複数の企業から内定が出たとしても、選べるのはたった一社だけ。他の企業には内定辞退を伝えなければいけません。連絡しにくい気持ちはもっともですが、社会人として、きちんと辞退の意を伝えたいものです。
今回はケース別に、なるべく穏便に済ませられる就職内定辞退の方法を紹介します。どうやって断ろうか悩んでいる人も、これを読めば少しは気持ちが軽くなるのかもしれません。

内定辞退前に知っておきたい!断るときの常識

採用担当者からすると、内定辞退の連絡は決してうれしいものではありません。その連絡をする際には、普段以上に気を配る必要がありますね。いくつかのポイントを心得て連絡しましょう。

内定辞退連絡は何がベスト?

内定辞退連絡は電話がベスト!メールで企業とやり取りする機会が多いと内定辞退もメールでしてしまいがちですが、ベストは電話連絡です。なぜならメールや郵送での連絡は、相手が確認できていない可能性があるからです。
誠意を見せるという意味でも、電話がよいと言われています。
ただし、やむを得ない事情があったり、どうしても採用担当者と連絡が取れなかったりする場合には、メールを送るのもひとつの手です。

内定辞退はいつすべき?

採用担当者の事情を考慮すれば、できるだけ早く辞退を申し入れるべきです。しかし、本命企業の選考が残っているなど、まだ就職先が決まっていない場合には、結果を知ってから連絡してもいいでしょう。
返答期限が迫っている場合には、一旦連絡を入れて「保留」の意思を伝えれば、2週間程度は待ってもらえる可能性が高いです。その際に理由を聞かれたときには、「家庭の事情」などを口実にしましょう。
本当のことを伝える必要はありません。

内定辞退の理想的な時間帯は?

内定辞退を申し入れるときには、常識的に考えてビジネスマンが働く時間帯を選びましょう。10~12時、14~17時の時間帯が理想です。担当者が席を外しているようであれば、戻る時間を伺い、改めて連絡します。

内定承諾書にサインしたあとも辞退できる

企業によっては、内定を出すと同時に、内定承諾書の提出を求めてきます。書類にサインしてしまうと、内定辞退ができないと思われがちですが、民法上、正社員の場合は、勤務開始日の2週間前であれば、サインをした後でも内定辞退可能です。
意外と知らない人が多いので、覚えておきましょう。

これで完璧!電話・メール・手紙での内定辞退方法

ここまで確認したところで、実際に辞退の台詞や文面を考えましょう。

電話で内定辞退を申し入れる場合

電話で内定辞退を申し入れる際に、罪悪感でつい内定の理由や、本命の企業名を口にしてしまう人がいますが、これはかえってNG。深く突っ込まれる可能性があるので絶対にやめましょう。
採用担当者が電話口に出たらまずは内定のお礼を伝え、「検討しました結果、誠に勝手ながら辞退させていただきます。」とはっきり伝えます。
この後、担当者から辞退の理由や入社先を聞かれることがありますが、その時はやんわりと答えましょう。
「〇〇業界の会社から内定をいただきました。」「他社から〇〇の職で内定をいただいております。」くらいにとどめるといいですね。

折り返しや留守番電話の入れ方は?

架電した際に担当者が席を外している場合は、電話に出た相手から担当者の帰社時間を伺い、後からかけ直しましょう。この際、「失礼ですが、お名前を伺ってよろしいでしょうか?」と尋ね、電話に出た従業員の名前を確かめます。
また、留守番電話だった場合、メッセージに内定辞退の伝言を残すのは、大変失礼です。「先日御社から内定をいただきました〇〇と申します。内定通知の件でお電話させていただきました。改めて明日ご連絡いたします。」と残しましょう。
無言で切ってしまうのも、失礼にあたります。

メールで内定辞退する場合

メールで内定辞退を告げる場合には、件名から本文までをきちんと書きましょう。理想的な例文を紹介します。

メールで内定辞退する場合の件名

「内定辞退のご連絡」と誰でも内容がわかる見出しにします。

メールで内定辞退する場合の本文

〇〇会社 〇〇課
    採用担当 〇〇様

 先日、内定をいただきました(氏名)です。
 採用内定の通知をいただき、誠にありがとうございました。
 大変恐縮ですが、貴社の内定をご辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。
 (この後内定辞退の理由を書きますが、省略しても構いません。)
 貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このようなお返事となり、誠に申し訳ございません。
 本来ならば、直接お会いしてお詫び申し上げなければならないところ、メールでのご連絡となりますことをご了承いただきたく存じます。
 〇〇様をはじめ貴社の採用担当者の方々に大変お世話になりましたことを心より感謝しています。
 末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

 

手紙で内定辞退のお詫びを伝える

電話、またはメールで内定辞退を申し入れたら、そこで終了する人も多いですが、なかにはその後お詫びの手紙を送る人も見られます。内定承諾書にサインした後や研修を受けた後に辞退する場合は、手紙を送った方が賢明でしょう。
知り合いのツテで内定を得た人も同様です。

手紙には、縦書きの白い便箋を用意して、黒の万年筆、またはボールペンで書きましょう。間違っても、修正液は使用してはいけません。
ビジネスの手紙では「拝啓」から始まり、「敬具」でとじます。下記文章を参考にしてください。

拝啓

貴社ますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はお忙しい中、お電話を差し上げ、失礼致しました。
自身の進路についてあらためて考えた結果、誠に勝手ではございますが、貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。
(この後内定辞退の理由を書きますが、省略しても構いません。)
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このようなお返事となり、誠に申し訳ございません。
〇〇様をはじめ貴社の採用担当者の方々に大変お世話になりましたことを心より感謝しています。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具
平成〇年〇月〇日
(氏名)

まとめ

電話、メール、手紙、それぞれの内定辞退の方法を紹介しました。内定辞退した企業とは、仕事で顔を合わせる可能性も考えられるので、きちんとした対応でお互いに気持ちよくやり取りできるよう努めましょう。