職時にもらう2枚の源泉徴収票の違いは?⇒給与と退職金の源泉徴収票
年内に転職した場合は源泉徴収票を転職先の会社へ提出すれば確定申告の必要なし
12月に無職だった場合は確定申告が必要

とても長い記事ですので、目的別にナビゲートします!
給与以外の所得が年20万円を超える人


不動産収入や副業などの所得が年間20万円を超える方は、転職に関係なく確定申告が必要になります。
なお、所得税がかからない年収のライン(課税最低限)は税制改正でたびたび変わります。2025年分は160万円、2026年分は178万円へと引き上げられており、基礎控除や給与所得控除の金額も改正されています。ご自身のケースの判定は、国税庁のサイトか最寄りの税務署でご確認ください。
12月時点で転職していたが年末調整が間に合わなかった人

そのため、12月に転職したものの、年末調整が間に合わないままで年を越すと、自分で確定申告を行う必要が生じます。
仕組みとしては、何千万人もいるサラリーマンが税務署に申告で押し寄せてきてしまうと税務署はパンクするので、雇用主が「年末調整」として税金の過不足を調整する手続きを実施する形です。
転職で確定申告が不要な人
前の企業or今の企業が年末調整をしてくれた人


ただし、年末調整は通常12月分の給与が支給されるタイミング、もしくはその翌日以降の文字通り年末間際に行われます。
賞与の支給日がズレている人もいるため、前職で年末調整を終えた上で年内に転職を果たすのは現実的なスケジュールとは言えません。
ごく例外的なケースを除けば、年内に転職を果たし、転職先で年末調整を行ってもらった方が確定申告が不要な人と言えます。
転職における確定申告の書き方・手続きの方法

つまり社会保険を除いて、確定申告にかかわる控除項目がない独身サラリーマンの方をモデル事例としています。
①確定申告に必要な書類を準備して確定申告書を作成する
③e-taxで簡単に確定申告をする
確定申告は主に上記の2つの方法がありますが、ポイントとして確定申告の期間を正確に把握しましょう。
実は確定申告できる期間は限りがあり、期間終了間際は税務署が大変込み合いますので、余裕を持って作成までの作業を終え、早めに申告することが望ましいと言えます。
ちなみに2017年度を例にすると、確定申告は「2018年2月16日~3月15日」の期間でした。
そのため、年末調整を受けていない方は、流れの①から②についてはその年の1月末頃までには終えられるよう取り組んでください。
確定申告に必要な書類を用意して確定申告をする

確定申告書の作成、および申告に上記の書類が必要になりますので準備してください。
- 確定申告書(2022年分から様式が一本化されています。最新年分の様式は国税庁サイトで入手できます)
- 源泉徴収票(転職年度内に発行されたもの)
- マイナンバーカード、もしくはマイナンバーがわかる公的書類と運転免許証など身分を証明できる書類
- 保険料控除証明書
- 医療費の領収書
なお、2021年4月以降、確定申告書への押印は原則不要になっています。
確定申告書の作成方法
かつては「確定申告書A」「確定申告書B」の2種類がありましたが、2022年分(令和4年分)から様式が一本化されています。手書きで記入する場合は、税務署や国税庁サイトで最新年分の様式を入手してください。
ただし現在は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うのが圧倒的に簡単です。画面の案内に沿って源泉徴収票の内容を入力していけば、控除額や税額は自動で計算されます。基礎控除などの金額は改正のたびに変わりますが、作成コーナーはその年分の最新の内容で計算してくれるので、自分で控除額を調べる必要がありません。
作成したデータはそのままe-Taxで送信するか、印刷して郵送・持参で提出できます。
e-Taxで確定申告をする

e-Taxで確定申告をする手順
- マイナンバーカードを取得する
- 署名用電子証明書を発行する
- パソコンで情報を入力していく
正直、e-Taxを用いて確定申告をする方が書類を書くよりも楽なので、個人的にはこちらがおすすめの方法となっています。
ただし、はじめての確定申告は記載ミスなどが付き物ですので、人生ではじめて確定申告をする方は、間違いがあっても指摘してもらえる書類での申告をした方が良い場合もあります。
パソコンの扱いにある方や、ミスをしない自信のある方はe-taxで確定申告をしてみると良いでしょう。
マイナンバーカードを用意する
e-Taxを利用するには「マイナンバーカード」が必要になります。現在はICカードリーダーがなくても、マイナンバーカード対応のスマートフォンで読み取って申告できます。
マイナンバーカードはクレジットカードに似たもので、ICチップが埋め込まれたプラスチック製のカードです。

マイナンバーカードは地元の自治体に申請して発行してもらいます。
尚、自治体の窓口や具体的な手続方法の詳細については自治体により多少異なりますので、地元の自治体に確認してください。
署名用電子証明書の発行手続きをする
マイナンバーカードが入手できたら、今度は署名用電子証明書を発行してもらう手続きを地元の自治体に依頼します。
署名用電子証明書の発行といっても、何かの書類を受け取る訳ではありません。
電子証明書の発行とは、マイナンバーカードのICチップに証明書を利用できる機能を自治体を通じて記録してもらう電子的な手続きのことを言います。
尚、電子証明書の具体的な申請方法も各自治体によって多少異なりますので、詳しくは地元の自治体にお尋ねの上手続きを行ってください。
パソコンで確定申告の情報を入力していく
電子証明書の発行手続きが終わったら、インターネットに接続されているパソコンと、マイナンバーカードを読み込むためのICカードリーダーを用意した上で確定申告を行っていきましょう。
まずは電子証明書を利用できる専用のソフトウエアをダウンロードし、インストールをして下さい。
参考:利用者クライアントソフトのダウンロード
⇒https://www.jpki.go.jp/download/index.html
インストールが終了したら、ICカードリーダーにマイナンバーカードを読み込ませます。
これでe-Taxに限らず、行政に対する各種の電子申請手続が可能になります。
なお、e-Taxの手続きを行う前に必要書類として源泉徴収票が必要になりますので、事前に用意しておきましょう。
e-tax情報入力の手順

- 「確定申告書等作成コーナー」のページに表示されている「作成開始」ボタンを押す
- 次の画面で「e-Tax」を選択する
- 事前準備画面が表示されるので、準備が整っている場合には「すべて確認済み」のボックスにチェックを入れる
- 画面の案内に沿って確定申告書を作成する
(作成方法は前出の記述による作成方法がパソコンでの入力になるだけです。具体的な作成方法については本記事の「確定申告書の書き方」を御覧ください。)
- 送信手続きを選択すると確認画面が表示されるので、間違いがないか、作業で漏れていることはないか、画面の指示に従ってチェックする
- 間違いがないことを確認画面で確認できたら、送信ボタンを押して終了
⇒https://www.keisan.nta.go.jp/h28/ta_top.htm#bsctrl
このようにe-Taxでの確定申告は手順としてはそれほど難しくはありません。
しかし、最初の利用時に限り電子証明書の発行手続き申請やセットアップといった準備に多少手間を要することは理解しておく必要があります。
転職で確定申告が必要になったけど「源泉徴収票」がない場合の対処法
前職の会社へ至急要請し、発行してもらう

確定申告期限が迫っているのに源泉徴収票がない場合、前職へ連絡してできる限り急いで発行してもらうよう催促しましょう。
ただ職側のミスや手違いにより、源泉徴収票の発行手続きや送付を忘れられている、あるいは放置されている場合も考えられます。
退職して1ヶ月経過しても源泉徴収票が届かなければ忘れられている可能性も十分考えられますので、早急に前職に連絡し、発行してもらうことが大切です。
受け取っていたのに紛失した場合は再発行をお願いする

こちらのミスですので、電話で再発行を依頼するのではなく前職を直接訪問し、ちゃんとお詫びした上で再発行をお願いするのが筋でしょう。
転職の時期によっては、源泉徴収票は受け取っていたのに紛失してしまう人は正直珍しくありません。
そのため、かなり依頼しにくいかも知れませんが、我慢して再発行をお願いしましょう。
このような事態に陥らないようにするためにも、今後は源泉徴収票は受け取ったら大切に保管するよう心がけてください。
転職時に受け取った退職金は確定申告が必要?
「退職所得の受給に関する申告」を行っているはずなので不要


退職金は確かに大きな金額となりますが、毎年会社員が退職するたびに確定申告が必要になってしまえば、税務行政が大変なことになってしまいます。
そこで確定申告をしなくて済むよう、特別な申告方法が採用されているのです。それが「退職所得の受給に関する申告」という手続きです。
具体的には退職所得の受給に関する申告書を退職金を受け取る前に、支給してくれる会社側に提出することが法律で義務付けられていますが、この手続を行うことが確定申告の代わりとなります。
そのため、退職金を受け取った方は法律上申告書を必ず提出しているはずなので、退職金については確定申告は不要となるのです。
万が一申告書を提出していない場合は不利益が生じる
退職所得の受給に関する申告書の提出は退職金を受け取る前に必要な手続きのため、本来考えにくいケースですが、万一退職所得の受給に関する申告書を提出せずに尚且つ退職金だけ受け取ったという方は、退職金に適応される特別な所得税ではなく、正規の税制で源泉徴収されることになります。
その場合、確定申告で精算する必要が生じてしまいます。
確定申告をすることによって納め過ぎた税金は取り戻すことはできますが、退職金は額が大きくなるだけに、納めることになる税額も高額になってしまいます。
確定申告の手間が生じるだけでなく、余計な不利益を招かないようにするためにも転職にするにしても定年退職するにしても、退職金を受け取る場合は会社側に確認するなどして必ず申告書を提出するよう心がけてください。
なお、申告書は次のURLからダウンロードできます。
⇒https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf2/h311.pdf
退職予定がある方は未提出とならないよう予めダウンロードしておくことをオススメしておきます。
転職で確定申告をし忘れた場合はどうなる?
無申告加算税というペナルティーが課される
もし自分が確定申告が必要な立場であることに気付けず、確定申告し忘れてしまったり、確定申告が面倒、あるいは嫌だという理由から意図的に行わなかった場合は、理由に関係なく「無申告加算税」という痛いペナルティが納税額に加算されることになります。
無申告加算税はいくらぐらい?
無申告加算税の計算は比較的簡単です。

例えばその年の課税額がちょうど100万円だった場合、50万円部分の15%にあたる7万5千円と、残りの50万円の20%にあたる、10万円の合計である17万5千円が無申告加算税となります。
余計にこれだけの税金が取られることになりますので、しっかり確定申告をして適切に納税するのが重要だと分かるはずです。
確定申告したけど間に合わなかった場合はどうなる?
では確定申告をし忘れていることに気付き、法定申告期間に間に合わなかったが確定申告を行ったとしたらどうなるのでしょうか。
法定申告期間を過ぎたものの、確定申告を行った場合は一定の救済措置があります。
救済措置はそのタイミングに応じて次の3種類の措置があります。
申告期限後1ヶ月以内に自主申告した場合
期限を超えてしまったが最終期限日から1ヶ月以内に自主申告した場合には、無申告加算税は免除されます。
ただし、無申告加算税が免除されるのは5年につき1回限りです。
毎年繰り返してしまうと、無申告加算税は免除されなくなってしまいます。
またわずか1日過ぎただけであっても期限後申告は納付期限後の申告・納税手続きとなってしまいますので、年7.3%を目安とした延滞税を免れることはできません。
従って通常の税金に加えて延滞税を加算した上での申告手続きとなります。
1ヶ月以上が経過し、税務調査の事前通知前に自主申告した場合
通知を受取る「前」に自主申告した場合には、無申告加算税が一律5%になります。
確定申告が期限から1ヶ月を超えると、時期は断定できませんが2~3ヶ月以内に税務署より税務調査を行う事前通知がなされます。
この事前通知の前に自主的に確定申告をすれば、加算税は5%で済みます。
税務調査の事前通知を受けとった後に自主申告した場合
税務署からの事前通知を受け取ってから確定申告を自主的に行った場合には、50万円までの部分は10%、50万円を超える部分は15%の無申告加算税になります。
通常の無申告加算税よりも5%減額されていますが、大きな延滞税は免れません。
救済措置はあるが期限内申告が一番!
ご紹介したとおり、3つの段階で救済措置がありますがどの措置でも延滞税は免れませんので、期限内申告より確実に損をしますので確定申告はしっかり行いましょう。
サラリーマンからフリーランスに転職した場合の確定申告について
サラリーマンが他企業へ転職した場合には確定申告が必要な場合と不要な場合があることはご理解頂けたと思いますが、サラリーマンが退職し、かつフリーランスとなった場合には確定申告はどうなるのでしょうか。
年末調整を受けた後にフリーランスになった場合は確定申告は不要

例えば、サラリーマンだった方が2021年度の年末調整を受けた上で、2021年の末日や翌年2022年の1月に退職してフリーランスになった場合、その年の確定申告手続きは不要となります。
ただし、当然2022年分の確定申告については、フリーランスという身分ですので自分でやる必要があります。
年末調整前にフリーランスになった場合は売上がゼロでも確定申告が必要
年末調整をする前にサラリーマンからフリーランスに転身した場合、フリーランスの収入がゼロだとしても確定申告は必要になります。
これは、まだ年末調整を受けていない状況のため、サラリーマン時代の給与が申告の対象となるからです。
また、フリーランスとしてサラリーマンを退職した年度に収入が発生した場合、当然その収入も確定申告に含める必要があります。
転職で確定申告が必要・不要な人まとめ
今回は転職で確定申告が必要・不要な人を紹介しつつ、やり方なども詳しく解説しました。
確定申告を忘れると余計に税金を納める必要が出てしまい、損しかしないので副業をしていたり転職をしてフリーランスの方は必ず期限内に行うようにしましょう。
