
保育士は忙しい仕事といわれますが、プライベートの時間もしっかり確保したいものです。土日は休めるのか、夏休みやお盆休みはあるのか、有給休暇は取れるのか――。転職を考えている保育士にとって、休みは大切な判断材料です。
この記事では、保育園の休みの基本的な考え方、公立と私立の違い、年間休日の見方、産休・育休や有給休暇の制度、休みを取りやすい保育園の選び方を紹介します。
保育園の休みの基本的な考え方

保育園は「保護者が働いている間」子どもを預かる場所
保育園と幼稚園では、休みの考え方が違います。幼稚園は子どもの教育のための施設、保育園は保護者が働いていて子どもの世話ができない時間に、子どもを預かる施設だからです。
- 幼稚園:子どもの教育が中心。夏休み・冬休み・春休みがある
- 保育園:保護者の仕事にあわせて開いている。長期休みはない
保育園には、子どもの夏休みや冬休みがありません。保護者が働いている以上、子どもを預かる必要があるからです。まとまった休みが取れるのは、年末年始くらいという保育園が多いでしょう。

| 主な休み | |
|---|---|
| 幼稚園 | 土日、祝日、夏休み・冬休み・春休み、年末年始 |
| 保育園 | 日曜日、祝日、年末年始(土曜日も開いている園が多い) |
天候が悪くても休園になりにくい


ただし、保育園は学校ではないので、子どもに通園の義務はありません。保護者の判断で、子どもを預けない日をつくることはできます。

公立保育園の保育士の休み

公務員なので週休2日制
公立の保育園で働く保育士は地方公務員なので、休みもその自治体の公務員のルールにそって決まります。基本は週休2日制です。
土曜保育を行っている園では、土曜日に出勤する日もありますが、その場合は平日に代わりの休みを取るのが一般的です。土曜日は登園する子どもが少ないことが多く、交代で出勤することになります。

夏季休暇なども公務員のルールにそって取れる
公立の保育士は、自治体の公務員と同じように、夏季休暇などの特別休暇を取れることが多いでしょう。子どもの夏休みはありませんが、交代で休みを取るしくみになっています。
私立保育園の保育士の休み

休みの多さは保育園によって違う
私立保育園の休みは、園ごとの就業規則によって決まります。公立と同じくらい休みの多い園もあれば、休みの少ない園もあります。
年間休日の数から働き方をイメージする
求人票を見るときは、「年間休日」の日数に注目しましょう。たとえば、土日と祝日、年末年始が休みの会社では、年間休日は120日ほどになります。年間休日が少ないほど、土曜日などに出勤する日が多いと考えられます。
| 年間休日の目安 | 働き方のイメージ |
|---|---|
| 120日前後 | 土日・祝日にほぼ休める、または土曜出勤の分を平日に休める |
| 110日前後 | 月に1回ほど土曜出勤があるイメージ |
| 100日前後 | 月に2回ほど土曜出勤があるイメージ |
※上の表はおおまかな目安です。祝日の数や年末年始の休みの日数、夏季休暇の扱いによって変わります。

土曜出勤の日は調整できることも
土曜日は登園する子どもが少ないので、クラスごとではなく、出勤した保育士みんなで子どもたちを見ることが多くなります。そのため、誰が出勤するかよりも、何人出勤するかが大切になります。


ゴールデンウィークやお盆休みは園しだい
保育園は、ゴールデンウィークやお盆の時期も開いていることがほとんどです。祝日は休みでも、平日は通常どおり保育があるため、長い連休は取りにくいでしょう。ただし、登園する子どもが少ない時期に、交代で夏季休暇を取れる園もあります。

有給休暇は取れる?
有給休暇は、法律で決められた働く人の権利です。6か月以上続けて働き、決められた日の8割以上出勤すれば、正社員なら10日の有給休暇が与えられます。パートの人も、働く日数に応じて有給休暇があります。
また、2019年4月からは、年に10日以上の有給休暇がある人について、会社(保育園)は年5日を必ず取得させることが義務になりました。
それでも、保育士は人手が足りない園も多く、「休みたいと言い出しにくい」と感じる人もいるでしょう。計画的に休みを取れるしくみがあるかは、職場選びの大切なポイントです。

保育士の産休・育休

産休と育休の基本
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 産前休業 | 出産予定日の6週間前から(双子以上は14週間前から)、本人が請求すれば休める |
| 産後休業 | 出産の翌日から8週間。産後6週間は働くことができない(6週間をすぎて本人が希望し、医師が認めた場合は働ける) |
| 育児休業 | 原則として子どもが1歳になるまで。保育所に入れないなどの場合は最長2歳まで延長できる。男女とも取れる |
| 産後パパ育休(出生時育児休業) | 子どもが生まれてから8週間以内に、最大4週間まで取れる(2022年10月から) |
産休中は健康保険から出産手当金が、育休中は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。2025年4月からは、両親がともに14日以上の育休を取るなどの条件を満たすと、給付が上乗せされる制度も始まっています。
パートや契約社員でも育休は取れる
期間を決めて働いている人も、子どもが1歳6か月になるまでに契約が終わることが明らかでなければ、育休を取れます。ただし、労使協定によって対象外とされる場合もあるので、勤務先に確認しておきましょう。
産休・育休を理由にした不利益な扱いは禁止
妊娠・出産や、産休・育休を取ったことを理由に、解雇したり不利益な扱いをしたりすることは、法律で禁止されています。事業主には、マタニティハラスメントなどを防ぐ措置をとることも義務づけられています。

育休のあと、自分の子どもを保育園に預けて働くことになりますが、保育士の子どもが保育園に入りやすくなるよう配慮している自治体もあります。
子育て中の保育士が使える制度
育休から復帰したあとも、子育てと仕事を両立するための制度があります。
- 短時間勤務:3歳になるまでの子どもを育てる人は、1日6時間の短時間勤務を選べる
- 子の看護等休暇:子どもの病気やけが、予防接種などのときに休める。2025年4月からは、小学校3年生修了までの子どもが対象になった
- 残業の免除:2025年4月からは、小学校に入る前の子どもを育てる人が請求すれば、残業が免除される
保育士は自分の子どもも保育園に預けながら働くことが多い仕事です。こうした制度を実際に使っている人がいるかも、職場を選ぶときの参考にしましょう。
平日休みの保育園を選ぶのもあり

世の中には、土日に働いて平日に休む保護者もたくさんいます。私立保育園の中には、そうした家庭のために土日も保育を行っている園もあります。

平日休みなら、役所や銀行の用事をすませやすく、お店や観光地がすいているというメリットもあります。
休みを取りやすい保育園の選び方
- 年間休日の日数:120日前後かどうか、夏季休暇がふくまれているか
- 土曜保育の有無と出勤の回数:土曜出勤は月に何回か、代わりの休みはあるか
- 有給休暇の取得率:実際にどれくらい取れているか
- 職員の人数:配置基準より多めに保育士がいるか
- 産休・育休の取得実績:実際に取って復帰した人がいるか
保育士の配置基準は、2024年度から4・5歳児が30対1から25対1に、3歳児が20対1から15対1に改善されています。保育士の人数に余裕がある園ほど、休みも取りやすくなるでしょう。


休日出勤や持ち帰りの仕事に注意
保育士の休みを考えるときは、休みの日数だけでなく、休みの日に仕事をしなくてすむかも大切です。運動会や発表会などの行事の前には、休日に準備のために出勤したり、家に仕事を持ち帰ったりする保育士もいます。
園の指示で行う行事の準備や書類づくりは、本来は労働時間です。最近は、連絡帳や指導計画をパソコンやタブレットで作れるようにして、保育士の負担を減らしている園も増えています。面接では、次のような点も確認しておきましょう。
- 行事の準備は勤務時間内にできるか
- 持ち帰りの仕事はあるか
- 書類づくりにICT(パソコンやタブレット)を使っているか
- 休日出勤があった場合、代休や手当はあるか
休みが少ないと感じたときの対処法
まずは園に相談する
休みが少ない、有給休暇が取りにくいと感じたら、まずは園長や主任に相談してみましょう。シフトの組み方や土曜出勤の回数は、話し合いで調整できることもあります。
働き方を変える
正社員からパートに働き方を変えたり、土曜保育のない園や、土日保育を行う園に移ったりするのもひとつの方法です。自分が大切にしたい休みの形から、働き方を選んでみましょう。
転職を考える
相談しても改善されない場合は、転職も選択肢です。保育士専門の求人サービスを使えば、年間休日や有給休暇の取得率、土曜出勤の回数など、求人票だけではわからない情報を聞けることもあります。

保育士の休みに関するよくある質問
パートの保育士なら土日休みにできる?
パートの保育士は、働く曜日や時間を相談しやすい働き方です。平日だけの勤務を条件にした求人もあるので、土日に休みたい人は探してみましょう。ただし、土曜保育を行っている園では、土曜日に人手が必要なこともあるので、面接で確認しておくと安心です。
保育士の休みのまとめ
- 保育園には子どもの長期休みがなく、まとまった休みは年末年始くらいの園が多い
- 公立の保育士は公務員なので週休2日制。土曜出勤の分は平日に休む
- 私立は園によって違う。年間休日120日前後が、土日休みに近い働き方の目安
- 土曜出勤の日は、園によっては柔軟に調整できる
- 有給休暇は年5日の取得が義務。産休・育休は法律にもとづいて取れる
- 土日保育の園で働き、平日休みにするという選択肢もある
保育士の休みは、園によって大きく違います。求人票の年間休日や土曜出勤の有無をしっかり確認し、自分の生活に合った働き方ができる保育園を選びましょう。気になる園があれば、見学のときに職員室の雰囲気や、保育士の人数にも注目してみてください。休みを取りやすい園は、職員どうしが声をかけ合い、お互いに助け合える雰囲気があることが多いものです。