退職前にしっかり有給消化しないと損

サラリーマンの誰もが一度は悩んだことのある有給消化問題。
会社の雰囲気的に、有給休暇が取りづらいという方も多いのではないでしょうか。

ましてや、退職と兼ねての有給消化の申し出などは、特に言いづらいかもしれません。

しかしその結果、本来であれば取得する権利がある有給を取得できないのは、もったいのない話です。
有給休暇は、会社で勤めてきた労働者の持つ、当たり前の権利であることを忘れてはいけません。

今回は、退職にあたって、有給休暇を確実に消化するための方法をお伝えします。

目次【クリックして移動できます】

有給休暇についての疑問をまずは簡単に解決してしまおう

ポイント 女性

有給休暇を取得するための具体的な話に入る前に、まずは有給休暇に関する疑問を解消しましょう。
有給消化に関する、代表的な疑問や質問をまとめてみました。

これを読めば、基本的な有給休暇に関する疑問は解けるはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。

有給休暇は何日取れるの?

有給休暇は何日取れるの?

有給休暇の取得可能な日数は、労働基準法を元に明確に定められています。
有給休暇は、雇用が開始された日から半年が経過した頃から付与されます。

また、勤続年数が長いほど、有給休暇の付与日数は増えていきます。
有給休暇は原則、いつでも取得することが可能だということは知っておきましょう。

そして、有給休暇は使用可能期限が2年と定められているため、2年以内の消化が必要となります。
2年を過ぎると、有給休暇は効力を失い、消失します。

有給休暇中はボーナスを受け取ることはできるの?

有給休暇中はボーナスを受け取れる?

これに関しては、会社によって対応はバラバラです。
貰えるかどうかは、ご自身の会社の就業規則を確認しましょう。

ですが、ボーナスに関しては「支給日に在職」とされていれば支給対象となります。

しかし、勤務実績で査定額が考慮されるボーナスの場合は、有給休暇を理由に減額されてしまう可能性もあります。
金額に関しては就業規則や関係部署に確認してみるといいでしょう。

有給消化はまとめてできるの?

有給消化はまとめてできるの?

原則として、有給休暇はまとめて取ることは可能です。

ですが、現実的に今の職場で取れるかというと、取りづらいというのが本音かと思います。

しかし、有給休暇は退職をしてしまうと無くなってしまいます。
そのため、最終出勤日までに使い切る必要があります。

在職中での消化が難しいようであれば、退職日までに消化できるように調整するようにしましょう。

有給休暇を買い取ってもらえるって本当?

有給休暇を買い取ってもらえる?

特例として、会社に有給休暇を買い取ってもらうことができる場合があります。

ですが、有給休暇の買取に関しては、労働基準法では原則認められていません。

では、どのような場合に買い取ってもらえるのか。
それは、あなたが有給を消化することで、会社側の業務に問題がある場合です。

そのため、基本的にこちらから申し出をして、許可されるものではありません。
状況によって、会社側からの申し出があります。

有給休暇は消化できて当たりまえ!確実に取る為に抑えるべき流れ

ポイント 女性

有給休暇は労働基準法により、労働者に与えられた権利です。
会社側にどんな事情があろうと、有給休暇は必ず消化できます。

ここからは、有給休暇を必ず消化するための手順をご説明します。

順序1:有給消化は事前準備が大切。退職の意思を伝える前に規則の確認を

いざ、有給休暇を取得しようと思い立った時に、いきなり上司に申し出をしてはいけません。
そんなに簡単に取れるものなら苦労しませんよね。

退職時に有給休暇をスムーズに取得するためには、相応の事前準備が必要です。
ここでは要点を細かく分けて、具体的、且つ丁寧にご説明します。

残された有給が何日あるのか確認する

まずは、あなたに付与された有給休暇が何日あるのかを調べましょう。

女性

事前に情報を揃えておくことで、こちらから話を切り出しやすくなります。
結果、あなたが主導権を持って、交渉を進めやすくすることができます。

有給休暇の確認は、給与明細や会社の勤怠システムなどから把握することができるかと思います。
分からなければ、上司や人事に確認しても良いと思います。

ですがこの際に、退職の意思があることは気づかれないようにしてください。
有給を取りづらいような対応をされてしまう可能性があるため、注意が必要です。

有給休暇は自身でも勤続年数から計算することができます。

勤続期間 6ヶ月 1年半 2年半 3年半 4年半 5年半 6年半
有給日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

有給休暇を取得するための条件を調べておく

有給休暇を取得するための条件

有給休暇を取得する場合、会社の就業規則を必ず確認しましょう。
有給休暇は、会社へ申請が必要な場合が大半です。
そのため、取得希望日の何日前までに申請が必要なのか、を把握する必要があります。

有給を消化する権利があっても、使用する条件を満たしていなければ消化ができません。
就業規則を盾に、はぐらかされてしまう危険性があります。

申し出前に退職することがばれないようにする

女性

退職を検討中に注意すべきことで盲点となるのが、周囲へ気づかれないようにすることです。

疑問 男性

なぜ、気づかれないようにする必要があるのですか?

女性

それは、上司に退職を申し出る前に、又聞きで伝わることを防ぐためです。
又聞きで上司の耳に伝わり、心象が悪くなることを避けたいのです

有給休暇の取得の前に、まず上司に退職の旨を伝えなくてはなりません。
その際、初めから心象が悪くては、スムーズに話が進みません。

そのため、できる限り上司に相談するまでの間は、気づかれないように配慮しましょう。

順序2:下調べが終わったら、直属の上司に退職の旨を伝える

取得可能な有給休暇の日数や、就業規則などの確認が済んだら、いよいよ上司に伝える時です。
まずは、上司に話合いの場を設けてもらわなくてなりません。
そのため、事前にメール等でアポイントメントを取りましょう。

女性

その際は、退職というワードは出さず、「折り入ってご相談したいことがある…」とだけ伝えれば大丈夫です。
初めから退職の話だとなると、話し合いがこじれる可能性があります。

また、話し合いの場には配慮をしましょう。
人気のない会議室など、周りに聞かれにくく、落ち着いて話し合える場所を選ぶべきです。

上司に伝えるタイミングは退職の1∼2カ月前

上司に伝えるタイミング

上司に退職の旨を伝えるのは、希望退職日の約1~2カ月前です。
就業規則を確認し、余裕を持った退職の申し出をしましょう。
退職にせよ、有給にせよ会社側との調整が必要です。

そのため、退職をする際はある程度の計画性が必要となります。
この時点で伝えるのは、退職の意図があるという話だけです。

退職日は引き継ぎと有給消化を考慮した設定を

退職日

上司に退職の旨を伝える際に決めておかなければならないことがあります。
それは、退職日です。

退職日は、引き継ぎに必要な期間と、有給休暇日数を考慮して設けてください。
なぜ退職日を事前に決めておく必要があるのかというと、後で不利になることがあるからです。

その不利になる可能性を秘めているのが、時季変更権という制度。
会社側が行使できる権利で、これを利用されると有給の取得が難しくなります。

時季変更権とは?

時季変更権

この時季変更権という制度。
これは、雇用者に有給休暇の申請をされた場合に行使できる制度です。
有給申請の時期が、会社の業務に支障をきたしてしまう期間の場合、会社都合で申請時期をずらすことができてしまうのです。

このことから考え得る最悪の事態が下記のようなケースです。

仮に8月末に退職する旨を7月1日に伝えたとします。
そして、有給を8月1日から取得したいと申請したとします。しかし、会社からは8月は人手がなくて忙しいから9月にしてほしいと言われてしまいました。
その際、もし9月1日から新たな職場決まっていれば、有給を消化することはできなくなってしまうのです。ですが、時季変更権は退職日を過ぎた日程の変更はできません。
そのため、あらかじめ退職日を伝え、合意が得られていれば時季変更は実質無効にできます。

だからこそ、有給の申し出のタイミングには細心の注意を払ってください。

独立行政法人労働政策研究  労働問題Q&A

有給消化の為に!しつこく退職を引き留められてしまったらきちんと断る

あなたが退職を申し出た際に、おそらく上司は引き留めてきます。
人材不足のご時世です。
貴重な働き手を失うわけにはいきません。

女性

ですがこの時に、あなたにもう働く気がないのであれば、冷静に断るべきです。
目的もなくダラダラと働くことになっても良いことはありません。

男性

その場できちんと断れるように、理由の準備が必要ですね。

順序3:上司の承諾を得ることができたら、有給消化の旨を伝える

ポイント 女性

上司に退職の旨を伝え、納得をしてもらうことができて初めて、有給の件を切り出しましょう。

先にもお話しましたが、時季変更権を行使されないよう、退職日にきちんと同意を得てください。

そして、ここで失敗をしないために、上司にはあなたが辞めた後も安心してもらえるよう配慮する必要があります。
引継ぎや、挨拶などあなたの後に残された人たちに対して、誠意ある行動を示しましょう。

具体的には、引き継ぎや挨拶を終えるための、スケジュールや資料の共有などです。
相手に、これ以上なにも言うことがない、と思わせることが理想です。

有給消化は権利。負い目を持つ必要はありません

ここまでに、なんとか有給休暇を取得できないかと画策してきました。

ポイント 女性

ですが、覚えておいて欲しいのは、有給は法律で定められた当然の権利であるということです。

上司に話すことが気まずかったり、同僚の目が気になったりするかもしれません。

しかし、それはあなたが悪いのではありません。
そのような社風を生んでいる会社の問題です。

ですから、負い目のあるような態度を取る必要は全くありません。
冷静に話し合い、事を進めていきましょう。

順序4:有給が取りづらい会社の原因を対処する

現実問題、まだまだ有給が取りづらい方は多いと思います。
その原因は、会社側にあるいくつかの課題をクリアしなくてはならないからです。
ここでは、その代表的な課題を例に、対処方法をお伝えします。

会社が有給休暇を取らせたくない理由

有給を取らせてくれない会社には、有給を取らせたくない理由があります。

例えば、

  • 人手不足で社員が1人でも抜けることが惜しい
  • 有給休暇にかける人件費がもったいない
  • あなた1人に許すと、事例となり他の社員の取得も促進される

などといったことが挙げられます。

女性

そのため、会社はあの手この手で邪魔をしてくる可能性があります。
次は、それぞれの課題に対する対処法をご説明します。

有給休暇の取得を妨げる原因の対処方法

有給休暇の取得を妨げる原因の対処方法

例1:時期変更権の行使

これに関しては、先にお話したように退職日を決めた上で、有給の話を切り出せば行使はされなくて済みます。

例2:就業規則をネタに脅してくる

退職の流れにおける手続きや、過去の失敗などを引っ張り出し、有給消化を諦めさせようとします。
ですが、規則違反と有給の使用には関連性がありません。
冷静にその事実を伝え、毅然とした態度で振舞いましょう。

違反や損害、損害賠償だという話で不安になってしまったら、そのまま労働基準監督署に相談してみましょう。
会社側には効力のない話であるかどうかの確認ができるはずです。

順序5:有給休暇取得後に給与の振り込みがあるかを確認すること

晴れて、有給を取得することができたら終わり…ではありません。

有給消化ですから、最後に必ずお給料が振り込まれているかを確認してください。

余程、悪質なケースですが、お給料を振り込まないという可能性もあるでしょう。
そのような事態が起きた場合はどのような行動が正しいのでしょうか?

お給料が振り込まれていない。その時に取るべき対応とは

給料が振り込まれていない場合

有給消化後、お給料が振り込まれていないことで考えられる可能性は2つです。

1つは、悪質な会社からの嫌がらせ。
そして、もう1つが単に業務上のミスの可能性です。

まずは、とにかく会社に連絡をしましょう。
その際、いきなり喧嘩腰ではいけません。
冷静な対応を心がけ、振り込まれていない旨を伝えましょう。

そこで、会社側の対応が不誠実だった場合は、然るべき行動が必要です。
振り込まれない場合は、当然お給料をもらう権利があるので、未払い問題となります。
ただちに、労働基準監督署に連絡をしましょう。

それでも取れない場合は内容証明を郵送する

内容証明

正式には、内容証明郵便といいます。
郵便サービスの1つで、郵便を出した日付、相手が受け取った日付などを、郵便局が管理し、記録してくれるものです。
主に損害賠償の請求や、未払いの代金になどに活用することが多く、最終手段といえます。

会社に内容証明を送る際は、下記の内容を明記し送付してください。

  • 退職日と有給消化の期間
  • 退職前のため、時季変更権の行使は不可能であること
  • 労働基準法119条にて、罰せられる可能性があること

ここまでやれば、確実に有給休暇は取得できます。

実際にここまでやり切るとなると、かなり面倒な事態です。
ですが、言ってしまえばもうやめる会社です。

有給はこれまでにあなたが勤めてきた正当な対価ですから、受け取る権利があります。
こちらが弱気になる必要は、何一つないのです。

有給休暇中の過ごし方と、休暇後に備えておくべきこととは

ポイント 女性

面倒事も落ち着き、有給を存分に満喫したい。
そんなあなたにおすすめの有給休暇の過ごし方を参考程度にお伝えします。

また、しっかり楽しんだ後には、どんなことをすべきかについてもお話したいと思います。

休暇中はまとまった休みでしかできないことがおすすめ

有給休暇中の過ごし方
会社員になると、なかなかまとまった大きな休みは取れません。
そのため、せっかくならまとまった休みを活用した過ごし方をしてみるのはどうでしょうか。

ベタかもしれませんが、

  • じっくりと1人旅をしてみる。
  • 挑戦してみたかったことに時間をかけてトライしてみる
    などなど。

長らく実家などに帰省できていなかった人は、実家でゆっくりと過ごすのもいいかもしれません。

有給休暇後の生活をイメージして、相応の準備をしておく

しっかりと遊ぶことができたら、有給休暇後の流れも考えなくてなりません。
余裕のあるうちに対策をしておきましょう。

まずは、今後どのようなスケジュールで活動するのかを考えましょう。
すぐにまた新たな仕事に就くのか、少し間を空けるのか。

すぐに転職を検討しているのなら、相応の準備が必要です。
転職サイトを活用したり、新たな転職に向けて自分の気持ちを整理したり。また、すぐに転職をしないのであれば、失業保険の手続きなどが必要になるかもしれません。
手続きには会社から交付される必要な書類などもあります。
そのため、どんな動きになるのかを事前に把握して、慌てずに済むようにしておきましょう。

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有給休暇は当たりまえの権利!しっかりと活用しよう

有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利です。
そもそも取れない、消化できないという会社が間違っています。

そのため、気まずいという理由で諦める必要はありません。
適切な段階を踏めば、確実に有給は取得することができます。

その分、引き継ぎなど、誠意ある行動を取ることも重要です。
あなた自身の持つ責任は、きちんと果たすようにしましょう。

有給休暇は過去に、あなたが会社で勤めてきたことに対する正当な対価です。
負い目は感じずに気持ちよく活用できると良いですね。

この記事を書いた人

しらぼーしらぼー

高知県在住のフリーランス。
過去には辻の料理学校を首席で卒業し、恵比寿の三ツ星レストランへ就職。
様々な経験を経て現在はライターや料理人もやっています。
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