サービス付き高齢者向け住宅の介護士の仕事内容や流れを紹介!

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サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者向けの住宅に生活支援のサービスがプラスされた住居です。

当記事ではそんなサービス付き高齢者向け住宅に介護士として転職する際に知るべき仕事内容や業務の流れ、必要なスキル、給与などを紹介しています。

【この記事で分かること】

  • サービス付き高齢者向け住宅の詳細
  • サ高住の介護士の主な仕事内容
  • サ高住における1日の業務の流れ
  • サ高住の給料やボーナス
  • サ高住への転職方法

サービス付き高齢者向け住宅とは?

サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住と表記)とは、次の3条件に当てはまる住宅をいいます。

  • 高齢者向けの賃貸住宅である
  • 状況把握・生活相談・日常生活支援のサービスを提供する
  • 都道府県知事による登録を受けている

高齢者向けの賃貸住宅である

サ高住は、高齢者向けの賃貸住宅です。

ここでいう「高齢者」とは、介護保険の認定(要支援または要介護)の有無に関係なく60歳以上の人、または介護保険の認定を受けている60歳未満の人です。このいずれかの人が入居できます。

「賃貸住宅」とは、住居となる部屋や建物を貸してもらう代わりに毎月の賃料を支払う住宅のことです。全国にあるサ高住のほとんどはアパート形式の集合住宅ですが、わずかながら戸建てのサ高住もあります。

サ高住には、単身はもちろん夫婦での入居も可能です。

状況把握・生活相談・日常生活支援のサービスを提供

サ高住では介護士が1日一回以上の状況把握・生活相談・日常生活支援のサービスを提供します。

状況把握は安否確認とも呼ばれ、入居者の心身の状態や生活状況を把握することです。

生活相談とは、入居者の日常生活についての相談に応じ、必要な助言を行うことをいいます。

日常生活支援では、入居者が日常生活において自らこなすのが難しいことを介護士が支援します。具体的な内容は入居時の契約で取り決めます。

都道府県知事による登録が必要

サ高住を開設するには所在地の都道府県知事に申請し、登録を受けなければなりません。高齢者の住まいとしてふさわしいかどうかを審査するためです。

開設時の登録の後、5年ごとに登録更新をしなければなりません。5年の間にサ高住の状況が高齢者の住まいとしてふさわしくない方向に変わる可能性もあることから、都道府県知事によるチェックが必要だからです。

有料老人ホームもサ高住になれる

高齢者向け賃貸住宅のほか、有料老人ホーム(老人福祉法で定められた介護施設)もサ高住の登録を受けることができます。

ただその割合はサ高住全体のわずか9%と、とても少ないのが実状です。そのため、サ高住といえば高齢者向け賃貸住宅のことを指すのが一般的となっています。

サ高住運営の7割は介護系事業者

サ高住を運営する事業者の7割近くは、社会福祉法人や株式会社など介護系の事業者です。ほかには医療法人など医療系事業者が約15%、不動産業者が約8%などとなっています。

2020年3月末現在、全国には7,600棟のサ高住があります。入居者にとっての居心地はもちろんのこと、介護士としての働き心地もサ高住により様々です。サ高住への転職を考えるなら、仕事内容や労働条件はもちろん、職場の雰囲気や職員間の人間関係など、自分にとって働きやすい職場かどうかをしっかりリサーチしましょう。

サービス付き高齢者向け住宅の仕事内容

1日一回以上の入居者の状況把握を行う

サ高住の介護士は、入居者の状況把握(安否確認)を行います。介護士にとって一番基本的な仕事といえるでしょう。

状況把握は入居者が住宅内にいることを確認したうえで、歩きっぷりや物忘れなど身体や心の状態、日中に居室で何をしているかなど生活の状況を観察し把握することです。

状況把握には状況に応じた対応をすることも含まれます。たとえばホールで具合悪そうにしている入居者を居室まで誘導し、ベッドに寝かせ、様子を見るなどです。

もし受診が必要なら家族に受診同行を依頼することになります。

入居者からの生活相談を受ける

入居者からの生活相談を受けることも、サ高住の介護士の仕事のひとつです。入居者が心穏やかに生活できるようサポートすることも、介護士の役割といえるからです。

主に入居者の日常生活についての相談に応じ、必要な助言を行います。

相談を受けた介護士だけで助言が難しいときは、上司に相談に加わってもらう、あるいは家族も交えた話し合いを行うこともあります。入居者の生活上の悩みの解消や緩和に最もふさわしい方法を考えるわけです。

入居者への日常生活支援を行う

サ高住の介護士の仕事の中心は、入居者への日常生活支援です。

日常生活支援とは、入居者が日常生活において自らこなすのが難しい事柄を介護士がサポートすることをいいます。

国は、サ高住での日常生活支援サービスとして、次の4つを定めています。

  • 入浴・排泄・食事等の介護に関するサービス
  • 食事の提供に関するサービス
  • 調理・洗濯・掃除等の家事に関するサービス
  • 心身の健康の維持及び増進に関するサービス

これらはサ高住が入居者に提供できるサービスであり、入居者はこれらサービスすべての提供を受けなければならないものではありません。

たとえばひとりでトイレを済ませられる入居者は、排泄介助のサービスを受ける必要はありません。

介護保険サービスとの調整

介護保険の認定を受けている入居者は、介護保険の在宅サービスを使うこともできます。サ高住は住宅であり、入居者にとっての自宅といえるからです。

たとえば、ひとりで入浴できない入居者が介護保険の認定を受けていれば、介護保険の訪問介護サービスを使って、サ高住以外の事業所から来たヘルパーに入浴介助をしてもらうことができます。

もちろんサ高住の日常生活支援サービスである入浴介助を受けることもできます。

入居者が受けるサービスの具体的な内容は、介護保険の在宅サービスを使うのか、それともサ高住のサービスを使うのかも含め、入居時の契約で取り決めます。

料金でトラブルに発展することもある

ただ、介護保険の認定を受けている入居者だと、介護保険サービスとサ高住の日常生活支援サービスとが入り混じり、分かりにくくなるケースが多いです。

同じサービスでもどちらを使うかで料金も違ってきます。サ高住への入居に際しては、本人・家族・サ高住の担当者・在宅サービスを担当するケアマネジャーによる話し合いを行い、どんなサービスを使うか具体的にはっきりと決めておくようにしましょう。

たとえば日常生活支援を介護保険サービスで行うか、サ高住サービスにするかの仕分けがきちんとされていないと、料金が異なることもあり本人・家族とサ高住の間でのトラブルに発展するおそれがあるからです。

介護士にとって、こうしたトラブルは入居者へのケアをしづらくし、働きにくくさせるものです。新規入居者について日常生活支援の仕分けがきちんとなされているかどうかは、転職先のサ高住を選ぶ際の大切なポイントのひとつです。

サービス付き高齢者向け住宅の1日の仕事の流れ

ここまで、サ高住での介護士の仕事内容をトータルに見てきました。ここで介護士の1日の具体的な仕事の流れを時間を追って見てみましょう。

サ高住も、特別養護老人ホームや介護老人保健施設と同じく、早番・日勤・遅番・夜勤に分かれたシフト制の勤務です。

ここでは日勤帯の介護士の主だった仕事について、多くのサ高住で行われている標準的な流れを紹介します。

8:30:申し送り、当日予定の確認

夜勤者から日勤者への申し送りがされます。夜勤者は、夜勤帯に体調や行動の面で変化があった入居者を報告し、その入居者について日勤帯で行ってほしいことを依頼します。

たとえば、夜勤帯で熱発した入居者について、体温その他バイタルの変化、クーリングなど対応の内容、尿量など排泄状況、朝食時の食事と水分の摂取量などを報告し、日勤帯でも熱発が続くようなら受診を検討するよう依頼します。

事務担当者より当日の新規入居者や退去者、受診などで外出する入居者、ボランティアの来所などについての申し送りがされることもあります。

9:00:状態把握、入浴介助、臥床介助

各居室を回り、状態把握(安否確認)をします。

ひとりで入浴できない入居者への入浴介助を行います。入浴そのものの介助のほか、入浴してよいかを判断する事前のバイタルチェック、ひとりで更衣が難しい方への更衣介助、入浴後の水分補給の介助も含まれます。

入浴がなくしばらく臥床したい人については、居室に誘導して臥床の介助を行います。

10:00:おむつ交換

入浴がない人について、リハビリパンツやおむつの交換を介助します。

11:30:離床介助

臥床中の人を離床させ、食堂までの移動をサポートします。

12:00:昼食介助、口腔ケア

昼食の介助を行います。

昼食後の歯磨きや義歯洗浄などの口腔ケアを手伝います。

12:30:臥床介助

昼食後に臥床したい人について、居室へ誘導して臥床介助を行います。

13:00:休憩

介護士は交代で休憩に入ります。休憩時間は普通、1時間です。

14:00

居室の掃除を行ったり、入居者からの相談に対応したり介護記録を書いていきます。

13:00で休憩に入らない介護士は、このタイミングで交代で休憩に入ることも多いです。

15:00:離床介助、ティータイム介助

臥床中の入居者を離床させ、ホールへ誘導または移動介助します。

午後のティータイムで、お茶やおやつを摂る介助を行います。

16:00:おむつ交換

リハビリパンツやおむつの交換を介助します。

17:00:夕食に向けての離床介助、夜勤者への申し送り

臥床中の人を離床させ、食堂に誘導します。

夜勤者への申し送りを行います。

17:30:業務終了

以上で日勤帯の業務は終了です。サ高住によっては残業が発生することもあります。

補足:日常生活支援は外部サービスを導入しているサ高住もある

1日の流れを紹介しましたが、サ高住の人員の関係で日常生活支援を行わない施設も多いです。

全国の半数以上のサ高住では、併設の訪問介護事業所を設け、サ高住の職員と訪問介護事業所のヘルパーを兼任させています。

こうしたサ高住では入居者の9割以上を占める介護保険認定者への日常生活支援は、併設事業所のヘルパーが介護保険でサービスに入るのが普通です。併設の訪問介護事業所がないサ高住では、系列外の事業所のヘルパーを利用しています。

サ高住への転職を考えるなら、兼任ヘルパーとして食事・排泄・入浴などの介助を行って介護士のスキルを維持向上させるため、併設の訪問介護事業所があるサ高住を選びましょう。

サービス付き高齢者向け住宅で必要なスキルや資格

サ高住に転職する場合、介護士としてどのようなスキルや資格が必要になるのでしょうか。スキルと資格に分けて見てみましょう。

状況把握と生活相談のスキルが必要

サ高住で働くなら、入居者の状況把握と生活相談のスキルが必要となります。

サ高住の入居者は60歳以上の人、または重病を患う60歳未満の人です。こうした人たちは体調の変化が起こりやすいことから、その状況把握(安否確認)を欠かすことはできません。

また、サ高住入居者の7割弱が要介護2以下で、認定を受けていない自立の人も1割近くいます。

こうした人たちは判断力もある程度しっかりしていて、自分の今後のことなど生活上の悩みを抱えることが多いため、その聞き役となる存在が必要です。その役割がサ高住の介護士に期待されているわけです。

反対に、食事・排泄・入浴などの介助といった日常生活支援は、介護保険の訪問介護サービスの対応となるためサ高住スタッフが関わることは少ないです。

食事・排泄・入浴などの介助についてのスキルは、サ高住の介護士にはそれほど求められないといえるでしょう。

初任者研修修了資格以上が必要

サ高住に転職するなら、最低でも初任者研修修了資格が必要です。実務者研修修了資格があればなお良し、介護福祉士を持っていればベストです。

サ高住での仕事は状況把握と生活相談が中心とはいえ、入居者の身体に触れる介助を行うこともあります。たとえば廊下で座り込んでしまい動けなくなった入居者を抱き起して立たせる介助などです。

無資格では入居者の身体に触れる行為ができないためこうした介助を行えず、サ高住の戦力となれません。人事担当者も、採用に消極的とならざるを得ないでしょう。

サ高住入居者から生活相談を受けたとき、初めて聞く話だと、つい答えに窮してしまいがちです。逆に普段から入居者と言葉を交わし、悩みごとをある程度つかんでいると、いざ相談された時に的確な助言のできることが多いものです。サ高住への転職では、日常的に入居者とのコミュニケーションが取れることも大切な条件となってきます。

サービス付き高齢者向け住宅の平均年収(給与)は?

サ高住への転職を考えるとき、どの位の給与がもらえるかは切実な問題です。

民間の調査によれば、サ高住で働く常勤職員の平均月給は21万3,791円、非常勤職員の平均時給は1,098円とされています。

年収に直せば常勤職員で約256万円、非常勤職員で約232万円となります。ここにボーナスが加われば、施設によりますが年収300万を超える方も多いようです。

また、夜勤をすれば夜勤手当が付きます。金額は求人情報を見る限り1回当たり5,000円から8,000円という所が多いようです。

サ高住の給与を調べるには求人情報が参考になりますが、その場合、ハローワークでなく転職サイトを利用しましょう。ハローワークは内容の良し悪しを問わず求人事業所が出して来た求人票をそのまま載せるのに対し、転職サイトでは自社の信用にも関わるため良質な求人のみを載せるからです。

サービス付き高齢者向け住宅の仕事内容まとめ

サ高住の仕事内容を押さえた後は、転職先となる所を探しましょう。

その際は転職サイトの活用をおすすめします。中でも、「介護転職の地図」で紹介しているサイトは、求人の質も良く、アドバイザーによるサポートもしっかりしているのでイチ押しです。

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