
契約社員から正社員に転職したいと考えてる人は多いです。
そこで今回は契約社員から正社員に転職する方法や注意点、正社員になれる人となれない人の違い、ベストなタイミングなどを紹介していきます。
そもそも契約社員から正社員になれる?
結論から言うと、契約社員から正社員には問題なくなれます。
ただ契約社員から正社員に雇用される明確な基準というものはなく、企業によってルールが大きく異なります。
また、正社員雇用する予定があっても業績によって止む無く先延ばしにしたり、本人のスキル的にもう1年正社員の雇用を様子見する、という企業も多いです。
そのため、契約社員から正社員を目指す場合は、採用時に契約社員から正社員になるルールが明確な企業に転職するのが最適でしょう。
契約社員から正社員に転職したい人がまず知るべきこと
契約社員と正社員のそもそもの違い

対する正社員は「無期雇用契約」を結んでいるため働ける期間に定めがなく、企業が倒産でもしない限りは定年まで安定して働くことが可能です。
また、契約社員と違い賞与がある所が大半で福利厚生も充実しているので、将来の結婚や老後を考えた時にも正社員の方がはるかに有利でしょう。


契約社員から正社員に転職する方法
今の会社で正社員登用を狙う

無理に転職せずとも、今の会社でそのまま正社員登用を狙うのも一つの手です。
企業によっては優秀な契約社員は積極的に正社員として登用してくれるので、周囲を見て契約社員から正社員になった人が多いようであれば今の職場で頑張ってみるのもおすすめです。
ただ正社員登用制度はあっても実際はほとんど人が契約社員のまま使われていたり、そもそも制度がない企業もあるので注意して下さい。
契約社員として5年以上勤める

正確には正社員登用ではないのですが、契約社員として転職しても同じ会社に5年間雇用されていたら、正社員と同じ無期雇用になることができます。
無期雇用に転換されることによって、契約社員として勤めていても雇い止めの不安はなくなるので安定して長く勤められるようになります。
ただし、無期転換ルールの対策として、契約社員が5年勤める直前に契約を終わらせようとする企業も多いので注意が必要です。
「キャリアアップ助成金」を利用する企業に転職する
「キャリアアップ助成金」とは、有期雇用から正規雇用に転換すると、企業が国からお金をもらえる制度です。

要するに正社員にするともらえるお金を目当てに、正社員に転職しやすくなるのです。
たとえば中小企業が有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換すると、1人当たり数十万円の助成を受けることができます(金額は年度や対象者の条件によって異なります)。
助成金を活用して積極的に正社員化を実践する企業であれば、契約社員として転職しても十分に正社員への転換が可能でしょう。
逆に言うと助成金を受けるために本当は正社員として採用するつもりだけど、あえて最初は契約社員として採用する企業もあります。その場合も正社員化の可能性は極めて高いと言えます。
紹介予定派遣制度で転職する
紹介予定派遣とは、正社員などへの直接雇用を前提として派遣社員で最長6か月働き、その後に正社員として採用される制度です。
100%採用されるワケではないのがネックですが、高い確率で正社員になれます。
契約社員から正社員になるメリット

雇用の安定性が高い
無期雇用なので、基本的に会社都合での退職の心配はほとんどありません。
会社が倒産の危機にでもならない限り、将来にわたって長く働ける安心感があります。
スキルアップ・キャリアアップがしやすい
正社員として働いていると徐々に仕事の幅も広がるのでスキルが身につきますし、役職に就くチャンスもあります。
スキルが増えれば転職もしやすいですし、役職に就けば現職にいても給与の向上が望めますし、転職時もマネジメント枠での採用が狙えるでしょう。
このように正社員になることでキャリアアップしていくことができます。
年齢と共に給与が伸びていく
正社員は毎年昇給・昇格のチャンスがあるので、給与を上げていくことができます。
昨今では定期昇給は減りつつありますが、それでも勤続年数が伸びれば給与も上がる傾向にあります。
福利厚生が整っている
正社員は退職金や住宅手当、家族手当など、安心して長く働いてもらうための福利厚生が整えられています。
例えば契約社員の場合は長期で働いたとしても退職金がありませんが、正社員なら退職金があるのでその後の人生設計でかなり有利になるでしょう。
契約社員から正社員への転職の注意点や不利な理由
正社員になると年収や給料が減るケースもある
実は契約社員から正社員に転職しても、下記のような理由でむしろ給料や年収が減るケースもあります。
- 新卒1年目の年収で再雇用される
- 各種保険料や福利厚生の分、給料が減る
- サービス残業が増える
- 時給ベースだと他の正社員を超えるので再調整される
- 正社員雇用をチラつかせれば安い給料でも働いてくれる
- ダメなら新しい人間を雇えばいい
契約期間満了による解雇の心配はなくなったとはいえ、収入が減るようでは何のために正社員になったのかわかりません。
しかし、残念ながら契約社員から正社員になると給料が減ってしまう企業もあります。
もちろん賞与である程度は調整されるので大きく減少することはありませんが、昇給するまでは給料は減ってしまうでしょう。
そういうものと割り切って正社員になるか、現職の経験を加味して正社員で雇ってくれる企業に転職した方が良いでしょう。
正社員と違いキャリアにならないケースがある
契約社員としてやっている仕事内容によっては、転職する時にキャリアとして見なされない可能性があります。
正社員と同様の仕事をしている場合は良いのですが、データ入力や接客など誰でもできる仕事しかしていなかった場合、キャリアと見なされず転職がしにくい可能性があります。
契約社員から正社員への転職を目指すのであれば、その仕事内容が自分のキャリア形成にプラスになるかをしっかりと調べて、今後のキャリアプランを立てると良いでしょう。
逆に自分の中でキャリア形成の軸さえ考えていれば、契約社員だろうがフリーランスだろうが自分の足でしっかりと進んでいくことができます。
正社員雇用の条件や給与について答えない企業は危険
企業によっては正社員に転換した際の給与形態などを答えたがらないのですが、正直そのような企業は人材を大切にしていないので正社員になっても使い潰される危険性があります。
また、「契約社員として入社後、このような条件が揃えば正社員への転換が可能です」「転換実績は直近の年度で何人います」といった説明をしてくれない、ぼかすような企業も危険でしょう。
正社員になると以前より残業を課せられることがある
契約社員は正社員と違って無理な残業を課せられたりすることは少ないですが、正社員になると他の社員と同様に残業させられます。
たとえば会社が繁忙期に入ると、契約社員は定時に帰れても正社員は深夜残業や休日出勤をして必死に業務をこなしている光景を見たことがあるかもしれません。
しかし、正社員になれば自分も同様に深夜まで残業をしたり、休日出勤をして仕事を終わらせなくてはいけないです。
副業が禁止の場合もある
最近は正社員の副業がOKの企業も増えていますが、まだまだ多くの企業が副業不可の状態です。
その点、契約社員は副業を認められやすい場合もあります(いずれにしても就業規則で確認しましょう)。

正社員になると辞めにくくなる
正社員として勤めている人が退職しようとすると引き留められたり、トラブルになることが多々あります。
その点、契約社員は辞めると言っても引き止められることが少なく、有期雇用契約なので期間が満了して辞める分には何も言われることはありません。
なかなか会社を辞められずに退職代行サービスまで頼む正社員がいる中、何のあと腐れもなく辞められるのは、契約社員の大きなメリットです。
契約社員からの転職でよくある質問
契約社員にも転勤はあるの?
契約社員は転勤させられることがほとんどないので、入社した場所でずっと働き続けることができます。私生活を大事にする人にとって、これは大きなメリットと言えます。


正社員の場合は、東京本社に入社して都内に家まで新築しても、突然「来月から九州支社に行ってくれ」と言われてしまうことがあります。
全国に支社を持つ企業には、よくある話です。
仕方なく家を人に貸して数年間地方に住み、帰ってきたら新築の家がボロボロになってしまったという人などは、泣くに泣けないでしょう。
契約社員にボーナスは出るの?
契約社員の場合、労働基準法にもボーナスについての規定はないので、主張することもできません。

契約社員として何年か働き続けると、モチベーションを保つのが難しくなってくる可能性はあります。
契約社員の大きなデメリットと言えるのが、雇用の不安定さに続き賞与がないことによる収入の少なさです。
正社員のような段階を踏んだ昇給はないので「せめてボーナスぐらい」と思っても、ボーナスが出る企業はごくわずかです。
なお、2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行されたパートタイム・有期雇用労働法により、正社員との不合理な待遇差は禁止されています。賞与などに大きな差がある場合は、会社に説明を求めることもできます。
正社員に転職できる求人はどこを見ればいい?
正社員に転職をする求人を探すなら、転職サイトやハローワークなどを併用し、正社員登用の実績や条件をよく確認することをおすすめします。
求人票だけで分からない点は、面接の場などで「正社員への転換実績」「転換の条件」を具体的に質問してみましょう。
契約社員から正社員になれる人となれない人の違い
正社員になれる人
- 勤怠に問題がない
- 言われていない仕事もできる
- 他の正社員より結果を出している
- 周囲との人間関係が良好
- 今後も会社で働いて欲しいと思える人
- 残業も嫌な顔せず受け入れる人
契約社員から正社員になれる人は上記の条件を満たしている人が多いです。
正社員雇用はコストがかかるので、勤怠が守れているなど社会人として常識な事ができており、その上でこの人は正社員雇用してうちで確保しておきたい、と思われるような仕事ぶりを見せる必要があります。
正社員になれない人
- 遅刻や休みが多い
- 周囲との人間関係が悪い
- 会社よりプライベートが優先な人
- 言われたことしかできない人
- 別な人でも同じ仕事ができる
企業としては正社員として雇用するよりコストやリスクの低い契約社員で働き続けてもらった方が良いので、上記のようなネガティブな要因があればまず正社員にはなれないでしょう。
契約社員として働かせる方がデメリットが大きい、と思われるような人材になれば正社員になることができます。
契約社員から正社員に転職するときのベストタイミング
契約更新の時期
契約社員を辞めて正社員への転職を目指す人は、契約更新時期に合わせて転職をするのがベストの方法です。

契約期間を更新する際に何かしら上司から声がかかるので、そのときに「正社員の仕事に就きたいので、更新は考えていません」と伝えれば、スムーズに退職できるでしょう。
契約社員を辞めて正社員になりたいというのは、まったく正当な理由なので、会社としては文句のつけようがありません。
また、契約期間を更新する時点で、契約社員のうちの何人かが辞めるだろうということは、会社の方でも認識している筈です。こうしたさまざまな観点から、契約更新のタイミングでの退職が理想的です。
別な企業で正社員雇用が決まった時
正社員として内定した転職先で「すぐに来てほしい」と言われてしまい、「契約更新まで待ってください」と言えない場合には、会社と相談のうえで契約途中での退職を検討することになります。
有期契約の途中で辞める場合は、原則として「やむを得ない事由」が必要とされています(民法628条)。そのため、まずは「正社員として働ける会社が決まった」と正直に事情を説明し、合意のうえで退職できるよう相談しましょう。
会社に対して申し訳ないという気持ちをしっかりと伝え、引き継ぎにも誠実に対応することが大切です。
契約社員の転職に関するまとめ
契約社員はメリットもありますが、総合的に見れば間違いなく正社員の方が優れています。
正社員雇用は年を取れば取るほど難しくなるので、早い段階で動き始めることをおすすめします。
正社員の求人に応募したり、契約社員から正社員の雇用率が高い企業へ転職すると良いでしょう。