ワークライフバランスとは?意味や定義を図解!メリットと取り組み企業事例

かとぴー

ワークライフバランスを理想としてブロガー・ライターをやっていますかとぴーです。

理想とするワークライフバランスを実現するためには、価値観が合った環境で働くことが重要だと思います。しかし、会社の持つ価値観なんて

部署に配属されて初めて発覚したり、
転勤や異動によって環境が変わることで、

あっという間に真逆の価値観の環境へ入ってしまい、ストレスになることもあります。女性の目線・意見をこの記事で述べさせて頂いています!

最近盛んに叫ばれる「働き方改革」ですが、その達成目標は『「ワークライフバランス」の実現』ともいわれています。
今回、実際のワークライフバランスのホントのところを解説していきます。

これまで、転職したい人の目的は
・年収アップ
・スキルアップ
・自分のやりたい仕事の実現
など、キャリアを軸とした動機が中心でしたが、近年では「ワークライフバランス」を重視した転職動機が増えてきているんですよ。
この記事の最後ではワークライフバランスが実現できている、理想的なホワイト企業もわかるよ!
<この記事でわかること>

・ワークライフバランスは内閣府が推進している政策のひとつ
・ワークライフバランスとは「仕事」と「生活」の調和を意味する
・ワークライフバランスの実現には企業側と労働者のそれぞれの努力が必要

ワークライフバランスとは?ワークライフバランスの意味を図解

そもそも「ワークライフバランス」とはどういう意味なのでしょうか?

約5年前の政府の調査(※)では、「ワークライフバランス」という言葉について、このような回答結果でした。

・「言葉も内容も知っている」…20.8%
・「言葉は聞いたことがあるが、内容までは知らない」…34.4%
・「言葉も内容も知らない」…44.7%

※ 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に影響を与える生活環境に関する意識調査」|内閣府|平成24年

「ワークライフバランス」って言葉は聞いたことあるけど、具体的にはあんまりよくわかってないんだよね~

簡単にいうと、その英語の通り、ワークとライフのバランス、つまり「仕事と生活の調和、バランス」のことを指します。
ワークライフバランスが実現された社会

  • 経済的に自立でき、生活の基盤がしっかりしている
  • 家族との団欒や自分の趣味の時間も確保できている
  • 性別や年齢を問わず生活スタイルに応じた多様な働き方を選択できる
単純に「家庭」と「仕事」の両立、ということではありません。
自由に使えるお金と時間を確保しつつ、その時の状況に応じた生き方・働き方を選択できること。
それがワークライフバランスが整った状態ということなのです。
家族との時間を増やすために完全週休二日制の仕事に就くというのも一つの方法だよね。

ワークライフバランスを充実させるって、具体的にどういうこと?

そもそも、どうして今、政府がワークライフバランスを充実させようと取り組んでいるかといえば
日本人が働きすぎだからなんですよ。
日本人って、プライベートを楽しむことに罪悪感を感じてしまう変な風潮があるよね…

海外からも日本人が働きすぎということは問題視されています。過重労働によって、うつ病などの精神疾患や体の病気にかかってしまう人も後を絶ちません。

そして憲法第25条に定められている「健康で文化的な最低限度の生活」を送るには、仕事だけではなくプライベートの生活も充実させなければという考え方から、この「ライフワークバランス」を重視する政策が打ち出されました。

いくらライフワークバランスの充実を!って言ってても、
企業は「お上」が音頭を取らないと動いてくれないんだよね…
男性の育休など、制度だけ作っても他人を気にして有給休暇すら取れないのが日本人。だからこそ、政府も盛んにワークライフバランスの充実を推進しているのかもしれませんね。

内閣府では 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章 を掲げ、なかなか進まない労働環境の改善を後押ししているようです。
⇒仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章とは

なぜライフワークバランスが重要か?現代日本の問題点

とりわけ今になってワークライフバランスについての重要性が叫ばれているのはなぜでしょう?

それは人々の生活が多様化してきたことが背景にあります。現在の日本は一昔前と比べて価値観が著しく変貌し、それに伴い人々のライフスタイルも大きく変化しています。
しかし、企業や働く人の固定観念は変わらないまま。そこに問題があるのです。

では、今の日本社会が抱えている問題点を一つずつ考えていきましょう。

問題その1.仕事と生活が両立しにくいこと

ワークライフバランス・仕事と生活の両立
職場では忙しく、残業や休日出勤に追われ、家庭を顧みることができません。一方、高齢化社会の中で、特に主婦の方は家事や介護に追われ、家に縛り付けられています。ニートのように安定した仕事につけず、経済的に自立することができません。

働いている人も、家事をしている人も、働こうとしている人も、思い通りにならないこの現状を変えていく必要があります。

問題その2.正規・非正規雇用など働き方の二極化

正社員と非正規社員の断絶、非正規社員の増加によって、正規社員にかかる負担が増えて、残業、や休日出勤などで、仕事を長時間せざるを得ない状況に陥っています。こんな状態では、ライフの部分にかけられる時間がありません。

これを変えていく必要があります。

正社員だと負担が多いから、毎日残業続きで自分の時間が持てないのが辛い。
だけど、せっかく掴んだ正規雇用。派遣や契約社員になって不安定になるのは嫌だし、頑張るしか無いんだよね…

問題その3.共働きでも変わらない役割分担意識

ワークライフバランス・固定観念
昭和の時代のように「男は外で仕事、女は専業主婦」という固定的な性的役割分担が変わってきています。共働き世帯も増加し、共働きでないとやっていけない家庭も増えました。

一方で、職場や社会にはまだ男女の固定的な役割分担(男は外、女は家庭)を是とする意識が残っています。男性を長時間の仕事から解放し、家事を女性だけのものにすることを変えていかないと、現実に対応できなくなってしまいます。

かとぴー
私はインターネットの情報から女性が働きやすいランキング上位の会社へ幸運にも入社できたのですが、いざ配属した部署は職員が男性ばかり。結婚や出産を機に時短へ切り替えたり辞めてしまう女性がほとんどでした。

問題その4.少子高齢化と労働力の不足

仕事に時間や資源を費やされている状態では、結婚や子育てができなくなります。「家族との時間」や「地域で過ごす時間」を持つことが、健康で文化的な生活を営む上では重要であり、ライフへの時間が割けないと、少子化などにもつながってしまいます。

ボクの先輩でも、仕事が忙しすぎて出会いもない、結婚もできないって人がいっぱいいるよ。
男性でも女性でも、「働きすぎること」が結果的に少子化につながってしまってるんだよね…

少子高齢化の、人口減少時代では、社会全体として女性や高齢者の就業参加を促していくことが重要ですが、そのためには多様な働き方を認めて、働きやすい環境を作っていかなければなりません。そのため仕事と家庭のバランスが取れる状態を作る必要があります。

これらをまとめると、ワークライフバランスを推進すべき理由は下記のようになります。

ワークライフバランスを推進すべき理由

  • ・人生を充実させるには家事や育児など生活(の時間)も充実させることが大切である
  • ・仕事に追われて疲労するだけでは健康も害しかねないし生活も両立できず、人生の豊かさも実感できない
  • ・仕事も生活も両立させ、心身ともに健康的で充実した人生にすることが大切
  • ・それらの達成のためにはワークライフバランス(仕事と生活の調和)の実現が重要となる

ワークライフバランスとは

「仕事も生活も両立できて、人生が充実している状態」

であり、仕事と家庭の分断が大きい日本社会が陥っている危機を乗り切るためにも、「ワークライフバランスの実現」が重要となります。
ワークライフバランスの実現によるメリット

ワークライフバランスが実現すると、若い人も年配の方も、パパもママも、みんなの心が豊かになるんですね!

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章

日本人はキャッチフレーズやスローガンに弱いせいでしょうか、ワークライフバランス実現に向けて、政府は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」というものを定めています。

この憲章を宣言し、ワークライフバランス実現に向けて取り組みを行っています。

これは職場でも家庭でも実現しないとダメなんです!というのは言い過ぎですが、この理念はぜひ実現すべきだと思いますよ。

【仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章】

我が国の社会は、人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活が両立しにくい現実に直面している。

誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない。

仕事と生活の調和と経済成長は車の両輪であり、若者が経済的に自立し、性や年齢などに関わらず誰もが意欲と能力を発揮して労働市場に参加することは、我が国の活力と成長力を高め、ひいては、少子化の流れを変え、持続可能な社会の実現にも資することとなる。

そのような社会の実現に向けて、国民一人ひとりが積極的に取り組めるよう、ここに、仕事と生活の調和の必要性、目指すべき社会の姿を示し、新たな決意の下、官民一体となって取り組んでいくため、政労使の合意により本憲章を策定する。

ワークライフバランスの定義

憲章を読むと、ワークライフバランスを以下のように定義していることがわかります。

【ワークライフバランスの定義】

「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会

つまり、特に若者が経済的に自立できるような仕事があり、健康的に家族と一緒の時間を過ごせて、社会的文化的な活動に従事できる余裕があり、性別や年齢にとらわれず、子育てや介護などにも積極的にかかわれるような働き方です。

ブラック企業のような低賃金で長時間搾取する方法は否定されますし、男性も家庭のことを積極的に担うことを求めています。

単に残業時間が減り家に早く帰れるってだけじゃ、ワークライフバランスを実現したことにはならないんだね…。
家に帰っても奥さんや家族の人に全部任せて、寝ていたりゲームをしていたりしてちゃダメなんですよー。
家事を担う人の負担も分け合うのが本来の理念です。

ワークライフバランス実現のメリット

かとぴー
会社で仕事をしながら、私生活では自己実現が両立できる社会が広がったらいいですよね。ワークライフバランス実現を通して、会社とも長期間いい関係を作っていけるのではないでしょうか

ワークライフバランスが実現できると働いている人(労働者)と会社側(使用者側)双方にメリットがあります。そう、重要なのは会社にもメリットがあることなんです。

ワークライフバランス実現のメリット:労働者の場合

労働者側のメリット

  • しっかり休養ができ心身がリフレッシュできる
  • 仕事と家庭の両立ができ、子育て中もキャリアが断絶されない
  • 夫婦で家事や育児を分担できる
  • 家族の介護を行いながら仕事も継続できる
  • 空いた時間を利用してキャリアアップができる

会社での仕事時間が短くなるので、それを利用してそれまで一方的に家族(主に妻)が行っていたことを分業でき、結果的に妻も家庭から解放され、自身の仕事を始めキャリアアップに活用できるようになります。

ご主人の帰宅時間が早くなることによって奥さんもいきいきするという、WINWINの効果が期待できますね!

ワークライフバランス実現のメリット:企業側の場合

企業側のメリット

  • 従業員の健康上のリスクが減る
  • 従業員がリフレッシュできるので仕事中の効率も上がる
  • ブラック企業の烙印が押されなくなり、有能な人材の流出が防げる
  • 定時に終わらせるために、業務の能率、生産性が上がる

残業で社員を働かせて使い倒すよりも、休暇やリフレッシュを通して、パフォーマンスを上げて健康に働いてもらった方がトータルでは得なんです。

体調が良い状態でストレスなく働けるほうが、絶対に作業効率もアップするよねー

ワークライフバランスの意識調査 意識の違い・年代別

ワークライフバランスについて、政府や企業が掛け声をかけても、働いている当人たちの意識が旧来のままではなかなか変化が期待できません。実際のところはどうなのでしょうか?まず、年齢別の意識調査結果をまとめてみました。

やや古いのですが、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」|内閣府|平成20年

によると「仕事」と「家庭生活」のどちらを優先したいか、あるいは両方優先すべきか、という問いに対しての年代別の回答は以下の通りでした。

表1 年代別の仕事と家庭生活についての優先度  単位(%)
 年代仕事を優先すべき家庭生活を優先すべき両方優先すべき
20代2.416.325.5
30代1.620.727.7
40代1.419.325.0
50代2.817.520.9

約10年前の調査なので、そのまま年代が1つ上にスライドしている可能性があります。各年代で大きな差はありません。50代はさすがに昭和の価値観の人もいるようで、仕事人間も一定割合いますね。20代で仕事を優先すべきと回答した人がやや多いのは、まだ独身で就職したばかり、だから仕事を覚えないと、という意識の人がいるからなのでしょう。

この調査だけ見ると、ワークライフバランスを進めることに大きな抵抗はないように思えますね。

かとぴー
私は今年30歳になりますが、周りはバリバリ独身で働いている友人と、既に1,2人子供がいて、パートをしながら両立している友人と分かれています。年齢によっても理想とする状態は変化していきそうですね。

ワークライフバランスの満足度

もう1つ調査結果をお示ししたいと思います。これも同じ「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」|内閣府|平成20年 の結果なので、10年前のものになりますが、(10年前の)ワークライフバランスへの「満足度」について男女別、年代別に伺いました。その結果が以下です。

Q:「あなたのワーク・ライフ・バランス度を点数とすると何点ですか?」

(自己評価を100点満点で採点)

表2 ワークライフバランス度の自己評価(男女別)
男性48.7点
女性53.7点
男女別では女性の方がやや高い点数になっていますね。では、年代別ではどうでしょうか?
表2 ワークライフバランス度の自己評価(年代別)
20代50.8点
30代48.7点
40代51.2点
50代54.0点

この結果(あくまで自己採点ですが)からは、働き盛りの30代に仕事が集中していてなかなか家庭(ライフ)の時間が取れないこと、やはり男性に仕事の負荷が高いこと、が見て取れます。

「働き盛り」という言葉はいい意味だと思ってたんだけど…
昔はポジティブなものと捉えられてきましたが、現状ではワークライフバランスの実現が一番難しい年代でもあるようですね。

男女とも、どの年代も同じくらいの数字になり、かつ点数の底上げが必要ではないでしょうか。

ただし、上の2つの表は10年前の結果をもとにしています。さすがに、ここ10年で「ワークライフバランス」という言葉は浸透して、「働き方改革」も叫ばれるようになりました。悪化は・・していないとは思いますがいかがでしょうか?

ワークライフバランス実現のためにすべきこと

ワークライフバランスについていろいろわかったよ!
でも、具体的にどうすればいいんだろう?
ワークライフバランスは掛け声だけでは実現できません。
労働者にも、企業にも、それぞれで意識改善が必要ですね。

労働者の場合

1.仕事の短時間化、効率化を図る~自分自身の「働き方改革」


ワークライフバランス実現とキャリアアップは相反するものではありません。「仕事人間」になり残業をして休日も捧げることが、昇進の近道ではなくなっています。

社内の労働環境の改善を個人で行うのは難しいので、まず、ご自身の働き方をできる範囲で改善してみましょう。

【働き方改革:自身の心がけ】
・今日しなければならないこと以外は今日しない(残業をしない)
・アプリやアウトルックの活用などで時間を短縮する
・周囲の働き方に引きずられない

など、どれも簡単にできるものではありませんが、意識的に業務を改善してみましょう。

2.「定時に帰る曜日」を決めてみる


筆者の知人に外資系銀行勤務の人がいます。残業も非常に多く、終電やタクシー帰りも珍しくないのですが、ある曜日だけは定時に帰ると決めていて、それを実践しています。

上司や周囲の人にもそれを理解させ、「○○さんは△曜日は定時に帰る」という認識を共有させてしまいました。そうすると、不思議とその曜日だけは仕事が降ってこなくなったそうです。

みんながそれを実践すれば不要不急ではない仕事を振られることがなくなる、かもしれません。

かとぴー
週に1日だけは定時に帰る日を決めて、周りに宣言するようにしていました。
期限を決めることで、仕事への集中力があがる気がします。

企業側の場合

一労働者がワークライフバランス実現のためにできることは限られているため、やはり企業側の取り組みが大切になります。

1.業務の効率化

必要のない業務を改善して効率化していくことは、ワークライフバランス実現のための一丁目一番地でしょう。電子決済の導入や、業務の標準化、システム化などによっていらない仕事をどんどん削っていきます。

2.労働時間の管理

タイムカードは改ざんが簡単にできてしまいます。また、出勤簿に印鑑やサインをしている会社もありますし、出退勤の管理自体をしていない会社もあると聞きます。

社員のパソコンの電源と出退勤を連動させれば、タイムカードのように改ざんも起きにくくなりますし、サービス残業の抑制にも妻がります。

3.柔軟な働き方の制度化(フレックスタイム・テレワークの導入等)

フレックスタイム制は以前から知られていますが、最近はそれに加えて、在宅勤務を可能にする「テレワーク」を導入する企業が増えています。

在宅でPCなどを使って会社と連絡を取りながら進められる仕事があれば、子育てをしながらのキャリア継続も可能になります。

男性の育児休業率は現在5%前後だけど、テレワークが可能になれば在宅勤務を希望する男性も増えるんじゃないかな。子育てにとってはプラスだよね!

⇒テレワークについての詳細はこちら

4.育児介護休業制度の充実


社員を「雇用」しているのであれば、育児休業について権利として認める必要がありますが、もう一段育児休業(育休)を会社の特徴として充実させてみてはいかがでしょうか?
会社独自の育休期間の延長もそうですし、育児のための時短勤務制度をもっと(法律以上に)充実させれば、仕事と家庭の両立もしやすくなるはずです。

5.人事評価制度の見直し

日本の女性の就業率が「M字」なのは、子育て世代(30代~40代)では仕事との両立ができず、専業主婦を余儀なくされてしまうからです。また、育休を取ると実際の休業期間以上に昇進に不利になり、キャリア志向の女性は子どもを産まない、結婚もしないという本末転倒な現象も生まれてきています。

在宅勤務やテレワークなどを行っても、公正な人事考課でキャリアを継続できるようになれば、家庭と仕事を両立する女性も増加します。そうすることで、男性に負荷がかかり「仕事人間」にならざるを得ない現状も変わっていくはずです。

6.管理職の意識改革

部下は早く帰りたくてもそれを許さない上司はまだまだいます。

むしろ定時に帰っている部下は、時間内に終わらせているので、できる部下のはずなんですが、それを評価できるようにならないと残業体質は変わっていきません。

そのための管理職の意識改革ですが、合わせて本当に部下の仕事を「管理」できているのか、そうでないとこなせない仕事量を部下に任せてしまい大変なことになります。

企業ができることはとても多く、中小企業ならば社長の一存で大きく変わります。人がいないから制度を変えられないのではなく、制度を変えないから人が来ない、と考えるべきです。

うちの上司も同じ。さっさと仕事終わらせても評価してくれないんだ。
「残業して残っている人間」=「いい部下」「働いている」という認識を変えないと、ワークライフバランス実現なんて夢のまた夢だよ。

ワークライフバランス・企業の取り組み例

ワークライフバランス実現の重要性も、そのための方向性も何となくご理解いただけたと思います。しかし、実際にそれができている企業というのはあるのでしょうか?

あります。しかし、まだ少数派であり、それはあんなにもブラック企業がのさばっている現状を見れば残念ながら、まだまだ途上であると言わざるを得ません。

ワークライフバランスを実践しているのはこんな企業

政府広報にはワークライフバランス実現のために先進的な取り組みをしている企業が掲載されています。

政府広報オンライン「ヒントがいっぱい!ワーク・ライフ・バランス実践例」

どのようなことが、ワークライフバランス実践に当たるのか、上のHPをもとに列挙してみます。

企業のワークライフバランス実践例

  • 育児休業の充実(有給の部分を増やす、分割取得可能、男性も数日単位で可能など)
  • 妻の出産日前後に夫が休暇を取れる
  • 複数の短時間勤務パターンの整備
  • ボランティア休暇制度の創設
  • 社内保育園や子どもと接することができる部屋を作る
  • 業務の完全マニュアル化(仕事を属人的にしない)
  • キャリアアップのためのサポート(通信制大学や大学院進学を後押し)
  • 会議を夕方に設定しない
  • ノー残業デーを増やしていく

当たり前のこともありますが、その当たり前ができていないところがいかに多いかを実感させられます。

ワークライフバランスというと、出産・育児・介護などを考えがちですが、
キャリアアップのために大学、大学院や専門学校へ行くことと仕事を両立させることも、立派なワークライフバランスになります。

ワークライフバランスを実践できているのはホワイト企業ばかり

最後に代表的なワークライフバランス実践企業を紹介したいと思います。もちろん、そこへ転職を狙っていただいても構いません!

人材派遣会社ランスタッドが実施する「>Randstad Award 2018 ~エンプロイヤーブランド・リサーチ~」で認定された「ワークライフバランスが実現できる企業2018」ベスト10は以下の通りになりました。

表3 ワークライフバランスが実現できる企業ベスト10
第1位資生堂
第2位花王
第3位味の素
第4位アイシン精機
第5位豊田自動織機
第6位トヨタ紡織
第7位楽天
第8位パナソニック
第9位JXTGホールディングス(元新日本石油など)
第10位明治ホールディングス(明治製菓、明治乳業)

誰もが知っている有名企業が多く、特に食品メーカーや化粧品メーカーが多いです。人に触れるものを作っている企業は人にやさしいのかもしれませんね。

ワークライフバランス以外にも、働くために重要なポイントはあります。それら、総合的に「ホワイト」な企業については以下の記事を合わせてお読みいただければと思います。

以上、ワークライフバランスについて述べさせていただきました。

当初は「仕事と子育て、育児の両立」のイメージが強かったけど、思っていたのとずいぶん違うことがわかったよ。
ワークライフバランスとは勉強やそれ以外の余暇も含めて「自分の時間」を大切にする働き方。
独身・既婚問わず、プライベートを楽しんでください!

ワークライフバランスで誤解されがちなこと

ワークライフバランスを進めることは「◎」(正義)なのは言うまでもありませんが、誤解や勘違いもあります。ワークライフバランスを錦の御旗にしてもうまくいかないこともあります。注意すべき点として知っておきましょう。

ワークライフバランスでは娯楽だって立派な「ライフ」

仕事と「仕事以外の生活」の両立です。家事育児ももちろんですが、趣味や自己啓発、飲み屋で飲むことなども立派な「ライフ」になります!

ワークライフバランスのワークとライフは50%ずつ。50点ではダメ!

仕事は50点では不合格です。私生活を大事にするのと、仕事で手を抜くのは「トレードオフ」の関係ではないことに注意してください。ほかの社員に過度の負荷がかかっては、その人のワークライフバランスが破壊されてしまいます。仕事で合格点を取るのは最低ラインです。

「ゼロ残業」は数字上だけつじつま合わせをしてもダメ

見かけ上の残業を減らしても、持ち帰り残業や早出(本来は時間外手当の対象です!)になってしまうのは、某広告会社の例でも明らかです。

仕事の配分や業務の効率化を図らないと、結局個人にしわ寄せがきてしまいます。

業務分析をして業務改善し、余分な贅肉を削ぎ落して、結果的に残業がなくなればワークライフバランスを実現できるでしょう。

かとぴー

周りのSNSなどの情報に惑わされないために、しっかり自分の理想とするライフプランを3年や5年という長期スパンで立てた上でマッチする環境を探していくことが大事なんじゃないかなと思います。

この考え方は、『もしあなたが自分の人生の計画を作らなければ、おそらくあなたは誰か他の人の計画に組み込まれてしまうだろう。』思想家のジム・ローンの言葉にもメッセージとして込められています。

「これなら残業代もらって残業した方がマシ」では意味がないもんね。
「ワークライフバランス」は、あくまでも健康で文化的な生活をするための「手段」に過ぎない。
見かけ上の数字のための「目的」になっちゃダメなんだよ。

ワークライフバランスとは?意味や定義を理解! まとめ

まとめ

・ワークライフバランスは「仕事と生活の調和」を意味する
・ワークライフバランスの「ライフ」は家事・育児だけでなく余暇や趣味なども含まれる
・ワークライフバランスを実現するには社会全体の固定観念を変える必要がある
・ワークライフバランスの実現には労働者の意識改革、企業側の制度整備の双方が必要
・ワークライフバランスを実践しているのはやはり優良企業が多い

この記事のアドバイザー

かとぴー
三重生まれ愛知育ち/30歳独身女子ドローンライターです。おもしろいものやドローンを通した感動をお届けします。フリーランスです。運営ブログ⇒https://www.youme-kanatta.jp/

Twitter:https://twitter.com/katop_drone