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「転職活動」とは主に中途採用試験にパスして入社するまでの期間の活動のことを言います。が、自分の一生という観点から捉えた場合、「転職活動」は実は一つの通過点に過ぎません。

自分の一生においてより大切なのは「転職活動」ではなく、むしろ「転職後」です。
転職した後転職先の職場に溶け込み、周囲の協力を得ながら自身の経験や力を存分に発揮して転職先に貢献できるようになることが、中途採用試験にパスすること以上に重要であり、大切なことだと言えるのではないでしょうか。

a_085「転職後」を充実させるためには、そのスタートとなる初出勤日での挨拶で周囲に好印象を与えることがまずは大切です。何故なら「第一印象」はかなり長期にわたって人の印象や評価を左右し続けることになるからです。

そこでここではその第一印象を決めることになる初出社日での挨拶の仕方で成功できるよう、挨拶方法を例文を絡めて徹底的にガイドして参ります。

自分から挨拶することが鉄則

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挨拶の具体的な方法論や内容の前に、心掛けておかなければならないことが一つあります。

それは「こちらから声をかけて挨拶すること」です。
転職先では中途入社と言っても「新人」です。年齢に関係なく在籍している社員は全て皆さんより先輩格にあたりますので、第一印象を高めるという観点から勿論のこと、礼儀としてもこちらから挨拶をすることが筋と言えます。また初出勤日には、例えば朝礼などで自己紹介の挨拶を行う機会を上司が設けてくれていることは十分考えられますが、紹介されるまではこちらから挨拶をしないといった道理はありません。
むしろ、周囲から声をかけられるまで無言という方が「感じが悪い」行動となり、その感じの悪さが第一印象としてずっと付いて回ることになりますので、くれぐれもそうしたことにならないよう積極的に自分から声をかけて挨拶を行うようにしましょう。

好印象の源は「笑顔」と「明るさ」

第一印象を高める挨拶として不可欠な要素と言えるのが「笑顔」と「明るさ」です。

周囲に溶け込めるかどうか不安や緊張が特に高まりやすい初出勤日は、そうした緊張感や不安から表情が硬くなったり、強張ったりしがちです。また緊張や不安感と戦おうとすると、人によっては余計にこわい表情、もしくは怒っているような表情になってしまう場合もあります。

従って、挨拶する際には笑顔を作ることを特に意識することと、明るく振る舞うことを心掛けることが大切です。
もし上手く笑顔が作れないという方は、挨拶する場面で「緊張しているので顔が強張っていませんか」と軽く尋ねるようにしましょう。そうすれば互いにちょっとした笑いが取れますので、緊張感が和らぎ、自然な笑顔を出すことができるようになります。

話し声は大きめで、自分の名前は「ややゆっくり」がポイント

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聞き取りにくい声は不快!はっきりと大きめの声で挨拶することが大切!

挨拶を行う場合の声の出し方ですが、か細く、聞き取りにくい声で挨拶された場合には挨拶してきた相手に対して好印象を持つどころか、「イライラ」を感じませんか。

こちらから声をかけて挨拶しても、聞き返さなければならないような聞き取りにくい声では却ってマイナスです。絶叫する必要はありませんが、挨拶なら周囲に聞こえても恥ずかしい思いをすることは一つもありません。

普通の会話時より、幾分大きな声をだすこと、はっきりと言葉を伝えることを意識して挨拶するようにしてください。

名前は聞こえても誤解されやすいもの。ややゆっくりがポイント

大きめの声ではっきりと話せば、相手に自分の名前を正確に伝えることはできますが、相手が正確に憶えることができるかどうかは別問題です。

「すずきしろう」と大き目の声で伝えた場合でも、相手の先入観や聞き違いなどにより「すずきじろう」と受け止めてしまうことはよく起こります。

名前を正確に憶えてもらうことは第一印象に限らず、今後のコミュニケーションを円滑に行ってゆく上で大切な要素となります。

そこで、挨拶した相手が自分の名前を憶えやすいよう、自分の名前を名乗る場面では前後で一呼吸程度の間を入れた上で、より聞き取りやすくなるよう自分の名前はややゆっくりと読むように相手に伝えることがポイントです。

「す・ず・き」と一文字ずつ区切る必要まではありませんが、性と名は区切ることを意識してみるとややゆっくりとした伝え方になります。

また、自分の名前は言い慣れている分早口になりやすいので、とにかく早口にならないよう意識することもこの場面でのちょっとしたコツとしてぜひ憶えておいてください。

初出勤時の挨拶例文

では、初出勤日の朝礼時に挨拶する機会を設けてもらった場合、第一印象を高める上でどのような挨拶を行えば良いのでしょうか。

具体的な挨拶の内容やそのポイントを例文を通じて解説致します。

例文1

img_007「皆様お早うございます。本日からお世話になることになりました鈴木四郎と申します。

現在年齢は35歳、干支は○○○です。家族は妻と、親馬鹿で恐縮ですが可愛い盛りの3歳の娘が一人おります。

前職では営業職ではなく入社以来ずっとSEをやっておりましたが、SEの経験をもっと人と接する場面で役立てたいとの思いから心機一転、こちらで営業職の一員として再スタートを切らせて頂くことに致しました。

そのため、営業については右も左もわかりませんので、何かと御迷惑をおかけする場面もあるかと存じます。

ただ教わったことはしっかりと肝に銘じて、1日も早く戦力となって会社へ貢献できるよう精一杯努力して参りますので、ご指導や御助言のほど、どうかよろしくお願い致します。」

例文2

img_007「おはようございます。本日よりこちらの課にてお世話になることとなりました「鈴木次郎」と申します。

前職では○×業界において営業職に就いておりました。

しかし、営業職と申しましても業界や企業が異なれば、その方法や問われる素養は大きく異なるものですので、経験だけにとらわず、新人として一から営業を学びなおす所存です。そのためにもぜひ皆様の温かいご指導を頂ければ幸いです。

簡単に自身のことを紹介しますと現在30歳丁度で、独り身です。趣味であるサイクリングで休日はよく隣県まで出掛けておりました。もしサイクリングが趣味という方がおられましたら、休日の機会にでもぜひ御一緒させて頂ければと存じます。

ということで、多々至らない点があるかと存じますが、至らない面はどうかご海容頂きました上で、組織の一員として末永くお付き合い頂けますよう、ヨロシクお願い申し上げます。」

挨拶内容のポイント

簡潔、明瞭、謙虚が初出勤挨拶で不可欠な三要素

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挨拶内容で不可欠な要素とは簡潔であること、明瞭な内容であること、新人としての謙虚さがあることです。

逆に言えば第一印象を高める上で絶対に避けなければならない挨拶とは、その逆です。
だらだらと長い挨拶
例えば「粘り強い」と言いつつ「すぐ諦めてしまう」など合理性のない挨拶
新人であるにも関わらず謙虚さがなく傲慢な挨拶
は絶対に避ける必要があります。

親近感を持ってもらえるようプライベートな情報を少しだけ加える

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例文では自分の家族や趣味について簡単に触れていることが確認できますが、こうしたプライベート情報を少し加えると挨拶を聞いた周囲から親近感を持ってもらいやすくなります。

絶対に言わなければならないという要素ではありませんが、前職のキャリアや経験と入社後の抱負といった内容だけではありきたりで、あまり印象に残る挨拶にはなりにくいものです。

最初の挨拶は自身の個性を発揮できる場面でもありますので、積極的に挨拶に盛り込むことを検討してください。

野心を感じさせるような入社動機や入社後の目標はマイナス

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「入社後は目標を持って頑張る」程度のことを伝えることは構いませんが、例えば「役員に登りつめる」「必ずトップセールスマンになってみせる」といった野心的な目標を伝えることは周囲に良い印象を与えず、逆に「生意気なヤツだ」といった悪い印象に傾く可能性が高まります。
そうした野心的な目標は胸の内にしまっておくことが賢明です。

例文のように「精一杯努力する」「一から新人のつもりで学ぶ」といった謙虚さを重視した抱負で留めておくよう心掛けてください。

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