【2019年版】転職や就職しやすい売り手市場・これから伸びる業界や職種7選

【2019年版】転職や就職しやすい売り手市場の業界や職種7選

「景気回復の実感なんて全くないよ!」と思われる方も多いかもしれませんが、最近のニュースで、景気の拡大が「いざなぎ景気」を超え、このままいけば戦後最大の好景気であった「いざなみ景気」も超えるというもの(※)がありました。

「いざなぎ」超え 好景気の実感乏しいままだ|熊本日日新聞(リンク切れ)

そんな実感はまったくない、という人がほとんどだと思いますが、本当に景気が拡大しているならば転職市場はかなり有利になっているはずです。景気回復で仕事が増え、人手不足になっているはずですからね。

今回は2019年の「転職売り手市場」の業界や職種を展望してみたいと思います。
景気回復が本当に明確ならば、様々な業種の求人倍率=転職のしやすさ、が上がるはずです。

2019年の転職市場を知るメリットはこれ

  • 明らかに伸びる、求人が増える業界があります
  • 激務薄給と言われた仕事も待遇が徐々に改善しています
  • 求人は過去最高の状況にあり完全な「売り手市場」になります
  • 国内だけで見ると急速に求人が減る要素は少なそうです
  • 業種、職種、地域によって求人倍率には差があります
  • スキルを持っている人の転職は強いですが、何が最強なのか知ります

現在の有効求人倍率を確認して売りて市場の転職、就職先を探すのがステップ

有効求人倍率で売りて市場を把握する図解

 

「売り手市場」というのは求人倍率が「1」以上の状態を指します。
つまり、転職したい人、就職したい人が1人いた場合、求人が1個以上あれば、転職希望者は職場を選ぶことができます。
これが「売り手市場」です。

一方で、求人倍率が「1」未満の場合(0.7とか)、求人数よりも転職、就職希望者の方が多いので、採用側が自社で働く人を選べる「買い手市場」ということになります。

  • 求人倍率が1以上:売り手市場
  • 求人倍率が1未満:買い手市場

ということをまず覚えてください。

なお、「求人倍率」には「新規求人倍率」(新卒者の求人倍率)と「有効求人倍率」(ハローワークが扱う求人の求人倍率:転職者向け)がありますが、本記事を読まれている方は転職希望者が多いので、後者(有効求人倍率)を中心に考えて行きたいと思います。

そのうえで、現在の有効求人倍率をみてみましょう。

有効求人倍率

本稿執筆時の最新データによると、
2018年10月の全国の有効求人倍率は1.62倍となり、過去最高水準を維持しています(※)。

10月求人倍率8カ月ぶり低下 1.62倍、なお高水準|日本経済新聞

女性の就業率は70%を超え、働ける人の中で実際に働いている人は過去最高レベルにあると言ってもいい状況です。

「そんなこといったってバイトなどの非正規雇用が増えているだけで、正社員の求人は少ないでしょう」
と思われる方もいるかもしれませんが、正社員の有効求人倍率も9月の数字で1.14倍と売り手市場になっています(※)。

有効求人倍率1.64倍 9月、正社員は過去最高 |日本経済新聞

これが2019年も続けば、正社員として転職したい人もある程度余裕を持った就活ができそうです。ちなみに5年前は正社員の有効求人倍率は0.5前後でした。2人に1人しか正社員の求人がない状態から、1人1つ以上の求人がある状態まで回復しています。

地域別の有効求人倍率は?売りて市場は地域でも探せる

地域別有効求人倍率は災害も関係する

また地域別有効求人倍率をみると上位5都県は以下のようになります。

  1. 東京  2.16
  2. 広島  2.14
  3. 福井  2.13
  4. 岐阜  2.07
  5. 岡山  2.02

出典:厚生労働省「職業安定業務統計」

東京が高いのはなんとなくわかりますが、広島などが高いのが意外です。
これは、夏の豪雨災害に伴う復旧のための求人が関係していそうです。

ちなみに、下位は北海道1.18、沖縄1.17になります。
地域によって倍の開きがありますが、全国どの都道府県でも売り手市場ということになります。

業種別求人倍率は?業種を決めていくなら売り手市場は探しやすい

IT業界と建設業は人手が足りず売り手市場

続いて業種別の有効求人倍率をみてみましょう。

業種別求人倍率を図解

こちらについては以下の表をご覧ください。

2018年11月2018年10月2018年9月
IT/通信6.085.466.14
メディア1.961.751.79
金融1.741.471.60
メディカル1.831.641.73
メーカー2.051.801.92
商社/流通0.890.870.91
小売/外食0.860.760.87
サービス2.722.422.73
その他0.900.851.73

出典:転職求人倍率レポート(データ)|DODA

IT業界が圧倒的に人材不足です。
以外なのは、ブラックの代名詞である「外食・小売」の求人倍率が低いということです。待遇が改善して誰でもできるから人気なのか、外国人を積極的に採用しているからなのでしょうか?

なお、DODAのデータにはありませんが、「建設技術者の有効求人倍率が医師らを抜き最も高い倍率に、人材不足の深刻化強まる」|BUILTによると、建設業「建築・土木・測量技術者」(常用・除くパート)の有効求人倍率は、2017年比0.45ポイント上昇の6.06倍となっています。
建設業も圧倒的に人が足りておらず売り手市場です。

職種別求人倍率は?さらに職業が明確なら決まりやすい

一般事務系の求人は相当少ない

最後に、職種別の有効求人倍率をみてみましょう。

職種別求人倍率を図解

2018年11月2018年10月2018年9月
営業系2.152.032.32
企画・事務系1.81.721.71
技術系(IT/通信)8.027.088.04
技術系(電気/機械)5.324.564.81
技術系(メディカル)1.621.531.66
技術系(化学/食品)1.31.141.23
技術系(建築/土木)4.23.694.17
専門職6.845.846.61
クリエイティブ系1.651.451.59
販売/サービス系1.080.921.15
事務・アシスタント系0.230.190.21

IT系や建築・建設系専門職などの求人は多いのですが、事務系、つまり誰でもできる一般事務系の求人は相当少ないことがわかります。

これは、そういう職種については、派遣社員などで補填できるので、あえて求人を出して直接雇用するメリットがあまりないということがわかります。

以上をまとめると

  • 東京周辺
  • IT技術専門職
  • 建築土木業

などで働く人にとっては、きわめて有利な状況が続くと考えられます。

2019年の転職・就職における業界、明るい材料は?

アメリカと中国の貿易摩擦が激しくなりそうで、また、ヨーロッパではEUを巡る問題や各国の政治の混乱が予想されます。

筆者は国際経済の専門家ではないので、外需の見通しについては詳しいことを書くことができません。
ただし、国内については、需要(求人)が伸びそうな材料がいくつかあります。

オリンピック・パラリンピック関連(建設業)

オリンピック開催までは至るところで建築ラッシュが続くので、建設業の見通しは明るいです。
しかし、2020年のオリンピック・パラリンピックが終わるとその反動が来ると言われています。

短期的には建設業への転職は(職人さんでも現場管理でも)いいのですが、数年先を見通して考えたいものです。

2025年の大阪万博が決まったことも明るい材料でしょうか。実際に工事が始まるのは先ですが、優秀な人材を確保しようとする動きになるでしょう。

新元号関連(IT)

5月に平成から新しい元号に変わりますが、そのためのシステム改修が必要になります。
元号は直前にならないと発表しないようなので、4月~5月にかなりの負荷がかかる仕事が予想されます。

システム改修にエラーがあってはまずいので、スキルのあるIT技術者の人は、かなりいい条件で転職できるのではないでしょうか?

また、ますますあらゆる分野に浸透するAIを開発するための人材も不足しています。今後数十年、IT技術者は引く手あまたである、という見方もあります。

働き方改革関連(人事労務)

いろいろ議論はありますが、2018年に成立した一連の「働き方改革」関連法案にともない、就業規則の整備や有給休暇の取得義務付けなど、労務関連の整備をしなければならなくなります。

これまで労働環境整備を重要視していなかった企業では何をやったらいいのかわからないケースもあり、人事労務の経験者を積極的に採用しようという流れになります。

今後伸びる業界&職種

転職や就職しやすい売り手市場の業界やこれから伸びる業界や職種5選

1.建築業界(施工管理、企画、マネジメント)

2年前の建設業界、主要対象企業63社の売り上げは約16兆8000億円となっていて、2019年にはさらに拡大することが予想されます。
その理由は、もちろん、2020年の東京オリンピックに向けてのインフラの整備や、競技施設の新築、改修工事などによるわけですが、オリンピック終了後も大阪万博(2025年)関連の需要が見込まれるため、当初予想されていたような大きな反動はある程度抑えられそうです。

職人さん(大工、とび職)も売り手市場ですが、そのほかにも建設現場のマネジメントを行う人材が大きく不足しています。施行管理や建築デザイン、営業など、建築の設計図を作る人たちと職人がかみ合ってこそ、よいものが建設できます。

早朝から現場に立ち会ったり、休みが少なかったり、とても大変ですが、他業種でマネジメントや施工管理をやったことがある人も歓迎され、ITエンジニアよりも転職の門戸は広くなっています。ただし、40代の未経験者は転職が難しそうです。建設業独特のマインドがあるため、避けられる可能性があります。

2.医療/介護業界

高齢化社会の中で医療、介護職のニーズは落ちることはありません。
ブラック業界の代名詞となっていますが、徐々に待遇も改善されつつあります。

看護師の求人倍率は全国平均で2倍超、東京周辺は5倍を超えるところもあり、いくらでもいい職場を選べる状況です。
また、介護関連の求人も多く、その中でより良い求人を選べる環境にあります。

人手が足りない業界ですから、30代はもちろん40代でも大歓迎です。社会福祉士(国家資格)や精神保健福祉士(国家資格)を持っていると、現場の介護ではなく、企画やプラン作成に寄与できますし待遇もいいです。
最低でも、「介護職員初任者研修」の資格を取っておかないと、安月給の現場作業(肉体労働)をすることになってしまいます。

3.ネットマーケティング(プランナー、マーケティング)

SNSの普及によって、これまでにない「バズり」をして大ヒットするコンテンツが増えてきました。
口コミマーケティングが、より効果的になってきたことで、プランナーやコピーライターなど「仕掛け人」の需要が高まっています。

2018年にヒットした映画『カメラを止めるな!』はtwitterによる拡散、口コミマーケティングがあったから、あそこまでヒットしました。
必ず狙ってできるものではなく、一歩間違えれば「炎上」になる怖い分野ではありますが、「大ヒット請負人」として評価されれば収入もかなり期待できます。

広告代理店のほか、ウェブマーケティング会社などもねらい目です。

4.人事労務コンサルタント・企業人事

最初から述べているように、有効求人倍率が上がり、企業の採用活動が活発になっています。
そこで、採用活動の専門家である人事労務経験者の求人も増えています。

従来の転職サイトや転職エージェントを使った採用だけではなく、「リファラル採用(自社社員の紹介による採用)」やSNS、スカイプなどを使った採用活動など多様化する採用活動に詳しい人は、特に大企業で評価されます。採用活動の多様化が進むと思われる2019年、人事労務経験者の求人も増えることが予想されます。

もちろん、社会保険労務士やメンタルヘルス関連の資格を持っている人向けの、従来の人事労務管理業務の求人も増えるでしょう。働き方改革関連の仕事をするために人事労務の専門家を採用する企業も増えるでしょう。ただし、ブラック企業が体裁を整えるために形ばかりの環境整備をするだけの人材かもしれません。当然、その転職先はブラックで・・、ということもありうるので慎重に判断してください。

5.VR、AR、ドローンなど新技術関連技術者は今後数年伸びていく

ヴァーチャルリアリティー(VR:空想現実)やAugmented Reality(AR:拡張現実)の実用化が様々な分野で発達しています。「ポケモンGO」(これはAR)に代表されるゲームだけではなく、医療や住宅分野にもVRやARなどの新技術が浸透していて、グラフィックやシステム開発ができる人は、2019年にはますます重宝されることでしょう。

また、ドローンも宅配分野などで応用化が進めば一大産業になりうるポテンシャルを秘めています。工業技術スキルを持っている人は、新技術の発展に尽力してみるのも悪くはないでしょう。待遇もスキルが必要な仕事なので悪くないはずです。

6.宅配便運転手

amazonなどのネットショッピングが隆盛を極めています。
ご存知のように、郵便配達や宅配便の運転手の人の激務が問題になっています。
それだけ人手不足なので、配送業務を担う人の求人はすごく増えることでしょう。

待遇についても、配達時間の見直しや土曜日配達の原則中止(郵便)、「置き配」(玄関前に荷物を置いて帰る)の実現などで徐々に改善していくはずです。ただ、この仕事で年収1000万などは難しいでしょう。

7.IT業界(技術者、プログラマー、SE)今後10年生きれると言われている

最後はIT業界です。繰り返しになりますが、IT関連の求人は平均の3倍超という、ものすごい売り手市場にあり、今後求人が減る材料はほとんどありません。

様々な分野で応用されるAIの開発、ロボットを動かすプログラム、仕事で活用するデータベースの作成、もちろんコンピューターのシステム開発など、ITのエンジニア職の人にとっては自分のスキルを高く売るチャンスがいくらでもあります。

アメリカのITエンジニアの平均年収は日本円換算して1300万円前後というデータもあり、今後その流れが日本にもやって来て、余人をもって代えがたい存在として重宝されるのは確実です。

しかし、誰でもIT業界に転職できるわけではありません。プログラムを組んだことがない人が活躍できるものではなく、ポテンシャルではなくスキルが絶対的に必要になります。
未経験から業務で使えるレベルのプログラミングを習得するには、300時間以上かかると言われています。新卒採用の場合は、文系の人も含めて、数か月かけてプログラミングの研修をしますが、転職(中途採用)の場合は、そんな余裕はなく、文字通り「経験者採用」になります。

IT業界未経験の人が転職するのはかなり難しく、外部の検定試験や資格試験(※)を取得して、最低限のスキルがあることを証明しないと話にならないでしょう(それでも「実務経験」がないと多くの場合はお断りになります)。

これまでIT関連の仕事をしてきた人だけの「ボーナスステージ」とも言えそうです。

※例えば

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト
  • 情報処理安全確保支援士(旧称:情報セキュリティスペシャリスト)
  • ネットワークスペシャリスト
  • データベーススペシャリスト
  • エンベデッドシステムスペシャリスト
  • システムアーキテクト

などです。スキルさえあれば、30代はもちろん、40代の方でも歓迎されます。技術がものを言う業界になります。

【2019年版】転職や就職しやすい売り手市場の業界や職種7選 まとめ

  • 2018年の有効求人倍率は過去最高レベルであった
  • 非正規雇用だけではなく正社員の求人倍率も過去最高レベルで高く転職しやすい環境にある
  • 都市部、IT・建築、専門職の求人が多い
  • 2019年以降求人増が期待できる業種や職種がある
  • スキルを持っているITエンジニアに死角はない!
  • 単純事務の仕事は派遣社員などに奪われていて求人はあまりない
  • VR、AR、ドローンなどの新技術の求人に賭けてみるのも面白い

 

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